2017年10月22日更新

『これなら大丈夫?』実写化に耐えられそうなマンガまとめ

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実写化しても面白いマンガ原作はあるはず!

人気マンガが実写化されると毎度のことのようにファンからの悲鳴が聞こえてくる昨今です。どうやら原作漫画の世界観が現実から離れすぎていたり、キャラクターのビジュアルで人気を博しているマンガなどが実写化されると、そういう悲劇が起きるようです。 思い返せば、田原俊彦主演の「課長島耕作」(1992年)が炎上したという話は聞きませんでした。 近年のマンガ原作でヒットした映画を見てみると、「舞台が現代」で「人気をキャラクターのビジュアルに頼っていない」マンガが実写化に向いているようです。 そこで今回は上記の法則に合致した、実写化成功率の高そうな5つのマンガを挙げてみました。

『岡崎に捧ぐ』山本さほ(小学館)

『岡崎に捧ぐ』は作者の幼少時代からの親友「岡崎さん」との友情や思い出を描く自伝的なマンガです。 感覚的には『ちびまる子ちゃん』に似てるのですが、作者が小学生時代にスーパーファミコンやプレイステーションが出て来たりと、1990年代に少年少女だった人たちにヒットする内容になっています。2017年現在30~40代の人たちにとっての『三丁目の夕日』と言いますか、ある世代にとってはとてもノスタルジックな作品です。 実写映画になったら、劇場でたくさんの人たちが「懐かしいなあ」と思ってみるに違いありません!

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『げんしけん』木尾士目(講談社)

大学のオタクサークルを舞台にした物語です。2004年にはアニメにもなりました。 「げんしけん」とは「現代視覚文化研究会」の略で、つまりはアニメやマンガのことなんですが、彼らは何かしらの事情でアニ研などにもいられなくなった「オタクの中でも落ちこぼれ」的な人たちです。 2017年現在では、オタクであることもひとつの個性として市民権を得られたかのように思いますが、それでも何かしらの「好き」を極めたかれらの日常は非常に面白いです。 やがて物語はオタクの恋愛に触れていきます。奥手な彼らの恋愛に時にやきもきしながら、多くの観客が劇場で共感していくのではないでしょうか。

『バカボンド』井上雄彦(講談社)

『バカボンド』は吉川英治原作の小説「宮本武蔵」を原作とした井上雄彦のマンガ作品です。 原作小説のあるマンガですが、内容は武蔵の実の姉が描かれていなかったりと、井上雄彦独自のアレンジも加えられており小説の世界観を飛び越えています。 本作は冒頭で挙げた「舞台が現代である」という条件にはそぐわないものの、日本の映画と時代劇は切っても切り離せない関係にあることから、「実写化に向いている映画」として選出しています。 しかし2017年現在、時代劇自体はあまりつくられなくなりました。 映画自体がお金がかかるのに加え、時代劇はセットや衣装などにさらに予算がかかります。そのうえ、時代劇を見る世代が高齢になってしまっているのも原因です。しかし歴史や文化の面から見ても、時代劇が担う役割は未だ大きいと言えます。 そう言った事情を踏まえたうえで、本作の主人公・武蔵の剣術に対するストイックな姿勢や、武蔵を追いかけるヒロインのおつうの愛など、世代を選ばないメッセージが本作には多くつまっています。

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『サルチネス』古谷実(講談社)

『サルチネス』は『稲中卓球部』の古谷実の作品です。 働きもせず、修行と称して引きこもり生活をしてきた中丸タケヒコ(31歳)が、自分が妹を不幸にしていると知り、家出するところから物語は始まります。 古谷実といえば、2016年に『ヒメアノ~ル』が森田剛主演で映画になりましたね。森田剛の狂気の犯罪者の演技が話題になりました。 『サルチネス』は妹を大切に思う社会不適合者の兄の、社会的自立を目指す大冒険といいましょうか。非常識ゆえにすぐに人に迷惑をかけ、周りを巻き込み、変人扱いされるタケヒコですが、頭では常に妹の幸せを願い、そのためには自分はどうなってもいいとすら思っています。 タケヒコ自身は極端な例ですが、不器用で想いが伝わらないってことはよくあることです。そういった部分が多くの観客の共感を生むのではないでしょうか。

『SKET DANCE』篠原健太(集英社)

『SKET DANCE』は開明学園高等学校の学園生活支援部、通称「スケット団」の三人の活躍を描くマンガ作品です。すでに2011年にアニメになっている本作ですが、現代が舞台ですし、実写でも面白いと思うんですよね。 部長のボッスンこと藤崎佑助、ヒメコこと鬼塚一愛(ひめ)、スイッチこと笛吹和義のそれぞれに複雑な過去をもつ三人が、学園の事件を解決していきます。 複雑な過去を持つからこそ、問題を持つ生徒のそばに寄り添って問題を解決してあげることができ、スケット団をはじめ、彼らに関わる他の登場人物も個性的なキャラクターばかりです。 そして、多種多様なキャラクターが登場するからこそ、共感ポイントも多いのではないでしょうか。基本的に一話完結なので、映画というよりはテレビドラマ向きかもしれません。十代のアイドルやイケメンを起用して、フレッシュなドラマを見てみたいなあという気がします。

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マンガが実写になること自体悪いことではない!

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「好きな映画が実写化」ということ自体に拒否反応を示す人も多いようですが、マンガが実写化されること自体は悪いことではありません。日本の映画史を見ても、マンガ原作でヒットした映画はたくさんあるわけですから。 しかし、ファンのイメージと違ったり、実写化するにあたり不自然な改変を加えられたりすると、前述したように原作ファンからのクレームが多くなるようです。 一方、「実は実写化してほしいんだけど、反対派の意見が怖い」と実写化の声を出せないファンもいる気がします。マンガを読みながら「このキャラを、あの俳優さんがやったら素敵なのに……」と妄想するなんて誰だってするのではないでしょうか。 映画は限られた時間で、製作者のメッセージを描くメディアです。対してマンガは長い連載の中でメッセージを明らかにしていく部分があります。 なのでマンガのメッセージをうまく汲み取り実写にすれば、拒否反応も幾分か和らぎ、映画としての説得力のある実写作品ができるのではないでしょうか。