リーアム・ニーソンにインタビュー『トレイン・ミッション』の魅力と役者哲学

2018年3月27日更新

2018年3月30日に満を持して日本公開される、リーアム・ニーソンの新作『トレイン・ミッション』。PRのために13年ぶりに来日した主演リーアム・ニーソンにインタビュー!そして語る、彼の役者哲学とは?

13年ぶりの来日!ハンサムすぎるスター、リーアム・ニーソンにインタビュー

リーアム・ニーソン
WENN.com

2018年3月30日に満を持して日本公開される、リーアム・ニーソンの新作『トレイン・ミッション』。ある日突然リストラを告げられた保険会社勤務のプロサラリーマンが、通勤電車の中で謎の女性に声をかけられた事から大きな事件に巻き込まれるサスペンス・スリラーとなっています。そんな今作のPRで来日した、皆だいすきリーアム・ニーソンにインタビュー!

ニーソン×監督4度目のタッグ!他作品との違いは?

トレイン・ミッション プレス
©STUDIOCANAL S.A.S.

「違いはなかったと思うよ。より今作の方が……“緊迫”していたかもしれないけどね。閉塞的な場所で物語が展開されていくから、監督はより細かいところまで準備をしなければいけなかったんだ。監督とは、とにかく芸術的な完成の面で馬が合うんだ。」 そう語るリーアム・ニーソンが、ジャウム・コレット=セラ監督とタッグを組むのは、これが4度目。互いの才能を最大限に発揮した一作目『アンノウン』は全世界で大ヒットし、その後『フライト・ゲーム』や『ラン・オール・ナイト』と、ヒット作品を生み出してきました。 1つの舞台とシンプルなアイデアで構想を広げるのを得意とする監督。そして、リーアム・ニーソンといえば『シンドラーのリスト』でアカデミーノミネートを果たし、「スターウォーズ」シリーズではクワイ・ガン=ジンで親しまれ、「96時間」シリーズの迫力あるアクションで人気を再燃させています。

『フライト・ゲーム』 リーアム・ニーソン
© Universal Pictures

そして監督だからこそ描けた『トレイン・ミッション』の深みについて語ります。 「今作の魅力の一つとも言えるのは、同じ電車の中にたまたま乗り合わせたキャラクターたちだ。違う人種の人間が団結していく過程やクライマックスにはとても深みがある。そう感じさせるのは、まさに監督のおかげだと思うよ。 乗り合った乗客が一人一人、立体的に掘り下げられているからこそ、我々観客が彼らを見たときに興味を持つし、誰が怪しいのか勘ぐってしまう。そういった意味で、どこか惹かれるものをそれぞれのキャラが持っているんだ。それによって映画がより豊かになっているし、良い意味で複雑になっている。」

リーアム・ニーソンが語る、『トレイン・ミッション』の驚愕な撮影技法!

トレイン・ミッション プレス
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何より、リーアム・ニーソンはセラ監督の今作における緻密な仕掛けには脱帽したと言います。 閉塞的な場所で物語が展開されていくから、監督はより細かいところまで準備をしなければいけなかったんだ。今作はおよそ95%をスタジオ内で撮影していてね。特に映画の舞台となった電車の車両は全部で7車両あるんだけど、用意したのは1車両と少し分の電車のセットだ。毎日撮影が終わると、美術部が翌日の撮影用に車両2から車両3へと、様変わりさせていたよ。更に、エキストラもシーンによって配置を変えなければならなかったのが、今回とてもこの映画を作るうえで大変だった事だね。」 「今作を撮影したポール・キャメロンは、作ってくれた光もスピード感を感じさせるように工夫したり、動いている列車だと感じさせるためにいかに見せるかの工夫を凝らしたんだ。」 インタビュー取材をしていた私はこれに驚き、「信じられない!」と言うと、彼は「だから、セットの中で撮った作品だと信じられないって言ってもらえることは、僕らにとって最大の褒め言葉だよ、ありがとう。」と微笑んでくれました。ハンサムな紳士で優しさの塊であるリーアム・ニーソンの微笑み、尊過ぎる……。

年を重ねるごとに変化していく、役者哲学

リーアム・ニーソン 

アクション映画で再ブレイクしたリーアム・ニーソンは、御年65歳。長い俳優人生の中で、彼なりの役者哲学に変化はあったのでしょうか? 「年を重ねるにつれて、よりシンプルに演じるように心がけているかもしれない。最大限の効果を得るために、最低限の事をする。僕は観客が僕の演技とそれのギャップを埋めてくれると信頼しているんだ。今ではそんな風に、観客に自分の演技を託す事ができるけど、20年前の僕は「もっと感情をみせなきゃ」と意識して演技をしていたね。 今は観客がギャップを埋めて、自分の演技を理解してくれると信じているから、なるべくシンプルに引いて抑えるようになっている。書かれた脚本家の台詞が、自分が演技をすることで、本当にそのキャラクターの口から伝えられる真実として観客に捉えてもらう……それだけを考えているし、それが僕にとって映画における定義だと思っているから。」 更に、より自分自身だけで演技をするシンプルさを美徳とする彼はこう続けます。 「役者によっては声音を変えたり、歯や鼻をつけたり、顔を変えることで演技やキャラクター像を造ろうとするけど、僕はそういう演技に全く興味を持っていないんだ。」

実はド派手アクションシーンは自分でやらない!「自分でやるなんて馬鹿げている」

トレイン・ミッション
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今日のハリウッドでは、スターが自らのアクションシーンを演じる事も少なくありません。出演する数多くの映画の中で、迫力あるアクションシーンをこなすリーアム・ニーソン。今作では電車から電車に飛び乗ったり、車内で敵と戦ったりします。彼もまた、アクションシーンをスタントなしで挑んでいるのでしょうか? 「僕は自分のアクションシーンはやらないんだ。だから、電車から電車へ飛び移るシーンも僕ではなく、全てプロであるスタントマンに任せる事にしているよ。」 そして、このように続けます。 「実は僕は、俳優が自身のスタントをやるっていうアイデアにはあまり賛成していなくてね。他作品を撮っていた時、共演者が樽の中に入って丘から転がり落ちるシーンがあったんだ。それを、その共演者はのんきに「自分がやる」と言い出した。僕は、なんて“f***ing stupid”な事を言うんだ、と思ったよ(笑) 俳優がわざわざ危険なシーンを、プロのスタントに頼まずに自身で演じれば怪我をする確立は格段に増える。それに、怪我をすれば制作側は慰謝料をださなければいけないし、最悪撮影は中止になってしまうだろう?プロのスタントマンに任せるべきだというのが、僕の役者としてのスタンスだ。」

しかしファイトシーンは全て自分で演じる、リーアム・ニーソン

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「ただ、ファイトシーンは僕自身が演じているよ。何故自分でやるかというと、それがキャラクターの一部であり、キャラクターの全ての側面を表現するのに役立つと感じるからだ。ファイトシーンは実は親密な作業やシーンでもある。今作のような狭い空間のなかで起きる戦闘は、より親密なものであるから、他の人に任せるという事は考えられないよ」 実は、リーアム・ニーソンは若い頃ボクシングをしていた事でも知られています。その経験が、今日における演技に役立っているのではないでしょうか? 「自分を律する心、鍛錬であったり、準備の大切さ、相手をリスペクトする心をボクシングから学んだよ。だから、こういうシーンを撮影する時は何度も何度も練習をして、目を閉じてもできるくらいにまでしておいて、いざ撮影をするとなるとまるで初めてそのアクションをするかのように動く。これがより良いアクションシーンを作る鍵だと考えているよ。」

ぶっちゃけ、普通の男と『96時間』みたいな最強な男、どっちを演じるのが好き?

トレイン・ミッション プレス
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さて、リーアム・ニーソンといえば、“必ず見つけ出して、必ず殺す”タイプの強面最強男を演じがち。しかし、今作の主人公はそれに比べると割と普通の男性です(元警察官という経歴はさておき)。ズバリ、どちらのキャラクターを演じる方が好きなのでしょうか。 「『96時間』の男も、ただいくつかのスキルがあるだけの普通の男だと思うよ(笑)まあ、普通の男を演じる方が、観客がより共感しやすいんじゃないかと考えている。親近感を持っているからこそ、こうじゃないかと思っていることを良い意味で裏切ったり、印象を上手く利用して騙したりするのはまた楽しいから、設定としては好きだね。」 「今作の主人公マイケルは年齢を理由にある日突然リストラされてしまった普通の男だ。そして、彼がジョアンナと出会って、「こういう事をすれば報酬が貰える」と提案されてそれを受ける。この時、観客も「うん、まあ彼はそれを引き受けるだろうな、こんなお金貰えるんだもんな」と共感するからこそ、リアルタイムで“自分だったらどうしよう”、と考えるはず。 マイケルはそこまで年齢はいっていないのに、酷い話だよ。しかし、そういう風に言われてリストラされてしまう人は、実社会にも多くいる。そういうキャラクターを演じられる事は、観客の共感を掴めるという意味で、醍醐味の一つでもあったね。」

電車にまつわる、リーアム・ニーソンの素敵な思い出

リーアム・ニーソン

列車の中に色々な人生模様が描かれている今作ですが、リーアム・ニーソン自身の持つ電車にまつわる素敵なエピソードを語ってくれました。 「一つ、良い思い出があってね。実は僕の祖父はアイルランドで蒸気機関車の運転手だったんだ。50年間、蒸気機関車から今日における電車に変わる時までね。僕は恐らくその時5、6歳だったと思うんだけど、母が祖父に会わせるために、僕をウォーターフルートという駅まで連れて行ってくれたんだ。 駅でその列車が止まって、蒸気の中から祖父が降り立った時、僕は神が雲間から地に降り立ったかのように神々しく感じたんだ。幼かった僕にとって衝撃的で、今でも鮮明に記憶に残っている光景だよ。」

『トレイン・ミッション』公開日は3月30日!リーアム・ニーソンの活躍を見逃すな!

妻と大学に進学する息子を養うために、あくせく毎日会社勤めをするマイケル。しかし、ある日突然リストラを宣告されます。彼は失意の中、元同僚の警官と一杯ひっかけた後普段乗る通勤電車で帰路に。ただ、突然自分に声をかけてきた謎の女性ジョアンヌとの会話をきっかけに、彼は大きな事件に巻き込まれてしまうのです。 そんな主人公マイケルを演じたリーアム・ニーソンさんのインタビューでした!『トレイン・ミッション』は2018年3月30日より劇場公開となります。

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