2018年4月24日更新

大人も唸る読み応え!人気漫画家・幸村誠が描く世界の魅力とは【『ヴィンランド・サガ』TVアニメ化記念】

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ヴィンランド・サガ

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『ヴィンランド・サガ』TVアニメ化記念、幸村誠作品を振り返る!

2018年3月、漫画家・幸村誠が月刊アフタヌーンで連載中(2018年4月現在)の『ヴィンランド・サガ』TVアニメ化が発表されました。 本作は現在20巻まで発売されており、シリーズ累計500万部を突破した人気作。2009年に文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、2012年に講談社漫画賞一般部門を受賞と、評価の高い作品です。 アニメーションを手掛けるのは、2012年に元Production I.Gのメンバーにより設立された『進撃の巨人』『甲鉄城のカバネリ』など質の高い作品を世に送り出し続けているWIT STUDIO。より多くの方が楽しめる大作となりそうです。 今回は『ヴィンランド・サガ』TVアニメ化を記念し、人気漫画家・幸村誠の経歴や過去作品を振り返ります!

デビュー作が早速アニメ化!幸村誠の経歴とは

幸村誠(ゆきむらまこと)は、漫画家・守村大のアシスタントを経て、2000年からモーニングで連載された『プラネテス』でデビューを果たします。 宇宙に浮かぶスペースデブリ(宇宙ゴミ)を回収する掃除屋の活躍を描いた本作は、デビュー作ながら本格的なSF設定と濃厚な人間ドラマで注目を集め、2002年には星雲賞コミック部門を受賞。翌2003年には「ガンダム」シリーズで知られるサンライズ制作のもと、NHK BS2の放送枠で早くもアニメ化されました。 2004年にはイブニングに読み切り『さようならが近いので』を掲載。そして2005年からこの度TVアニメ化が決定した『ヴィンランド・サガ』の連載が始まりました

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なかなかネームが上がって来ない?

幸村誠の『プラネテス』はデビュー作だったこともあり、ネームから原稿を仕上げるまでに1年かかったとインタビューで語っています。 『ヴィンランド・サガ』も当初は講談社の週刊少年マガジンで連載をスタートしましたが17話から月刊誌アフタヌーンに移籍しています。自身の頭の中でイメージしているものと実際紙に描いたものとのギャップが大きいとも話しており、その試行錯誤を繰り返していくことで、魅力的かつ緻密なストーリーを生み出していくのかもしれません。

全4巻ながら読み応え十分!アニメ化された『プラネテス』の魅力

スペースデブリを回収する掃除屋たちのドラマ!『プラネテス』のあらすじ

2070年代。人類の宇宙開発は月面に基地を築き、火星に実験的な居住施設を建てるほどに進んでいました。一方で、地球の衛星軌道上には開発の残骸とも言うべき大量のスペースデブリ(宇宙ゴミ)が浮かんでおり、新たな社会問題として人類を悩ませていました。 自分の宇宙船を夢見る星野八郎太(ほしのはちろうた)通称ハチマキは、宇宙でスペースデブリを回収するサラリーマン。そこへ黒人女性の船長フィー、ロシア人の同僚ユーリ、日本人の新入りのタナベを加えた4人の活躍が、原作は全4巻、アニメは全26話で描かれていきます。

原作とアニメで二度楽しめる!描かれ方の違い

アニメ版『プラネテス』は、原作をもとに再構成され、主人公ハチマキの宇宙飛行士としての成長や、同僚タナベとの恋愛模様が展開されていきます。ハチマキと並んでタナベがメインキャラのひとりとなっているのもアニメ版の特徴です。なお、3巻までの内容に加えて、アニメオリジナル回も豊富です。 一方、原作漫画はハチマキが主人公ですが、オムニバス形式の群像劇となっており、冒頭からハチマキを取り巻く周りのキャラクターたちのエピソードが展開されます。原作もアニメも観ることでより一層『プラネテス』の世界にハマることができるでしょう。

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リアリティとフィクションのバランスが絶妙なSF設定!

原作とアニメ版どちらにも共通する見どころは、ドラマ部分も捨てがたいですが、骨太なSF要素でしょう。もともとSFファンであった幸村誠は、自身の作品でも、リアリティとフィクションの間でかなり悩まされたとか。 アニメ版『プラネテス』は、少し前の日本のドラマを彷彿とさせるコミカルなお仕事モノの要素が強調されているものの、原作がこだわった部分はしっかりと踏襲しています。あれほど無音で恐ろしい宇宙空間を描いたアニメはあまりないのではないでしょうか。

WIT STUDIOによるTVアニメ化に期待!『ヴィンランド・サガ』の注目ポイント

北ヨーロッパの歴史スペクタクル!人気漫画『ヴィンランド・サガ』のあらすじ

ヴィンランド・サガ

11世紀の北ヨーロッパ。あらゆる地に現れ暴虐の限りを尽くした最強の民族、ヴァイキングと呼ばれる者たちがいました。主人公トルフィンは、父を殺されたことをきっかけにアシェラッド兵団に身を置き、復讐のチャンスを伺っていました 戦功を上げるたびに、報酬として首領アシェラッドに決闘を挑むトルフィンでしたが、未だその首を取ることができません。 そんな折、デンマーク王スヴェンの次男クヌート王子がイングランド軍のトルケルに捕縛されたという情報を知ったアシェラッドは、トルフィンとともにクヌート救出へと向かいます……。

『プラネテス』と共通して描かれる人類普遍のテーマ

『プラネテス』と共通して『ヴィンランド・サガ』でも描かれるのは、「生と死」そして「愛」についてです。『プラネテス』では宇宙という死の世界に触れるキャラクターたちとそれぞれの葛藤が描かれました。 そして『ヴィンランド・サガ』では暴力的で無慈悲な世界を生き抜くヴァイキングたちによって、「生と死」がより克明に描き出されています。死と隣り合わせだからこそ輝いて見える、儚さと力強さを兼ね備えた戦士たちの生き様は必見です。 また『プラネテス』でも描かれていた「愛」については、同じく『ヴィンランド・サガ』で描かれており、王として成長していくクヌートが愛を悟るところも屈指の名シーンです。

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戦士たちの生死が歴史を紡いでいく!緻密に練られた物語

ヴィンランド・サガ

『プラネテス』もそうでしたが、幸村誠の真骨頂のひとつは複雑に絡み合った物語です。ハチマキやトルフィン、軸となる主人公の物語を描きながら、敵や登場回数の少ないキャラまで、人間性をつぶさに描いていきます。幸村誠の手にかかれば、どんなキャラクターでも生々しく、魅力的に見えるから不思議です。 それぞれのキャラクターの物語は運命的に交差し、やがて11世紀北ヨーロッパを動かした歴史へと繋がっていきます。『ヴィンランド・サガ』は「サガ(=叙事詩)」と呼ぶにふさわしい壮大なドラマを存分に味わうことができる作品です。

TVアニメ化では戦闘シーンのアクションにも期待!

ヴィンランド・サガ

アニメ化で一番期待したいのはやはり、戦闘シーンでのアクションでしょう。ヴァイキングたちに限らず、『ヴィンランド・サガ』には数々の戦士たちが登場し、生死を賭けた戦いを繰り広げていきます。 軽快な身のこなしのトルフィン、仇敵アシェラッドの剣捌き、丸太を振り回す豪傑トルケルetc、ワクワクするようなアクションシーンがどのように描かれるのか注目したいところです。 アニメ制作会社がWIT STUDIOとくれば、アニメファンも大いに期待していることでしょう。 今回は人気漫画家・幸村誠について紹介しました。まだ読んだことのない人もTVアニメ『ヴィンランド・サガ』が放送される前に、幸村誠作品をチェックしてみては?TVアニメ化を楽しみにしながら、さらなる情報を待ちましょう!