【完全保存版】2018年(第90回)アカデミー賞受賞結果一覧!ノミネートを含めて徹底解説!【最新情報】

2018年3月5日更新

3月4日に行われる2018年アカデミー賞の授賞式。前年は最優秀作品賞発表でハプニングがありましたが、2018年アカデミーは如何にーー。作品賞、監督賞、主演男優・女優賞、脚本賞、助演男優・女優賞、外国語映画賞の8部門を徹底解説します!【最新情報】

2018年第90回アカデミー賞徹底解説!受賞作品/俳優・女優一覧

映画通には欠かせない!アカデミー賞は夏から楽しむもの?

夏以降に公開された作品が受賞しやすいアカデミー賞。イメージとしては、日本の紅白歌合戦や流行語大賞に年末の人気者が入るのと似ているかもしれません。そのため、5月のカンヌ国際映画祭や8〜9月のヴェネツィア国際映画祭で注目を集めた作品は、おのずとアカデミー賞候補に浮上します。 さて、この記事では2018年第90回アカデミー賞受賞作品・ノミネート作品や、それにまつわる関連情報を徹底的に紹介していきます。

意外と知らないアカデミー賞の条件と、2018年のスケジュール

アカデミー賞の選考対象は、前年1月1日~12月31日までにロサンゼルスで公開された作品。第90回となる2018年度のアカデミー賞は、2017年に公開された作品を対象に、以下のスケジュールで選出されます。 まず行われるのがノミネート投票。2018年度は1月5日~1月12日の1週間で、1月23日にはノミネートされた作品や俳優が発表されます。投票するのは約6,000人のアカデミー会員です。世界的に影響力のある賞ですが、投票できるのは関係者ばかりなので、観客の評価とは一線を画した選考になることも。 ノミネート作品の中から最優秀賞を決める最終投票は、2月20日〜2月27日に行われます。そして世界中が固唾を呑んで見守るその結果は、3月4日(日本時間3月5日)に発表となります!

2018年アカデミー賞 作品賞受賞作・ノミネート作品一覧はこちら!

【受賞】『シェイプ・オブ・ウォーター 』

『パシフィック・リム』のギレルモ・デル・トロ監督が、満を持して送り出す『シェイプ・オブ・ウォーター 』は、冷戦下のアメリカ政府研究施設で働く発話障害の女性エリーザと、そこで作られたクリーチャーの恋の物語。『ヘルボーイ』や『パンズ・ラビリンス』と同様に、1940年前後の戦争の時代を生きる主人公と、グロテスクな外見と純粋な魂を合わせもつ生き物の交流を描いた作品です。 デル・トロの集大成ともいえる本作で、悲願の作品賞を受賞しました。

【ノミネート】『ダンケルク』

クリストファー・ノーランが、実際の戦地に迷い込んだかのように思わせる臨場感とともに描く、ダンケルクの戦い。空、陸、海と3つの視点でみる第二次世界大戦とは?若手俳優の起用にも注目です。 まるでその場にいるようだ、と絶賛する声も多数。イギリス軍の士気を高めた歴史的事件を、圧倒的な臨場感を以って描いた本作が受賞するのでは、と言われています。

【ノミネート】『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』

第二次世界大戦中に、イギリスの首相に就任したウィンストン・チャーチルをテーマにした、実話に基づく作品。物語は、対戦前夜から。ナチス・ドイツの台頭を、イギリスの与党は黙認していました。ヒトラー政権の代わりに共和党が第1党になり、ドミノ倒しのように、国内に共産主義が波及することを恐れていたのです。しかしゲイリー・オールドマン扮するウィンストン・チャーチルは、ひとり警鐘を鳴らします。 メガホンを取ったのは、初の長編監督作品『プライドと偏見』でキーラ・ナイトレイを主演女優賞候補にのし上げたジョー・ライト。トロント国際映画祭での評判も上々とのことです。

【ノミネート】『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』

アメリカ国防総省の機密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」をめぐる、実際の事件を元にした社会派作品。国家と戦うワシントン・ポストの編集者ベン・ブラッドリーをトム・ハンクスが、同じくケイ・グラハムをメリル・ストリープが演じるほか、2016年のエミー賞にノミネートされた俳優たちが脇を固めます。 スティーブン・スピルバーグ監督と豪華キャストによる、国家の情報操作と言論の自由を問いた作品です。

【ノミネート】『君の名前で僕を呼んで』

80年代、17歳の青年が北イタリアの避暑地で24歳の青年に出会い、恋に落ちる--。『胸騒ぎのシチリア』のルカ・グァダニーノ監督が、アンドレ・アシマンの『Call Me By Your Name』を原作として美しく映像化します

【ノミネート】『レディ・バード』

ノア・バームバック監督による『フランシス・ハ』で主演を務め、“マンブルコア”界のスターとして躍り出た女優のグレタ・ガーウィグの初監督作品。 てんとう虫を意味する『レディ・バード』は、「レディ・バード」をミドルネームに持つ田舎の女子高校生が、自分の殻を破ろうと奮闘する成長物語です。家族との溝や、上手く行かない十代の恋等が描かれます。

【ノミネート】『ファントム・スレッド』

才ポール・トーマス・アンダーソン監督が脚本から製作、そして撮影を務めた伝記映画。50年代のファッション界を舞台に、恋の駆け引きをする男女を描いた作品です。名優ダニエル・デイ=ルイスが主演という事でも注目を浴びています。 今作の役どころは、1950年代のロンドンで活躍する王室御用達の仕立職人。撮影中に役になりきった彼は、これを最後にファッションデザイナーに転身すると発表しています。

【ノミネート】『ゲット・アウト』

白人の彼女を持つ、黒人の青年が彼女の実家に初めて訪れる。一見、歓迎してくれる一家でしたが、家のメイドや庭師は黒人。そして徐々に浮かび上がってくる、“ある違和感”に思わずゾッとしてしまうホラー作品です。 トランプ政権になってから、人種差別の問題が色濃く浮き彫りになってきました。そんな今だからこそ観ておくべき作品でもあります。

【ノミネート】『スリー・ビルボード』

娘が殺された。しかし、警察は犯人を捕まえる事もなく黒人をいじめるばかり。そんな事を批判したビルボード(看板)を立てた母親と、彼女を脅かす警察。そして看板が発端となり、新たな予期せぬ事件が起きるーー。オスカー女優をはじめとする、名優らによるクライムサスペンス作品です。

2018年アカデミー賞 監督賞受賞・ノミネート一覧はこちら!

【受賞】ギレルモ・デル・トロ『シェイプ・オブ・ウォーター』

ギレルモ・デル・トロ
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ギレルモ・デル・トロも、クリストファー・ノーラン同様に監督賞にノミネートされたのはこれが初めてです。以前は『パンズ・ラビリンス』で脚本賞にノミネートされました。『シェイプ・オブ・ウォーター』では、2018年ゴールデン・グローブ賞にて監督賞を受賞していますが、このままの勢いでアカデミー賞監督賞も受賞するのでは!?

【ノミネート】クリストファー・ノーラン『ダンケルク』

クリストファー・ノーラン
Lia Toby/WENN.com

『インセプション』や『インターステラー』等、数多くのヒット作を手がけて来たクリストファー・ノーラン監督。映画好きだけでなく、多くの人に認知されている有名監督な彼ですが、アカデミー賞監督賞にノミネートされるのは、実はこれが初めて! ちなみに彼が監督した『ダークナイト』で、故ヒース・レジャーがアカデミー賞助演男優賞を受賞しています。ついに監督自身がオスカー像を手にする時が来たのではないでしょうか?

【ノミネート】グレタ・ガーウィグ『レディ・バード』

グレタ・ガーウィグ
©David Gabber/Landmark Media

今年はインディー作品が2作とも作品賞にノミネートされている事が特徴的ですが、初監督作品の作品、及び監督がそれぞれノミネートされている事も特徴的です。『レディ・バード』が自身の初監督作であるグレタ・ガーウィグは、今作で早々にアカデミー賞監督作にノミネート!

【ノミネート】ポール・トーマス・アンダーソン『ファントム・スレッド』

ポール・トーマス・アンダーソン (ゼータ)
© LFI/Avalon.red

ポール・トーマス・アンダーソンは、世界三大映画祭と謳われているカンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭の全てで監督賞を獲得した実績を持つ巨匠。しかし、未だにオスカー像を手にした事はありません。 名優ダニエル・ルイ=デニスの引退作となる『ファントム・スレッド』で、アカデミー賞の歴史にもその名を刻む事になるかもしれません。

【ノミネート】ジョーダン・ピール『ゲット・アウト』

ジョーダン・ピール (ゼータ)
©PRPHO/Landmark Media

コメディアンとして活躍してきたジョーダン・ピールは、初監督作品となる『ゲット・アウト』で監督賞にノミネートされました。その経歴あってこそ、今作はどこか笑いと恐怖を共存させたユーモアを随所随所に感じさせます。間接的に人種差別を意味する印象的なショットを散らばせた、その実力に勝利の女神も微笑むかもしれません。

2018年アカデミー主演男優賞 受賞者とノミネート一覧はこちら!

【受賞】ゲイリー・オールドマン『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』

ウィンストン・チャーチル (プレス)
© 2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

ブラッド・ピットに、ジョニー・デップ、クリスチャン・ベール、 ダニエル・ラドクリフ……名だたる俳優陣がその影響を受けたと公言するのが、ゲイリー・オールドマン。 すでに名優としての地位を確立している彼ですが、実は賞レースには長らく無縁。2012年公開の『裏切りのサーカス』でノミネートされるまで、エミー賞、ゴールデン・グローブ賞、そしてアカデミー賞からも声がかかっていませんでした。逆説的ではありますが、この初ノミネートによって賞を獲得していなかったことが浮き彫りになり、世間を驚かせました。2018年度は2度目のノミネートにして、初受賞となるか。チャーチルを完璧に体現したオールドマンから目が離せません。

【ノミネート】ティモシー・シャラメ『君の名前で僕を呼んで』のティモシー・シャラメ

君の名前で僕を読んで

『君の名前で僕を呼んで』の主人公であるエリオ役のティモシー・シャラメは、1995年ニューヨーク生まれの弱冠21歳(2017年9月現在)。ショートフィルムで経験を積み、『インターステラー』でマシュー・マコノヒーの息子を演じました。 シャラメの演技はサンダンスで賞賛を浴び、今後ビッグネームとなる片鱗を感じさせました。今回のアカデミー賞受賞の可能性は非常に高いでしょう。

【ノミネート】デンゼル・ワシントン『ローマン・J・イスラエル、エスク(原題)』

デンゼル・ワシントン
© Zuma/Avalon

『ローマン・J・イスラエル、エスク』で私生活を犠牲にしてまでも正義を追い求めた弁護士、イスラエルを演じたデンゼル・ワシントンも、主演男優賞にノミネートされました。 彼はこれまでに主演男優賞、助演男優賞を獲得した功績があるため、今年は初受賞者に賞が傾きそうですが、二度目の受賞となるか気になるところです。

【ノミネート】ダニエル・カルーヤ『ゲット・アウト』

ゲット・アウト
© Universal Pictures

『ゲット・アウト』の主演を務めたダニエル・カルーヤが、カルト的人気を誇る青春ドラマ『スキンズ』の脚本を務めていた事はあまり知られていません。俳優としては近年、『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』や『ボーダーライン』に出演しています。MCU映画『ブラックパンサー』にも出演がする彼ですが、初ノミネートから受賞をするのか注目を浴びています。

【ノミネート】ダニエル・デイ・ルイス『ファントム・スレッド』

ファントム・スレッド (プレス)
© 2017 Phantom Thread, LLC All Rights Reserved

アカデミー主演男優賞を3回受賞している唯一の俳優ダニエル・デイ=ルイスが見納めとなるのは、『ファントム・スレッド 』。タッグを組んだのは、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のポール・トーマス・アンダーソン監督です。この作品で彼は、2度目のアカデミー主演男優賞を獲得しました。 凝り性の彼は、これまでにも俳優を休業して別のことに打ち込んでいた期間が。イタリアのフィレンツェに移住して、靴職人を目指していたのです。このときは『ギャング・オブ・ニューヨーク』の出演依頼にきたマーティン・スコセッシの説得で俳優に復帰しましたが、2017年9月現在60歳の彼を、映画界がこのまま送り出してくれるでしょうか。

2018年アカデミー主演女優賞 受賞者とノミネート一覧はこちら!

【受賞】フランシス・マクドーマンド『スリー・ビルボード』

スリー・ビルボード (ゼータ)
© 2017 Twentieth Century Fox

マーティン・マクドナー監督の『スリー・ビルボード』で、生活が日に日に壊れていく主婦を演じたのはフランシス・マクドーマンド。彼女は『ファーゴ』や『あの頃ペニー・レインと』に出演し、アカデミー賞・エミー賞・トニー賞の三冠王を達成した、演劇界の逸材です。 ヴェネツィア国際映画祭での本作の評判は上々で、主演のフランシスがアカデミー賞にノミネートされるのは極めて自然な流れでしょう。

【ノミネート】サリー・ホーキンス『シェイプ・オブ・ウォーター』

ザ・シェイプ・オブ・ウォーター
FOX SEARCHLIGHT PICTURES

『シェイプ・オブ・ウォーター』で、言葉を失いながらも半魚人と心を通わせるエリーザを演じたサリー・ホーキンス。業界での評価は高く、ベルリン国際映画祭銀熊賞やゴールデングローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞しています。また『ブルージャスミン』では、主人公のジャスミンを居候させることによって振りまわされる妹ジンジャーを演じ、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされました。 各方面で高評価の『シェイプ・オブ・ウォーター』ですが、ファンタジックな内容からアカデミー賞の最優秀作品賞を獲得するのは厳しいのでは、と言われています。仮に作品賞の雲行きがあやしくなれば、サリーの演技に一矢報いたい映画人が、彼女をオスカー女優にするかもしれません。

【ノミネート】シアーシャ・ローナン『レディ・バード』

レディ・バード (プレス)
©Merie Wallace, courtesy of A24

『つぐない』で13歳という史上7番目の若さでアカデミー助演女優賞にノミネートされたシアーシャ・ローナンの新作も見逃せません。 普遍的なテーマできちんと役割をこなしたシアーシャは、トロント映画祭で高評価。『ラブリーボーン』や『グランド・ブダペスト・ホテル』に出演し、『ブルックリン』で2016年度の主演女優賞にノミネートされた彼女が、今回の賞レースに絡んでくる可能性は大いにあります。

【ノミネート】マーゴット・ロビー『アイ、トーニャ』

アイ、トーニャ
© 2017 AI Film Entertainment LLC

フィギュアスケート界の史上最大のスキャンダルと言われている「ナンシー・ケリガン襲撃事件」の渦中にいた、フィギュア・スケーターのトーニャ・ハーディングの半生を描いた作品である『アイ、トーニャ』。 主人公であるトーニャを演じるのは、マーゴット・ロビーです。 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』で主人公の妻役として出演し、注目を浴びた後『スーサイド・スクワッド』で最高にキュートなヴィランヒロインであるハーレイ・クイン役で認知度を高めました。そんな彼女が、ついに主演女優賞にノミネート!初ノミネート、受賞となるのでしょうか?

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【受賞】ジョーダン・ピール『ゲット・アウト』

ゲット・アウト
© Universal Pictures

コメディアンであり、今作が初監督作品となるジョーダン・ピール。脚本も務めた彼ですが、今作には「自身が普段から実際に恐れていること」が強く反映されているようです。一時期はオスカー受賞者が全員白人だったという事から、人種差別なのではと批判の声が上がった事もありました。『ゲット・アウト』は、そんな人種差別をテーマとした作品です。 彼の受賞は、アカデミー賞史上においても大きな快挙となりました。

【ノミネート】マーチン・マクドナー『スリー・ビルボード』

『スリー・ビルボード』は監督であるマーチン・マクドナーが脚本も務めています。過去には、脚本・監督を務めた『ヒットマンズ・レクイエム』でアカデミー賞脚本賞にノミネートされています。今作で念願の受賞となるのでしょうか? ちなみに、彼は自身が北野武の大ファンである事を公言しています。

【ノミネート】ギレルモ・デル・トロ&ヴァネッサ・テイラー『シェイプ・オブ・ウォーター』

シェイプ・オブ・ウォーター
©2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

先述の通り、ギレルモ・デル・トロはアカデミー賞脚本賞にノミネートされるのはこれが二回目です(前回は『パンズ・ラビリンズ』で)。共同執筆者であるヴァネッサ・テイラーは、『ダイバージェント』や『31年目の夫婦げんか』の脚本を手がけてきました。

【ノミネート】グレタ・ガーウィグ『レディ・バード』

Fly Away Home. #LadyBird – This November.

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初監督作品であり、脚本をも務めたグレタ・ガーウィグが脚本賞にノミネートされています。グレタ・ガーウィグは、自身の初主演作『ハンナ、だけど生きていく!』や、ノア・バームバック監督の『フランシス・ハ』でも脚本を手がけていました。 等身大で不器用な主人公が、葛藤し、自分なりの答えを探して行く類いの映画の脚本を彼女に書かせたら間違いないといっても過言ではありません。作品賞は難しくとも、脚本賞で初受賞となるのではないでしょうか?

【ノミネート】エミリー・V・ゴードン、クメイル・ナンジアニ『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』

ビッグ・シック (プレス)
©2017 WHILE YOU WERE COMATOSE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

『ビッグ・シック 僕たちの大いなる目ざめ』は、実在するパキスタン出身のアメリカ人であるクメイル・ナンジアニと妻エミリー・V・ゴードンの異文化結婚について描いた作品。なんと、今作の脚本を手がけたのは、基となったこの二人の夫婦なのです! 「これが実話!?」と思わず驚いてしまいながらも、共感を得る。そんな彼らのストーリーが脚本賞を受賞する可能性もあります。

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【初受賞】サム・ロックウェル『スリービルボード』

『スリー・ビルボード』からはサム・ロックウェルもノミネートされています。彼が演じたのは、ウィロビー署長を敬愛するがゆえに主人公ミルドレッドと対立するディクソン巡査。直情型で暴挙とも思える行動にでるディクソンを演じるために、60年代テレビドラマ『メイベリー110番』のバニー・ファイフや『タクシー・ドライバ』(1976年)といった参考にしたのだとか。映画の舞台であるミズーリ独特のアクセントを身につけたことも明かしています。 今回はアカデミー賞初ノミネートですが、すでにこの役でゴールデングローブ賞、オーストラリア映画テレビ芸術アカデミー賞を受賞しています。この勢いでオスカーも獲得できるでしょうか。

【ノミネート】ウィレム・デフォー『The Florida Project 』

ウィレム・デフォー (ゼータ)
©Van Tine Dennis/ABACA/Newscom/Zeta Image

ディズニー・ワールド近くのモーテルを舞台に、貧困層の暮らしを少女の視点で描き出したショーン・ベイカー監督の『The Florida Project 』。この作品でウィレム・デフォーは、安モーテルの管理人を演じています。 ウィレム・デフォーといえば、その凄みのある表情で『ワイルド・アット・ハート』(1990年)や『スパイダーマン』(2002年)での悪役、『ハンター』(2011年)での孤高のハンターや『ジョン・ウィック』(2015年)での暗殺者など、怪しく激しいキャラクターを多く演じてきたイメージです。とはいえ、『ファインディング・ニモ』(2003年)や『ファンタスティックMr.FOX』(2009年)などのアニメ作品では声優にもチャレンジしており、キャリアの豊かさは充分すぎるほど。 今作では持ち前の表情で、とっつきにくい雰囲気のなかに隠された暖かさを見事に表現しています。 また1987年には『プラトーン』で、2001年には『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』でも助演男優賞にノミネートされているので、今回は3度目のノミネートとなります。三度目の正直、ついに受賞となるでしょうか。

【ノミネート】人間的な深みを丁寧に演じたウディ・ハレルソン『スリービルボード』

ウディ・ハレルソン (ゼータ)
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マーティン・マクドナー監督の『スリー・ビルボード』で主人公ミルドレッドが大看板に名指しで非難した人物、ウィロビー署長。町の人々に好かれてはいるが、ミルドレッドには恨まれる。ミルドレッドと激しいやりとりを交わすが、彼自身にも秘めている事情がある。ウディ・ハレルソンは、そんな役柄の深みを最大限に引き出したといえるでしょう。 彼は波乱万丈なバイオグラフィーの持ち主としても有名ですね。殺し屋の父と弁護士の母の間にうまれたというのだから、生い立ちそのものが既に映画のよう。環境保護運動や反戦活動、大麻合法化活動にも取り組んでおり、さまざまな副業をしていることも知られています。 1982年からスタートした人気テレビシリーズ『チアーズ』で本格的にデビューすると『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(1994)で危なすぎる男を演じたかと思えば、『ゾンビランド』(2009年)ではゾンビ世界の生き残りを演じるなど、個性の強い役を演じることに定評があります。 アカデミー賞にかんしては1997年に『ラリー・フロント』の主演男優賞、2010年に『メッセンジャー』の助演男優賞でノミネートされています。2回目の助演男優賞ノミネートで受賞となるでしょうか。

【ノミネート】ハリウッドの名脇役、リチャード・ジェンキンス『シェイプ・オブ・ウォーター』

シェイプ・オブ・ウォーター
©2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

今年度アカデミー賞で最多ノミネートを達成したギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』からはリチャード・ジェンキンスの名前が挙がっています。半魚人への恋心を抱く主人公イライザに理解を示す、心やさしき老人ジャイルズを好演しました。 1974年に俳優業をスタートしてからこれまで80本以上の作品に出演しており、経験値は群を抜いているといえるでしょう。 2009年のアカデミー賞では『肩をたたく人』の主演男優賞でノミネートされていました。それにしてもハリウッドきっての名脇役とも言われる彼が、助演男優初ノミネートなのは驚きです。アカデミー無冠を貫いてしまうのか、それともついにオスカーを手にするのか、目が離せません。

【ノミネート】クリストファー・プラマー『オール・マネー・イン・ザ・ワールド』

オール・マネー・イン・ザ・ワールド
©2017 ALL THE MONEY US, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

リドリー・スコット監督が大富豪ジャン・ポール・ゲティの孫が誘拐された実在事件をもとに制作した『All the money in the world(原題)』。事件の渦中におかれるジャン・ポール・ゲティを演じたのが大ベテラン俳優クリストファー・プラマーです。 ブロードウェイや映画で活躍してきた彼はなんと1929年生まれ。今年度アカデミー賞のノミネート時点では88歳で、アカデミー演技部門史上最年長の候補者となりました。 また、今年度の候補者のなかでは唯一受賞経験があります。『人生はビギナーズ』で2011年のアカデミー助演男優賞を獲得、さらにこの作品でゴールデン・グローブ賞や英国アカデミー賞などの賞も総なめにしました。 すでに最年長という「1番」を手にしていますが、助演男優としての「1番」も手に入れることができるのでしょうか。

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【助演女優賞 受賞者】アリソン・ジャニー『アイ、トーニャ』

アリソン・ジャニー
©Brian To/WENN.com

初めてトリプルアクセルを成功させたアメリカ人スケーター、トーニャ・ハーディング。順風満帆に思われた彼女のスケート人生を狂わせる事件が起きて……。 実在の選手の栄光と影を取り上げたクレイグ・ガレスピー監督の伝記映画『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』で、アリソン・ジャニーは主人トーニャの母親を演じました。 テレビシリーズ『ザ・ホワイトハウス』の報道官役でエミー賞を4度も受賞しています。さらに『Mom』や『Masters of sex』といったテレビドラマでもエミー賞を獲得しました。 輝かしいエミー賞受賞歴を誇りながら、意外にもアカデミー賞は今回が初ノミネート。すでにこの役でゴールデングローブ助演女優賞を勝ち取り、アカデミー賞も遂に初受賞となりました。

【ノミネート】メアリー・J・ブライジ『マッドバウンド 哀しき友情』

GOD is the Greatest!! #GLOWUP #UNBOTHERED #SOAW #MUDBOUND ???? by @dandremichael

Mary J Bligeさん(@therealmaryjblige)がシェアした投稿 -

ディー・リース監督によるNetflix配給映画『マッドバウンド 哀しき友情』は人種差別や戦争といったシリアスな問題を取り入れた作品。似たような境遇におかれた白人一家と黒人一家を対比的に描き出しました。メアリー・J・ブライジは黒人一家の母役を演じました。 『ロック・オブ・エイジズ』(2012年)や『クリスマスの贈り物』(2013年アメリカ公開、日本未公開)などいくつかの映画に出演経験のある彼女ですが、メアリー・J・ブライジといえばやはり「クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウル」として音楽界に君臨するR&Bシンガーです。 そんな彼女は本作で主題歌の制作にも携わりました。重要なのは、彼女が歌うだけでなく作曲にも参加したということ。そのため今年度のアカデミー賞には助演女優賞と主題歌賞の2部門でノミネートされています。これはアカデミー史上初の快挙なのです。 歌手としての栄光を築き、すでに史上初の快挙を成し遂げた彼女は、そのまま女優としての栄光も手に入れることができるでしょうか。

【ノミネート】親子関係を悩む母親を熱演したローリー・メトカーフ『レディ・バード』

女子高校生のリアルな青春をグレタ・カーヴィグ監督が瑞々しく描き出したのが『レディ・バード』。思春期特有の複雑な母娘の関係にも焦点をあてた本作で、主人公の母親を演じたローリー・メトカーフ。 テレビドラマから映画、アニメ作品の声優まで幅広く活動してきました。最もよく知られている役は1988年から10年近く続いたテレビシリーズ『ロザンヌ』のジャッキー・ハリス役。この作品でエミー助演女優賞を三度も受賞しています。 アカデミー賞は今回が初ノミネートですが、この役では既にロサンゼルス映画批評家協会賞を獲得しています。初ノミネート初受賞を果たすことができるのか注目です。

【ノミネート】受賞経験アリ!オクタヴィア・スペンサー『シェイプ・オブ・ウォーター』

シェイプ・オブ・ウォーター (プレス)
©2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

『シェイプ・オブ・ウォーター』から助演女優賞にノミネートされたのは、主人公を気にかける同僚を演じたオクタヴィア・スペンサー。 端役からキャリアを積み上げ、演技派ベテラン女優へと昇りつめた彼女は2011年のアカデミー助演女優賞の受賞者です。そのときの作品は『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』で、アカデミー賞のほかに数々の賞を勝ち取りました。さらに昨年度は受賞こそ逃すものの、『ドリーム』で助演女優賞にノミネートされています。 最近ではジェシカ・チャステインにギャラアップの援助をされていた事実を告白したことでも話題です。セクハラ問題や男女間・人種間での賃金不平等の問題が浮き彫りになり、ハリウッドはいま問題解決に真摯に取り組むことを余儀なくされています。まさに映画界を内側から支え、これから変革させてくれるかもしれない女優、オクタヴィア・スペンサー。二度目の助演女優賞を獲得し、アカデミー賞常連となるでしょうか。

【ノミネート】名俳優の妹役に抜擢されたレスリー・マンヴィル『ファントム・スレッド』

ポール・トーマス・アンダーソン監督が50年代英国ファッション業界を舞台にして作り上げた『ファントム・スレッド』で伝説的名俳優ダニエル・デイ・ルイスと共演し、彼の妹役に抜擢されたレスリー・マンヴィル。 『家族の庭』(2011年)などで知られる彼女は、今年度アカデミー主演男優賞にノミネートされているゲイリー・オールドマンの元妻でもあります。会場で元夫とどのように接するかも気になるところですね。 もし今年度の受賞者に選ばれれば初ノミネート初受賞になります。

2018年アカデミー外国語映画賞受賞作・ノミネート作品一覧

【受賞作】『ナチュラルウーマン』(チリ)

ナチュラル・ウーマン
Ⓒ2017 ASESORIAS Y PRODUCCIONES FABULA LIMITADA; PARTICIPANT PANAMERICA, LCC; KOMPLIZEN FILM GMBH; SETEMBRO CINE, SLU; AND LELIO Y MAZA LIMITADA LELIO Y MAZA LIMITADA

ウェイトレスをしながらナイトクラブで歌うマリーナはトランスジェンダーの女性。ある日、同居していた恋人が突然この世を去ってしまいます。悲しみにくれる彼女に追い打ちをかけるように浴びせられる人々の偏見。最愛の人に最期の別れを言うために、前向きに立ち上がる一途な愛の物語……。 トランスジェンダーという現代社会のリアルな側面に切り込んだのは、チリが生んだ新たな才能セバスティアン・レリオ監督。ヒロインにはトランスジェンダーの女性歌手ダニエラ・ヴェガを迎えて制作されました。 2017年のベルリン国際映画祭ではテディ賞を獲得。これは極めて優れたLGBT映画に送られる賞です。

【ノミネート】『ラブレス』(ロシア)

ラブレス (プレス)
©2017 NON-STOP PRODUCTIONS – WHY NOT PRODUCTIONS

これまでに『父、帰る』で2003年の金獅子賞を受賞するなど、確実な評価を得てきたロシアの鬼才アンドレイ・ズビャギンツェフ監督。 新作『ラブレス』は離婚協議中の夫婦とその息子の物語。既に新しいパートナーを見つけている夫婦はもはや2人の間に生まれた息子を必要としていない。やがて激しい口論に発展し、息子は失踪してしまう……。1つの家庭内で繰り広げられる作品でありながら、愛の欠如した親子関係、という重いテーマを持っています。

【ノミネート】『心と体と』(ハンガリー)

ハンガリーはブダペストの食肉処理場を舞台に不器用な男女の触れ合いを描いた物語『心と体と』。同じ夢を見たという接点で築かれる人間関係を幻想的な映像に落とし込みました。 メガホンをとったのは、イルディコー・エニェディ監督。また、本作の主演をつとめたアレクサンドラ・ボルベーイはヨーロッパ映画賞で主演女優賞に輝きました。

【ノミネート】『ジ・インサルト(原題)』(レバノン)

クエンティン・タランティーノ作品にスタッフとして参加していた経歴をもつレバノンのジアド・ドゥエイリ監督。 今回の『ジ・インサルト(原題)』はキリスト教徒とパレスチナ難民の口論から発展していくストーリーです。前作『ジ・アタック(原題)』は撮影地や起用した俳優がイスラエル人であったことから公開禁止令を出されたのだそう。本作はレバノンでもヒットしたらしく、今年度外国語映画賞の有力候補とされています。

2018年第90回アカデミー賞授賞式は2018年3月4日!

ここまで、2018年度のアカデミー賞のノミネートを予測してきました。作品賞・主演男優賞・主演女優賞・外国語映画賞ーーどれを受賞するにしても、そこにいたるまでに様々なドラマがありそう。 ノミネートされるだけで栄誉なアカデミー賞。1度でも名を連ねればオファーがどんと増えるといいますから、受賞後の活躍も目が離せません。 この記事の公開後も、候補作はどんどん変わるはず。予想するのも楽しいですが、結果が早く知りたいのも事実。2018年3月4日の授賞式を指折り数えて待ちましょう!