(C)吉田秋生・小学館/Project BANANA FISH

伝説の名作少女漫画『BANANA FISH』アニメ化!色褪せないその魅力とは【原作のネタバレ注意】

2018年3月9日更新

1985年に連載して以来、2018年現在も色褪せない名作『BANANA FISH』。いよいよ2018年にフジテレビでアニメ化が決定しました。原作、アニメ化情報を交えその魅力に迫ります。

不朽の名作『BANANA FISH』とは?

『BANANA FISH』とは吉田秋生による別冊少女コミックに連載された少女漫画と、それを原作にした作品です。漫画版の連載期間は1985年から1994年で、番外編も作成されました。 物語の舞台は1980年代ニューヨーク。メインキャストは天才の名をほしいままにする美少年アッシュ・リンクスと、日本からやってきた少年奥田英二の2人。そんな彼らを取り巻くのはストリートキッズの少年たちと薬物「BANANAFISH」を狙うマフィアたちです。 裏社会の薄暗さや犯罪マフィア同士の争いなどが描かれ、少女漫画というにはハードボイルドな世界観や、映画のようなストーリー展開に魅了されたファンは数多く、2018年現在も色褪せることはありません。 こちらの記事では、原作のネタバレを踏まえつつ、同作の魅力を徹底解説していきます!

原作者・吉田秋生とは?

『BANANA FISH』を描いたのは漫画家の吉田秋生です。1956年8月12日生まれで1977年に『ちょっと不思議な下宿人』という漫画から活動を開始しました。 その後、数々のヒット作を生み出しており、『河よりも長くゆるやかに』や『吉祥天女』、『夜叉』などで漫画賞を受賞。近年では4姉妹それぞれの生き方を描いた『海街-diary』が映画化され、話題となりました。 吉田の作品はどれも作品を描いた時代のテーマが盛り込まれており、時代を感じさせるものが多いです。 その一方で、どの時代でも人々が抱える哲学的な概念や心の葛藤、ドキっとするようなエッセンスが盛り込まれ、背景に時代を感じさせつつも、いつ読んでも色褪せない不思議な魅力があります。

30年を経ても色褪せない鮮やかさ

雑誌の掲載が始まったのは1985年、コミックスは全19巻となっています。作品の中に盛り込まれたテーマは、ドラッグ、マフィアや人種紛争などいった社会的なものが多く少女漫画としては異色。 しかし、作品自体は良く作り込まれており、まるで映画のようなストーリー展開からは目が離せません。 そして、キャラクター。メインキャストから端役まで、1人1人個性的なキャラクターが多く非常に魅力的です。 特に主人公アッシュがそのカリスマ性ゆえに心悩ませ葛藤する姿や心の闇は荒っぽい物語の中に切なさが加わり、心に響くものがあるでしょう。 扱うテーマの奥深さ、映画のようなストーリー展開、魅力的なキャラクターたち、時代を通じて問われる人の心。こういった要素が連載開始から30年を経過してもなお、名作と言われる所以ではないでしょうか。

【ネタバレあり】『BANANA FISH』のあらすじを解説

ことの発端は1973年ベトナム戦争。アメリカ兵士グリフィン・カーレンリースが突如銃で仲間たちを撃ち殺したこと。それがどうやら薬物による錯乱だったことから物語はスタートします。 場所は移ってニューヨーク。ダウンタウンのストリート・キッズのボスを務める少年アッシュ・リンクスはある男から「バナナフィッシュ」という言葉と、ある住所を伝えられます。実はベトナム戦争で銃を乱射したグリフィンはアッシュの兄で、アッシュもバナナフィッシュとは無関係ではなかったのです。 こうして始まったバナナフィッシュを巡る戦争には、マフィアのボスゴルツィネや中国マフィアなどが参入。アッシュは兄を廃人にしたバナナフィッシュの真相を追求する途中、日本からやってきた少年英二と出会います。 英二は心の痛みが分かる少年で、完全無欠と思われたアッシュも英二にだけは心を許すように。しかし、同性愛の嗜好を持ちアッシュを自分の跡継ぎとして祭り上げようとするマフィアのボス・ゴルツィネや、中国マフィアたちとの争いで英二は何度も危機を迎え、その度にアッシュは自分のせいだと心を痛めます。 それでも、アッシュはそのカリスマ性と超越した能力で少年たちをまとめ上げ、最終的にバナナフィッシュの資料もろとも消滅させることに成功します。 しかし、アッシュ自身はラオという少年の恨みを買い、ナイフで刺されて最期を迎えることとなるのでした。

2018年7月フジテレビ「ノイタミナ」枠で待望のアニメ化!

BANANA FISH
(C)吉田秋生・小学館/Project BANANA FISH

原作開始から30年を経てフジテレビ「ノイタミナ」枠でアニメ化することが決定しました。アニメが開始されるのは2018年の7月。既に公式サイトも立ち上げられ、最新のニュースやキャスト、アニメのPVなどが公開中です。また、amazonプライム・ビデオにて日本と海外で独占配信も決定しています。 ツイッターなどSNSでも情報発信され、原作者の吉田のコメントや監督とキャラデザインを行ったスタッフの対談など気になる情報が満載。原作者の吉田は「やばい。あたしよりウマい。(笑)」と発言しており、ファンの期待が高まっています。

気になるアニメのキャストを紹介

公式で紹介されているのは全4キャラ。主人公のアッシュは内田雄馬、同じく主人公の英二は野島健児、ライターのマックスは平田弘明、マフィアのボスゴルツィネは石塚運昇が担当することが決定しています。 アッシュを担当する内田雄馬は若手ながら歌唱力の定評のある声優で物真似が得意など器用な一面を持つ人物。今回の役に関しては「原作を読み、魅了された。身の引き締まる思い」とコメントしました。 英二を担当する野島はクールな役から元気な少年までと演技の幅が広く、こちらもまた実力に期待の持てる人物です。今回の役に関して緊張しているようで「責任の大きさを感じている」とのこと。 俳優やナレータも務める石塚や平田も含め、実力派揃いとなっておりその演技に期待大です。

制作に携わるスタッフたち

実力派キャストが揃う一方で制作スタッフも豪華な顔ぶれがそろいました。監督はアニメ『Free!』で知られる内田紘子。アニプレックスプロデューサーの瓜生が、キャラへの愛情が深いという理由で是非とオファーしたのだそうです。 そのほか、シリーズ構成は『いぬやしき』を手掛けた瀬古浩司、キャラクターデザインは『同級生』を手掛けた林明美などが担当。『ユーリ!!! on ICE』を手掛けたMAPPAがアニメーション制作を担当となっています。 公式サイトでは、原作者の吉田秋生のコメントとスタッフコメントが一部見られるようになっていますのでそちらもチェックしてみてくださいね!

原作の連載開始から33年、アニメはどのようにブラッシュアップされるのか

アニメ化が決定し、当時のファン層がざわつく中、YouTubeにてアニメーションPVが発表されました。 少女漫画にしてはハードボイルドな空気が漂っており、アニメ化するにあたって絵柄などが不安視されましたがかなり原作に近い出来になっているのではないでしょうか。 本作は全体を通して独特の仄暗さを漂わせる世界観を持っているため、全体の色合いが淡く暗めに作られている部分も評価できそうです。 ストーリーは2クールで全24話で収めることが決定しており、当初はアッシュメインを予定していましたが、英二が欠けているのは何か違う、と2人を軸にする方向で進めてる方向になったそうです。 アッシュと英二あってこその本作品ですので、どこを削りどこを採用するのか、制作サイドの腕に期待です。

『BANANA FISH』の魅力を改めて振り返る

BANANA FISH
(C)吉田秋生・小学館/Project BANANA FISH

この作品の魅力は、ストーリー、そしてキャラクターですが、一番の肝となっているのはアッシュが抱える社会に対する怒りや心の闇と、それを救い上げる奥田英二という少年の存在、と言えます。 特に女性読者が心惹かれる部分となっているかとは思いますが、ボーイズラブ的なものなのでは?という声も上がっています。確かにそう見えなくもありません。 しかし、後日談である『光の庭』 にてシンは2人の関係について 「言っとくがあいつらの間は性的な関係はいっさいなかった、恋愛に近い感情はあったかもしれないが魂の奥深いところで結びついていたんだ」と語っています この2人は魂で結びついているのだ。アニメも是非、ファンがそう感じられるような作品になって欲しいですね。