2018年2月16日更新

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』実話に基づく映画の内容とは?【スピルバーグ】

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ペンタゴン・ペーパーズ (プレス)
©Twentieth Century Fox Film Corporation and Storyteller Distribution Co., LLC.

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アメリカ政府の機密文書流出事件を元にした映画『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』

スティーブン・スピルバーグ監督の最新作『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(原題『The Post』)が2018年3月30日から全国公開されます。アカデミー賞をはじめとする賞レースの大本命としても注目を集める本作には、メリル・ストリープ、トム・ハンクスといった名優が出演。 本作は1971年にアメリカで起きた、国防総省の機密文書”ペンタゴン・ペーパーズ”の流出事件を題材にした実話に基づいたの社会派作品です。社会に論争を巻き起こしているドナルド・トランプが大統領に就任してから45日後に製作発表されたことも相まって、スピルバーグが現代社会に投げかけるメッセージ映画として注目が高まっています。 この記事では、本作のあらすじ、キャスト、スタッフを紹介していきます。

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』の内容は?

ペンタゴン・ペーパーズ (プレス)
©Twentieth Century Fox Film Corporation and Storyteller Distribution Co., LLC.

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』の物語の舞台となるのは、泥沼化するベトナム戦争に対して、アメリカ国内でも反戦ムードが強くなっていた1971年。その時代、アメリカ国防省にはベトナム戦争の経過と客観的なデータをまとめた、通称「ペンタゴン・ペーパーズ」と呼ばれる機密文書がありました。 この存在を知ったNY タイムズと、そのライバルであるワシントン・ポストの面々は、真実を報道しようとしますが、政府によって報道の自由を規制され、記事の発行を止められてしまいます。これに対して、NY タイムズ、ワシントン・ポスト紙の2つの新聞社は、時に争いつつもやがて連携し、真実を世間に伝えるための行動を開始します。 本作では、こうした事件の中で、立場を超えた人々の絆や葛藤のドラマが描かれるとのことです!

映画の題材になった「ペンタゴン・ペーパーズ暴露事件」とは?

ペンタゴン・ペーパーズ (プレス)
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本作は、「ペンタゴン・ペーパーズ暴露事件」という実際の事件を題材にした作品です。この事件は、ベトナム戦争の客観的な記録をまとめた資料の一部をNYタイムズ、ワシントン・ポストが報道し、記事の差し止めを巡り、アメリカ政府と新聞社が法廷で争うことになったというもの。 最終的に記事を差し止めようとした政府は敗訴し、この報道がアメリカ国内の反戦運動をさらに盛り上げる結果になりました。

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映画『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』のキャスト

ベン・バラディー /トム・ハンクス

トム・ハンクス リタ・ウィルソン (プレス)
©Twentieth Century Fox Film Corporation and Storyteller Distribution Co., LLC.

本作の主人公となる、ワシントン・ポストの編集者・ベンを演じるのは俳優トム・ハンクス。ベンは、ペンタゴン・ペーパーズの出版をめぐってアメリカ政府と戦った人物です。編集者としての経歴に加え、歴史教育の重要性を唱えた人物であり、数々の研究施設に貢献もしています。 ハンクスはコメディアンとしてキャリアをスタートさせましたが、1979年『血塗られた花嫁』で映画俳優としてデビューします。 1993年にエイズにまつわる問題をテーマにした作品『フィラデルフィア』、1994年に知的障害を抱えた男性を主人公にしたヒューマンドラマ『フォレスト・ガンプ/一期一会』に続けて出演。 2年連続でアカデミー主演男優賞を受賞という快挙をなしとげ、一躍有名俳優としてその名を轟かせました。これまでも『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』『ブリッジ・オブ・スパイ』といったスピルバーグ作品に出演してきたトム・ハンクスですが、メリル・ストリープとは本作が初共演となります。

トム・ハンクスとスピルバーグは実は5度目のタッグ?

ペンタゴン・ペーパーズ (プレス)
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スピルバーグ監督ととトム・ハンクスがタッグを組むのは本作がなんと5度目。二人の代表作には、1998年の実話に基づいた戦争映画『プライベート・ライアン』、2002年の天才詐欺師を追うFBI捜査官の追跡劇『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』、2004年の空港に閉じ込められてしまった男を描いた『ターミナル』などがあります。 二人は2001年に第二次世界大戦を扱ったテレビドラマ『バンド・オブ・ブラザース』を共に製作指揮した実績ももっています。相性は最高。

キャサリン・グラハム/メリル・ストリープ

ペンタゴン・ペーパーズ (プレス)
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ワシントン・ポストの出版者、キャサリン・グラハムを演じるのは女優メリル・ストリープです。 彼女が演じるキャサリン・グラハムは、ワシントン・ポストの出版社で、同紙を20年近くにわたって支えた人物です。ベンと共に、ペンタゴン・ペーパーズ出版の為に尽力しました。1998年に出版された彼女の自伝「キャサリン・グラハム わが人生」は、アメリカの文学賞であるピューリツァー賞を受賞しています。 ストリープはイェール大学で演技を学んだ後、舞台女優として活動を始めました。映画女優になったきっかけは、1976年『タクシードライバー』に出演していたロバート・デ・ニーロの演技に感銘を受けたことでした。 その後映画のオーディションを受け始め、1977年『ジュリア』で銀幕デビュー。映画女優として成功を重ねていきます。 そして1979年の『クレイマー、クレイマー』ではアカデミー助演女優賞、さらに1982年の『ソフィーの選択』と2011年公開の『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』で二度アカデミー主演女優賞に輝いている大女優です。

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スピルバーグの元に、豪華スタッフが集結!

世界屈指のヒットメーカー、スティーブン・スピルバーグ監督とは?

スティーブン・スピルバーグ (プレス)
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本作のメガホンをとるのは「ジュラシック・パーク」シリーズ、「インディ・ジョーンズ」シリーズなどで知られるスティーブン・スピルバーグ監督です。世界屈指のヒットメーカーとして知られる彼は、これまで様々なジャンルの作品を発表しており、『プライベート・ライアン』『ブリッジ・オブ・スパイ』といった実話をもとにした作品でも高い評価を獲得しています。 そんなスピルバーグの新作ということで、本作への期待も自ずと高まりますね!

脚本には『スポットライト 世紀のスクープ』のジョシュ・シンガーが参加

本作では、スピルバーグのもとに優秀なスタッフが集っていることでも注目を集めています。例えば、本作に脚本家の一人として参加しているジョシュ・シンガーは、第88回アカデミー賞で作品賞、脚本賞を受賞した『スポットライト 世紀のスクープ』を手掛けた人物です。同作も実話をもとに、真実に迫る新聞社を描いた作品なので、興味のある方はチェックしてみてくださいね!

音楽は「スター・ウォーズ」シリーズの巨匠ジョン・ウィリアムズ

本作の音楽を手掛けるのは、ジョン・ウィリアムズ。「スター・ウォーズ」シリーズ、「ハリー・ポッター」シリーズ……などなど、数えきれないほどの代表作を持つ作曲家です。スピルバーグ作品には欠かせない人物と言われることも多い彼が本作の音楽を担当しているので、作品の鑑賞中は、音楽にも注意してみるとより一層物語を楽しむことができるのではないでしょうか!

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スピルバーグが今この映画を作る意味とは?トランプ大統領とも関係

スピルバーグは、ドナルド・トランプ大統領の就任からわずか45日後に本作の製作を発表。この際、彼は先に製作する予定だった作品を前倒していたという事も明らかになっています。これは、報道のが強く規制されるようになり、国民に真実が伝わりづらくなっている今だからこそ、現代社会に警鐘を鳴らす意味があるという判断によって行われたことだったそうです。

ペンタゴン・ペーパーズはどのようにして流出したのか?

ペンタゴン・ペーパーズ (プレス)
©Twentieth Century Fox Film Corporation and Storyteller Distribution Co., LLC.

物語の軸となる文書、ペンタゴン・ペーパーズの流出事件はどのように起こったのでしょうか? 流出のきっかけを作ったのは、当時シンクタンクに勤務しており自身も文書の執筆に関わっていたダニエル・エルスバーグという人物でした。エルスバーグはハーバード大学を卒業しながらも愛国心から海兵隊に入隊するほどのナショナリストでした。 当初はベトナム戦争擁護派だった彼は、自らがベトナムに赴いて実情を目の当たりにしたことにより、反対派に転向。ペンタゴン・ペーパーズに書かれた真実を報道し、政府が隠している真実を明らかにしたいと思うようになりました。 そしてついに彼は、ニューヨーク・タイムズ紙に文書のコピーを手渡したのです。

既にあった!?ワシントン・ポストのジャーナリストが主人公のもう一つの映画

大統領の陰謀
実は本作、米紙ワシントン・ポストのジャーナリストを扱った映画としては1976年の『大統領の陰謀』に続く2作品目にあたります。 映画『大統領の陰謀』は、1972年にアメリカの民主党本部で起こった盗聴侵入事件を取材したワシントン・ポストの記者の手記にもとづいて制作された作品で、その年のアカデミー賞では8つの部門にノミネートされ、うち4部門では受賞を果たしています。 『ザ・ポスト(原題)』と合わせて鑑賞すると、報道の自由という物語のテーマをいっそう深く味わうことができるかもしれません。

アカデミー賞受賞なるか?賞レースの大本命としても注目!

ペンタゴン・ペーパーズ (プレス)
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本作は、アカデミー賞の前哨戦とも言われるゴールデングローブ賞の6部門(監督賞、主演女優賞、主演男優賞、脚本賞、音楽賞、作曲賞)にノミネートしています。この事からも本作はアカデミー賞をはじめとする賞レースの大本命として注目を集めています。

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その他のゴールデングローブ賞のノミネート作品は?

本作の対抗馬として賞レースで注目を集めているのは、ゴールデングローブ賞の最多7部門にノミネートされたギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』。この他には、日本でも2017年に公開されたクリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』、2人の青年の恋を描いた『君の名前で僕を呼んで』(原題:Call Me By Your Name)などもノミネート作品となっています。

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』の日本公開は2018年3月30日!

ペンタゴン・ペーパーズ メイキング (プレス)
©Twentieth Century Fox Film Corporation and Storyteller Distribution Co., LLC.

豪華スタッフ、キャスト陣が集結し、早くも高い評価を獲得している『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』は、2018年3月30日に日本でも公開です!