【ネタバレ】映画『億男』キャスト一覧&あらすじ【落語「芝浜」に潜む「伝えたかったこと」】
『億男』から学ぶお金の意味とは?あらすじや豪華キャスト、見どころも紹介!
2019年10月25日、地上波初放送決定
大友啓史が監督し大ヒットとなった映画「るろうに剣心」シリーズ。そんな大友が同じく監督を務めたのが、2018年10月19日に公開された映画『億男』。 主演は「るろ剣」シリーズでも主人公を務めた佐藤健。久しぶりの大友啓史×佐藤健タッグに、人気プロデューサー・川村元気の作品ということも加わり、公開前から多くの注目を集めていました。 この記事では、映画『億男』のあらすじ、キャストを紹介。さらには、本作の中で度々登場する落語「芝浜」と、物語の関係性について解説していきます。 ※この記事には物語のネタバレが含まれます。未鑑賞の方はご注意ください。
大金飛び交う『億男』のあらすじを紹介!
兄の借金3000万円返済のために、昼は図書館司書、夜はパン工場で働きづめの毎日を送る一男。最愛の妻や子供とは、借金のことで関係がギクシャクしてしまい、別居を余儀なくされていました。 そんなある日、彼は3億円もの大金を宝くじで引き当てます。これで借金も返済し、家族ともやり直せる!と喜んだ一男ですが、過去に宝くじを当てた人々をインターネットで検索してみると、悲惨な結果ばかり……。 不安になった一男は、かつての親友・九十九(つくも)に15年ぶりに会うことに。九十九は起業して億万長者になっており、一男は彼にお金の使い方を聞こうと思って彼の元を訪れたのです。 久しぶりの再会と酒、九十九の豪遊っぷりに酔いつぶれた一男。彼が目を覚ますと、九十九と一男の3億円は跡形もなく無くなっていました。 一男は九十九の手がかりを探すために、九十九の昔の仕事仲間の元を訪ねます。いろいろな大金持ちと出会うことで、一男はお金の価値を学んでいきます。
原作・川村元気は敏腕プロデューサー!
映画『億男』の原作は、雑誌「BRUTUS」にて連載されていた川上元気による同名小説。映画プロデューサーとして活躍してきた川村元気は『電車男』『モテキ』や『バクマン。』『君の名は。』など数々のヒット作を世に送り出してきました。 小説『億男』は2019年4月までに累計76万部を売り上げており、2015年には川村の初小説作品『世界から猫が消えたなら』に引き続き、本屋大賞にノミネートされています。
「バンプ」ことBUMP OF CHICKENが『億男』のために書き下ろした曲が本作を締めくくる
主題歌を担当するのはBUMP OF CHICKEN。人気バンド・バンプが映画の主題歌を担当するのは、2015年公開の『寄生獣 完結編』以来でした。 バンド内で作詞作曲を担当している藤原基央が、本作のために書き下ろした新曲のタイトルは「話がしたいよ」。優しい印象の中にも力強い歌声が響くような、スローテンポのバラードになっています。 主演の佐藤健は「何年も前の友人を思い出すような曲」だとコメント。高橋一生も「この曲をもって映画が完結する」と、新曲「話がしたいよ」が映画『億男』にとって重要な立ち位置にあると感じているようです。
主役級揃い踏みのキャストを紹介!演じるのは一癖じゃすまないキャラクターたち
一男/佐藤健
2019年のアニメーション映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』で主人公のリュカを演じるなど、活躍の場を広げる佐藤健が本作の主人公・一男を演じました。 借金のことで頭がいっぱいで余裕のない生活を送っていた一男。3億という人生が一変してしまう金額を手にした一男の行く末が見どころです。
九十九(つくも)/高橋一生
2019年にテレビドラマ『凪のお暇』に出演していた高橋一生が九十九を演じます。 一男とは大学時代に親友だったものの、九十九は音信不通に。大学を中退して「バイカム」という会社を設立し、大成功を収めていました。しかし一男の金を持って失踪した九十九。一体なにを思ってそんな行動に出たのでしょうか。
千住/藤原竜也
2019年の映画『Diner ダイナー』の主演で話題となった藤原竜也。藤原が演じるのは元「バイカム」の最高財務責任者の千住。 千住は現在「夢実現セミナー」を開く大金持ち。「ミリオネアニューワールド」という団体の教祖も務めている怪しい一面もあります。以前九十九とのいざこざがあったそうですが……。
十和子/沢尻エリカ
2020年に大河ドラマ『麒麟がくる』への出演が決定している沢尻エリカも本作に参加。 元「バイカム」の広報IR担当で実質九十九の秘書を務めていた十和子を演じます。九十九のことを誰よりも知っており、早くに10億円もの大金を得るものの、今は質素な暮らしを送っているようです。
百瀬/北村一輝
2019年の連続テレビ小説『スカーレット』での演技が話題となっている北村一輝が、朝ドラ同様関西弁を話す百瀬を今作で演じます。 元「バイカム」の最高技術責任者で、現在は3つの会社を経営しており、競馬場で億単位の金を賭けている百瀬。九十九の新規事業についてなにか知っているようですが……?
あきら/池田エライザ
2019年の新たな『貞子』で主演を務めた池田エライザも本作に出演。 演じるのは、あきらと呼ばれるパーティ好きの港区女子。金持ちを「億男」それ以外を「雑魚」と分類し、失踪した3億円のために一男に協力します。
万佐子/黒木華
高橋一生と共演し、主演を務めた『凪のお暇』が話題となった黒木華。黒木が演じるのは一男の妻の万佐子。 借金返済のことしか考えていない一男に愛想を尽かし、現在は娘と2人でアパート暮らしです。
【ネタバレ】落語「芝浜」との関係性
一男と九十九は大学時代、落語研究会に所属しており、作中では度々2人が落語をするシーンが登場します。中でも九十九が演じる演目が「芝浜」というもの。本作はこの落語のストーリーと、映画のストーリーとがリンクしています。 「芝浜」という演目は、酒好きながらも腕の立つ魚屋の勝が主人公。酒を飲んでばかりでうだつの上がらない勝は、ある日大金の入った財布を拾います。喜んだ彼は帰って豪遊、大酒を飲んで寝てしまいます。 次の日、そんな様子を見て女房が叱りますが、「金を拾ったから大丈夫だ」と言う勝。しかしどこにも財布は見当たりません。困惑する勝に女房は「酔って夢でも見ていたんだろう」と言います。愕然とした彼は一念発起し、断酒をして真面目に働くように。 3年後には生活も安定し、立派な店を構えるまでになりました。勝は女房に礼を言いますが、女房は真実を伝えます。実は勝は本当に財布を拾っていました。しかしあまりにも高額だったために、女房がそれを役所に届け、酔っていた勝に嘘を伝えたのでした。そして落とし主が現れなかったために、財布が戻ってきたのです。 それを聞き責めるのではなく、自分をまともな人間にしてくれた妻に深く感謝する勝。女房は酒を勧めますが、初めは断ります。やがて少し口をつけますが、すぐに飲むのを止めます。「よそう。また夢になるといけねえ。」
この話は本作と強く結びついており、一男は勝、九十九は女房と対応しているのです。実際に物語終盤、いろいろな億万長者から話を聞き、お金の価値について考え直した一男の前に九十九が現れます。 九十九は一男が大金に惑わされず、本当に大切なことを学ばせるために3億円を隠したのでした。3億円を再び手にした一男。大金を取り戻した彼が望んだものは何だったのか、知りたい方は是非本作でご確認ください。
豪華キャスト共演の『億男』!お金の意味を知ることができるストーリー
本記事では『億男』のあらすじやキャストについて紹介しました。豪華キャストが揃っているだけで興味を引かれる本作ですが、ストーリーから学ぶことも多くあることがわかります。 「お金の意味や本当に大事なものってなんだろう」と考えたことはありませんか?考えたことのある方は、本作を観ることでその答えやヒントがきっと見つかるはず。ぜひ観てみてください。