2018年4月10日更新

【エロ、グロ、ヤクザ、麻雀!】本当に面白いVシネマ10選

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90年代に流行した「Vシネマ」って知ってる?

日本映画の興行収益が低迷したことにより、劇場公開にかける予算を削って製作された映像作品を、パッケージ商品としたのが「Vシネマ」の始まりです。東映Vシネマからその名が定着しました。 登録商標ではありますので、東映以外の会社で製作されたものを正しくは、「オリジナルビデオ」と言います。HuluやNetflixなどの動画配信サービズでオリジナルに製作された作品もこれに準じて、「オリジナルビデオ」と言うそうですよ! 今回ご紹介する作品は全て「Vシネマ」という言い方で統一していきます。ジャンルとしてよく知られているものには、ヤクザ物やギャンブル物、セクシー物などがあります。 今回は、そんなジャンルの中からVシネマ全盛期にリリースされた作品をご紹介していきます。

ヤクザ映画の傑作Vシネマはこの作品!

Vシネマはここから始まった!哀川翔初の単独主演作!『ネオ チンピラ 鉄砲玉ぴゅ~』

哀川翔のVシネマの原点とも言える作品。初の単独主演作で、1989年当時、驚異的ヒットを記録した傑作です。 元暴力団組員から作家となった安倍譲二の小説『泣きぼくろ』が原作。この原作は1991年、山﨑努主演で、同名タイトルの映画にもなりました。 チンピラの水田順公は、組長の兄弟分を殺した風間組へ送り込む鉄砲玉に抜擢されることになってしまいました。そんな彼が、なかなか決断できずにいる葛藤を描きます。 主演の哀川翔の他、数多くのVシネマ作品でセクシーな演技を披露した青山知可子や宍戸錠、高橋惠子、峰岸徹、安岡力也、山田辰夫などなど豪華面々が出演しました。監督は、映画『光の雨』の高橋伴明。この作品で、哀川翔を大抜擢しました。ちなみに、高橋伴明と高橋恵子は夫婦です。 タイトルにある“ぴゅ~”とはヤクザ業界の隠語の「トンズラ」のことです。本当は“ぴゅ~”してしまいたい主人公の内面が描かれている作品です。

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誰もが認めるVシネマの帝王・竹内力の人気シリーズ!「仁義」シリーズ

数々のVシネマ作品に出演し、その名を轟かせたVシネマ界の帝王・竹内力の代表作のひとつ。『ヤングチャンピオン』にて、連載されていた「仁義」シリーズが原作です。 武闘派・神林仁と元東大出身の頭脳派・八崎義郎のコンビが極道世界の中で頂点を目指していくというお話。シリーズ第一弾は劇場公開作品として製作されましたが、パート2以降はVシネマとして製作されました。 10年に渡り作り続け、その数は50作以上にもなっています。53作目以降は『仁義 頂上編』として、以後同シリーズが4作品製作されています。 主演はもちろん、竹内力で神林仁役です。兄弟分の義郎は、2時間ドラマなどで多く見かける榊原利彦が演じています。 その他、元スタントマン出身で数多くのVシネマに出演した山口祥行などがレギュラー出演し、毎回ゲストに女優陣が名を連ね華を添えています。『仁義2』には武田久美子が、『仁義4』には高島礼子が出演していますよ。 監督は、シリーズ初期の数作品を除くとVシネマのベテラン・松井昇。竹内力主演の「MURAMASA ムラマサ」シリーズも監督しています。  基本的に一話完結ではありますが、全体を通して大きなストーリーとなっています。いわゆる派手な銃撃戦や男たちの熱い物語で構成されているのが特徴です。 竹内力の出演作にはたくさんのシリーズがありますが、これぞ「ヤクザ」といった作品がお好みの方には、ぜひおススメです!

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セクシー映画の傑作Vシネマはこの作品!

あの女優のセクシーなお宝シーンも!「Zero WOMAN」シリーズ

Vシネマ全盛期、2018年現在は想像できないような女優たちが、セクシーシーンを演じています。そんなお宝的な映像が見ることができるのも、Vシネマの魅力のひとつ。 セクシーなお色気ものにはいくつかの人気シリーズがありますが、その中で今回は「Zero WOMAN」シリーズをご紹介します。篠原とおる原作の漫画『0課の女』が原作です。 警察の手に負えない仕事を担当するのが、警視庁0課。そこに所属する女刑事レイの活躍を描いたアクション作品です。 シリーズ第1作目の主演が飯島直子で、こちらだけ劇場公開されました。その後は、小沢なつき、武田久美子、立原麻衣、大野幹代、白鳥智恵子、小野沙織が次々に主演を演じました。『Zero WOMAN 名前のない女』には、後にゆずとしてブレイクした北川悠仁が出演しています。 相米慎二の助監督出身で、映画『・ふ・た・り・ぼ・っ・ち・』の榎戸耕史が『Zero WOMAN 警視庁0課の女』を監督。その他、にっかつロマンポルノ出身の後藤大輔監督が、『Zero WOMANⅡ 警視庁0課の女』と『Zero WOMAN 名前のない女』を監督しました。 このシリーズはエロティックアクションが謳い文句となっていて、主演の女優たちのヌードシーンや大胆な濡れ場が見どころとなっています。またアクションシーンでも銃撃シーンなどは見応えがありますよ。

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山田風太郎原作の時代小説を映像化!「くノ一忍法帖」シリーズ

古典伝奇文学を独自の解釈で再構成した作品を得意とする山田風太郎の「忍法帖」ものが元となり、シリーズ第一弾は、『くノ一忍法帖』が原作。2作目以降も、タイトルには「くノ一忍法帖」使われていますが、別の忍法帖ものがそれぞれの原作となっていきます。 全シリーズを通してキャラクターやストーリーをわりやすくし、お色気シーンを入れたり、くノ一の衣装などをミニスカや網タイツにして、セクシー路線を強調した作品になっています。主演には、第1作目から順に、白島靖代、墨田ユキ、若林志穂、上野正希子、中嶋美智子、大西結花などの女優陣が名を連ねています。 シリーズ最終作をVシネマ俳優としても有名な小沢仁志が監督し、それ以外は全てテレビドラマ「必殺」シリーズでお馴染みの津島勝が監督しています。 この「必殺」シリーズでの経験が生かされ、「くノ一忍法帖」シリーズに起用されました。くノ一のそれぞれの忍法がまた独特で、セクシーな上にちょっとコミカル要素もあって笑いを誘います。

なお、2018年4月3日からは、BSジャパンで連続ドラマ『くノ一忍法帖 蛍火』がスタート。ベッキーが主演を務めており、彼女の入浴シーンなども話題となっているんだとか。シリーズのファンはチェックしてみてはいかがでしょう?

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ギャンブル映画の傑作Vシネマはこの作品!

主演の柏原崇のハマリ役!「アカギ」シリーズ

Vシネマの中には麻雀を題材にした作品が多くあります。今回は1990代に製作された『闘牌伝アカギ』と『雀魔アカギ』をご紹介します。 竹書房の『近代麻雀』に連載された福本伸行『アカギ~闇に降り立った天才~』が原作で、原作は2018年3月1日号をもって連載が終了したばかりです。 一度も麻雀をやったことのない素人のアカギと闇麻雀に興じる南郷との出会いが、アカギ少年の運命を大きく変えていきます。伝説の代打ち「赤木しげる」の物語を描いた物語です。 主演をテレビドラマ『白線流し』の柏原崇が、南郷を歌手・俳優としても活躍の尾藤イサオが演じました。監督は、テレビドラマ「仮面ライダー」シリーズの舞原賢三。『NIGHT HEAD』の飯田譲二が製作総指揮を担当しました。 柏原崇の持つ独特の雰囲気が影のある主人公・赤木しげるに非常によく合っていて、キャスト、内容ともに高い評価を受けた作品です。第1弾『闘牌伝アカギ』と第2弾の『雀魔アカギ』、ぜひ続けて観てください。 また、この原作は人気作品だけあってメディアミックスも進んでおり、日本テレビ系にてアニメ化されたり、漫画・アニメ・Vシネマそれぞれがゲーム化されたり、BSスカパー!にてテレビドラマが放送されたりしています。2018年5月には、ドラマの最新作『アカギ~鷲巣麻雀完結編~』が放送予定です。

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竹内力主演の痛快コメディ!「パチンコ無宿」シリーズ

タレントや漫画家として活躍の蛭子能収のパチンコ漫画が原作。蛭子自身もギャンブル好きとして広く知られています。彼の絵を使ったパチンコ台なども出ていて、この手のジャンルにはなじみ深いようです。 竹内力演じる主人公・玉木弾次郎は住所不定のパチンコ無宿者、通称「ダンちゃん」です。生き別れになった妹を探しながら、全国を旅しているのです。 彼はパチプロとして、旅先のパチンコ店に立ち寄っては生活していました。そんな中出会ったヒロインたちのパチンコ店を救うため、大勝負に挑むコメディ作品です。 主演はもちろん竹内力。その他、シリーズごとのゲストがあり、三原じゅん子や本田理沙などがヒロインを務めています。監督は、辻理。テレビドラマ『特捜最前線』や映画『パチンコ物語』などを演出し、『バイオハザード』などゲーム制作にも携わりました。 シリーズ1ではヒロインのパチンコ店を救うための対決、シリーズ2ではヒロインのパチンコ店がある伊豆を地上げ屋から守るための対決が、この物語の見どころです。 強面の役柄だけでなく、本作のようなコミカルな演技まで幅広くこなす竹内力の魅力を再発見できます。

グロテスクさが売りの傑作Vシネマ はこの作品!

映倫を震撼させた問題作!「オールナイトロング」シリーズ

1992年製作当初はその残酷描写が話題となり、映倫でも成人指定にしようとしましたが、結局、R指定で落ち着きました。その後も曰くつきの作品として注目されたのが、「オールナイトロング」シリーズです。 シリーズ第1作目は、普通の高校生が復讐のため殺人鬼へと変貌していくお話。第2作目は、いじめられっ子の高校生が残虐な復讐鬼へ、第3作目は、変質的思考を持つ大学生が殺人に目覚めていくという、それぞれ一巻完結のお話です。 シリーズ1作目~3作目までの主演をそれぞれ、子役として活躍していた角田英介、映画『WiLD ZERO』の遠藤雅、人気歌手ユニットゆずの北川悠仁が演じました。 監督は、全シリーズともに松村克也が務めています。松村は、ノンフィクションやドキュメンタリーを得意とし、フジテレビの『ザ・ノンフィクション』等で数多くの番組を演出しています。2000年代になり、最新シリーズが製作されていますが、こちらも松村克也が監督しています。 90年代に製作されたシリーズ1作目~3作目に関しては、2018年現在DVD発売はされていないのが現状です。

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スナッフ・フィルムの再現を目指す「ギニーピック」シリーズ

Vシネマを知らない世代の中でも、知る人ぞ知る「ギニーピック」シリーズ。スナッフ・フィルムの再現を目指し、オリジナル作品全7作品が製作されました。(スナッフ・フィルムとは、娯楽目的のため、実際に殺人の様子を撮影した映像のことを言います。殺人事件などの際に、犯人が撮影していた映像などの事を言うようです) 初期作品はドラマ性を持たず、残酷描写だけをフィーチャーした造りとなっていますが、中盤はスプラッターパロディ、後半の作品になってくると、ドラマ仕立ての中にスプラッター要素が描かれるようになりました。シリー3作目以降は、徐々に著名な人たちが主演を務めています。 第3作目の『ギニーピッグ3 戦慄!死なない男』は佐藤正広(WAHAHA本舗)、第4作目の『ギニーピッグ4ピーター悪魔の女医さん』はピーター、『ザ・ギニーピッグ マンホールの中の人魚』は斉木しげるなどが出演しています。監督は、漫画家の日野日出志や『孤独のグルメ』の漫画原作者・久住昌之、劇団WAHAHA本舗主催の喰始などが担当しました。

その他、おすすめはこの作品!

Vシネマから劇場公開作へ! 『極道戦国志 不動』

1996年、谷村ひとしの漫画を原作とした作品。この作品は結果としては劇場公開作なので、いわゆるVシネマではないのですが、敢えて今回ご紹介したいと思います。 九州の極道・仁王会不動一家の若頭、不動力は頭脳明晰な高校生。その頭脳と行動力を武器に世代交替をするべく動き出すのでした。 主演は、谷原章介。他に、竹内力、プロレスラーの高野拳磁が脇を固めています。 監督は、三池崇史。本作が劇場公開作としては、映画『新宿黒社会 チャイナ。マフィア戦争』に次ぐ2作目でした。 製作当初はVシネマ企画として進んでいたのですが、完成した作品の出来の良さを観て、プロデューサー陣がフィルムに起こしたという逸話があります。こうして、Vシネマの世界から映画監督が生まれていったのです。 続くシリーズ2と3に関しては、メインキャストはそのままで、監督だけ変更し、映画『正しく生きる』の福岡芳穂が2作品を監督しました。

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シリーズ中で、最も怖いのはVシネマ版かも!?「呪怨」シリーズ

2003年に奥菜恵主演の劇場版が公開されましたが、それよりも少し前にVシネマ版として製作されたのが、このシリーズの始まりでした。Vシネマではよくある話ですが、最初から2本撮りの企画として製作されました。 無念の死を遂げた女性・佐伯伽耶子が、自分の家に関わった人々に呪いを伝播させていくオムニバス形式の作品です。パート1には、柳ユーレイや栗山千明が出演し、パート2には、映画『座頭市』の大家祐子や映画『東京フィスト』の藤井かおりが出演しています。 監督は、お馴染み「呪怨」シリーズの清水崇。自身のオリジナルの脚本で、中学時代にすでに構想があったようです。 「呪怨」シリーズは、ハリウッドでもセルフリメイクされるなど世界的な作品になりましたが、このVシネマ版が作品の原点であり、シリーズ中最も恐ろしいかもしれないと言われています。未見の人は、ぜひVシネマ版もおススメです。

Vシネマの功績

Vシネマは、若手の監督や俳優が、少ない予算の中でいかに面白い作品を作っていくか試行錯誤していく土俵でもありました。そんな中で、監督では、2018年現在も活躍中の三池崇史監督や黒沢清監督を輩出しました。 俳優では、先日還らぬ人となった大杉蓮、テレビドラマや映画で絶賛活躍中の遠藤憲一、『悪党図鑑』や『拳鬼』で格闘アクションに挑んだ阿部寛、Vシネマ版「静かなるドン」シリーズの香川照之などもVシネマから活躍の場を広げてきたのです。こうして見ると、Vシネマの功績は非常に大きなものがあるのではないでしょうか? 今回ご紹介した作品は、ほんの一握りです。現在もなお、年間60本ほどのVシネマが製作されています。ぜひ、一度は観てほしいなと思います。