2020年4月11日更新

【ネタバレ】『トレイン・ミッション』徹底解説 ラストの真相と黒幕の正体とは!?

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トレイン・ミッション プレス
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『トレイン・ミッション』徹底解説 通勤電車が緊迫の謎解き空間に

『トレイン・ミッション』(2018年)は、2014年に公開され大ヒットを記録した『フライト・ゲーム』のリーアム・ニーソンとジャウム・コレット=セラ監督の久しぶりの再タッグ、同作と似た密室アクションスリラーということで注目を集めました。 謎が謎を呼ぶ展開と、手に汗握るアクションシーン満載のエンターテインメント作品に仕上がっています。今回は本作のあらすじやキャスト、そしてその結末をネタバレありで徹底解説! ※この記事には、『トレイン・ミッション』の結末までのネタバレがあります。作品を未鑑賞の方、結末を知りたくない方は、ご注意ください。

『トレイン・ミッション』のあらすじをネタバレなしで紹介

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元警察官で家族思いの主人公マイケルは、通勤電車で毎日会社へ向かう日々を送っていました。そんなある日、彼は電車の中でジョアンナという女性と出会います。彼女はマイケルに、もし彼が電車の乗客の中から「プリン」と呼ばれる人物を探し、その鞄にGPSを取り付けることができれば、10万ドルを渡すと言いました。 相手にせず適当に返事をしたマイケルでしたが、彼女が言った場所から前金の2万5000ドルを発見。そのまま素知らぬ顔で電車を降りようとすると、乗ってきた子供に「警告だ」と妻の結婚指輪が入った封筒を渡されます。家族が危険にさらされていると感じ、彼はわけもわからないまま、通勤電車で見知らぬ人物を探すことになってしまい……。

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6人のプリン候補たち【ネタバレ注意】

「プリンはコールドスプリング駅で電車を降りる」とジョアンナから告げられたマイケルは、座席の背もたれの上に挿してあるきっぷの半券を見て候補者を絞ることに。7番にハサミ入れられている席に座っている人物は、コールドスプリング駅で降りる可能性があります。 10年間同じ電車で通勤している彼の顔見知りを除外すると、条件に当てはまる席は6つありました。

コールドスプリング駅まで乗客がいることが示されている座席の1つ目に座っていたのは、ジャクソンというマッチョな男。2つ目は空席、3つ目に座っているのはエヴァという看護師で、4つ目はギターを持ったオリバ―。5つ目にはピンク色の髪の学生グウェン、そして6つ目の座席に座っているのは、鼻持ちならない株ブローカーのヴィンスでした。

プリンを見つけて事件の真相を暴け!【ネタバレ注意】

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顔見知りの乗客・トニーから電話を借りたマイケルは、警官時代の同僚に助けを求めます。そのとき相手から、自殺と報道されている事件が実は殺人事件で、その目撃者が“プリン”であるとの情報を得たマイケル。その後ジョアンナから催促と脅迫の電話がかかってきます。マイケルは、候補者たちと少しずつ接触し、情報を集めることに。

最初に彼は、空席だった2番目の席に座ってきた男に目をつけます。その男とは格闘になりますが確証は得られません。その後、彼は遺体で見つかり、FBI捜査官だったことがわかりました。 ジャクソンは、持っているきっぷが定期券であることから除外。ジョアンナに雇われた殺し屋だったオリバーは、マイケルとの格闘のすえ電車の外に転落してしまいます。ヴィンスはコールドスプリングの1つ前の駅で下車。不良の彼氏のために偽造IDを運んでいたグウェンを除外し、看護師のエヴァもプリンではないことがわかりました。 そこでマイケルはあることを思い出します。ヴィンスがいた席には、もともと別の乗客が座っていた……。席を移動したソフィアという乗客は、隅の席で音楽を聞きながら小説「緋文字」を読んでいました。その主人公の名前がヘクター・プリンであることから、マイケルは彼女が“プリン”だと確信します。 再度ジョアンナから電話で「プリンを殺せ、でなければ全員殺す」と脅されたマイケルは、車掌と協力して電車を停めようとします。しかし、ブレーキに仕掛けられていた爆弾で電車は制御不能に。 猛スピードでコールドスプリング駅を通過した電車がその先の大きなカーブに入れば、必ず横転すると車掌が言います。そこで彼らは最後尾の車両に乗客を集め、なんとか前の車両と切り離すことに成功しました。

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とりあえず危機を脱したマイケルは、“プリン”から事情を聞きます。

彼女は殺人事件の現場に居合わせ、犯人の話し声を聞いたとのこと。そして中身を知らずに犯人たちが探していた物を持ち出していたのです。それは、警察の汚職事件の証拠でした。また、彼女は犯人が警察官だったため通報せず、友人のつてを頼ってFBIに連絡しようとしたとも。それでも彼女が狙われていることを考えると、駅で落ち合うはずだったFBI捜査官も怪しいのです。 停止した車両は警察に取り囲まれ、マイケルは人質をとって立てこもったテロリストとされてしまいます。彼を説得するため、かつての相棒マーフィーが車両に乗り込んで来ました。彼はマイケルと話すうち、殺人現場で犯人が言ったのと同じ言葉を口にします。 それを聞いて凍りつく乗客たち。マーフィーはマイケルに銃を突きつけ、誰がプリンかと詰め寄ります。ソフィアが名乗り出ると、ほかの乗客たちも次々と「自分がプリンだ」と言いはじめ、彼が混乱した隙にマイケルがマーフィーに飛びかかりました。2人が格闘している間に車両の外では狙撃班が狙いを定め、誤射防止装置を付けていない方を銃撃。 機動隊が車内に突入すると、そこに倒れていたのはマーフィーでした。マイケルは狙撃の直前に彼から誤射防止装置を奪っていたのです。 乗客たちは保護され、マイケルも家族の無事を確認し一安心。かつて同僚だったホーソーン警部は、マーフィーが内部調査の対象だったことを明かし、マイケルに謝罪します。「君のようなまともな男が懐かしい」と口にする警部。汚職事件の黒幕は、まだ明らかになっていないのです。 1年後。電車の中でマイケルはひとりの女性に声をかけます。相手はジョアンナ。彼の手には、警察バッジが握られていました。

これでスッキリ!ラストの真相と黒幕の正体【ネタバレ注意】

プリンが狙われた理由とは?

まずは、プリンの正体と狙われた理由を整理していきましょう。

プリンの正体はソフィア。彼女は、飛び降り自殺したとされていた市の職員・エンリケの知人でした。彼が殺された夜、その場に居合わせた彼女は、犯人たちが探していた物を持ち出していたのです。 彼女が持っていたのはUSBメモリのようでしたが、その中身はわかりません。 ソフィアが目撃した犯人が警察官だったことから、その中身は汚職事件の証拠となるものと思われます。

誰が敵で誰が味方だったのか

本作のポイントのひとつとして「誰がマイケルの味方で、誰が敵なのか」という点があります。これについては、事件が起こる前に伏線がありました。

マイケルの元相棒・マーフィーは事件の前、彼に汚職事件のことをほのめかし、かつての同僚で、今は警部となったホーソーンが怪しいと口にしていました。 しかし実は、マーフィーこそがエンリケを殺した犯人だったのです。 一方で全てが明らかになった後、ホーソーン警部はマイケルに、マーフィーは汚職事件に関する内部調査の対象だったと告げました。序盤で警部が怪しいと疑わせるミスリードがあったのですね。

事件の真相・黒幕は?ラストシーンを解説

ラストシーン、事件から1年後に再び電車の中で対峙するマイケルとジョアンナ。

マイケルの手に警察バッジが握られていることから、彼は復職し、ジョアンナは逮捕されたと予測できます。しかし、本編中では、ソフィアが持ち出したものはなんだったのか、汚職事件の全容はどんなものだったのか、本当の黒幕は誰なのかは明らかにされていません。 ジョアンナは確かに黒幕の1人ではありますが、その後ろにはさらに大きな組織が控えているのでしょう。また、事件後のニュースでは「市の関係者」と「市長」、「3つの大手企業」が関与していると報道されていました。マイケルが務めていた保険会社も、この中に含まれていると考えられます。

『トレイン・ミッション』の主要キャストを紹介

主人公マイケルを演じるリーアム・ニーソン

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北アイルランド出身の俳優リーアム・リーソンは、『シンドラーのリスト』(1993年)での主演や「スター・ウォーズ」シリーズのクワイ・ガン=ジン役などで知られています。シリアスからコメディまで幅広い役柄をこなし、近年ではアクション俳優としても認知されるようになりました。 「96時間」シリーズや『アンノウン』(2011年)などのアクションスリラー作品にも多く出演しており、2015年にはガイズ・チョイス・アワードにて「最もタフな男」に選ばれています。

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謎の女性ジョアンナを演じるヴェラ・ファーミガ

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アメリカのニュージャージー州出身のヴェラ・ファーミガ。2006年にはマーティン・スコセッシ監督の『ディパーデッド』でヒロイン役を務め、2009年の『マイレージ、マイライフ』(2009年)では、ゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞しました。また、「死霊館」シリーズへの出演などでも広く知られています。 ジャウム・コレット=セラ監督作品への出演は、『エスター』(2009年)以来2度目となりました。

監督はジャウム・コレット=セラ 『フライト・ゲーム』のタッグが再び!

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『トレイン・ミッション』の監督はスペイン出身のジャウム・コレット=セラです。本作で、ベラ・ファーミガとは『エスター』以来2度目、リーアム・ニーソンとは『アンノウン』、『フライト・ゲーム』(2014年)、『ラン・オールナイト』(2015年)につづき、4作目のタッグとなりました。 ホラーやスリラーを得意とするコレット=セラの代表作は、上記のほかに『蝋人形の館』(2005年)や『記憶探偵と鍵のかかった少女』(2013年)、『ロスト・バケーション』(2016年)など。 2020年にはアドベンチャー映画『ジャングル・クルーズ』の公開が予定されており、注目を集めています。

緊迫の謎解きと迫力のアクションが楽しめる『トレイン・ミッション』

リーアム・ニーソンとジャウム・コレット=セラ監督というコンビがおくる『トレイン・ミッション』は、複雑に絡まり合う伏線と迫力満点のアクションを楽しめるエンターテインメント作品に仕上がっています。 電車という密室の中でくり広げられる、格闘と頭脳戦。アクションシーンにハラハラしながら、あなたにはこの謎が解けますか?