『焼肉ドラゴン』が豪華キャストで映画化!キャスト・あらすじを紹介【鄭義信が監督】
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映画『焼肉ドラゴン』に真木よう子、井上真央ら豪華キャストが集結!
予告編が解禁
2008年に初演された鄭義信による戯曲『焼肉ドラゴン』は日韓両国で上演され、大ヒット。様々な賞を受賞するなど、高い評価を得ました。 そんな『焼肉ドラゴン』が、鄭義信自身の手で映画化され、2018年6月22日に公開されることが発表されました。同作では、真木よう子、井上真央、桜庭ななみ、大泉洋が共演する事も明らかになっています。 この記事では、人気俳優たちが共演する同作のあらすじ、キャスト、スタッフなどの情報をご紹介。また、記事の後半では、原作となった戯曲のネタバレもご紹介しますので、最後までお楽しみください!
映画『焼肉ドラゴン』のあらすじは?
70年代の大阪を生きる在日韓国人の家族の姿を描く
『焼肉ドラゴン』は、2008年に鄭義信が作・演出を務めて発表した舞台が原作の作品です。 同作では、1970年代の関西の地方都市で小さな焼肉店「焼肉ドラゴン」を営む在日韓国人の家族が、時代の荒波に飲まれながらも懸命に生きていく姿が描かれます。 舞台版は「第16回読売演劇大賞」大賞・最優秀作品賞など様々な演劇賞を獲得するなど、高く評価されています。
体調不良から復帰?真木よう子が長女・静花役で出演!
本作で、一家の長女・静花役を演じるのは真木よう子。2017年には、体調不良を理由に『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(大根仁監督、2018年8月31日公開予定)から降板した彼女ですが、2018年1月17日、一部メディアが彼女の活動再開を報じました。人気女優の真木だけに、彼女の活躍が再びスクリーンで見られるのは本当に喜ばしいですよね! また、一足先に完成した作品を見たという真木は、自身の期待を超える作品になったと、自信を覗かせるコメントを発表。そして、1人でも多くの人に『焼肉ドラゴン』の素晴らしさが伝わって欲しいともコメントしています。
井上真央、桜庭ななみが真木の妹役で出演!
『焼肉ドラゴン』には、劇中で真木が演じる一家の長女・静花の妹役で、井上真央と桜庭ななみも出演します。劇中で井上が演じるのは姉への想いを秘めた常連客と結婚する次女・梨花役、桜庭が演じるのが妻がいる男性と恋に落ちる三女・美花役です。
井上は本作について「忘れることのできない作品になった」、桜庭は「完成した映画を観た時は、心の内に暗いものを秘めている一人一人が、明るく力強く毎日を送っている姿、家族の絆に感動しました」とそれぞれコメント。キャストのコメントからも、作品への大きな自信が伝わってきます。
静花を想いながら梨花と結婚する常連客役を演じるのは大泉洋!
また、本作には焼肉ドラゴンの常連客・哲男役として、大泉洋が出演する事も明らかになってします。哲男は、静花への想いを心に秘めながら、梨花と結婚するという役柄。設定だけを見ても、かなり複雑な心情を表現する事になりそうなので、大泉の演技に今から期待が高まります。 また、舞台『焼肉ドラゴン』のファンだったという彼は、出演のオファーを受けた際に、光栄な気持ちと緊張感が同時にあったとコメント。その上で、「日本と韓国の役者陣が鬼気迫る表情や演技で見せる作品になったと思います」「舞台とはまた違う、映画『焼肉ドラゴン』を是非楽しみにしていてください」と、自信を覗かせるコメントも発表しています。
韓国からは名優キャスト2人が参戦!
キム・サンホとイ・ジョンウンが父親と母親を演じる
韓国の名優キム・サンホとイ・ジョンウンが映画『焼肉ドラゴン』に参戦することが決定しました。キム・サンホは一家の大黒柱でもある父親・龍吉(ヨンギル)に扮し、イ・ジョンウンは強く優しい母・英順(ヨンスン)を演じます。 キム・サンホは2015年公開の『海にかかる霧』や『ビューティー・インサイド』などに出演してきたベテランバイプレイヤー。イ・ジョンウンも『哭声/コクソン』や『オクジャ okja』など話題作で存在感を発揮してきた名女優です。 韓国からの心強いキャスティングと、真木よう子、大泉洋らとのコンビネーションに期待が高まるばかりです。
『焼肉ドラゴン』の原作・監督・脚本を手掛ける鄭義信とは?
原作である同名の戯曲を手掛け、本作でも監督・脚本を手掛ける鄭義信(チョン・ウィシン/ていよしのぶ)は、映画『岸和田少年愚連隊』『血と骨』などの脚本も担当している劇作家・演出家です。主に、関西の土着的な風俗や自身のルーツでもある「在日コリアン」を題材にした作品で知られます。 舞台版では作と演出を務めた鄭は、これまでに劇作家として岸田國士戯曲賞や鶴屋南北戯曲賞を、脚本家としてキネマ旬報ベスト・テン脚本賞を三度受賞するなど数々の賞に輝いています。また、2014年には紫綬褒章を授与されるなど、文化人としての不動の地位を築きました。 鄭義信は再演、再再演を経て決定した本作の映画化について「感無量としか言いようがありません」とコメントしています。
大泉洋VS井上真央!撮影シーンを振り返りイベントでも
4月9日に行われた完成披露試写会に、監督のた鄭義信と真木よう子、井上真央、大泉洋、桜庭ななみらが登壇。 撮影を振り返った井上真央は、大泉に罵声を浴びせるシーンは当初台本にはなかったことを明かしました。「関西弁でいっぱいいっぱいなのに、自転車をこぐのが下手で自然と怒りがわいてきた」という井上に対し、大泉が反撃。 井上の荷台の乗り方がおかしかったと指摘し「セットだから道も狭いし、真央ちゃんの足に当たっちゃいけないと思うし」と井上に対して気を使いながらも、大泉節をさく裂させました。 その後も2人の口撃は続き、映画のキャッチコピーにちなんで明日を前向きに生きる秘訣を発表していく場面では、「笑うこと」「自分を信じる」など真木や桜庭の言葉に対し大泉が「そんな綺麗ごとでは元気が出ない」と発言。 そんな大泉のメッセージは「今日一日をボヤいて寝る」で、それを見た井上が「現場でも常にぼやいていた。ボヤきが活力だったんだって納得です。」と暴露し、会場の笑いを誘いました。
5/22舞台挨拶が開催!真木よう子らキャストと監督が登壇
5月22日にTOHOシネマズ新宿にて行われた舞台挨拶には鄭義信監督を始め、真木よう子、井上真央、桜庭ななみ、大江晋平、そして韓国の名優・キム・サンホが登場しました。
「アボジ」役のキム・サンホが面白すぎる!
「お父さん役はキム・サンホしかいないと思った」と語る鄭監督。撮影に8時間もかかったという日本語での長台詞の場面を見事に演じ切ったというサンホを高く評価しました。 しかし、そんなキム・サンホ、びっくりするほど非常にお茶目な人物! 真木はサンホについて撮影現場の雰囲気を盛り上げてくれたとしつつも、最初に彼から教わった韓国語がとんでもないスラングだったと語り、鄭監督が「とても汚い言葉なんで、聞かない方がいいですよ」と慌てる一幕も。しかし、キム・サンホは「この言葉」を自らを奮い立たせるために使うんだ、とおどけて見せました。 また、井上はサンホがお酒が大好きだったとコメント。翌日撮影があるのに3軒目に向かおうとするサンホを、真木が連れ帰ろうとする場面を語りました。 そして、井上演じる梨花の夫・哲男を演じた大泉洋のことが大好きだったというサンホ。今回の舞台挨拶に大泉が来れなかったことについて、「あの野郎!仕事で来れないとか言って、どこをほっつき歩いてやがるんだ!?早くここに来いよ。......会いたかったです」と、大泉への深い愛(?)を表現しました。
このほか、母・英順を演じたイ・ジョンウンからの手紙がサプライズで読み上げられ、現場での日韓の国を超えた深い関係が伺われました。
【ネタバレ注意】原作となった戯曲『焼肉ドラゴン』のあらすじを徹底紹介!
1 関西の地方都市で開業された焼肉店「焼肉ドラゴン」
金龍吉(キム・ヨンギル)は、第二次世界大戦で左腕を失い、四・三事件で故郷の韓国・済州島を追われて来日した高英順(コ・ヨンスン)と出会いました。 龍吉は娘の静花(しずか)と梨花(りか)、英順も娘の美花(みか)を連れて再婚。夫婦は国有地を不法占拠した関西の集落で、焼肉店「焼肉ドラゴン」を開業しました。 やがて、長男の時生(ときお)が生まれ、日本万国博覧会が開催される1970年を迎えます。 次女の梨花は常連客の李哲夫(り・てつお)との結婚が決定するも、哲夫が婚姻届の提出に行った区役所の職員と口論になり、そのまま店に帰って来ました。 哲夫は昔、長女の静花と交際していて、ある事件が原因で別れた過去があるのです。未だに静花に未練があるようですが、哲夫は梨花に謝罪。静花は2人に気を遣ったのか、日本語が全く話せない、尹大樹(ユン・テス)という韓国人を店に連れて来て交際を始めました。
2 次々と起こる恋愛騒動、中学校でいじめられた時生は……
しかし、哲夫は入籍後も働こうとせず、夫婦仲は悪くなるばかりでした。さらに、歌手を夢見る三女の美花は、勤め先のクラブの支配人の長谷川(はせがわ)と不倫関係に……。 そんな三姉妹の恋愛騒動と同時に、焼肉ドラゴンは国から立ち退きを命じられました。 梨花は静花を想う哲夫に傷心し、常連客の呉日白(オ・イルベク)と関係を持ちます。離婚を考えて母に相談しますが、英順は長谷川の妻が店に乗り込んできた事件もあって、梨花の離婚も美花の不倫も許さないと言いました。 静花は大樹との婚約を発表するも、梨花に見切りをつけた哲夫に北朝鮮への帰国事業で一緒に移住して欲しいと頼まれ、それに応じて婚約は流れます。その一方で、有名私立中学に通う時生はいじめによって失語症を患い、不登校のまま留年が決まりました。 龍吉が登校するよう説得しますが、時生はトタン屋根から飛び降り自殺するのです。
3 ついに焼肉ドラゴンが取り壊され離散する一家
英順が悲しみに暮れる中、美花が不倫の末に妊娠し、妻と離婚した長谷川が龍吉と英順に結婚の許可をもらうために店を訪れました。英順は認めようとしませんが、龍吉は長谷川に自らの過去を語り、美花をよろしく頼むと頭を下げます。 その後、土地の収容に訪れた公務員(長谷川の元妻の妹)に、土地は買ったものだと主張し、「戦争でなくした腕を帰せ」「時生を帰せ」と叫ぶ龍吉。 しかし、1971年春、ついに焼肉ドラゴンは取り壊されてしまいました。 静花は哲夫と北朝鮮へ、梨花は日白と韓国へ移住し、美花は長谷川と日本でスナックを経営することになり、一家は離れ離れになります。時生の幽霊がトタン屋根の上で手を振り、リヤカーを引いて去っていく龍吉と英順の姿を見守っていました。 龍吉は舞い散る桜吹雪を見つめて、「わしらを祝福してくれとる」「こんな日は、昨日がどんな日であったとしても、明日を信じられる」と呟くのでした。
映画『焼肉ドラゴン』、2018年6月22日に公開決定!
高い評価を獲得した舞台を、原作者自ら注目のキャストで映画化する『焼肉ドラゴン』は2018年6月22日公開です。キャスト・スタッフ共に作品のクオリティに大きな自信を覗かせる本作には、自然と期待値も上がります。 なお、この記事は作品の続報が入り次第、随時更新していきます。