2022年9月27日更新

2023年アカデミー賞ノミネート予想!作品賞有力候補「トップガン」は受賞なるか?

『トップガン マーヴェリック』
(C) 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

数ある映画賞のなかでも最も注目を集めるアカデミー賞。基本はアメリカ映画を対象としていますが、2022年は日本映画『ドライブ・マイ・カー』が作品賞にノミネートされるなど、アメリカ映画の枠を超えて世界の期待と注目が集まる映画賞となっていますね。 本記事では、2022年公開の映画を対象として2023年に開催される「第95回アカデミー賞」のノミネートを予想していきます。 ※公開日はすべて全米公開日を記載しています。日本公開未定の作品もあるのでご注意ください。

2023年米国アカデミー賞はいつ?

2023年の「第95回アカデミー賞」のノミネートは2023年1月24日(現地時間)に発表され、授賞式は2023年3月12日の午後5時(太平洋標準時)より開催されます。対象作品は、2022年1月1日から12月31日までに公開された作品です。

2023年アカデミー賞の見どころは?

コーダ あいのうた』が作品賞を受賞した2022年のアカデミー賞。 2023年の米国アカデミー賞は、『トップガン マーヴェリック』の世界的ヒットを受けてトム・クルーズがオスカー受賞となるか、またアジア系の作品や監督・キャスト陣が作品賞にノミネートされるのかどうかに注目が集まるでしょう。

2023アカデミー賞 作品賞ノミネート予想・有力候補一覧

予想1位 トップガン マーヴェリック 2022年5月27日 社会現象レベルの大ヒットを記録。批評家からも観客からも愛された傑作。
予想2位 『ファベルマンズ (原題)』 2022年11月11日 スティーヴン・スピルバーグ監督が自ら撮った自伝的映画。映画愛に満ちたドラマを美しい映像で描く。
予想3位 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワン (原題)』 2022年3月25日 アジア系移民の中年女性を主人公とした、シュールでクリエイティブなSFコメディ。映画好きの間で話題になり、A24史上最高のヒット記録
予想4位 『イニシェリン島の精霊』 2022年10月21日 監督らしいブラックユーモアに溢れたドラマ映画。世界初上映で15分間のスタンディングオベーションが起こった。
予想5位 『ター (原題)』 2022年10月7日 オーケストラの首席指揮者リディア・ターという、実在の人物を描く。特に主演ケイト・ブランシェットのパフォーマンスが批評家から絶賛

予想1位:『トップガン マーヴェリック』

『トップガン マーヴェリック』
(C) 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

海軍パイロットのピート・“マーベリック”・ミッチェルを主人公とした、『トップガン』(1986年)の36年ぶりの続編。2022年5月27日に日米同時公開された本作は批評家からも観客からも高く評価され、世界興収14億ドルを超える大ヒットを打ち出しました。 社会現象を巻き起こした今年最大のヒット作として、作品賞受賞の最有力候補と言えるでしょう! しかし作品賞は芸術性に富んだ映画や、泣かせる美しい映画が受賞することが多く、また戦争ものだと『ハート・ロッカー』(2009年)や『アルゴ』(2012年)のようにリアルな人間ドラマが求められる傾向にあるので、撮影賞、編集賞、視覚効果賞などの技術部門の受賞にとどまる可能性もあるかもしれません

予想2位:『ファベルマンズ (原題)』

スティーヴン・スピルバーグが自ら監督を務めた自伝的映画です。監督が子ども時代に経験した家族の問題や「映画の持つ力」を幻想的な映像で描いた青春映画であり、9月のトロント国際映画祭でのワールドプレミアで批評家から絶賛されました。 ミシェル・ウィリアムズをはじめとする俳優陣の演技も賞賛されており、本作をアカデミー作品賞の最有力候補に挙げている米メディアもあります。 映画界の巨匠のオリジンを描いた本作が作品賞受賞というのは、あまりにストレートすぎるとも思えますが、2012年アカデミー賞では映画愛に満ちた『アーティスト』が会員に大いに気に入られ主要5部門を制したことを思い返してみると、受賞は十分にありえるでしょう!

予想3位:『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワン (原題)』

ルッソ兄弟がプロデューサーを務め「A24」が配給した本作は、多次元宇宙(マルチバース)を題材としたユニークなSFアクション・コメディ。映画好きのツボをついた奇想天外な作風と内容で、世界中の映画ファンの間で大きな話題となりました。 アジア系の移民女性を主人公とし、家族愛などのドラマもしっかり描かれている本作。多様性と芸術性に富みアカデミー作品賞ノミネートは確実だろうと見られていますが、好き嫌いの別れる作風とコメディである点はネックかもしれません。

予想4位:『イニシェリン島の精霊』

『イニシェリン島の精霊』, コリン・ファレル, ブレンダン・グリーソン
©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

2018年アカデミー賞作品賞にノミネートされた映画『スリー・ビルボード』の監督・脚本、マーティン・マクドナーの最新作。「アラン諸島三部作」の幻の第3作である本作は、監督らしいブラックユーモアに溢れたコメディです。 9月のヴェネチア国際映画祭のワールドプレミアでは、観客から15分間のスタンディングオベーションを受け、最優秀男優賞(コリン・ファレル)と最優秀脚本賞(マーティン・マクドナー)を受賞しています。 アカデミー賞でも多数のノミネートを受けることは間違いなさそうですが、『スリー・ビルボード』を超える評価が得られるのかが難しいところかもしれません。日本公開日は2023年1月27日です。

予想5位:『ター (原題)』

『ブルージャスミン』(2013年)でアカデミー主演女優賞を受賞したケイト・ブランシェットが主演を務める本作は、ドイツの有名オーケストラで女性初の首席指揮者に任命されたリディア・ターを描く音楽・心理ドラマです。 9月のヴェネチア国際映画祭で初上映されると6分間のスタンディングオベーションを受け、ケイト・ブランシェットは最優秀女優賞を受賞。批評家からもアカデミー賞有力と絶賛されました。 ただ同時に世界初上映となった『イニシェリン島の精霊』を圧倒する結果ではなかったことを考えると、作品賞受賞の可能性は高いとは言えません。

2023アカデミー賞 俳優賞ノミネート予想

主演男優賞ノミネート予想:トム・クルーズ

トム・クルーズ
Geisler-Fotop/Newscom/Zeta Image

作品賞にも期待が高まる映画『トップガン マーヴェリック』主演のトム・クルーズ。『7月4日に生まれて』(1989年)と『ザ・エージェント』(1996年)で主演男優賞、『マグノリア』(1999年)で助演男優賞と、アカデミー賞に3回ノミネートされるも受賞を逃してきました。 イケメン俳優は演技力があっても主演男優賞と取りにくいと言われているアカデミー賞。若い頃に美形俳優として注目を集めた彼は、演技・アクション・プロデュースとさまざまな挑戦を続けてきました。 そんな彼が『トップガン マーヴェリック』で見せた演技はまさに本物であり、体当たりのアクションシーンも見事でした。ノミネートは確実なのではないでしょうか。

主演女優賞ノミネート予想:ミシェル・ヨー

ミシェル・ヨー
© Apega/WENN.com/Zeta Image

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワン (原題)』主演のミシェル・ヨーは中国系マレーシア人で、香港とハリウッドで活躍するアクション女優です。1997年の『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』でボンドガールに抜擢され、セクシーなだけでなく戦うヒロインとして注目を集めました。 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワン (原題)』でのミシェル・ヨーの演技は素晴らしく、演出も彼女の魅力を最大限に引き出したものでした。 過去にアカデミー賞で主演女優賞を受賞した有色人種の女優は2001年のハル・ベリーのみであり、もし彼女が受賞すれば史上2人目、アジア系女優は初となるため期待が高まっています。

2023アカデミー賞 監督賞ノミネート予想

トッド・フィールド

『ター (原題)』の監督・脚本・製作を務めたトッド・フィールド。2001年の長編監督デビュー作『イン・ザ・ベッドルーム』がいきなりアカデミー賞作品賞や脚色賞にノミネートされ、2006年の『リトル・チルドレン』も2度目のアカデミー脚色賞ノミネートとなりました。 その後いくつかのプロジェクトに挑むも実現しなかったという彼の、実に16年ぶりの復帰作である『ター (原題)』は、監督がいつの間にか新たなレベルへ達していたことを証明したと高く評価されています。

2023アカデミー賞 脚本賞ノミネート予想

ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワン (原題)』で監督・脚本を手がけた通称「ダニエルズ」デュオ。彼らは映画『スイス・アーミー・マン』(2016年)の監督・脚本で長編映画デビューを果たし、そのシュールで奇想天外な発想は世界中から注目を集めました。 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワン (原題)』でも同じく独特の世界観を表現し、「A24」史上最高の興行収入を記録。ノミネートは確実視されています。

受賞なるか?その他の注目映画4選

『ベイビー・ブローカー』(2022年12月26日)

『ベイビー・ブローカー』
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是枝裕和が監督・脚本を手がけた自身初の韓国映画。親が育てられない新生児を斡旋する「赤ちゃんポスト」をきっかけに出会った人々を描く人間ドラマです。 5月のワールドプレミアでは12分間に及ぶスタンディングオベーションが起こり、カンヌ国際映画祭ではエキュメニカル審査員賞と男優賞(ソン・ガンホ)を受賞しました。 トロント国際映画祭やテルライド映画祭にも正式招待されるなど海外からの注目度が非常に高く、全世界188か国で上映されることに。アカデミー賞外国語映画賞ノミネートに留まらず、作品賞ノミネートもありえるかもしれません。

『バビロン』(2022年12月25日)

『バビロン』
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アカデミー賞作品賞にもノミネートされた映画『セッション』(2014年)で注目を集め、『ラ・ラ・ランド』(2016年)では史上最年少で監督賞を受賞したデイミアン・チャゼル監督最新作。 ブラッド・ピットが主演を務め、マーゴット・ロビー、トビー・マグワイアなど豪華キャストが共演しています。アカデミー賞の常連監督&キャスト陣が集結し、ゴージャスでクレイジーな1920年代のハリウッド“黄金時代”をジェズミュージックにのせて描く注目作品。2023年に日本公開されることが決定しています。

『ウーマン・トーキング』(2022年12月2日)

カナダ人作家ミリアム・テーブスの同名小説を原作に、女性監督サラ・ポーリーが監督・脚本を務めたドラマ映画。2005年から2009年に実際に起きた、ボリビアのキリスト教の教派「メノナイト」の女性たちが記憶のないままレイプされるという不可解な事件を題材としています。 9月のテルライド映画祭でワールドプレミアが行われ、シルバーメダリオンを受賞しました。実話を元に人々の内面を描いたドラマであり、社会的なテーマも含むので、アカデミー賞有力候補とも考えられます。

『アムステルダム』(2022年10月7日)

『世界にひとつのプレイブック』(2012年)などのアカデミー賞常連監督デヴィッド・O・ラッセルの最新作。クリスチャン・ベール、マーゴット・ロビー、ジョン・デヴィッド・ワシントン、ラミ・マレックら超豪華キャストが共演するミステリ・歴史ドラマです。 1930年代のオランダ・アムステルダムで起きた衝撃的な事件を“ほぼ実話”で描く、スリリングなストーリー。アカデミー賞有力候補とも言われています。 また本作の音楽を担当するのは、映画『ジョーカー』でアカデミー作曲賞を受賞したヒドゥル・グドナドッティル。彼女は『ター (原題)』と『ウーマン・トーキング (原題)』でも音楽を手がけています。 日本公開日は2022年10月28日です。

2023年アカデミー賞ノミネート発表は1月24日!作品賞を予想しよう

2023年のアカデミー賞のノミネート発表は現地時間の2023年1月24日、授賞式は2023年3月12日の午後5時より開催されます。 予想第1位となった『トップガン マーヴェリック』は受賞に至るのでしょうか……?みなさんも今年の最高栄誉とも言える作品賞のノミネート&受賞作品を予想してみてください!