映画界の巨匠ウディ・アレン監督による『女と男の観覧車』
1935年にアメリカニューヨークで生まれ、映画監督として活躍するほか、俳優、小説家、コメディアン、またクラリネット奏者としての顔を持つ、まさに様々な才能に恵まれたウディ・アレン。 今までにアカデミー賞に史上最多となる24回ノミネートされ、監督賞(1回)、脚本賞(3回)の経験を持っています。 生まれ育ったニューヨークを舞台とし、そこの暮らしや文化を映画の題材にすること多く、文化的要素の香り高い作品作りを得意としており、アメリカはもとより、フランスなどの文化的先進国で高い評価を得ているのが、ウディ・アレンの特徴です。 しかしながら、映画監督として評価を得ているものの、自身の養女への不適切な性的行為など、常にセクハラ疑惑が付きまとい、特に最近のハリウッドでは、セクハラ問題に敏感になっており、ウディ・アレンの立ち位置を危うくしていることも事実と言えるでしょう。 そんな彼の監督作『女と男の観覧車』を紹介します。
『女と男の観覧車』の気になるあらすじ
舞台は1950年代のニューヨーク、コニーアイランド。主人公ギニー現在は遊園地でウェイトレスとして働いて入るけれど、以前は女優として働いていた経験を持つ女性。女優業からは引退し、メリー・ゴーランドの管理人である夫のハンプティと現在は平凡な生活を送っており、それなりに安定した生活に満足しているものの心の片隅では刺激を求めています。 そんなギニーの前に脚本家志望の男性ミッキーが現れ、ギニーは瞬く間にミッキーに惹かれてしまい、彼との生活を夢見るようになりますが、そんな夢見る日も義理の娘キャロライナが戻ってきたことで狂い始めてしまいます。 ギニーを取り巻く人間関係、人生模様を中心にストーリーが展開していきます。
豪華キャスト陣
ウディ・アレン監督の映画はいつも豪華キャスト陣が登場することでも有名です。『女と男の観覧車』も主役のギニー役をケイト・ウィンストレット、ギニーが恋に落ちるミッキー役をジャスティン・ティンバーレイク、ギニーの夫役をコメディアンである俳優のジェームズ・ベルーシが演じるなど、豪華キャストが勢ぞろいです。
主役を演じるのはケイト・ウィンスレット
主役のギニーを演じるのは、イギリス出身の女優ケイト・ウィンスレット。彼女の名前を一躍有名にしたのは1997年公開映画『タイタニック』でしょう。その後も次から次へと人気映画に出演を続け、今までにアカデミー賞ノミネート経験7回、そして2008年公開の映画『愛を読むひと』で見事主演女優賞を受賞しました。 またプライベートでは、様々な浮名を流しましたが、1998年に映画監督であるジム・スレアプトンと結婚します。2000年には長女が誕生しますが、残念ながら2001年に離婚。その後2003年に映画監督のサム・メンデスと結婚し、長男が誕生しますが、2010年に2度目の離婚。そして2012年にヴァージン・グループの創業者であるリチャード・ブランソンの甥であるネッド・ロックンロールと3度目の結婚、翌年2013年にはケイト・ウィンスレットにとっての第3子が誕生しています。
グラミー賞歌手兼俳優ジャスティン・ティンバーレイク
主人公ギニーが恋に落ちる男性ミッキーを演じるのは、アメリカ出身のシンガーソングライター兼俳優であるジャスティン・ティンバーレイク。 1990年代に男性ポップグループ、イン・シンクのリードボーカルとして有名になり、その後2002年にイン・シンクが活動休止後はソロとして続々とアルバムを発表し、今までにグラミー賞6つ、エミー賞2つを獲得し、名実ともに人気シンガーソングライターとしての地位を確立しています。 また俳優活動にも積極的で、2011年公開の映画『TIME/タイム』では主役に抜擢されました。 その他、レストランの立ち上げやファッションブランドの立ち上げなど事業家としても活躍中です。 またプライベートでは、ブリトニー・スピアーズやスカーレット・ヨハンソンとの交際もささやかれたこともありますが、2012年に女優のジェシカ・ビールと結婚、2015年には男の子が生まれました。
コメディ俳優ジェームズ・ベルーシ
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— Wonder Wheel (@wonderwheelmov) December 14, 2017
主人公ギニーの夫ハンプティを演じるのは、アメリカ出身のコメディアンであり俳優でもあるジェームズ・ベルーシ。 アメリカの人気コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』で人気を獲得したジョン・ベルーシは実の兄であり、薬物の過剰摂取により33歳の若さでジョン・ベルーシが亡くなった後、『サタデー・ナイト・ライブ』に出演し、ジェームズ・ベルーシ自身もコメディ俳優としての地位を確立しました。 その後はコンスタントに映画、テレビドラマに出演しています。
イギリス出身の新進気鋭女優ジュノー・テンプル
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— Wonder Wheel (@wonderwheelmov) December 5, 2017
主人公ギニーの義理の娘であるキャロライナを演じるのはイギリス出身のジュノー・テンプル。父は映画監督、母はプロデューサーという芸能一家で育ち、若干8歳のときに映画デビューを果たします。 その後2006年ごろよりコンスタントに映画に出演を続け、2013年公開の映画『トランストリップ』でスイッジェス国際映画祭の主演女優賞を受賞します。 日本での知名度はまだあまり高くありませんが、現在注目の集まる新進気鋭の女優です。
撮影を担当したのはイタリア出身のヴィットリオ・ストラーロ
『女と男の観覧車』で撮影を担当したのは、イタリア出身の撮影監督、ビットリオ・ストラーロ。 彼を一躍有名にしたのは、1987年公開の映画『ラストエンペラー』でアカデミー賞監督賞を受賞したベルナルド・ベルトルッチ監督とタッグを組んで世に送り出した『ラストタンゴ・イン・パリ』でしょう。 『ラストタンゴ・イン・パリ』の他、ベルナルド・ベルトルッチ監督とタッグを組んで『ラストエンペラー』を世に送り出し、またフランシス・コッポラ監督の『地獄の黙示録』でも撮影監督を務めました。 そして、『地獄の黙示録』『ラストエンペラー』そしてウォーレン・ベイティ監督の『レッズ』の3作でアカデミー賞撮影賞を3度受賞しており、現在の映画界で名実共に最高の撮影監督といっても過言ではないでしょう。
『女と男の観覧車』の見どころは?
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— Wonder Wheel (@wonderwheelmov) December 12, 2017
『女と男の観覧車』の見どころは何と言っても主演を演じるケイト・ウィンスレットの演技といってよいでしょう。 残念ながらアメリカでの映画自体の評価はあまり高くはありませんでした。しかしケイト・ウィンスレットの演技は高く評価され、本作の演技により第21回ハリウッド映画賞の主演女優賞を受賞しています。
ウディ・アレンにつきまとうセクハラ問題は今後どうなるのか
映画監督しては評価の高いウディ・アレンですが、残念ながら自身の養女への不適切な性的行為などが明るみになり、ウディ・アレンの映画への出演を辞退する俳優、女優がいることも事実です。 また2017年秋にハリウッドの大物プロデューサーのセクハラ問題が発覚以降、ウディ・アレン監督の過去の行為が掘り返され、あらためて窮地に立たされています。 このようなセクハラ問題は、真相の解明が簡単ではありませんが、映画監督としては評価の高いウディ・アレンの評価がこれ以上下がらないことを祈るばかりですね。