「ブロマンス」って知ってる?BLとは違う、男同士の愛の形とは【シャーロック・ホームズなど】

2018年1月20日更新

世界中で人気のジャンルとなっている「ブロマンス」。強い絆で結ばれた男性同士の関係は、多くの人を惹きつけています。この記事では「ブロマンス」の定義やBLとの違い、またその代表的な作品をご紹介します。

男同士のアツすぎる関係、ブロマンスの世界をご紹介

「ブロマンス」という言葉をご存知でしょうか? 男性同士の熱い友情を指すこの言葉は、近年世界的に人気のジャンルとなっています。 エンターテイメントの世界では、刑事ドラマなどのバディものをはじめ、ブロマンス要素のある作品は以前から多くありました。しかし、2000年前後からその人気が顕著になり、製作者側も積極的にブロマンス要素を取り入れるようになっています。 男性同士の恋愛を描くBL (ボーイズ・ラブ)とは似て非なる「ブロマンス」とは、いったいどんなものなのでしょうか。この記事では映画、ドラマ、マンガなど、人気のブロマンス作品をご紹介します。

そもそも「ブロマンス」ってどういうもの?

「ブロマンス(Bromance)」とは「兄弟(Brother)」と「ロマンス(Romance)」を合成した造語で、強い絆で結ばれた男性同士の関係を指します。非常に親密ではありますが、性的・恋愛的な要素のないプラトニックな関係であることが大きな特徴です。 もともとはスケートボート雑誌の編集者デヴィッド・カーニーが「四六時中、一緒にスケボーをしているような関係」として発案したものだとか。 恋人や配偶者そっちのけで、男同士でつるむことを好む男性は実際に多くいますね。 現実の世界では、良き同僚であり友人でもあるオバマ元アメリカ大統領とバイデン元副大統領の関係がたびたびブロマンスとして扱われ、注目を集めました。

BLとブロマンスの違いとは?

先述のとおり、「ブロマンス」は男性同士の親密かつプラトニックな関係を表す言葉です。 ブロマンスと捉えられる関係性を細かく分けると、バディ(相棒)、親友、ライバル、兄弟、師弟関係など様々ですが、あくまでも友情や信頼で成り立っている関係性を指します。 それぞれのキャラクターが結婚していたり、恋人がいたりする場合もあり男性キャラクター同士が恋愛関係にないことを明確にしている場合も。そういった点で、男性同士の恋愛や性的な関係を描くBLとは異なっています。 しかし、同人誌などの二次製作BLでは、こうした既存の作品の男性キャラクター同士の関係を恋愛に発展させたものが多いのも事実です。

ブロマンスの代表格!シャーロック・ホームズ&ジョン・ワトソン【映像作品多数】

19世紀末にイギリスの作家、コナン・ドイルが生み出した名探偵シャーロック・ホームズと彼の相棒で医師のジョン・ワトソンの関係は、世界で最も有名なブロマンスと言えるでしょう。 原作小説が発表された頃からたびたび同性愛関係を疑われていた2人ですが、ワトソン医師の女性遍歴やホームズとアイリーン・アドラーの関係から、ともに異性愛者であることは間違いなさそうです。 それでは、テレビシリーズや映画で描かれてきた様々なホームズとワトソンを見ていきましょう。

テレビシリーズ『SHERLOCK』(2010〜2017)

2010年から2017年にかけて4シリーズが放送されたBBCのテレビシリーズ『SHERLOCK』は、近年のブロマンス・ブームの火付け役とも言える作品です。 現代のロンドンを舞台に名探偵シャーロック・ホームズとその相棒ジョン・ワトソンが活躍する本作では、性格に難があったシャーロックが、ジョンと出会い人間的に成長していく姿が描かれています。 また、ジョンもそれまでの常識人というイメージとは違い危険を好む人物として描かれており、彼がシャーロックのそばを離れない納得できる理由も示されました。 他人に興味を持たず、いつも冷静沈着なシャーロックのジョンのためならば自らの命の危険も顧みない姿は、彼らの間の熱い友情を感じさせます。

映画「シャーロック・ホームズ」シリーズ(2009〜)

2009年に公開されたガイ・リッチー監督の『シャーロック・ホームズ』では、ロバート・ダウニー・Jr.がホームズを、ジュード・ロウがワトソン医師を演じました。 この作品では、最初からホームズはワトソンの結婚に乗り気でなく、彼がベイカー街を出ていくことを嫌がっている様子です。 続編の『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』(2011)では、ホームズはワトソンたちのハネムーンに乱入。夫を危険な事件の捜査に巻き込むため、ワトソンの妻メアリーには嫌われています。 本作の2人の関係は、破天荒なホームズに振り回されるかわいそうなワトソンという雰囲気ではありますが、ホームズを唯一見抜いている人物でもあり、そのブロマンスは健在です。

狂気で結ばれたふたり……ハンニバル・レクター&ウィル・グレアム『ハンニバル』(2013〜2015)

映画『羊たちの沈黙』(1991)などで知られる精神科医にして猟奇殺人鬼のハンニバル・レクター。 彼とFBIアカデミーの講師ウィル・グレアムの関係を描いたテレビシリーズ『ハンニバル』は、一風変わったブロマンスです。 強い共感能力を持ち、どんな相手の気持ちも読み取ることができるウィル。彼に自分の犯罪を暴かれることを見越したレクター博士は、ウィルが正気を失っていくよう精神的に支配していきます。しかし、ウィルもレクター博士の策略に気づき、彼を出し抜こうと画策しはじめます。 いつかウィルを殺して食べようと考えているレクター博士と彼の逮捕に執念を燃やすウィルは、狂気とも言える執着で繋がっていき、2人のお互いに対する感情は常識では説明のつかないものになっていきました。

ブロマンスを真正面から描いた『40男のバージンロード』(2009)

『40男のバージンロード』は、原題の『I love you, man』が示すとおり男同士の恋愛のような友情をテーマにした「ブロマンティック・コメディ」です。 恋人との結婚が決まり有頂天のピーターは、結婚式で花婿介添人を務めてくれる同性の友人が1人もいないことに気がつきます。さらに、婚約者の友人たちが「同性の友達のいない男はどこにでもついてきて厄介だ」と話しているのを聞き、男友達を作ろうと一念発起。 そんななか偶然出会ったシドニーと意気投合し、念願の男友達を手に入れたピーター。しかし、彼との仲が深まるにつれ、婚約者とぎくしゃくするようになっていきます。 恋人よりも男友達を優先し、彼女にも打ち明けられない秘密を共有する友人関係は、ブロマンスの基本です。

念願のアニメ化が決定!伝説の少女マンガ『BANANA FISH』(1985〜1994)

吉田秋生による『BANANA FISH』は、ニューヨークを舞台にしたハードボイルド少女マンガです。 ストリートキッズのリーダー、アッシュと日本から来た青年、奥村英二の2人が謎の言葉「バナナ・フィッシュ」の真相に迫っていきます。 暗い過去を持ち過酷な現実を生き抜いてきたアッシュは明るく穏やかな性格の英二に心を許すようになり、2人はマフィアとの戦いのなか、熱い友情で結ばれるようになりました。 連載当時から大人気を誇った『BANANA FISH』は、2018年に吉田秋生40周年プロジェクトとしてアニメ化することが決定。ファンの期待が高まっています。

男同士の熱い友情ブロマンスを楽しもう!

ときにファンの妄想からBLを生み出す「ブロマンス」。男同士の友情と言うには強すぎる絆は、多くの作品で見ることができます。 女性との恋愛よりも気楽な男同士の友情を好む男性は多くいますが、実際にもフィクションで描かれるような熱い友情を育んでいるのかもしれません。 ブロマンスは女性に人気のジャンルと思われがちですが、スポーツものやヒーローもの、バディものなどで昔から描かれ、男性の観客や読者が熱中してきた絆となんら変わらないものです。 男性にもこういった作品のファンは多く、男女関係なく楽しめるジャンルとしてこれからもいい作品が生み出されていくのではないでしょうか。