映画は大人気だけど原作は?アメリカン・コミック基礎知識【DC、マーベル以外の映像作品も】

2017年12月8日更新

マーベルやDCコミックの実写映画が人気を博し、原作に興味を持っている人もいるのではないでしょうか。今回は、アメリカン・コミックの基礎知識やDC、マーベル以外の出版社の作品をご紹介します。

映画が大人気のアメリカン・コミック、原作はどんなもの?

一連のMCU作品やDCEU作品など、アメコミ原作の実写映画が人気となっています。そんななか、原作コミックに興味を持ち始めている方も多いのではないでしょうか。 しかし、日本のマンガとは仕組みも違い、独特な絵柄のアメリカン・コミックはとっつきにくい印象があるかもしれません。 そこで、アメリカン・コミックの歴史や仕組みなど、基礎知識を知っておきましょう。 また、マーベルコミックとDCコミック以外の出版社と、その映像化作品もご紹介します。

日本のマンガとはかなり違う!アメコミの仕組み

アメリカン・コミックはどう作られる?

日本のマンガは、基本的にひとつの作品を1人の作者がストーリーを考え、作画をし完成させます。また、一般的に作品の著作権は作者にあります。 それに対しアメコミは、ストーリーを考える原作者と、それをコミックの形にする作画家が別々なのが特徴です。 ですので、同じキャラクターのシリーズであってもエピソードごとに原作者やアーティストが違うことも珍しくありません。 また、その仕組みのため原作者や作画家が亡くなっても、シリーズがつづくことも普通です。 慣例として、作品やキャラクターの著作権は出版社に帰属します。

出版形態も日本とは大きく違う!

通常、日本のマンガは月刊誌や週刊誌に連載または読み切りの形で掲載され、その後単行本化されます。 しかしアメリカン・コミックはレギュラー・シリーズと呼ばれるフルカラーの薄い月刊誌に連載されます。 アメリカではコミックブック、日本ではリーフと呼ばれるこの月刊誌には、1タイトルのみが22ページ掲載され、残りの10ページほどは広告欄や読者欄になっています。 これらのリーフは基本的に単行本になることはなく、一部の人気作のみがペーパーバックにまとめられる程度です。

1986年に出版された『バットマン:ダークナイト・リターンズ』で、初めてプレスティージ形式と呼ばれる大型本が登場しました。 プレスティージ形式は、通常のコミックブックよりも厚い48ページから72ページの長さで、光沢紙を使い、背表紙とカバーが付いています。 この形式で出版されるのは、人気シリーズの一部か独立作品です。独立作品の場合は、より高い年齢層向けのグラフィックノベルとして発表されます。 日本で翻訳出版されるものは、ほぼ全てこのプレスティージ形式のものと言っていいでしょう。

アメリカン・コミックの歴史とは?

最初のアメリカン・コミックは、1842年に出版されたスイスの漫画家ロドルフ・テプフェールの作品を翻訳した海賊版『The Adventures of Mr.Obadiah Oldbuck(オバディア・オールドバック氏の冒険)』と言われています。 この時代を「プラチナ・エイジ」と言い、それ以降アメリカで作られたコミックをアメリカン・コミックと呼ぶようになりました。 アメコミの歴史は、時代別に区分して以下のように考えられています。

ゴールデン・エイジ(1920年代〜1951年)

アメリカのコミックブックは、新聞に連載されていたコマ漫画を薄い冊子にまとめたものから始まりました。 1933年に出版された最初のコミックブックは、広告紙を折り重ねた8ページの冊子で、これが現在までつづいている形式の始まりだと言われています。 1934年にはDCコミックスの前身であるナショナル・アライド出版社が設立され、翌1935年には冒険物と探偵物を中心とする「New Fun Comics」シリーズを発表しました。

1938年に同社が出版した「Action Comics」第1号で、世界で最初のスーパーヒーロー、スーパーマンが登場します。続いてバットマン、ワンダーウーマン、フラッシュ、グリーンランタンがデビュー。 1939年にはマーベル・コミックの前身、タイムリー・コミックスが発足。キャプテン・アメリカなどがデビューします。 その後、スーパーヒーロー物は第二次世界大戦中に特に人気となり、黄金時代を迎えました。 しかし、戦争が終わるとスーパーヒーローコミックは読者が激減し、ティーン・ユーモアやディズニーなどのファニー・アニマル・コミック、SFや西部劇などの新たなジャンルが確立されます。 その結果、ごく一部を除いて多くのスーパーヒーロー物が淘汰されてしまいました。

シルバー・エイジ(1950年代中頃〜1960年代中頃)

1950年代中頃にテレビシリーズ『スーパーマン』が人気を集めたことで、各出版社がスーパーヒーロー物の復活を試みました。 1956年にナショナルから出版された「Showcase」で『ザ・フラッシュ』が復活によって、第2次スーパーヒーローブームが起こり、アメリカン・コミックはシルバー・エイジを迎えます。 1961年、原作者兼編集者のスタン・リーと作画家兼共同原作者のジャック・カービーが生み出したマーベルの『ファンタスティック・フォー』は、ヒーローたちの人間的な悩みや私生活を描き、後の多くのコミックに影響を与えました。

コミックス・コード(1940年代後半〜1950年代前半)

この時期、過激な暴力表現を含んだ作品群を出版していたECコミックの大成功に伴い、アメコミ全体に恐怖漫画や犯罪実録物が増えました。 そんななか、政治家や活動家の間でコミックは青少年の非行を招くとして規制の動きが勃発し、一部の地域ではコミックの焚書が行われるなど、モラル・パニックが起こりました。 その結果、1954年にナショナルやアーチー・コミックスなどの出版社がコミックス倫理規程委員会を設立し、厳しい自主規制ガイドライン「コミックス・コード」を作りました。 この規定に従った承認シールは、販売されるほぼ全てのコミックに貼られるようになります。

ブロンズ・エイジ(1970年代前後)

この時期、とくにDCやマーベルなどのメインストリーム・コミックで、人気作家たちの移籍や世代交代などの変化が始まります。 同時に、西部劇などの非スーパーヒーロー作品のブームや、「スパイダーマン」など人気作品で主要キャラクターの死や社会問題を取り扱うなど、新たな動きが起こりました。 1971年には「コミックス・コード」が緩和され、よりダークになったバットマン作品や基本設定が変更されたスーパーマン、ワンダーウーマンなどが発表され、これらの緩やかな変化をブロンズ・エイジを呼びます。

モダン・エイジ(1970年代〜)

70年代から、コミックブックは多くの号を読者に購入させるために、よりストーリーが複雑に、長くなっていきました。 80年代中頃から後半にかけて、DCコミックから出版された『バットマン:ダークナイト・リターンズ』(1986〜)や『ウォッチメン』(1986〜1987)は、それまで以上の暗い雰囲気が受け、他の出版社の作品にも影響を与えます。 その結果、『ウルヴァリン』(1982〜)や『パニッシャー』(1986〜)、『スポーン』(1992〜)などのアンチヒーロー物の人気が高まりました。 また、70年代後半からはアーティスト個人が所有するベンチャー会社などからインディペンデント系コミックが登場し、よりアートとしてのアメリカン・コミックを確立させていきました。

スーパーヒーロー物を読むときに注意することは?

スーパーヒーロー物のコミックの多くは「マルチバース」と呼ばれる前提を持っています。 マルチバース、または多次元宇宙論とは複数の宇宙の存在を仮定した理論物理学の論説です。 アメリカン・コミックの世界では、複数の宇宙が存在し、そこには同じような人物が生活しているという設定が多くあり、別々のユニバースに住むキャラクターは、完全に同じ人間ではありません。 例えば、「スパイダーマン」を中心とした「スパイダーバース」と呼ばれる作品群には、ピーター・パーカーではなくグウェン・ステイシーがクモの能力を手に入れ、スパイダー・グウェンとして活躍するシリーズもあります。

DCコミックスの代表的な映像化作品

世界最初のスーパーヒーロー!スーパーマン関連

1950年代に、アメリカン・コミック復権のきっかけとなったのは、ジョージ・リーヴス主演のテレビシリーズ『スーパーマン』(1952〜1958)です。 その後1978年から1987年にかけて、クリストファー・リーヴ主演で4本のスーパーマン映画が製作されました。

また、2006年に公開された『スーパーマン リターンズ』では、主演のブランドン・ラウスが多くの人の記憶に残っているリーヴに似ていると話題になりました。 テレビシリーズでは、スーパーマンことクラーク・ケントとロイス・レーンの関係にフォーカスしたラブコメディ『LOIS & CLARK/新スーパーマン』(1993〜1997)や、スーパーマンの少年時代を描いた『ヤング・スーパーマン』(2001〜2011)などが有名です。

時代とともにシリアスな雰囲気になっていった…バットマン関連

バットマンの最初の映像化作品は、1943年の映画『The Batman(原題)』です。その後、続編の『Batman & Robin(原題)』(1949)も製作されました。 1966年にはアダム・ウェスト主演の映画『バットマン/オリジナル・ムービー』が公開され、その後同じくウェスト主演でテレビシリーズ『怪鳥怪人バットマン』(1966〜1968)が放送れました。 このテレビシリーズはコメディ色の強い作品で日本でも人気を獲得し、多くのおもちゃが発売されています。

1989年にはティム・バートン監督、マイケル・キートン主演の『バットマン』が好評を博し、1992年にはその続編『バットマン リターンズ』が公開されます。 その後、ジョエル・シューマッカー監督の『バットマン フォーエバー』(1995)、『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』(1997)が公開されますが、酷評されてしまいました。

2005年にクリストファー・ノーラン監督を迎えた「ダークナイト」三部作は大好評を博し、バットマンの人気を再確立します。 また2014年からは、ブルース・ウェインがバットマンになる以前の物語を、刑事ジム・ゴードンの視点から描いたテレビシリーズ『GOTHAM/ゴッサム』が放送中です。

ヒーローたちの新章が始まるDCエクステンディッド・ユニバース

2013年から始まったDCエクステンディッド・ユニバースは、DCコミックスのスーパーヒーローやスーパーヴィランたちが同じユニバースで活躍する一連の作品群です。 これまでに、ヘンリー・カヴィル主演の『マン・オブ・スティール』(2013)、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)、『スーサイド・スクワッド』(2016)、『ワンダーウーマン』(2017)が公開されています。 2017年にはDCコミックスのヒーローたちが集結する『ジャスティス・リーグ』も公開されました。 今後もバットマンやフラッシュ、アクアマン、シャザム、グリーン・ランタン、サイボーグなどの単独映画の公開が予定されています。 また、『ワンダーウーマン2(仮題)』などの続編や、『ゴッサムシティ・サイレンズ(仮題)』などのスピンオフ作品の製作も発表されました。

映画作品群とは別物!DCドラマ・ユニバース

映画のDCEUとは別に、DCコミックスのスーパーヒーローを主人公としたDCドラマ・ユニバースも2017年現在放送中です。 2012年からグリーン・アローをモチーフとした『ARROW/アロー』の放送が開始され、人気となったのをきっかけに、『THE FLASH/フラッシュ』(2014〜)や『SUPERGIRL/スーパーガール』(2015〜)など、同じユニバースの作品が放送されています。 また、『ARROW/アロー』や『THE FLASH/フラッシュ』に登場したその他のヒーローやヴィランがチームを結成するスピンオフ、『レジェンド・オブ・トゥモロー』も、2016年から放送が始まりました。

マーベル・コミックの代表的な映像化作品

親愛なる隣人、スパイダーマン関連

マーベルヒーローの中でも最も高い人気と知名度を誇るスパイダーマン。その最初の映像化作品は1967年に製作されたアニメーション作品です。 その後、1977年に全15話のテレビシリーズ『The Amazing Spider-Man(原題)』が放送されましたが、主要なキャラクターやヴィランがほとんど登場しない、原作とは大きく異なるものでした。 1978年〜1979年にかけては、東映がマーベルからキャラクター権利を借り、日本完全オリジナルの特撮テレビシリーズが製作・放送されました。 1980年代からは断続的にアニメーション作品が作られ、2017年からはリブート版となる新シリーズ『マーベル スパイダーマン』が放送されています。

実写映画では、2002年から2007年にかけてサム・ライミ監督の「スパイダーマン」三部作が公開され、世界中で人気に。 さらに、2012年にリブート版『アメイジング・スパイダーマン』、2014年にはその続編『アメイジング・スパイダーマン2』が公開されますが、三部作の予定が興行が振るわなかったため2作で打ち切られてしまいました。

2016年、スパイダーマンの映画化権を持っているソニー・ピクチャーズがマーベルとパートナーシップを組み、スパイダーマンは『シビル・ウォー:キャプテン・アメリカ』で満を持してMCUに参戦することになります。 2017年には待望のリブート作品『スパイダーマン:ホームカミング』が公開され、本格的にMCUの一員となりました。

善悪入り混じるミュータントたち「X-Men」シリーズ(2000年〜)

人気キャラクター、ウルヴァリンを中心として2017年までにスピンオフを含めて9作品が公開された「X-MEN」シリーズ。 多少の関連性はあるものの、それぞれが独立したストーリーを持つアンサンブル・シリーズとなっています。 2000年代から始まったアメコミ・ヒーロー映画ブームの先駆けとなったシリーズで、2017年にはウルヴァリン役を務めてきたヒュー・ジャックマンが同役からの引退を発表し、最後の作品『LOGAN/ローガン』が公開されました。 「X-MEN」シリーズ自体は今後もつづき、2018年には『X-MEN:ダーク・フェニックス(原題)』、2019年には人気キャラクターの単独映画『ガンビット(原題)』の公開も決定しています。

マーベルヒーロー大集結!マーベル・シネマティック・ユニバース(2008〜)

2008年の『アイアンマン』から始まったマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は、キャプテン・アメリカやマイティ・ソーなど、各ヒーローのバックグラウンドを単独映画で丁寧に描いていきました。 その後2012年に最初のクロスオーバー作品『アベンジャーズ』が公開され、その後も続々と人気作品を映画化。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)や『ドクター・ストレンジ』(2016)など、新たな仲間が増えていっています。 今後も『ブラック・パンサー』(2018年公開予定)や『キャプテン・マーベル(原題)』(2019年公開予定)など、新たなヒーローが紹介される予定です。

DCとは対照的に、MCUにはテレビシリーズも含まれており、『アベンジャーズ』(2012)などにも登場するコールソン捜査官が所属する「S.H.I.E.L.D」の面々の活躍を描いた『エージェント・オブ・シールド』の放送が2013年から始まりました。 また、Netflixオリジナルシリーズとして『デアデビル』(2015〜)、『ジェシカ・ジョーンズ』(2015〜)、『ルーク・ケイジ』(2016〜)、『アイアンフィスト』(2017〜)が製作・配信されています。 それら4作品のクロスオーバー、『ディフェンダーズ』(2017〜)も話題になりました。

初のR指定アメコミ・ヒーロー映画『デッドプール』(2016)

マーベル・ヒーローのなかでも、クレイジーかつコミカルなキャラクターで人気のデッドプールは、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009)に登場したものの、原作とはかけ離れた姿で大不評を買ってしまいました。 しかし、2016年に公開された単独映画では原作に忠実な姿や性格となり、アメコミ・ヒーロー映画初のR指定作品でありながら、大ヒットを記録します。 2018年には続編『デッドプール2(仮題)』の公開も予定されており、期待が高まっています。

アーチー・コミックスの代表的な映像化作品

アーチー・コミックスは1939年に設立された老舗のアメコミ出版社で、主にティーン向けのコメディ作品を出版しています。

【テレビシリーズ】人間界で暮らす10代の魔女『サブリナ』(1996〜2003)

アーチー・コミックスの『魔女サブリナ』(1971〜)を原作としたテレビシリーズ『サブリナ』は、魔法使いであることを隠しながら人間界で暮らすサブリナのおかしな日常を描いた作品です。 10代のサブリナが叔母のゼルダ、ヒルダとともに暮らすこのシリーズは、アメリカで1996年から2003年まで放送され、日本ではNHK教育で1999年から2003年まで放送されました。

【テレビシリーズ】原作コミックからの改変がすごい!『リバーデイル』(2017〜)

会社名にもなっている代表作『アーチー(原題)』は、1942年からつづくアメリカン・コミックのなかでも最も息の長い作品のひとつ。 赤毛の高校生アーチーを主人公に、ベティやベロニカとの三角関係や学園生活が描かれるティーン向けコメディ作品です。 1968年から1969年にかけて『ザ・アーチー・ショー(原題)』としてテレビアニメ化され、日本でも『アーチーでなくちゃ!』のタイトルで1970年から1971年に放送されました。

2017年から放送が開始されたテレビシリーズ『リバーデイル』は、原作コミックからの大胆な改変が行われ、話題となっています。 アーチーたちと同じ高校の生徒が、謎の死を遂げたことに端を発するダークなミステリー。 平和な田舎町だったはずのリバーデイルを舞台に、登場人物たちの秘密や嘘が絡み合い、次々に残忍な事件が起こる展開から目が離せません。

ミラージュ・スタジオの代表的な映像化作品

インディペンデント系アメコミ出版社ミラージュ・スタジオは、1983年に発足し多くのオリジナル作品を生み出しました。

【テレビアニメーション/実写映画】陽気な10代のカメ4人組『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』

ミラージュ・スタジオの代表作『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』は、1984年から連載が開始された人気コミックです。 1987年から1996年まで、複数の会社によって断続的にアニメ化され、世界中で人気となりました。 日本では1991年に『アイドル忍者タートルズ』、1993年から1995年には『ミュータント・タートルズ』のタイトルで放送されました。

「タートルズ」の実写映画は1990年〜1993年にかけて三部作が製作されました。 誕生30周年となった2014年には、マイケル・ベイ監督の『ミュータント・タートルズ』が公開され、続編の『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影〈シャドウズ〉』も2016年に公開されています。

ダークホースコミックスの代表的な映像化作品

1986年に設立されたダークホースコミックスは、DC、マーベルに次ぐ規模を誇る出版社です。 「スターウォーズ」シリーズや「エイリアン」シリーズなどのコミカライズを手がけ、日本の『鉄腕アトム』や『AKIRA』 、『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』などの翻訳出版でも知られています。 また、オリジナル作品はバイオレンスなものが多いことも特徴です。

【実写映画】主演のジム・キャリーのために大幅改変!『マスク』(1994)

主演のジム・キャリーと、ヒロインを演じたキャメロン・ディアスの出世作となったコメディ映画『マスク』(1994)は、ダークホースの同名コミックを原作としています。 原作コミックでは、マスクをかぶって凄まじいパワーを手に入れた主人公スタンリー・イプキスが、その勢いで殺人を犯してしまうというもの。 イプキスの死亡後、彼の恋人からマスクを預かった刑事が好奇心からマスクをかぶったところ、イプキス同様に殺人を犯し始めます。 映画化の際チャック・ラッセル監督は、ジム・キャリーを起用するため、大幅にコミカルに変更したと語っています。

【実写映画】チャーミングな巨体の悪魔『ヘルボーイ』(2004)

1994年に刊行された『ヘルボーイ』は、その独特の作風と絵柄が話題となりました。 地獄から地上に迷い込んだ赤い悪魔の赤ん坊「ヘルボーイ」は超常現象研究家のブルーム教授に育てられ、やがて半魚人のエイブや念動発火能力を持つリズとともに、世界の魑魅魍魎と戦うようになります。 2004年にはギレルモ・デル・トロ監督によって映画化され、原作で脚本と作画の両方を手がけたマイク・ミニョーラが背景やモンスターなどのデザインを担当しました。 2008年には続編『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』が公開されています。

【実写映画】超ダークなフィルム・ノワール『シン・シティ』(2005)

『シン・シティ』は、1991年から2000年に全7巻が出版されたシリーズです。 現代最高のグラフィックノベル・アーティストとの呼び声も高いフランク・ミラーの原作で、ミラーは映画でもロバート・ロドリゲスとともに共同監督を務めています。 また、一部のシーンは特別ゲスト監督としてクウェンティン・タランティーノが担当しました。 映画版では、悪徳と欲望に支配され「罪の街(シン・シティ)」と呼ばれるベイシン・シティでの3つのエピソードが語られます。

イメージ・コミックスの代表的な映像化作品

【実写映画】地獄から蘇ったヒーロー『スポーン』(1997)

1992年から連載が開始された『スポーン』は、殺伐とした描写が多いながら「愛の前には通常の善悪など意味をなさない」というテーマを掲げ、デビュー直後から絶大な人気を得ました。 1997年に公開された映画版は、興行面では成功を収めたもののファンからは酷評されてしまいました。 しかし『スポーン』は、原作者トッド・マクファーレンの監督で再映画化が決まっており、2018年から撮影が開始される予定です。

【テレビシリーズ】大人気のゾンビ・アポカリプス『ウォーキング・デッド』(2010〜)

『ウォーキング・デッド』は、ゾンビに支配され終末を迎えたアメリカを舞台に、主人公リック率いるグループが生き残りをかけ、ゾンビや他のグループと戦う大人気テレビシリーズです。 ゾンビとの戦いだけでなく極限状態での人間模様を描いた本作は、世界中で人気を博しています。 2003年から連載が開始された原作コミックとテレビシリーズには、キャラクターやストーリー展開にいくつか違った点があります。 日本語版も発売されていますので、それを探すのも楽しいかもしれません。

ミラーワールドの代表的な映像化作品

DCやマーベルなどで活躍してきたコミック・ライター(脚本家)、マーク・ミラーが2004年に設立したクリエーターラインがミラーワールドです。 出版自体は別の出版社から行いますが、複数のシリーズで同じユニバースを共有する場合もあり、まさに「ミラーワールド」というひとつの世界と言えます。

【実写映画】へなちょこ高校生がスーパーヒーローに!『キック・アス』(2010)

2008年からマーベルの子会社であるアイコン・コミックスで連載された『キック・アス』は、マシュー・ヴォーン監督により映画化。 スタイリッシュなバイオレンス描写が話題となった本作で、ヒット・ガールを演じたクロエ・グレース・モレッツは大ブレイクします。 2013年には、ジェフ・ワドロウ監督による続編『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』が公開されました。

【実写映画】スタイリッシュで紳士な凄腕スパイ『キングスマン』(2014)

『キック・アス』と同様に2012年からアイコン・コミックスで連載された『キングスマン』は、ミラーとマシュー・ヴォーンの共同脚本による作品です。 2014年にやはりヴォーンの監督で映画化され、主演のタロン・エジャトンやコリン・ファースの英国紳士スパイぶりが話題となり、大ヒットを記録しました。 2018年1月には続編の『キングスマン:ゴールデン・サークル』の公開が予定されています。

いかがでしたでしたか。アメリカン・コミックの歴史や特徴について、参考になったでしょうか。 今後もDCEUやMCUをはじめ、多くのアメコミ作品の映像化が予定されています。そんなとき、コミックで予習したり、コミックと比較するのも楽しいかもしれませんね。