2018年4月13日更新

少年漫画の王道といえばこの人!藤田和日郎を知り尽くしたい【『からくりサーカス』アニメ化】

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からくりサーカス

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祝『からくりサーカス』アニメ化、漫画家・藤田和日郎を振り返る!

1997年から2006年まで週刊少年サンデーで長期連載され、シリーズ累計1500万部を突破した少年漫画の傑作『からくりサーカス』がついにアニメ化!TwitterなどのSNSからは「今年何年だよ本当にマジかッ」「うしとらのアニメも良かったから期待してる」といった少年漫画好きや原作ファンから歓喜の声が聞こえてきています。 アニメ企画を立ち上げたツインエンジンは、続けて手塚治虫の『どろろ』や幸村誠の『ヴィンランド・サガ』のアニメ化を発表。放送日などの詳細は随時発表とのことですが、いずれの作品も各クールの目玉となりそうです。 今回は『からくりサーカス』アニメ化決定のニュースに合わせて、原作漫画を手掛けた藤田和日郎の経歴や、名作揃いの藤田作品の魅力を余すところなく紹介します。

サンデーを代表する漫画家・藤田和日郎の経歴は!?

藤田和日郎(ふじたかずひろ)は大学在学中に漫画の勉強に励み、漫画家あさりよしとおのアシスタントを経て、1988年に週刊少年サンデーに掲載された読み切り作品『連絡船奇譚』でデビューを果たします。 その後『うしおととら』がサンデーの新人漫画賞に入賞。粗削りながら王道を貫いた同作は、初連載ながら読者の支持を集め、6年以上に渡り連載される大作となりました。それからも『からくりサーカス』、『月光条例』、現在(2018年4月)連載中の『双亡亭壊すべし』とヒットを連発。 藤田和日郎自身も高橋留美子が大好きなサンデーっ子だったようですが、今では名実ともにサンデーを代表する漫画家のひとりになっています。

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少年漫画の王道でありながら唯一無二!藤田和日郎を知るためのアレコレ

名言・名場面だらけ!盛り上がりの瞬間最大風速がスゴイ

藤田和日郎が描く漫画は、少年漫画の中でも「アツい」作品として評価が高いです。週刊少年ジャンプが掲げている「友情・努力・勝利」を地で行きながら、ヒロインのサービスカットなど当時のサンデーらしさも感じられる作風で、これまで数々の名場面、名言を生み出してきました。 原作が付くことも多くなった最近の少年漫画と比べると、ストーリーは決して洗練されているとは言えませんが、熱量のある作画と少年漫画の王道を行くストーリーが巻き起こす瞬間最大風速は、現代の少年漫画の傑作と並べても抜きんでています。

藤田作品の迫力ある作画は独特な手法で生み出されていた!?

藤田和日郎作品は特徴的な作画も目を引きます。多くの漫画家は「アタリ」と呼ばれる大まかな位置決めのあと、「下書き」の工程が入るのですが、藤田和日郎はアタリをとったあと、いきなり「ペン入れ」して、ホワイト(修正液)で線を削っていくという独特な作画方法を採用しているとか。 それによって、線にさまざまな太さが生まれ、あの読んでいて手触りすら感じられるような力強い画が生まれているのです。作者自身は「下書きをしてペン入れしたあとに完成した画を見ると、がっかりすることが多いから」とその理由を語っています。

サンデーの登竜門!?藤田和日郎アシスタントから多くの漫画家がデビュー

数々のヒットを生み出してきた藤田和日郎ですが、彼のアシスタントは多くの漫画家を輩出しています。『烈火の炎』の安西信行、『金色のガッシュ!!』の雷句誠、『常住戦陣!!ムシブギョー』の福田宏など、サンデーではお馴染みの漫画家たちが、アシスタント出身です。それぞれ藤田和日郎からアツい作風を受け継いでいますね。 そんな新人漫画家育成のノウハウは『読者ハ読ムナ(笑)』としてスペシャルコミックスにまとめられています。受け継がれる藤田イズムの正体が気になる方は、その一端を知ることができる内容です。

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アニメ化が決定した『からくりサーカス』!アニメではココに注目

全体をサーカスに見立てた壮大なドラマ!

ここからは藤田和日郎のそれぞれの作品の魅力に迫っていきます。まずはこの度アニメ化が決定した『からくりサーカス』。 主人公となるのは、莫大な遺産を相続した少年・才賀勝(さいがまさる)と、中国拳法を使いこなす青年・加藤鳴海(かとうなるみ)、そして人形を操り戦う美女エレオノール。父が残した多額の遺産をめぐり、人形遣いの刺客たちに追い詰められた勝を助けたのは、偶然居合わせた鳴海と、勝を守る使命を背負ったエレオノールでした。 熾烈な戦いの中、命がけで勝を救った鳴海は姿を消し、プロローグが幕を下ろします。その後、残された勝とエレオノールを描いたサーカス編、奇跡的に生き延びた鳴海を描いたからくり編と続き、三人の運命はからくりサーカス編の物語へと収束していきます。 こうした全体をサーカスに見立てた壮大なストーリーは『からくりサーカス』の最大の魅力です。

原作者太鼓判!アニメ化を手掛けるのはスタジオヴォルン

ツインエンジンの企画として端を発した『からくりサーカス』アニメ化ですが、制作は『うしおととら』のアニメ化を手掛けたスタジオヴォルンが担当します。Twitterでは藤田和日郎が「このスタッフとキャストでシッパイしたら、他の誰がやってもダメですわね。」と太鼓判を押しており、詳細が気になるところです。 さらに脚本・構成については藤田和日郎自らが引き受けます。それについても、

と熱意溢れるコメントを寄せています。全36話というと3クール構成。アニメの本数が増える一方で、長期クールの作品は数が少なくなってきていますので、アニメファンとしても見逃せない大作を期待したいところです。

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迫力のバトルシーンはアニメ化でどうなるか!?

藤田作品を語る上では、やはり迫力のあるアクションシーンも外せません。『からくりサーカス』ではさまざまな能力を持つマリオネットを使ったバトルが見せ場となっています。 漫画より情報量の多いアニメーションにすることで原作の熱量を上回ることができるかは、アニメ化成功の大きなポイントとなるのではないでしょうか。 漫画『からくりサーカス』は全43巻にも及ぶ大作ですが、アニメをより楽しむためにも放送される前に復習しておきたいですね!

藤田和日郎の原点にして傑作『うしおととら』の面白さ!

藤田和日郎の出世作が『うしおととら』

藤田和日郎の名前を一躍有名にしたのが、初連載作品となった『うしおととら』です。同作は1991年の小学館漫画賞少年部門、1997年の星雲賞コミック部門賞を受賞しています。それから1992年のOVA化を経て、2015年、連載終了から約20年越しのアニメ化が注目を集めました。

大妖怪・とらとの出会いが潮の運命を変える!『うしおととら』のあらすじ

寺生まれの少年・蒼月潮(あおつきうしお)はある日、自宅の蔵であらゆる妖怪を討ち倒すことができる「獣の槍」と、その槍に封じられた凶悪な妖怪・とらに出会いました。 一度はとらのもとを去った潮でしたが、その妖気に引き寄せられた妖怪たちが幼馴染の麻子と真由子に襲いかかります。潮は麻子たちを救うため、とらを封じていた獣の槍を引き抜き、集まってきた妖怪たちを一蹴。 こうしてとらを従えることとなった潮でしたが、やがて獣の槍をめぐる争いに巻き込まれていきます。

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最終決戦は涙なしでは読めない!

『うしおととら』はなんといっても最後の戦いの盛り上がりが読者に高く評価されています。因縁の敵・白面の者との戦いで死力を尽くした潮ととら。消えかけるとらと潮のやり取りに涙した読者も多いのではないでしょうか。 また、ロードムービー的な構成になっている『うしおととら』では、旅の先々でそこに住む妖怪や人間たちとの交流や戦いが描かれます。それぞれのエピソードに泣ける話、アツくなる話が多いのも人気の理由です。 魅力的なキャラクターと感動のエピソードが多い『うしおととら』は、他のファンの人と語り合いたくなりますね!

現在絶賛連載中!サンデー誌面でも異彩を放つ『双亡亭壊すべし』

藤田和日郎が現在(2018年4月)連載中の作品が、幽霊屋敷「双亡亭」に隠された謎を解き明かしていく『双亡亭壊すべし』。本作はこれまでの藤田作品とは異なる本格的なモダンホラーとなっています。 自身が影響を受けた作品として、高橋留美子の短編『闇をかけるまなざし』や、小説家の山田風太郎、スティーヴン・キングの名前を挙げていることからも分かるように、ホラーに対しては強いこだわりを持つ藤田和日郎。改めて読み返すと、これまでの作品にも読者がゾッとするような怖い描写は随所に散りばめられています。 その本領発揮とも言うべき『双亡亭壊すべし』は、サンデー連載漫画の中でも抜群の存在感を放っています。気になる方は、単行本より大きな週刊少年サンデーの誌面で確認してほしいところです。 今回は『からくりサーカス』アニメ化を記念して、漫画家・藤田和日郎と藤田作品の魅力を振り返りました。藤田作品を読んだことのない人でも、王道の少年漫画が好きな人、少年の心を取り戻したい人はぜひ藤田作品を手に取ってみてください!