2018年12月22日更新

シャーロック・ホームズの人物像・映像化の歴史をまるっと紹介【最新作公開前に読みたい】

19世紀後半に活躍した作家のアーサー・コナン・ドイルによって生み出されたシャーロック・ホームズ。これまで幾度も映像化されてきましたが、彼の全貌を理解している人は少ないのでは?この記事では彼のプロフィールや経歴を紹介します。

時代を越えて愛される名探偵シャーロック・ホームズ

19世紀後半に活躍したイギリスの小説家、アーサー・コナン・ドイル原作の推理小説の主人公であるシャーロック・ホームズ。世界中のクリエイターを魅了し、最も多く映画化された主人公ともいわれています。 2009年には「アベンジャーズ」シリーズなどで知られる人気実力派俳優ロバート・ダウニ―・jr.がシャーロック・ホームズを演じた、ガイ・リッチー監督の『シャーロック・ホームズ』が公開されました。さらに2010年からは、『ドクター・ストレンジ』でお馴染みのベネディクト・カンバーバッチ主演のドラマ『SHERLOCK(シャーロック)』も放送されています。 今最も馴染みのあるシャーロックと言えば彼らの名前が挙がるかもしれません。しかしその歴史は古く、これまで20人以上の俳優によって演じられてきました。 本記事では、そんな時代を越えて今もなお愛される名探偵、シャーロック・ホームズについて紹介します。世界一有名な主人公のプロフィールや性格、押さえておきたい映像作品に至るまで徹底的に解説していきます。

シャーロック・ホームズとは?

シャーロック・ホームズとは、19世紀後半に活躍したイギリスの作家アーサー・コナン・ドイルが生み出した架空のキャラクターで、「シャーロック・ホームズ」シリーズの主人公の私立探偵です。 生まれた年や出身地は不明で、学生時代に友人の父親が関わった「グロリア・スコット号事件」を解決したことをきっかけに、探偵業に興味を持ち始めます。そして大学卒業後に、イギリス・ロンドンのモンタギュー街で探偵としての活動をスタート。そして1881年に、後の助手で事件解決のパートナーとなるジョン・ワトソンと出会います。 その後、同じくロンドンのベーカー街でワトソンと共同生活を開始。その頃から海外からも事件解決の依頼が寄せられるようになり、探偵として名声を得始めます。 1891年には、巨大犯罪組織のリーダーであるジェームズ・モリアーティと対決し、スイスのライヘンバッハ滝で失踪。そのため多くの人々はホームズは死亡したと信じていましたが、モリアーティの残党から逃げ延びるために身を潜めていただけだったことが発覚します。ちなみにモリアーティとの闘いに打ち勝てたのは、日本発祥の東洋武術のバリツを習得していたからだといわれています。 失踪から3年後、モリアーティの仲間のセバスチャン・モラン大佐を捕まえるためにホームズはロンドンへ戻り、探偵業を再開。晩年に探偵業を引退した後は、田舎で養蜂の研究に勤しんでいましたが、第一次世界大戦の際にはドイツ軍のスパイを逮捕するために政府に協力するなど、捜査活動への参加を続けていました。

天才的な推理能力と破天荒な人物像

天才的な推理能力と観察眼を持つ、世界でたった一人の「顧問探偵」とされているシャーロック・ホームズ。183センチ以上の高身長で細身、鷲鼻と骨ばった顎が特徴です。 冷静沈着な性格ながらも、事件に関することには目がなく、捜査にのめり込み行動的になる一面も。そのため我を忘れて推理に励むなど、事件現場では普段とは一転して血気盛んな表情を見せています。 ヴァイオリン演奏が得意で、ボクシングではプロ級の腕前を持つなど、多才で多趣味。しかしヘビースモーカーで、コカインやモルヒネなどの薬物依存の傾向にあり、非常に不安定な性格の持ち主です。 そのため、ワトソンからは薬物使用の中止や、生活習慣を改めるように幾度となく注意されていました。その甲斐あってか、後年は草木と親しむなど保守的な生活を営んでいます。 家族の存在は兄のマイクロフトしか明確になっておらず、両親については原作でもあまり言及されていません。ちなみに、兄のマイクロフトはホームズ以上に頭脳明晰ですが、捜査に関心がなかったため、探偵にはならなかったとのこと。 また、ホームズは女性嫌いで知られており、女性は基本的に信用していません。ただ女性特有の勘の鋭さを尊敬し、女性と接する際は紳士的な態度を保っていました。また、ワトソンの妻であるメアリーを気遣う場面もあり、ごくたまに女性に惹かれるシーンも描かれています。

多岐にわたる映像化の歴史

世界で最も多く映画化された主人公ともいわれているシャーロック・ホームズ。そのため、映画の歴史とホームズの歴史はほぼ同じとされています。また、最初期の無声映画の中には、原作者のアーサー・コナン・ドイルの了承を得ずに制作されたものも多数あるといわれています。 最初にホームズを扱った映画として知られているのは、1905年の『en:Adventures of Sherlock Holmes; or, Held for Ransom』。ホームズ役はアメリカ合衆国出身の俳優モーリス・コステロが務めており、原作小説に極めて忠実な作品とされています。 また、1954年にはロナルド・ハワード主演でテレビ映画シリーズ「シャーロック・ホームズ」が放送開始。全39話に及ぶ連続シリーズで、現在も数社からDVDが発売されるなど長年に渡って高い人気を誇っています。 1979年から1986年にかけては、ホームズを主人公としたテレビ用映画をソ連の映画スタジオによって5本製作されました。本シリーズでホームズを演じた俳優ワシーリー・リヴァーノフは、本作での功績が認められ2006年に大英帝国名誉勲章を授与されています。 1984年には、イギリス最大の民間放送局であるグラナダテレビからホームズを主人公としたテレビシリーズ『シャーロック・ホームズの冒険』が5シーズンにわたって放送され、人気を集めました。本シリーズでホームズ役を演じたジェレミー・ブレッドは、過去の舞台作品でワトソン役を演じており、ホームズとワトソンの両方を演じた数少ない俳優としても知られています。 その後、2009年にはロバート・ダウニ―・Jr主演の映画『シャーロック・ホームズ』がゴールデングローブ賞を受賞し、2010年にはイギリスのBBC制作のテレビシリーズ『SHERLOCK(シャーロック)』が英国アカデミー賞で複数の賞を獲得。現在に至るまで、シャーロック・ホームズを扱った作品はヒットを飛ばし続けています。

これだけは押さえておきたい!人気映像化作品を紹介!

10年間におよぶ名シリーズ『シャーロック・ホームズの冒険』

1984年から1994年にわたって放送された、テレビドラマシリーズ『シャーロック・ホームズの冒険』。英国グラナダテレビ製作の本シリーズでは、シャーロック・ホームズ役をイギリスの名優ジェレミー・ブレッド、助手のジョン・H・ワトソン役を第1・2シリーズはデビッド・バーク、第3シリーズ以降はエドワード・ハードウィックが務めました。 本シリーズは原作小説を忠実に再現してつくられており、ホームズは鹿撃ち帽とインバネスコートを着用しているなど、ヴィジュアル面でも徹底した再現が行われています。 一方ワトソンは信頼の置ける物腰の柔らかい英国紳士として描かれており、これまでのホームズの映像作品で多く見られた、怒りっぽくてミスばかりを繰り返す性格とは異なる、より原作小説に近いワトソン像を打ち立てています。それにより、破天荒で変人ぶりが目立つホームズと、良識的で穏やかなワトソンの対比が、ドラマシリーズの魅力を引き立てます。

ガイ・リッチー監督による映画シリーズ「シャーロック・ホームズ」

2009年には、ガイ・リッチー監督による映画『シャーロック・ホームズ』が公開。 ホームズ役をアメリカの人気俳優ロバート・ダウニ―・Jrが演じ、ワトソン役はイギリスの名優ジュード・ロウが演じたことでも大きな注目を集め、アカデミー賞では作曲賞と美術賞にノミネートされるなど、評論家からも高評価を獲得しています。日本国内でも21.6億円の興行収入を叩き出し、多くの映画ファンから支持を集めました。 本作でのホームズは、エキセントリックな科学者兼私立探偵で、ワトソンは元軍人の外科医という設定。特にワトソンの人物像は、原作により近いものであるともいわれています。 さらに本作で悪役に当たるブラックウッド卿役を、イギリスの実力派俳優マーク・ストロングが務めました。 本作は2011年に続編となる『シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム』が公開されたほか、2020年のクリスマスには、第3弾が本国アメリカで公開されます!あの人気コンビが9年ぶりにスクリーンへ登場するということで、映画ファンからは期待の声が相次いでいます。

ベネディクト・カンバーバッチ主演のドラマシリーズ『SHERLOCK(シャーロック)』

SHERLOCK シャーロック
©BBC/POLYBAND

2010年からは、イギリスのBBC制作のドラマシリーズ『SHERLOCK(シャーロック)』が放送開始。物語の舞台は21世紀のイギリスとなっており、スマートフォンやインターネットなどの現代電子機器を使ってホームズが事件を解決していくという、原作に大胆なアレンジを加えた物語設定となっています。 本シリーズのホームズは、恐るべき観察眼と天才的な推理力を持ちながらも、薬物依存症の一面を持ち退屈すると銃を壁に発砲するなど、狂気的な人物となっており、「高機能社会不適合者」を自称しています。さらにワトソン医師は、一見常識的で穏やかな人物ながらも、本能的に事件や戦いなどを愛してしまう側面があるなど、非常に不安定な性格です。 各エピソードは原作小説をベースにつくらており、2018年現在で全4シーズンまで制作されています。また、2016年には特別編として「忌まわしき花嫁」が制作され、日本では劇場公開されました。 本作は、2011年に英国アカデミーテレビ賞で最優秀ドラマシリーズ賞を獲得しました。またワトソン役のマーティン・フリーマンが最優秀助演男優賞を受賞するなど、評論家の間でも絶賛の声が相次いでいます。日本でも2011年からNHKで放送され、新たなホームズ像の確立に一役買いました。

シャーロック・ホームズはいつの時代も私たちを楽しませてくれる!

シャーロック・ホームズ
© Warner Bros.

世界中のクリエイターに愛され、様々な媒体で続々と映像化されている主人公シャーロック・ホームズ。 世界で一番有名な私立探偵のシャーロック・ホームズの活躍が、時代を越えてどう描かれていくか。今後もいろんなシャーロック・ホームズ作品の登場から目が離せません。