2018年3月14日更新

アメコミ界の巨匠、アラン・ムーアの功績とは?【『ウォッチメン』ほか】

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アメコミに文学的要素を持ち込んだアラン・ムーア

アメコミ界の巨匠であるアラン・ムーア。彼の生み出す作品は単なる子どもが楽しむための漫画ではなく、ウィリアム・S・バロウズやマイケル・ムアコック、クライヴ・パーカーなどの様々な文芸作家の影響を受け、文学的感覚をアメコミに盛り込んでいます。 またその独特の作風のみならず、文字と絵の異なる組み合わせなど、表現方法にもアラン・ムーアならではの感覚を作品に盛り込み、アメコミ界に新しい風を吹き込みました。 この記事では、そんなアラン・ムーアの経歴と代表作を紹介していきます!

メインストリームでの活動

1953年イギリスノーサンプトンで生まれたアラン・ムーアは子どもの頃より読書を趣味とし、また漫画や小説などの小説にも興味を示し、10代の頃から様々な雑誌に絵や文章を投稿する日々を送っていました。 一時は風刺漫画家として活動していましたが、生活が苦しかったため雑誌『2000AD』や『ウォリアー』などに投稿しはじめて様々な作品を手がけ、そしてこの時期に人気作品『Vフォー・ヴェンデッタ』を発表しています。 その後アメリカの出版社DCコミックスから声がかかり、当時低迷していた同社の『スパンプシング』の人気挽回のため、原作者として本作に関わり、見事人気を復活させます。その功績が認められ、次から次へと同社の作品に携わっていきます。 そして1986年にアラン・ムーアの代表作といっても過言ではない作品『ウォッチメン』を発表し、彼の人気は確固たるものとなります。しかし注目されることを嫌ったアラン・ムーアは人前にでることを避けるようになります。また出版社との間に摩擦が生じるようになり、しばらくメインストリームでの活動を控えることになりました。

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インディペンデントでの活躍そしてメインストリームへの復帰

しばらくメインストリームでの活動を控えることになったアラン・ムーアですが、制作活動を休止することはなく、インディペンデントで活躍をします。自身が立ち上げた出版社から反同性愛法に抗議を示す作品を発表したり、またカオス理論や数学的思想からアイデアを得た作品を発表します。 さらにこの時期に、切り裂きジャック事件を描き、完成に10年を要した大作『フロム・ヘル』を発表します。その他にも『不思議の国のアリス』『ピーターパン』などの童話を性的に解釈した作品も発表しています。 しかしインディペンデントでの活動は数年に留まり、またメインストリームでの活動に復帰し、登場人物全員が特殊な能力やコスチュームを持っているシニカルな作品『トップ10』などの人気作品を発表し始め、現在に至ります。

映画化もされた代表作『Vフォー・ヴェンデッタ』

1982年から1985年にかけて発表された『Vフォー・ヴェンデッタ』は、アラン・ムーアがストーリーを担当した、アラン・ムーアの代表作の一つです。 核戦争の結果、独裁的な政権が国を支配し、マスメディアも政府にコントロールされ、町には秘密警察がいたるところで反体制勢力に目を光らせている、どこかしらナチス・ドイツを彷彿とさせるイギリスの近未来が舞台となっている本作は、謎の人物Vが独裁的な政権と戦う姿が描かれています。 本作は2006年にナタリー・ポートマン主演で映画化もされており、アラン・ムーア自身は映画製作には携わることはありませんでしたが、映画化には好意的だったと言われています。

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歴史的傑作、アイズナー賞に輝いた『ウォッチメン』

アラン・ムーアといえば『ウォッチメン』といっても過言ではないほど、彼の代表的作品である本作は1986年から1987年にかけて発表され、アメリカで最も権威のある漫画の賞であるアイズナー賞を受賞しています。 またまたSF作品やファンタジー作品に授与されるヒューゴー賞も受賞しており、さらには『タイム』マガジンが選ぶ「1923年以降に発表された長編小説ベスト100」にも選ばれた名作にも選ばれ、2009年には映画化もされました。 本作は実際の歴史とは違う歴史の経過を描いた歴史改変SFであり、スーパーヒーローが登場した結果アメリカの歴史が変わったという視点で描かれています。 本作ではスーパーヒーローのほとんどは政府のために働いている中、そのうちの一人が殺人事件に巻き込まれ、警察が解決をあきらめたその殺人事件を暴こうとするスーパーヒーローたちが活躍します。

切り裂きジャックを題材にした『フロム・ヘル』

アラン・ムーアがインディペンデントでの活動中に発表した作品『フロム・ヘル』。1888年のイギリスで発生した猟奇的殺人犯切り裂きジャックを滞在にした作品です。 2001年には人気俳優ジョニー・デップ主演で映画化もされており、映画も原作同様人気作となりました。

メインストリーム復帰後の人気作『トップ10』

メインストリームに復帰後発表された『トップ10』。本作はすべての住民が特殊な能力を持っているという大都市にある警察トップ10に勤務する警察官の活躍が描かれています。 本作は映画化はされていませんが、オリジナル作品のほか、スピンオフ作品やグラフィック述べるなども発売されています。

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これからの活躍も期待

次から次へと話題作を発売し、アメコミ界に旋風を巻き起こし続けてきたアラン・ムーア。その活動はコミックの世界のみにとどまらず、小説の執筆や舞台でのパフォーマンスにまで及びます。 マルチな才能を持つアラン・ムーアのこれからのますますの活躍を期待していきましょう!