2018年3月5日更新

アカデミー賞2冠!『スリー・ビルボード』娘を殺された母の戦い【あらすじ・キャスト】

このページにはプロモーションが含まれています
スリー・ビルボード (ゼータ)
© 2017 Twentieth Century Fox

AD

期待の新作『スリー・ビルボード』

アカデミー賞の前哨戦ともいわれるゴールデングローブ賞で作品賞を含む最多四冠に輝いた『スリー・ビルボード』。『セブン・サイコパス』(2012年)などで知られるマーティン・マクドナー監督の最新作です。本年度の第90回アカデミー賞では6部門7ノミネート、そして2つのアカデミー賞を受賞し、注目を集めています。 2017年の全米公開で大ヒットスタートをきり、公開10週を超えてもヒットを続けている本作が2018年2月1日を持って日本でも公開が始まりました。 公開に伴い、『スリー・ビルボード』のあらすじやキャスト、みどころをまとめました!

三つの大看板と母の思い。『スリー・ビルボード』のあらすじ

「レイプされ、殺された」「逮捕はまだ?」「なぜ?ウィロビー署長」 アメリカはミズーリ州のエビング。田舎町の大看板に突如3つのメッセージが現れます。それは娘を殺された1人の女性ミルドレッド・ヘイズによるものでした。成果の出ない捜査に腹を立てた彼女は、大看板をつかって警察へ抗議の声をあげたのです。 彼女の大胆な行動は警察との対立を招きます。それだけではありません。皆に愛される警察署長ウィロビー個人を糾弾するメッセージは町の人々の反感をも買ってしまいます。さらに、ミルドレッドは息子からも共感を得られず、離婚した元夫までもが忠告をしにやってきます。次第に孤立していくミルドレッド、ところが事態は予想もつかない方向へと進み始めるのです……。

AD

『スリー・ビルボード』のキャスト

フランシス・マクドーマンド(ミルドレッド)

主演をつとめたのはフランシス・マクドーマンド。エネルギッシュで大胆な主人公ミルドレッドを好演しました。 コーエン兄弟による1984年の作品『ブラッド・シンプル』で映画デビュー、数々の映画やテレビシリーズに出演し、アカデミー賞・エミー賞・トニー賞を獲得した経歴をもつ名女優です。本年度アカデミー賞でも主演女優賞にノミネートされている彼女は、すでにこの役でゴールデングローブ賞を勝ち取っています。ユーモアを交えながらTime's Up運動を賞賛した受賞スピーチは話題になりましたね。

ウディ・ハレルソン(ウィロビー)

父親が雇われ殺し屋だった、というまさに映画のような生い立ちで知られるウディ・ハレルソン。1982年スタートのテレビシリーズ『チアーズ』でデビュー以降、『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(1994年)や『ゾンビランド』(2009年)などで多くの個性的な役に取り組んできた俳優で、マクドナー監督作品『セブン・サイコパス』(2012年)にも出演しています。 本作ではウィロビー署長を演じています。ミルドレッドに名指しで非難されたウィロビーは、ろくに捜査をしていない不誠実な警察官かと思いきや実はきちんと考えていることがあるのです。キャラクターの重層的な内面を見事に表現しました。 本年度のアカデミー助演男優賞にノミネートされており、これは彼にとって2度目のノミネートとなります。

AD

サム・ロックウェル(ディクソン)

ウディ・ハレルソンと同じく『セブン・サイコパス』でマクドナー作品に出演済みのサム・ロックウェル。 ミルドレッドと激しく対立するディクソン巡査を演じました。ディクソンは、ウィロビーを慕う一方で、拘留中の黒人相手に暴行事件を起こしたことのあるレイシストでもあります。 ディクソンを演じるために、60年代テレビドラマ『メイベリー110番』のバニー・ファイフや『タクシー・ドライバ』(1976)といった参考にしたのだとか。また彼自身の意向で、映画の舞台であるミズーリ独特のアクセントを身につけたことも明かしています。 フランセス・マクドーマンド同様、本作でゴールデングローブ賞を受賞しており、本年度アカデミー助演男優賞にもノミネートされています。

ピーター・ディンクレイジ(ジェームズ)

2009年からスタートした大人気テレビシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』のメインキャストとして一躍有名になったピーター・ディンクレイジ。『X-MEN: フューチャー&パスト』(2014年)では、科学者ボリバー・トラスクという物語の核となるキャラクターを演じていました。 本作で彼が演じたジェームズは、ミルドレッドの友人で彼女に好意的に接するカーディーラーです。

アビー・コーニッシュ(アン)

アビー・コーニッシュも『セブン・サイコパス』のキャストでした。本作ではウィロビーの年の離れた妻アンを演じており、ウィロビーという人物を紐解くうえでも重要なキャラクターです。 『ブライト・スター ~いちばん美しい恋の詩~』(2009年)や『エンジェル・ウォーズ』(2011年)で注目されてきた女優です。最近では『ジオストーム』(2018年1月19日 日本公開)にもメインキャストとして出演しています。

AD

ジョン・ホークス(チャーリー)

孤立無援になっていくミルドレッドのもとを訪れる元夫のチャーリー。彼は「警察は捜査よりお前をつぶすことに必死だ」と忠告するだけでなく、ミルドレッドを動揺させる重要な事実を伝えるのです。 チャーリーを演じるジョン・ホークスは『X-ファイル』『24 -TWENTY FOUR-』といった多くの大ヒットテレビドラマに出演経験をもち、『ウィンターズ・ボーン』(2011年)ではアカデミー助演男優賞へノミネートされたこともある俳優です。

ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(ウェロビー)

ウェロビーは、物語の舞台となる町の広告会社に勤める男。ミルドレッドが大看板をつかってメッセージを出すために1年契約を結ぶ相手です。 この役に抜擢されたケイレブ・ランドリー・ジョーンズは『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』(2011年)で口から超音波を出すミュータント、バンシーを演じていた若手俳優です。 今回のウェロビー役で、デトロイト映画批評家協会賞のブレイクスルー賞にノミネートされました。

みどころは「重すぎない」こと?

田舎町を舞台に繰り広げられるクライム・サスペンス『スリービルボード』。娘を失った母の想いや警察官の差別主義というシリアスな要素を中心に展開するにもかかわらず、程よくユーモアを交えることで重苦しくなりすぎていないことが作品のキモだと言えるかもしれません。 また狭いコミュニティのなかでの人間関係や、個々人の内面をあぶりだしていくところはヒューマンドラマだともいえる本作。光と影、喜劇と悲劇のミックスに仕上がっていると評価されています。

AD

『スリー・ビルボード』日本公開は2018年2月1日!アカデミー賞の結果は?

多くの批評家から高評価を得て、前評判も上々な『スリービルボード』。鑑賞するまで期待値が上がるばかりです。 今年度アカデミー賞には作品賞・主演女優賞・助演女優賞・脚本賞・作曲賞・編集賞でノミネートされています。そして、フランシス・マクドーマンドが主演女優賞を、サム・ロックウェルが助演男優賞を獲得し、アカデミー賞2冠を達成しました!

主演女優賞受賞のフランシス・マクドーマンド、オスカーを盗まれる!?

フランシス・マクドーマンドが栄光の主演女優賞を獲得した矢先に、彼女のオスカー像が盗まれるという珍事件が発生しました。盗んだ男はすぐに窃盗罪で逮捕され、数時間後には無事オスカー像を取り戻せたようです。 犯人は入場チケットを使って会場に侵入したそう。一体どのようにして入場チケットを手に入れたのか気になるところです。