『フライト・ゲーム』ネタバレ＆感想・評価！【犯人候補の怪しい行動を検証！】

2014年公開の映画『フライト・ゲーム』。飛行機内という空の上の密室を舞台に、名優リーアム・ニーソンが演じる航空保安官が次々殺人犯を突き止めていくアクションスリラー作品です。 アクション映画としての要素と、犯人が誰か解きあかしていくミステリー要素を詰めこんだ一度で2度美味しい本作について、ネタバレありで解説していきます。

本作の主人公は航空保安官のビル・マークス。幼い娘を亡くし、妻とも離婚したことからアルコールに依存する様になっています。 今回の彼の任務はニューヨークからロンドンまでの便に一般客を装い搭乗し、機内をの安全を守ること。しかし、彼が乗る飛行機が上空に達した際、ビルの携帯に謎の人物からのメールが入ります。その内容とは、その人物が指定する口座に１億5000ドル送金しなければ20分ごとに乗客を殺害するというものでした。 そして犯人の予告通りに乗客が命を落としていきます。指定された口座がビル本人名義のものであったことから、周囲から疑いまでかけられてしまうビル。果たして彼は真犯人を突き止め、乗客達の無事を保つことができるのでしょうか？

『フライト・ゲーム』の主役ビルを演じたのはアイルランド出身の俳優リーアム・ニーソン。リュック・ベッソンが脚本、製作を務めた誘拐がテーマのアクションスリラー映画『96時間』シリーズの主人公、ブライアン・ミルズ役として有名です。 監督ジャウマ・コレット=セラとは多くタッグを組んでいることで知られており、2011年の『アンノウン』、2015年の『ラン・オールナイト』と本作を含めると３作品で監督と主演を務めています。 アクション俳優としても評価が高いニーソンですが、演技力にも定評があり、本作でも心に闇を抱えた保安官役を見事に演じています。

ビルが一般客を装って搭乗したビジネスクラスに乗っていた乗客ジェン。なぜか窓際の席に強いこだわりを持っており、もともとビルの隣の席だった青年と座席を交換してもらいます。そして胸には大きな傷痕が有るというミステリアスな人物です。 演じるのはジュリアン・ムーア。2002年の『エデンより彼方に』でヴェネチア国際映画祭女優賞を、2003年の『めぐりあう時間たち』でベルリン国際映画祭女優賞を、2014年の『マップ・トゥ・ザ・スターズ』でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞しています。まさに世界を股にかける国際女優です。

ビルと顔なじみの客室乗務員グウェン。急遽欠員が出たため、今回のビルが登場する飛行機に登場することになります。 演じたルピタ・ニョンゴは、2015年『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』で1000年間酒場を経営しているというマズ・カナタのモーションキャプチャーモデルを務めたことで知られています。また、2018年公開、マーベル初の黒人ヒーロー作品『ブラックパンサー』でも、主人公の幼馴染ナキア役で出演しています。

ジェンと座席を交換することになった黒人男性ザック。スマートフォンのプログラマーで、その技術を活かしてビルの操作にも協力します。 演じるのは俳優だけでなく監督としても活躍するネイト・パーカーです。2016年に黒人奴隷の反乱を描いた作品『バース・オブ・ネイション』で制作、監督、脚本、主演の４役を担当するという大技を成し遂げ話題になりました。 しかし、映画はパーカー自身の過去のレイプ疑惑やアメリカ国内での興行の失敗などにより、日本を含む海外での公開が中止されています。

飛行機内という密室で起きた殺人事件の容疑者は乗客全員。その中でも怪しい人物とその行動を紹介していきます。

同じ飛行機のビジネスクラスには、ビルの同僚で同じく航空保安官のジャックが一般客を装って搭乗していました。素行が良くないビルとハモンドの仲は良くありません。 しかも犯人から最初のメールが来た際、ビルがハモンドに相談しても「騒ぎを起こすな」と素っ気ない様子。そもそもビルの携帯には連邦政府専用回線からメールが来ています。不正アクセスでもされない限り、そんなことができるのはネットワークにアクセスできるジャックしかいません。

教師のトムは、搭乗前にビルに行き先はどこかと尋ねています。答えは無視されてしまうのですが、その時トムは「自分はアムステルダムに行く」と言っているのです。 しかしなぜかトムもロンドン行きの機内に同乗しています。なぜ行き先を聞いたのか、そして自分の行き先を偽ったのか。この行動だけでもかなり怪しいですね。

ビジネスクラスの乗客、ジェンはとにかく窓際の座席にこだわります。わざわざ最初窓際に座っていた青年ザックに頼み込んで席を移動してしまうほど。結果ビルの隣の席になるのですが、一見気さくそうに見えて自分のことになると途端に口をつぐむという点からも怪しさが漂ってきます。 劇中、機長が殺されてしまう事件が発生するのですが、機長席のすぐ後ろにあるトイレの壁に施された細工を使って殺人した可能性が高まります。そしてそのトイレを最後に使った人物もジェンなのです。

ビルが一番最初に疑ったのは同僚ジャック。専用回線にアクセスでき、「娘は元気か？」などビルのプライベートに触れることができる人物は彼しかいません。 ビルはトイレでジャックに詰め寄り、銃で撃たれそうになったので反射的にジャックの首を折って殺害してしまいます。残されたジャックの携帯には犯人からのメールが。実はジャックはコカインを密輸しており、それをネタに犯人に脅迫されていたのでした。 搭乗前に謎の行動をとったトム。彼は誰かからビルに行き先を聞いたら報酬を渡すと言われたといい、その人物を探し出すためビルはトムをひき連れて機内を歩き回ります。しかしトムが言う人物は見つかりません。そうこうするうち、今度は乗客ではなく機長が謎の死を遂げてしまいます。

ビルはスマフォのプログラマーであるザックに頼み、犯人がビルからのメールを受診すると着信音がなる仕掛けを用意してもらいます。仕掛けつきのメールを送信すると、弁護士だという初老男性チャールズの携帯がなります。チャールズが犯人だと思ったビルは彼に詰め寄りますが、チャールズはこれは自分の携帯ではないと主張し、直後泡を吹いて倒れてしまいます。 行き詰まったビルがトイレでタバコを吸いながら酒を飲もうとすると、トイレに施された細工に気づきます。そこには小さな穴が空いており、犯人はそこから吹き矢のようなもので機長に薬物を仕込んだと考えられます。 そのことからビルは、トイレを最後に使用したジェンを疑います。ジェンが窓際にこだわり、ビルの隣に移ったのも、ビルを欺くためだったのではないかと思ったのです。しかしジェンは過去に心臓が停止した経験を持っていました。胸の傷痕はその時の手術のものだったのです。彼女が窓際にこだわるのは、常に死の危険を感じているため、離陸時に窓の外を眺めていたいという思いからでした。

すると、飛行機内にビルたちが乗っている飛行機がハイジャックされたというニュースが流れます。先ほどトムの首根っこを使ったビルの様子が動画撮影されており、それがネットにアップされたことから、ビルがハイジャック犯だと思われニュースになったのでした。 そのことに気づいたビルは動画を撮影した人物を特定し、何度も動画を観察します。そして、トムがビルに引き立てられる前にチャールズの前を通っていることを発見します。真犯人はトムで、その時チャールズに携帯を仕込んでいたのでした。しかもトムはザックと組んでおり、二人は共犯だったのです。 トムの動機は9.11の事件で父親を失ったこと。その時に国民を守ってくれなかった警官や航空保安官に恨みを抱いており、今回の犯行に至ったのでした。しかもトムはジャックのコカインの下に爆弾を仕込んでおり、乗客もろとも消し去るつもりです。しかし乗客を殺す気は無かったザックとトムは仲違い。その隙を狙ってビルは拳銃を奪い、トムを射殺します。 爆弾も爆発しますがあらかじめ乗客の荷物を上に重ね、飛行機の高度を下げて気圧差を最小限にしていたため、威力を抑えることができました。後部を失いながらも飛行機はアイスランドに緊急着陸。残された乗客の命は助かり、ビルもヒーローとしてマスコミに讃えられたのでした。

『フライト・ゲーム』を鑑賞した人たちは一体どんな感想を抱いたのでしょうか？リーアム・ニーソンを絶賛する声や、犯人が最後まで分からずハラハラ・ドキドキしたなど様々な声が挙がっています。