映画は世界を救う?根深い社会問題を扱った映画特集

2018年1月26日更新

人種差別や世界の死刑制度、尊厳死の自由など世界の社会問題に斬り込んだ映画6作品を、ciatrが厳選して 紹介!次観る作品に悩んでいる方、一つの参考にしてみては?

ただの作り話じゃない!実際の社会問題をテーマにした映画6選

人種差別や食料廃棄、環境破壊にジェンダー論など世界には様々な分野の社会問題があります。稀に時代の変化と共に解決への一途を辿っている分野もありますが、ほとんどは非常に根深く深刻なものばかりです。 現在、映画はそんな根深い社会問題に疑問を呈する場としても使われています。社会問題に斬り込んだ挑戦的な映画がヒットする事によりその作品が肯定化され、社会問題の模範的作品となり社会に影響を与えていきます。それにより渦中の業界が変化を余儀なくされるのです。 ここではciatrが選んだ人種差別や信仰宗教、死刑制度などの社会問題を扱っている作品6選を紹介していきます。公開後に与えた反響も含め、次観る作品を決めてみてはいかがでしょうか?

世界的に多い冤罪、テキサス州で飛び抜けて多い死刑執行がテーマ

『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』は2003年に公開された 、死刑執行回数の多いテキサス州を舞台にしたアメリカ映画。冤罪や死刑制度の問題を扱ったサスペンスドラマです。 元同僚の女性をレイプし殺害したという罪で逮捕され死刑判決が下された元大学教授のデビッド・ゲイル。死刑執行の3日前、ゲイルはある人気誌の女性記者を呼び出し独占インタビューを受け自身の人生について明かしていきますが、それを聞いた記者のビッツィーは次第にゲイルが冤罪ではないかと確信していきます。 主演は『アメリカン・ビューティー』のケヴィン・スペイシーと『タイタニック』のケイト・ウィンスレット。監督はアラン・パーカーが務め、製作にはニコラス・ケイジが参加しています。 重苦しい題材とは裏腹に、堅苦しい雰囲気がなく1つの娯楽作品として鑑賞できる作品。死刑制度の矛盾点を考えさせられ、意外性やアイデアに富んだ結末はサスペンス好きからも注目を集めました。

エイズへの偏見・承認治療薬の少なさに疑問を呈した実在の人物を映画化

『ダラス・バイヤーズクラブ』は、当時エイズに対して未だ偏見の強かった世間や政府に公然と反旗を翻した、エイズ患者の実話を基に描かれた2013年公開のアメリカ映画です。 1985年のある日、突然体調を崩し医者からHIVが陽性で余命30日だと宣告されたロン・ウッドルーフ。当時世間一般的にエイズは同性愛者がかかる病気だと知られていた為、無類の女好きだったロンは自分がかかった事に衝撃を受けます。 しかし未だ認可された治療薬がほとんどない事を知ったロンは、未承認薬を求めてメキシコに赴き「ダラス・バイヤーズクラブ」というアメリカ国内のエイズ患者にも治療薬が届く為の仕組みを立ち上げていく物語です。 主演のマシュー・マコノヒーが実在した不屈のエイズ患者を演じたところ、その体当たりの演技が評価され世界各地から賞賛を浴びました。アカデミー賞やハリウッド映画賞、ローマ映画祭などその年の賞レースを総なめにしています。

信仰宗教問題に斬り込んだインドの大ヒット映画

『PK』は宇宙から地球調査の為にやってきた宇宙人が、地球特有の信仰宗教や迷信においての疑問を投げかけ、差別や偏見などの社会問題にも切り込んでいくコメディ仕立てのインド映画です。 留学先のベルギーで信仰する宗教が原因で失恋し、傷心中だった女性テレビ局員のジャグーは、不思議な格好をしたPKと名乗る奇妙な男と出会います。ジャグーが話を聞くとPKは宇宙人で、宇宙船に欠かせないリモコンが無くなったのでリモコンの在りかを聞くために神様を探しているのだといいます。 そんな謎めいた宇宙人・PKがリモコン探しの為地球を旅していく中、地球におけるあらゆる宗教の迷信に疑問を投げかけていく物語。『きっとうまくいく』で一躍世界進出を果たしたラージクマール・ヒラニ監督、アーミル・カーン主演最新作です。 今作の興行収入は100億円を突破し、これはインド映画においての全世界歴代興行収入の最高位となる記録的作品となりました。映画批評サイトRottenTomatoesでも驚異の支持率93%を獲得した作品です。

アメリカの人種差別問題を根本から変えた実在の人物の半生を映画化!

『42 ~世界を変えた男~』は、史上初の黒人メジャーリーガーとなった伝説の野球選手ジャッキー・ロビンソンの壮絶な半生を描いた2013年の伝記映画です。 1947年、ブル ックリン・ドジャースに初めてのアフリカ系アメリカ人の黒人選手ジャッキー・ロビンソンが入団。未だ人種差別が激しく残っていた当時は、メジャーリーグには白人選手しかおらずジャッキーの入団は国内中に大きな波紋を呼びました。 チームメイトやファンからも差別を受け孤独な戦いを強いられたジャッキーでしたが、そんな周りの空気に負けず必死にプレーしていくジャッキーの姿に次第に周りの意識が変化していくストーリーです。 アメリカとカナダでは公開3日の売上で初登場1位を記録し、野球映画史上最高のオープニング記録を樹立。タイトルにもなったロビンソンの背番号「42」はアメリカ・カナダ中の全野球チームにおいて永久欠番にもなっており、タイトル通り世界を変えた伝説の名プレイヤーとして崇められています。

ファストフード業界を震撼させた異例のドキュメンタリー映画

『スーパーサイズ・ミー』は、監督のモーガン・スパーロック自身がファストフードを30日間食べ続け、それによって身体にどのような影響が出るのか検証したアメリカのドキュメンタリー映画です。 監督のモーガンは1日3回30日間、マクドナルドのファストフードのみを食べ続けたらどうなるか?という疑問にぶち当たりました。そして健康の為の運動を止め、スーパーサイズを勧められたら断らない、など公正を期す為の厳しいルールを設定し自らの人体で実験を始めカメラで記録し始めたのです。 この作品でファストフード業界が利益の為に栄養を犠牲にしていることを明らかにし、社会的な問題である事を指摘しました。しかしあくまでもマクドナルド社への個人的な批判メッセージではなく、アメリカの食文化への警鐘を主張しており身を持ってそれを世に知らしめようとしたのです。 サンダンス映画祭で評判となった今作は、後に全米を巻き込む社会現象にまで発展する異例の大ヒットを記録。マクドナルド社は今作との関連性は否定しているものの、公開後に「スーパーサイズ」のオプション制度を廃止し、健康的なメニューの提供の開始を約束するなど異例の影響力を魅せました。

ヨーロッパでの社会問題を3カ国合作により世に知らしめた大作

『海を飛ぶ夢』は、2005年に公開されたスペイン・フランス・イタリア合作の伝記映画。30年間全身不随と闘い、尊厳死を求めた実在の人物ラモン・サンペドロの伝記を基に製作されたヒューマンドラマです。 19歳からノルウェー船のクルーとして世界中を飛び回っていたラモン・サンペドロは、25歳の時岩場に頭を強打し首から下全てが不随になってしまいます。家族の献身的な支えのもとに生きながらえていたラモンでしたが、事故から26年目を迎えたある時から自らの選択で人生に終止符を打ちたいと渇望するようになりました。 そして尊厳死支援団体のジュネや女性弁護士のフリアらと共に、法律では認められていない尊厳死の願いを叶えるべく奮闘するラモンと、その家族や友人の葛藤を描いた感動の物語です。 アカデミー賞外国語映画賞やヴェネツィア国際映画祭審査員特別賞など、有名映画賞を数々受賞し世界的に評価された作品となりました。生と死について、安楽死と尊厳死の違いについてなど命について考えさせられる、確実に後世に残る映画です。

映画で世界が救われる?

社会問題に斬り込んだ作品6選をご紹介しましたが、いかがでしたか?もちろん社会問題を扱う作品は世界中にあり、ここで紹介したものは一部に過ぎません。 日本に居ると気付きにくい事も、このような映画を観れば深刻なのだと改めて気付かされることでしょう。映画によって多くの人がその深刻さに気付き、世界中が変化していく事が監督ら制作陣の願いなのかもしれませんね。