2020年7月29日更新

映画「おっさんずラブ」解説&名場面集!ネタバレありで愛を語る【キャストの相関図解説付き】

映画『劇場版 おっさんずラブ』
©2019「劇場版おっさんずラブ」製作委員会

2018年のドラマ界を席巻し、社会現象まで起こした連ドラ『おっさんずラブ』の“奇跡の劇場版”がついに全国公開!アツすぎるその内容を、ネタバレありでお届けします。

目次

映画『劇場版 おっさんずラブ LOVE or DEAD』解説&名場面集!おっさんの命を賭けた戦いの結末とは

「Twitter世界トレンドNo.1」を獲得した超話題のドラマの劇場版

2018年の「新語・流行語大賞」でトップ10に入り、Twitterの世界トレンドで第1位も獲得した連続ドラマ『おっさんずラブ』。おっさん同士のドタバタコメディかと思いきや、その正体は100%ピュアなラブストーリーという“奇跡のドラマ”でした。 その超話題作が2019年、なんと“奇跡の映画化”!全国公開は2019年8月23日、連続ドラマ終了から約一年、全国のOL(おっさんずラブ)民が待ちに待ったこの日を迎えました。 この記事では劇場版を公開日に鑑賞し、いち早くそのアツい内容をお届けします。ネタバレありのあらすじやキャスト相関図、さらにファンが悶える映画の名シーンも!おっさんたちの“ラブ・バトルロワイアル”は、どのような結末を迎えたのでしょうか? ※この記事には、作品のネタバレが含まれます。未鑑賞の方はご注意ください。

『おっさんずラブ』の魅力とは?徹底解説

劇場版『おっさんずラブ LOVE or DEAD』のあらすじ

『劇場版 おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD』ポスター
©2019「劇場版おっさんずラブ」製作委員会

春田創一(田中圭)と牧凌太(林遣都)が永遠の愛を誓った日から一年、春田は上海・香港への転勤を終えて日本に帰国していました。天空不動産の東京第二営業所へ一年ぶりに戻った春田は、黒澤部長(吉田鋼太郎)をはじめ馴染みの営業部員たちと再会します。 そんな中、本社のプロジェクトチーム「Genius7」リーダーの狸穴迅(まみあな じん/沢村一樹)が第二営業所へ現れ、リゾート開発の一大プロジェクトに第二営業所も参画するよう告げます。なんと狸穴の横には、プロジェクトメンバーとなった牧の姿も。何も知らなかった春田は動揺し、本社と営業所の間に確執が生まれると同時に、牧とも気持ちがすれ違っていくようになります。 その間に、春田を兄のように慕う営業所の後輩・ジャスティスこと山田正義(志尊淳)とは距離が縮まっていき、さらに黒澤部長が事故によって記憶喪失に!しかも忘れたのはなぜか春田の存在だけ。そして、再び春田に恋心を抱くようになり……。

後半あらすじのネタバレ

一本の電話を受けた狸穴は突然「Genius7」を呼び出し、一方的にプロジェクトのパートナーである鳳凰山グループとの提携を解約すると告げます。実は鳳凰山グループは、開発したリゾート地に麻薬を持ち込んで売りさばく計画を秘密裏に立てており、天空不動産の社長令嬢を人質に取って解約を取り消すよう迫ってきていたのです。 狸穴の強引なやり方に物申すべく、本社へ乗り込んだ春田とジャスティスでしたが、偶然この話を聞いてしまいます。そして春田は一人、鳳凰山グループ本社へ!しかし逆に拉致され、社長令嬢の薫子(おかずクラブ・ゆいP)と一緒に廃墟で監禁されることに。 春田の携帯とのやり取りで、なんとか監禁場所を突き止めた第二営業所の部員たち。急いで駆けつけますが、なんと監禁場所には時限爆弾が!慌てて外へ爆弾を投げ出した春田と薫子でしたが、爆発は避けられず絶体絶命。 黒澤部長と牧がケンカしながらも中へ救出に向かいますが、辺りはすでに火の海。春田の元へたどり着くことはできたものの、火の回りが早く牧と春田だけ取り残されてしまいます。死を覚悟した春田は、牧にどうしても言っておきたいことを話すのでした。果たして二人の運命は……?!

ドラマ版の復習はこちらで

「おっさんずラブ」ファンが悶える……!映画の名シーン

香港で春田が魅せたアクションシーン

冒頭シーンは春田の転勤先の香港。日本への帰国が決まったところから始まります。街の宝石店で呼び止められ、“永遠の愛”の売り言葉に反応してつい買ってしまった指輪を、ふと止まっていたバイクの荷台に置いた春田。なんとそのままバイクが走り去ってしまいます。

牧への指輪がなくなったら大変!香港の街を駆け抜ける春田のアクションシーンも十分堪能できますが、最初に広東語で肉まんを買う春田も超ラブリー。指輪は後に重要なアイテムになります。

サウナでラブ・バトルロワイアル勃発!

牧と心がすれ違い始めた春田は気分転換にジャスティスとサウナへ。しかしなぜかそこに黒澤部長が居合わせることに。春田の記憶だけ抜け落ちた部長が、またもや春田に「好きです」と告白し、どういうわけか春田を“はるぽん”と呼ぶ始末。はるたん、大混乱!

さらにそこへ狸穴と牧までやって来て、まるで連ドラで見たような牧とのつばぜり合いを再現します。冷水のかけ合いは狸穴やジャスティスにも飛び火して、現場はもうメチャクチャ。これぞ「おっさんずラブ」テイスト!

花火大会での告白

気持ちを顔に出さない牧が、春田と花火大会に行く約束を話すシーンでは珍しくウキウキした様子。よほど楽しみにしていたことがうかがえます。いきなり春田のネクタイをグッと引き寄せて……「頭にきんぴらごぼう付いてますよ」というツンデレはプチ見どころ!

その花火大会では、両手にりんご飴状態の春田が綿あめを持つ牧に、いつもの「それ一口ちょうだい」を!そこまではラブラブな二人でしたが、その後、春田は牧の携帯に来た狸穴からのメールを見てしまいます。嫉妬した春田は思わず牧に別れを切り出し、牧も完全に身を引いてしまうのでした。 一人になった春田の背後にはジャスティスの姿が。そこでジャスティスが放った言葉は意外なものでした。交通事故で兄を亡くしたジャスティスは、春田にも大切な人ときちんと向き合ってほしいと懇願。春田が投げ捨てた指輪を懸命に探す姿にはグッときます。

武川主任の部長愛が炸裂!

連ドラ終了時、武川主任が黒澤部長への想いを垣間見せていましたが、劇場版ではその想いがどうも強くなっているよう。

階段から落ちた部長を心配するあまり病室で強く手を握りしめたり、一緒に花火を見ながら「私の好きな人はいつも違う人を好きになってしまうので」と言ったり……切ない!武川主任の想いは果たして部長に届くのでしょうか?

春田の決断から読み取れるメッセージ【ネタバレあり】

映画「おっさんずラブ」のラストシーンを振り返る

爆発に巻き込まれ逃げ道を失った春田と牧が、最期を覚悟して真剣に語り合ったのは「これからの二人」について。

春田は牧に、牧がどんな姿になっても「牧じゃなきゃ嫌だ」「死んでも牧と一緒にいたい」と伝え、それに牧も「俺も、春田さんじゃなきゃ嫌だ」と返します。 無事生還した二人は、それぞれの夢に向かい歩み始めます。春田は住む人たちが笑顔になれる街づくりという夢を改めて持ち、本社異動も断って第二営業所でがんばっていく決意を固めました。一方牧は、シンガポール転勤で飛躍のチャンスを選びます。

お互いを信じあえる理想の関係とは

シンガポールへ発つ牧との別れのシーンは、これまで二人が築いてきた信頼関係が成熟したように思えます。たとえここで別々の道を行っても心は繋がっている、お互いの夢を尊重しあえる、そんな間柄。こんな理想的な関係が、この二人にはぴったりなのではないでしょうか。 この関係性は男性同士だけでなく、男女や女性同士でも実現可能と信じたいものです。結婚という枠組みに囚われ、家庭と仕事の役割を無意識に強いてしまう男女の関係では相変わらず難しい社会かもしれません。 しかしこれからの時代、ジェンダーにこだわっていては一緒に前に進むこともできないかも。春田と牧はやはり、大切な人との関係性の築き方という人生で最も大事なことを教えてくれています。

映画「おっさんずラブ 」制作裏話・トリビア【林遣都がアドリブ連発!?】

林遣都のアドリブに田中圭もタジタジ

あらすじでも紹介しているきんぴらごぼうのシーンは、実は牧役の林遣都のアドリブだったとか。 2019年9月4日に行われた本作の大ヒット御礼ファン感謝祭で、「ファンの好きなシーン」第3位に選ばれことで、田中圭がその撮影の様子を語りました。林のアドリブがひどいと訴えた彼は、「ネクタイ“グイッ”とかも突然やるし、俺、きんぴら食わされると思ってなかったから! 断ってるのに、食べるまで(林が)やめないから!」と批判。 そのほかにも、林は内田理央演じるちづとのシーンでも時計のブランド名をその場で考えるなどのアドリブを披露していたそうです。

ラストシーンの撮影後は監督・キャストそろって号泣!?

同イベントで「ファンの好きなシーン」に選ばれたのは、やはり春田と牧のラストシーン。撮影を振り返ると監督の瑠東東一郎が目を潤ませ、それに田中がツッコミを入れました。 「 こんな感じで、撮影当日も感極まって震え始めたんだよね。それが遣都にも伝染して、俺にも伝染して……。大変だったんですよ」と田中が明かすと、林は「そうでしたっけ?」ととぼける始末。さらに「(自分は)朝イチにこのシーンかよ、って思ってましたね」とクールなコメントで、会場の笑いを誘いました。

映画の登場人物&キャスト相関図解説

劇場版『おっさんずラブ』人物相関図
©︎ciatr

天空不動産東京第二営業所に勤める春田創一(田中圭)は、同僚の瀬川舞香(伊藤修子)や栗林歌麻呂(金子大地)、上司の武川政宗(眞島秀和)や黒澤武蔵(吉田鋼太郎)に囲まれ、お人好しで不器用ながらも仕事に邁進する日々を送っています。 連ドラでは、本社から異動してきた牧(林遣都)と実家をルームシェアした春田は、次第に牧を大切な人と感じるように。一方、牧の元彼の武川は牧の行く末を心配するあまり暴走気味。未練もあり、一時春田とはギクシャクしました。 “はるたん”こと春田に恋してしまった黒澤部長は妻の蝶子(大塚寧々)と別れ、その蝶子に“マロ”こと栗林歌麻呂が恋に落ち、春田の幼なじみのちずも春田への恋心に気づいて告白。牧は春田の幸せを願って一旦身を引きました。 劇場版ではどうやら狸穴迅(沢村一樹)が牧にアプローチをかけてくる様子。逆に春田にはジャスティス(志尊淳)が好意を抱くように。連ドラでも複雑だった人間関係が、劇場版ではさらに複雑になりそうです!

映画から登場する新キャスト一覧

狸穴迅(まみあな じん)/沢村一樹

春田たちが働く天空不動産で、新たなプロジェクトが発足。その新プロジェクトのリーダーで、春田たちのライバルとして立ちふさがるのが、狸穴迅(まみあな じん)です。 演じるのはエロ男爵の異名で知られる、沢村一樹。2006年にNHKで放送されたコント番組『サラリーマンNEO』ではセクスィー部長に扮し、視聴者の心を掴んだ功績があります。 沢村は本作の撮影に参加し、「人間関係を超えたラブみたいなものが出来上がっているとすごく感じました。」とコメント。映画「おっさんずラブ」でもキャラの濃い“おっさん”を好演してくれるに違いありません!

山田正義(ジャスティス)/志尊淳

天空不動産の第二営業所に配属された、新入社員・山田正義(ジャスティス)。キラキラネームに負けない、陽気な性格です。 そんな山田正義を演じるのは、D-BOYSのメンバーでもある俳優の志尊淳。2014年、戦隊ドラマ『烈車戦隊トッキュウジャー』で主人公トッキュウ1号を演じ、一躍有名になりました。 自身も一視聴者としてドラマのファンだったという志尊ですが、映画版に参加することになり「テンションを高くキープすること」と「現場の空気感をそのまま発進すること」を意識したと語っています。テンションの高い山田正義(ジャスティス)が、どのように五角関係に関わってくるのか注目が集まります。

ドラマから続投のキャストを紹介

春田創一(はるた そういち)/田中圭

33歳、生粋の一人っ子。天空不動産東京第二営業所で営業として働き、仕事は真面目に頑張っています。しかし私生活はというと、30過ぎても実家の母親をあてにし、家事全般が不得意。「ロリで巨乳」がタイプと公言し、モテません。優柔不断で流されやすいですが心優しく、ダメンズっぷりも可愛くみえてしまいます。 そんな春田を演じるのは、近年ダメンズ役に定評がある俳優・田中圭。春田がダメダメでも許せるのは、もはやそれを田中圭が演じているからといっても過言ではありません。

牧凌太(まき りょうた)/林遣都

25歳の牧凌太は、もともと天空不動産の本社開発事業部に所属していましたが、春田のいる営業部に異動してきます。物件を探しながらウィークリーマンションに住んでいましたが、春田からルームシェアに誘われて同棲をはじめます。 家事全般を得意とし、お婿さんに迎えたい男性ナンバーワンといっても過言ではありません。自身はゲイを自覚しているのですが、春田には拒絶されることを恐れて隠していました。しかし、部長が告白したことに触発されて自分も思いをぶつけることにします。 彼を演じるのは、又吉直樹原作の『火花』や『荒川アンダー ザ ブリッジ』などのドラマ出演で知られる俳優の林遣都。本作をきかっけにファンから「チワワ」というあだ名を得ました。

黒澤武蔵(くろさわ むさし)/吉田鋼太郎

55歳、天空不動産東京第二営業所・営業部部長にして『おっさんずラブ』のヒロイン、黒澤武蔵。仕事がバリバリでき、統括力・指導力もピカイチなまさに理想の上司。しかし、頼り甲斐のあるダンディな部長というのは、表の顔。本当は、誰よりも純粋な恋する乙女。 春田に恋して10年、隠し撮りをして10年、ついに気持ちを伝えることに。結婚している妻と別れるほどその気持ちは強く、誰も彼を止めることができません。 そんな部長こと武蔵を演じて再ブレイクしたのが、俳優・吉田鋼太郎。劇団四季にいた経歴などがあり、その演技力は目を見張るものがあります。渋カッコい吉田鋼太郎が会社の後輩に萌えまくる姿に、思わず恋を応援してしまいたくなるものです。

武川政宗(たけかわ まさむね)/眞島秀和

天空不動産東京第二営業所・営業部主任の武川政宗は独身貴族の44歳。潔癖症であり、ミスの多い新人を怒鳴るなど少し神経質な一面を見せます。しかし、実は彼もまたゲイであり、牧の元彼でした。春田を巡る三角関係に参戦するかと思いきや、本当は牧とよりを戻したかっただけという真意に心打たれます。 そんな武川を演じたのは、ありとあらゆる作品に出演するバイプレイヤー眞島秀和です。

荒井ちず(あらい ちず)/内田理央

最後に紹介するメインキャラクターは、春田の幼馴染である荒井ちず。彼とはなんでも話せる関係であり、彼から部長に告白されたことを相談されると、彼の偏見を叱ります。加えて、セクハラしてきた取引先の偉い人を殴って辞職するなど正義感の強い一面も。しかし、自分の知らないうちに抱いていた春田への恋心に気づくと、戸惑ってしまいます。 彼女を演じるのは「だーりお」で親しまれている内田理央。モデル、グラビア、女優と広い分野で活躍し、今人気の高い女優の一人です。

笑って、泣けて、心に刺さる映画「おっさんずラブ」の世界を堪能しよう

連ドラからの劇場版という流れは、まったく珍しいものではなくなってきましたが、この作品ほど劇場版実現を心待ちにし、公開前に胸躍ったものはあまりないかもしれません。 連ドラを何度も見直した人も、登場人物の誰に感情移入しても最終的には満足できる、そんな劇場版に仕上がっていると思います。 部長の迷言に笑い、はるたんのキュートさに悩殺され、牧や主任の心情に寄り添って泣けてくる。そんな「おっさんずラブ」の世界は健在です!