2018年4月10日更新

『グレイテスト・ショーマン』の挿入曲「This is me」は何故あんなにも響くのか

アメリカの興行師、P・T・バーナムのサクセスストーリを描いた『グレイテスト・ショーマン』。世界中で人気となった理由は、そのストーリーやキャスト陣の豪華さのみならず主題歌『This is me』をはじめ全編を通して流れる音楽と言えるでしょう。今回はそんな魅力満載の『グレイテスト・ショーマン』を徹底解剖していきます。

『グレイテスト・ショーマン』観る人を感動と涙の渦に巻き込む傑作!

グレイテスト・ショーマン (ゼータ)
©20TH CENTURY FOX

19世紀のアメリカで活躍した興行師P・T・バーナムの生涯を描いたミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』。 2017年末にアメリカで公開され大ヒットし全米を感動と涙の渦に巻き込み、そしてついに日本でも2018年2月に公開され、約1ヶ月で観客動員数250万人を超える大ヒットとなりました。 成功を手に入れようと野心に燃えるP・T・バーナムの懸命な姿。そして彼を取り巻く人々のロマンチックな愛情、また家族愛などが入り乱れ、最初から最後まで観る人を惹きつけて離しません。 そして何より本作が多くの人を魅了しているのは心に響く『This is me』を始めとした映画全体を流れる音楽と言えるでしょう。

単なるミュージカル映画ではない?『グレイテスト・ショーマン』の見どころ

『グレイテスト・ショーマン』の見どころは何と言っても出演者たちの華麗な歌と踊りです。 主役を演じたヒュー・ジャックマンはミュージカルで注目を集めたことがきっかけでブレイクした俳優、またフィリップ役のザック・エフロンもミュージカルドラマ出身です。そしてアン役のゼンデイヤは撮影の数ヶ月前から空中ブランコのレッスンを受けてスタントなしで華麗な空中ブランコシーンをこなすなど、俳優陣の類稀な才能と努力の結晶である歌、踊りが観る人を惹きつけていると言えるでしょう。

観る人の心を揺さぶる曲の数々

『グレイテスト・ショーマン』が多くの観客を惹きつけている最大の理由は、全編を通して流れる音楽と言えるでしょう。 本作で音楽を担当したのはアカデミー賞受賞経験もあるベンジ・パセックとジャスティン・ポールのコンビです。ふたりは2016年公開の映画『ラ・ラ・ランド』でアカデミー賞を受賞しており、若手ながら実力派として注目を集めています。 ふたりが手がけた音楽はサウンドトラックとしてアルバム発売され、アメリカ、日本、イギリスではヒットチャート1位になり、またシングルカットされた『ディス・イズ・ミー』はゴールデングローブ賞を受賞しました。 『ディス・イズ・ミー』以外にも『ザ・グレイテスト・ショー』『リライト・ザ・スターズ』の2曲もプロモーションのためにシングルカットされました。 『ザ・グレイテスト・ショー』は躍動感にあふれ、P・T・ バーナムを先頭にフリークショー劇場のキャスト全員が歌いそして踊り、まさに観る人を映画の世界にぐっと引き込んでくれる曲となっています。対照的に『リライト・ザ・スターズ』はザック・エフロンとゼンデイヤのふたりが奏でる美しいバラードとなっています。 そしてゴールデングローブ賞受賞曲『ディス・イズ・ミー』については次の項目で深く掘り下げていきます。

『ディス・イズ・ミー』はゴールデングローブ賞をも受賞

サウンドトラックからシングルカットされた『ディス・イズ・ミー』。レティ・ルッツ役のキアル・セトルが歌い上げる本作はゴールデングローブ賞受賞、アカデミー賞にもノミネートされました。 髭を蓄えたレティ・ルッツが自分に問いかけるように歌い始め、そしてフリークショー劇場のキャストを引き連れて舞踏会に乗り込んで歌うシーンは、まさに観る人全てを勇気付けてくれるシーンと言えるでしょう。 落ち込んでいる人の心に響く歌詞、そして人生に迷いを感じている人に勇気を与えてくれる力強い歌声は、誰もが一度聞いたらその曲の虜になってしまうことは間違いないでしょう。

華麗な歌と踊りを披露するヒュー・ジャックマン

ヒュー・ジャックマン
WENN.com

主人公P・T・バーナムを演じるのはオーストラリア出身の俳優、ヒュー・ジャックマンです。 俳優としてデビューしてしばらくはオーストラリアのテレビドラマを中心に出演していましたが、その後ミュージカルで注目を集めるようになり、そしてイギリスの王立劇場の舞台『オクラホマ』で主役を演じたことで一気に世界中から注目を集めるようになります。 その後は『X−メン』などハリウッド映画にも続々出演し、アメリカの雑誌で最もセクシーな男に選ばれるなど、現在のハリウッドを代表する俳優のひとりと言っても過言ではないでしょう。

素晴らしい歌声を披露キアラ・セトル

『ザ・グレイテスト・ショーマン』はキアラ・セトルの素晴らしい歌声なしでは語ることができないと言っても過言ではないでしょう。 P・T・バーナムの劇場で髭女として人気のパフォーマー、レティ・ルッツを演じるのはハワイ出身の女優キアラ・セトル。彼女が劇中で歌い上げる『This is me』は観る人すべての心に響き、ゴールデングローブ賞主題歌賞も受賞しました。 2011年のブロードウェイミュージカルデビュー後、数多くのミュージカルに出演しており、デビューからまだ数年しか経っていないもののすでにトニー賞を始め様々な賞を受賞しています。

『グレイテスト・ショーマン』主人公の人生はまさに主題歌そのもの!?

『グレイテスト・ショーマン』の主人公、 P・T・バーナムは家族を幸せにするため懸命に働くも勤めていた会社が倒産。そんなとき娘の言葉をきっかけにショービジネスの世界に足を踏み入れ、フリークショー劇場も始めるも、一度は奈落の底に。しかしながら仲間の助けを得ながら這い上がっていく彼の人生はまさに本作の主題歌『This is me』そのものであると言えるでしょう。 『I make no apologies, this is me(謝ったりはしない、これが自分だから)』。レティ・ルッツが歌う『This is me』の中で繰り返されるこの歌詞は、レティ・ルッツの曲でありながらまさにP・T・バーナムが自身に言い聞かせている言葉であることは容易に想像することができます。

『グレイテスト・ショーマン』映画評論家からの評価と観客の評価は相反するものに?

『グレイテスト・ショーマン』は観客からの評価は高く、過去10年間に公開されたミュージカル映画の中で一番よい評価を得ているとも言われています。 しかしながら映画評論家からの評価は大きくわかれており、あまりよく評価しない評論家も多くいたと言われています。その理由はストーリー展開があまりよくないことを理由に挙げる評論家がいたからのようです。 そのため、公開当初は映画評論家の批評を信じた観客が多かったため興行収入はあまりよくありませんでした。しかし全編を通して流れる音楽とともに映画そのものに感動した観客の評価により映画の評判は上がり、世界的大ヒットとなりました。