「THE BATMAN ザ・バットマン」結末までのネタバレあらすじとエンドクレジット解説・考察 リドラーの正体と本当の目的とは?
2022年3月に公開され大ヒットを記録した映画『THE BATMAN−ザ・バットマン−』。DCコミックスを代表するヒーローであるバットマンの単独映画です。 バットマンの活動を始めて日の浅い若きブルース・ウェインが、DCの人気ヴィラン「リドラー」と対決するストーリーを描く本作は、DC実写映画史上最も「暗い」と話題になりました。 そんな映画『THE BATMAN−ザ・バットマン−』のあらすじやラストのネタバレ、謎多きポストクレジット、キャストなどについて紹介していきます。 ※この記事は映画『THE BATMAN−ザ・バットマン−』のネタバレを含みます。未鑑賞の方は注意してください。
タップできる目次
- 「THE BATMAN ザ・バットマン」のあらすじ
- 「THE BATMAN ザ・バットマン」結末までのネタバレあらすじ
- 【解説】エンドクレジット後の映像の意味は?
- 【考察】マスクに隠していた自身の本性と向き合う、バットマンの成長譚
- 「THE BATMAN ザ・バットマン」キャスト一覧
- 日本語吹き替え声優キャスト一覧
- 「THE BATMAN ザ・バットマン」の見どころ
- DCの『ジャスティス・リーグ』とは関係ない世界線に
- 監督マット・リーヴスは3部作を構想している?
- 主題歌はニルヴァーナの「Something in the Way」
- 「THE BATMAN ザ・バットマン」は難解で面白い!ネタバレ解説でおさらい
「THE BATMAN ザ・バットマン」のあらすじ
幼い頃に目の前で両親を殺害された過去を持つ青年ブルース・ウェイン。彼は両親を殺害した犯人への復讐を誓い、2年前からバットマンとして人知れず悪と戦っていました。 そんななか、ゴッサム・シティで権力者の連続殺人事件が発生します。リドラーと名乗る犯人は、必ず現場に“なぞなぞ”を残していました。警察やブルースを挑発するため、最強の知能犯リドラーが最後に残したメッセージは「次の犠牲者はバットマン」。 社会や人間が隠してきた嘘を暴き、人々を恐怖に陥れるリドラーに対して、ブルースはなぞなぞを解きながら迫っていきます。はたしてリドラーの目的とは……?
「THE BATMAN ザ・バットマン」結末までのネタバレあらすじ
【起】事件現場に残された、バットマン宛ての“なぞなぞ”
ゴッサム・シティの市長が殺害されます。犯人と名乗る「リドラー」は、犯行現場に「NO MORE LIES(もう嘘はたくさん)」の文字と、バットマン宛てのなぞなぞを書いたメッセージカードを残していました。 続いてゴッサム市警のピート・サベージ本部長がリドラーの犠牲者に。現場にはやはり、バットマン宛てのなぞなぞが残されていました。 バットマンとジェームズ・ゴードン警部補がなぞなぞを解いていくと、「アイスバーグ・ラウンジ」へたどりつきます。そこはゴッサム・シティの裏社会を牛耳るマフィアのボス、カーマイン・ファルコーネの手下である「ペンギン」ことオズワルド・コブルポットが経営するナイトクラブでした。
【承】暴かれていく、腐敗した街の真実
クラブで働いていたセリーナ・カイルに目をつけたバットマンは、彼女の後を尾けます。するとセリーナは市長の家に侵入。しかしそれは、行方不明になったルームメイトのアニカ・コスロフのパスポートを奪い返すためでした。 バットマンはアニカを探す協力と引き換えに、クラブにいたギル・コルソン検事から情報を聞き出すよう交渉します。その結果、リドラーの犠牲となった市長や警察本部長が裏でファルコーネと繋がっていたことが明らかになりました。 そんななか行われた市長の追悼式に、首に爆弾をつけられたコルソン検事が送り込まれてきます。検事の手に接着されたスマートフォンが鳴り、テレビ電話でバットマンとリドラーが画面越しに対峙。 リドラーはその様子をネットで配信し、検事に「なぞなぞに3問正解しろ」と言います。バットマンの助けで正解していく検事でしたが、ゴッサム・シティの麻薬王サルバトーレ・マローニが薬物取引で逮捕された際の情報提供者(=ネズミ)は誰かと問うなぞなぞで口を閉ざし、爆弾は爆発してしまうのでした。 「ネズミ」はペンギンではないかと考えたバットマンはペンギンの後を追います。そしてたどり着いたのは、薬物を製造している工場でした。そこへセリーナが現れてペンギンの金を盗もうとしますが、2人はアニカの遺体を発見します。
【転】次のターゲットはブルース・ウェイン
激しい銃撃戦の末にペンギンを追いつめたバットマンでしたが、彼は「ネズミ」ではありませんでした。ペンギンとの会話の中でリドラーのなぞなぞのヒントを見つけたブルースは、父トーマス・ウェインと関わりがあったゴッサム孤児院にさらなるヒントがあることを掴みます。 ブルースの父トーマスは、ゴッサム孤児院に多額を寄付する「再開発基金」を計画して市長選に出馬していましたが、選挙直前に殺害されました。廃墟となった孤児院を訪れたバットマンは、次の標的が「ブルース・ウェイン」であることに気がつくのです。 急いで帰宅しますが、リドラーから爆弾が仕掛けられた小包が届いており、執事のアルフレッドが重傷を負いました。リドラーはトーマスのスキャンダルを暴露します。それは彼が、妻マーサの過去を暴くとゆすってきたジャーナリストを、ファルコーネに依頼して始末させたというものでした。 動揺するブルースでしたが、目を覚ましたアルフレッドから「彼は殺人の依頼はしていない」「真実はわからないが、ファルコーネが警察に行こうとしたウェイン夫妻を口封じのために殺害したと考えている」と聞かされます。
【結末】ラストに明かされるリドラーの「最後の目的」とは
セリーナはバットマンに、自分がファルコーネの娘であり、彼を恨んでいることを話しました。そして彼女は、アニカが殺害されたのはファルコーネが「ネズミ」であることを知ったためだと掴みます。 ファルコーネと裏で繋がっていた政治家や警察は「マローニ逮捕」により出世したのです。またトーマスの死後に権力者たちが「再開発基金」に群がり、懐を肥やしたことも判明しました。 バットマンたちはファルコーネ逮捕へと動きますが、連行中に狙撃されファルコーネは死亡。逮捕されたリドラーの正体は、法廷会計士のエドワード・ナッシュトンでした。彼は、アーカム精神病院でついに対面したバットマンに語り始めます。 ゴッサム孤児院で育ったリドラーは、「再開発基金」に期待を裏切られたあと劣悪な環境で育ちました。やがて法廷会計士となり、立場と知識を利用して街の不正を知ると、バットマンを倣って復讐心からこの事件を計画したのだと言います。
「一緒に見るはずだった」というリドラーの言葉に違和感を覚えたバットマンは、彼の部屋で手がかりを探します。するとゴッサム・シティの7カ所に爆弾が仕掛けられていることがわかりました。 リドラーにとってバットマンは共犯者だったのです。そして最後の目的は、ゴッサム・シティを破壊し「真の変化」をもたらすことでした。 爆弾は爆発し、ゴッサム・シティを囲む防波堤が破壊され洪水が発生します。さらにリドラー支持派が武装して市民に銃を向けはじました。バットマンがリドラー軍を倒し、セリーナやゴードンらとともに洪水に襲われた人々の救助していきます。 ラストでは、セリーナがゴッサム・シティを離れることに決め、2人は別々の道へ進むことになりました。バットマンは復讐をやめることを決意し、これからもゴッサム・シティを守っていきます。
【解説】エンドクレジット後の映像の意味は?
映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』のエンドクレジット後には、リドラーからのメッセージ「GOOD BYE>」の文字と、劇中でリドラーが開設していたウェブサイト「www.rataalada.com」のURLが表示されました。 実はこのウェブサイトは実在しており、誰でもアクセス可能。アクセスするとリドラーのファイルをダウンロードできたり、リドラーからの暗号を解くと未公開映像を視聴できたりしました。 しかし一定の期間が過ぎてからは「このドメインはゴッサム市警に押収されました」と表示されるようになっています。単に視聴者を楽しませるための演出だったのか、今後につながる仕掛けなのかは謎のままです。
【考察】マスクに隠していた自身の本性と向き合う、バットマンの成長譚
本作を一言で表すなら、「バットマンの成長譚」です。 モノローグで「俺が影に潜んでいると思うかもしれないが、俺が影なのだ」と語ったバットマン。自らが恐怖の象徴となって犯罪者を震え上がらせることには変わりないものの、彼の原動力は復讐であり、名乗る時はバットマンではなく「俺は復讐だ」と言っていました。 善良だった両親を何者かに殺されたブルースは、その復讐心をゴッサム・シティの犯罪者にそのまま向けていたのです。そんな彼が劇場型犯罪を繰り返すリドラーと対面し、信じていた両親の疑惑を突きつけられ、そして自分を同類だと思われていたことを知ると、大きな葛藤が生まれます。 そしてリドラー軍の1人が「俺は復讐だ」と名乗った時、正義のマスクで隠した自分の本性が彼らと同じであること、復讐が何も生まないことに気付くのです。 ブルースは心を入れ替え、復讐をやめました。そして洪水で街が暗闇に包まれた中、発炎筒を持つバットマンが街の唯一の光となって市民を救助します。復讐心に駆られ悪を倒していたバットマンが、人々を救うヒーローへ成長した瞬間なのです。
「THE BATMAN ザ・バットマン」キャスト一覧
ブルース・ウェイン(バットマン)役/ロバート・パティンソン
本作で若きブルース・ウェインを演じるのは、「トワイライト」シリーズで世界的な人気を獲得し、その後も『ライトハウス』(2019年)や『TENET テネット』(2020年)など、幅広い作品で活躍するロバート・パティンソン。 「トワイライト」のヴァンパイア役のイメージが強い彼に、バットマンを演じてほしくないというファンの声もありましたが、本人はあまり気にしていない様子。米Variety誌のインタビューでは、「失敗すると思われるほうが、ずっと気が楽だ」とも語っています。 これまで映像化されてきたブルースはほとんどが「表向きは億万長者のプレイボーイ」という設定でしたが、本作でのブルースはそのような設定ではないのが印象的です。
オズワルド・コブルポット(ペンギン)役/コリン・ファレル
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016年)をはじめ、多くの映画への出演で知られるコリン・ファレルが演じるのは、バットマンの宿敵の1人「ペンギン」ことオズワルド・コブルポットです。 公開された写真や特報映像では、薄くなった頭髪、シワだらけの額、デコボコとした肌、膨れて垂れ下がった頬などが特殊メイクで施され、ハンサムな彼の面影はありません。 本作でのペンギンは、ゴッサム・シティを牛耳るマフィアのボスであるファルコーネの右腕で、ナイトクラブ「アイスバーグ・ラウンジ」を経営しています。
エドワード・ナッシュトン(リドラー)役/ポール・ダノ
本作のメインヴィラン、リドラーを演じるのは『リトル・ミス・サンシャイン』(2006年)や『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007年)などへの出演で知られるポール・ダノです。 SNSを駆使して市民を扇動し、世界の嘘を次々と暴きいていく最狂の知能犯リドラー(リドル=なぞなぞ)。彼は権力者をターゲットとした連続殺人事件の犯人でもあり、事件現場に必ず「?」マークと“なぞなぞ”を残していきます。これによって捜査機関は混乱させられてしまうのでした。 リドラーといえば、派手な衣装を身にまとったハイテンションなサイコパスというイメージのキャラクターですが、本作では実際に起きた未解決の「ゾディアック事件」の犯人がモデルとなっており、身近でリアルなキャラクターになっています。
セリーナ・カイル(キャットウーマン)役/ゾーイ・クラヴィッツ
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年)や『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(2018年)などで知られるゾーイ・クラヴィッツが、キャットウーマンことセリーナ・カイルを演じます。 クラブで働きながら行方不明になったルームメイトを探しているセリーナ。バットマンに出会った彼女は、お互いにとって必要な情報を入手し行動をともにするようになります。協力関係にありながら、バットマン/ブルースにとって完全に信頼できるのかはわからない、ミステリアスなキャラクターです。 ゾーイ・クラヴィッツは、今回のキャットウーマンは「れっきとした1人のキャラクターであり、被害者的な人物でも、セクシーさのためにだけ存在するような1次元的人物でもない」と語っています。
ジェームズ・ゴードン警部補役/ジェフリー・ライト
(画像左) バットマンの協力者であるゴッサム市警の警部補ジェームズ・ゴードン役には、テレビシリーズ『ウエストワールド』(2016年〜)などで知られるジェフリー・ライトが起用されました。 本作はブルースがバットマンとして活動を始めて2年目の物語ですが、ゴードン警部補はすでにバットマンと協力関係にあります。多くの警官がバットマンを警戒するなか、彼はバットマンと警察を仲介しながら共に捜査を進めていく数少ない味方です。
執事アルフレッド役/アンディ・サーキス
ウェイン家に仕える執事アルフレッドも「バットマン」シリーズの人気キャラクターの1人。これまで多くの名優が演じてきたこの役を、本作ではアンディ・サーキスが演じます。 モーションキャプチャーの第1人者としても知られる彼は、近年では『ブラックパンサー』(2018年)などへの出演をはじめ、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021年)などで映画監督としても活躍しています。 ブルースがバットマンであること、そして彼の苦悩を唯一知る人物であるアルフレッド。本作ではまだブルースとそれほど絆が深まっていません。
日本語吹き替え声優キャスト一覧
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』は、吹替にも豪華なキャスト陣が集結しています。 ブルース・ウェイン/バットマンを演じるのは、「鬼滅の刃」シリーズの冨岡義勇役や「呪術廻戦」シリーズの夏油傑役などで知られる人気声優の櫻井孝宏。彼は『TENET テネット』のほか、多くの作品でロバート・パティンソンの吹替を担当してきました。 セリーナ・カイル/キャットウーマンの吹替は、『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』で空条徐倫役を務めたファイルーズあいが担当します。 また最狂の知能犯リドラー役に「エヴァンゲリオン」シリーズの渚カヲル役などで知られる石田彰、ペンギン役には名優・金田明夫と、注目の布陣。吹替版も必見です!
「THE BATMAN ザ・バットマン」の見どころ
クリストファー・ノーランの「ダークナイト」3部作よりダークな内容
不穏な雰囲気が漂う『THE BATMAN−ザ・バットマン−』。あの傑作「ダークナイト」3部作さながらの、いえ、それ以上の陰鬱で邪悪な空気が醸し出されています。 「ダークナイト」3部作は、人間の闇をあぶり出すようなダークさとバットマンという存在の危うさは描きながらも、「正義」とは何かを問う“ヒーローもの”エンタメ作品であったと言えます。 一方で「ザ・バットマン」で描かれたのは、憎悪と復讐心、腐敗した権力者など、身近にも潜んでいそうな巨大な闇。実在のシリアルキラーをモデルとしたヴィラン「リドラー」は、なぞなぞというキャッチーさはありながらも正体は地味な青年で、匿名でSNSを駆使するどこにでもいそうな存在でした。 またバットマン自身もまだ活動を始めたばかりの未熟な青年であり、そんな彼が想像を超える街の腐敗を目にして、そして信じてきたものが揺らいだ時、壊れてしまいそうな精神的な脆さや葛藤が伝わってきました。 そんなノワール探偵映画風の『THE BATMAN−ザ・バットマン−』は、過去のDC映画の中でも異彩を放つ存在でしょう。
DCの『ジャスティス・リーグ』とは関係ない世界線に
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』は、DCEUの『ジャスティス・リーグ』(2017年)などの作品群とは世界観を共有しない、独立したDC映画です。 制作が発表された当初、本作は2016年の『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』や2017年の『ジャスティス・リーグ』などでバットマンを演じたベン・アフレックが主演・監督・脚本・製作を務めるDCEU作品の予定でした。 しかし2017年1月にベン・アフレックの降板が決定。マット・リーヴス監督にバトンタッチされましたが、彼はベン・アフレックが書いた脚本の映画化を拒否しました。 その脚本はDCEUと深く結びついた素晴らしい脚本だったとのことですが、マット・リーブスはDCEUと関係がなく、バットマンの個人的な側面を描く映画を作りたかったため、プロジェクトは大きく変更されたのです。
監督マット・リーヴスは3部作を構想している?
監督を務めたのは、『モールス』(2010年)や『猿の惑星 : 聖戦記』(2017年)を手がけたマット・リーヴス。彼は脚本・製作にも参加しました。 彼は新たなバットマンは3部構成になるとも語っており、本作がその第1幕となるのだとか。さらにHBO Maxで前日譚となるスピンオフドラマ2作も製作予定!ドラマ2作もマット・リーヴスが監督を務める予定です。 壮大な世界観とストーリー展開に期待しましょう!
主題歌はニルヴァーナの「Something in the Way」
「ザ・バットマン」の主題歌として採用されたのが、ニルヴァーナの名盤として人気の『Nevermind』のラストトラック、「Something in the Way」のリミックス。 ムーディでありながらもダークな雰囲気が漂う歌詞が、バットマンというヒーローの内に潜む光と闇に巧みにマッチしています。「何かが邪魔している、何かが引っかかるんだ」という歌詞も、若きブルース・ウェインと重なるような……。 また本作のブルース・ウェインのキャラクターは、若くしてこの世を去ったニルヴァーナの元ボーカル、カート・コバーンをイメージして作られたことも明らかになっています。
「THE BATMAN ザ・バットマン」は難解で面白い!ネタバレ解説でおさらい
2022年3月に公開された映画『THE BATMAN−ザ・バットマン−』はダークで映像自体も暗い作品ですが、ロバート・パティンソン演じるブルースは色気と哀愁たっぷりで、これまでにないバットマンを見られました。バットマンやDCのファンなら思わずシビれるような激アツシーンもたくさんあります! 少し難解なので「よくわからなかった」と感じた方は、この記事でネタバレをおさらいして、ぜひもう一度視聴してみてくださいね。