2018年3月21日更新

ヤクザ映画おすすめランキング【極道・任侠】

日本映画において、ヤクザを主人公にした映画は重要な位置を占めています。戦後から今日に至るまで、様々なタイプのヤクザ映画が製作され人気を博してきましたが、その中からおすすめの30作品を選び、ランキング形式でご紹介します。

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日本映画を語るなら外せない!ヤクザ映画の名作たち

世界的にも高い評価を得てきた日本映画とその歴史を語る上で、絶対に外せない大きな柱のひとつがヤクザ映画です。極道もの・任侠ものなど様々に呼ばれてきましたが、邦画の王道としてこれまで数々の名作を生んできました。 一言でヤクザ映画と言っても、人気シリーズ化して多くのファンに愛された作品、娯楽エンターテインメントに留まらず批評家からも高い評価を得た傑作、国民的大スターを生んだ作品など、その内容はいろいろです。 ここでは広くヤクザ映画と呼ばれるものの中からおすすめの30作品を選りすぐり、ランキング形式でご紹介します!さて、誰もが知るあの作品はどこにランクインしているでしょうか?

30位:『仁義なき戦い』の大ヒットに続く東映実録ヤクザ映画路線の1本【1975年】

『仁義なき戦い』の記録的大ヒットを受け、東映が量産した実録ヤクザ路線のうちの1本です。深作欣二監督と菅原文太主演の最強コンビでありながら、本作では菅原がヤクザではなく刑事側を演じているということで人気の高い作品です。 広島を想定した西日本のある都市を舞台に、一人の悪徳刑事とヤクザの関係から両組織の癒着と警察権力の腐敗を描きました。 主人公となる倉島警察署の刑事・久能を菅原文太が、大原組の若衆頭・広谷を松方弘樹が演じています。菅原と同じく刑事役の山城新伍が、ヤクザ役の川谷拓三を暴力的に取り調べするシーンが有名です。

29位: 三池崇史監督による傑作ヤクザ映画のリメイク【2002年】

藤田五郎の小説を原作に、深作欣二監督が圧巻の迫力で映画化に成功した傑作『仁義の墓場』のリメイクです。新たに監督をまかされたのが、多くの話題作を手掛け続けている三池崇史です。 戦後に実在したヤクザ・石川力夫の壮絶過ぎる半生を描いた実録映画であり、石川がモデルの主人公・石松陸夫を岸谷五朗が熱演しました。また石松が世話になる沢田一家の沢田忍には山城新伍、妻の智恵子には有森也実が扮しています。 1975年の深作版とは異なる新しい着想が取り入れられ、三池監督らしい容赦ない冷徹さが本作の大きな見どころとなっています。

28位:物議を巻き起こした、シャブ中毒のヤクザを主人公にした異色作【1996年】

山口組顧問弁護士だった山之内幸夫の著作を原作に、覚せい剤の虜になってしまった一人のヤクザの破天荒な生きざまを描いた異色作です。あまりに反社会的な内容を危惧した映倫から成人指定を受けたばかりか、「シャブ」のタイトルが物議を巻き起こしました。 主人公は覚醒剤にはまってしまった大阪の極道・真壁五味です。弱小だった巌竜組の若頭ながら巨大な増田組幹部の女に一目ぼれして結婚し、やがて組長となったあとは覚醒剤も絡む組同士の抗争に巻き込まれていきます。 真壁を役所広司、妻の鈴子を早乙女愛が演じました。過激で奇抜な内容にも関わらず、日本映画プロフェッショナル大賞では特別賞を受賞しました。

27位:長渕剛が主演した人気ドラマのその後を描いた劇場版【1999年】

1988年に放送され大ヒットしたテレビドラマ『とんぼ』および1997年の『英二ふたたび』のその後を描いた劇場版です。長渕剛扮する一匹狼のヤクザ・小川英二が繰り広げる騒動と愛の絡んだ人情物語が展開します。 刑務所から8年ぶりに出所してきた英二が、行方不明の妹あずさを探すため熊本にやってきます。そこで出会った中国人の梅花、さらにあずさのため、背後にいる村川組に単独で闘いを挑む姿が描かれました。 俳優として高い評価を得ていた長渕にとっては『オルゴール』『ウォータームーン』に続く3作目の主演映画にあたり、前作でタッグを組んだ黒土三男監督が本作のメガホンもとっています。

26位:大ヒットシリーズ5部作に続く、番外編となる新シリーズ第1弾【1974年】

広島を主な舞台に壮絶なヤクザ抗争を描いて大ヒットした「仁義なき戦い」オリジナルシリーズ5部作ののち、深作欣二監督と菅原文太主演により再スタートした新シリーズ第1弾です。 再び時代をさかのぼった昭和25年の広島を舞台に、主人公となる山守組若衆の三好万亀夫が、敵対する組長暗殺による服役を終えたあとの内部抗争が描かれます。 三好を菅原文太が演じるほか、若山富三郎、松方弘樹、田中邦衛ら豪華キャストが引き続き出演していますが、一部をのぞいて主要キャストの多くが5部作とは異なる役柄で登場します。そのため、番外編という位置づけになっています。

25位:ヤクザから足を洗った男が再び古巣に舞い戻るとき 【1985年】

かつて大阪のミナミで「人斬り夜叉」として恐れられた伝説のヤクザ・修治も、今は背中の刺青を隠し、小さな港町で漁師をしながら妻子と穏やかに暮らす身。ところが、町にやってきた螢子とそのヒモ・矢島と関わったことで、再びミナミに足を向けざるを得なくなってしまいます。 暗い過去を背負う修治を高倉健、互いに惹かれあうことになるヒロインの螢子を田中裕子、矢島を北野武が演じました。他にもいしだあゆみ、大滝秀治、小林稔侍ら豪華キャストが脇を飾っています。 監督を務めたのは、高倉健とコンビを組んで数々の作品を手掛けてきた降旗康男です。

24位: 第二次広島抗争の終焉を描く、シリーズ5部作の4作目【1974年】

大ヒットした「仁義なき戦い」オリジナルシリーズの第4作目にあたる作品です。3作目のストーリーから引き続き、昭和38年から翌年にかけて激烈を極めた暴力団抗争、第二次広島抗争を描きます。 明石組と神和会という敵対する2つの巨大暴力団。それぞれの傘下にある組同士の闘いが激しさを増す中、警察は暴力団の撲滅を狙い「頂上作戦」を企てるのでした。当時の社会情勢を背景に、盛り上がる反暴力の動きとそれに対応した警察の動きが本作の主軸になっています。 監督は深作欣二、主人公である明石組系広能組組長の広能昌三を演じる菅原文太はそのままに、より多くの人物が複雑に絡んで熾烈な闘いを繰り広げます。

23位:北野武監督が手掛けたコメディータッチの異色ヤクザ映画【2014年】

シリアスなバイオレンスをテーマにしたヤクザものを数多く手掛けてきた北野武監督が、これまでの作風とは異なるコメディーの要素を主軸に取り入れて発表した異色作です。 かつては「鬼の龍三」と恐れられたものの、老いて引退した元組長の高橋龍三が主人公です。居場所がなく肩身の狭い思いをしていた上に、ある日まんまとオレオレ詐欺に引っ掛かってしまうことに。そんな龍三が元ヤクザの老いぼれジジイ7人と組んで再び奮起する姿を描きました。 主人公を藤竜也が演じたほか、近藤正臣、中尾彬、矢島健一、萬田久子らユニークなキャストが個性的な人物を演じています。もちろん派手なアクションシーンも見ごたえ十分です。

22位:ヤクザの虚しさを哀感いっぱいに描いた鈴木清順監督作【1963年】

平林たい子の小説を原作に、『ツィゴイネルワイゼン』の鈴木清順監督が独特の世界観で描いた仁侠アクションです。東京の下町を舞台に、ヤクザの掟に反逆を試みる男たちの悲哀と葛藤をドラマチックに描きました。 敵対する吉田組に対し、伊豆組の立て直しを図る幹部である主人公の鶴田を小林旭が演じています。「渡り鳥」シリーズで日活を代表する人気スターとなっていた小林が、『関東遊侠伝』に続いて主演した任侠ものです。 また松原智恵子や中原早苗ら日活の人気女優たちが、アウトローに生きる男たちの熱い物語を華やかに彩っています。

21位:東映の初期任侠路線を代表する人気シリーズの第7作目【1970年】

「人生劇場 飛車角」シリーズで人気俳優となった鶴田浩二が、新たに取り組んだ同じ任侠ものが「博徒」シリーズです。同時進行で製作された両シリーズにより、鶴田は任侠スターとしての地位を不動のものとしました。 特に人気の高い第7作目は、高倉健、若山富三郎、藤純子、鶴田浩二ら東映のオールスターが総出演した大作として知られています。明治41年の賭博禁止令をきっかけに、荒政一家の親分が引退したことで巻き起こった抗争を描きました。 岡田茂と俊藤浩滋という任侠映画の一時代を築き上げた2人のプロデューサーが初めて黄金コンビを組んだシリーズです。1971年まで全10作が公開されましたが、舞台設定やエピソードは毎回異なり、どれも続編的繋がりはありません。

20位:倉本聰が高倉健のために書き上げた人間ドラマ【1978年】

テレビドラマ『北の国から』で知られる倉本聰が高倉健のために執筆した脚本が、降旗康男監督の手により映画化されました。 組を裏切った兄貴分の松岡を殺し、15年間を刑務所で過ごした東竜会幹部の加納秀次。服役中は松岡の一人娘・洋子に身分を偽って養育費を送り続け、出所後には堅気になるつもりだった加納を、残酷な現実が待ち受けていました。 不器用な生き方しかできない孤独な加納を高倉健、松岡を池部良、洋子を池上季実子が演じています。その他にも北大路欣也、田中邦衛、小林稔侍ら豪華なキャストが脇を支える哀切な人間ドラマです。

19位:ヤクザから俳優へと転身した安藤昇の主演作【1973年】

1950年代にカリスマ的リーダーシップで名をなした安藤組組長の立場から、刑務所出所を契機に映画俳優へと転身し、さらに小説家の顔も併せ持った安藤昇の主演作品です。安藤と組んで数々の作品を手掛けた佐藤純彌が本作の監督も務めています。 戦後すぐの混沌した銀座を舞台に、元特攻隊や元陸軍兵、根っからの博徒らが自然と集まり、凶悪な暴力団へと発展いく様子を実録タッチで描きました。梅宮辰夫や渡瀬恒彦らが共演しています。 「私設銀座警察」とは当時のマスコミがこの集団に名づけた名称であり、その過激さと暴力性で恐れられました。

18位: 石原慎太郎の原作をセンセーショナルに映像化【1964年】

石原慎太郎の同名小説が、主人公のヤクザに池部良、ヒロインに加賀まりこを迎えて映画化され、センセーショナルな衝撃を与えました。メガホンをとったのは篠田正浩監督です。 3年の刑期を終えて出所した村木が、賭場で謎めいた女・冴子と出会います。ギャンブルを通して心を通わせるようになった2人が、ある日、賭場で葉という名の男と出会ったことで、それぞれが予想もしなかった悲劇に巻き込まれていくのでした。 配給会社の判断でしばらくお蔵入りになった末、ようやく公開に至ったときも成人映画扱いになった問題作です。メジャー作品とはならなかったものの、一部熱狂的なファンを生み出し、名匠マーティン・スコセッシもその一人であることは有名です。

17位: 昔ながらの任侠に生きる男を描く、人気シリーズ最終作【1972年】

昔かたぎの任侠の世界で生きる孤独な流れ者の生きざまを描く「昭和残侠伝」シリーズの第9作目にしてラストを飾った作品です。1作目は1965年に公開され、高倉健主演の人気任侠シリーズのうちの一つとなりました。 シリーズ各作品に設定上の繋がりはありませんが、孤独で不器用ながら義理と人情に生きるがため、余計な争いに巻き込まれていく男の姿が描かれる点は共通しています。本作の主人公・花田秀次郎をもちろん高倉健、そのほか池部良、鶴田浩二、星由里子らが共演しました。 本作の翌年には『仁義なき戦い』が公開され、ヤクザ映画が実録路線へと変化していく中で、昔ながらの任侠を描いた最後の作品として位置づけられています。

16位:本作公開直後に急逝した金子正次脚本・主演による伝説の秀作【1983年】

実際、ヤクザだった過去のある金子正次が自身の体験をもとに執筆した脚本を川島透監督が映画化しました。金子は映画初主演も果たすも、公開直後にガンによりこの世を去ったことで伝説の遺作として知られています。 三東会幹部だった花城竜二は、3年間会っていなかった妻子とともに暮らすため堅気に戻る決意をします。しかし、そうすんなり落ち着くはずもなく、新しい人生を歩もうと葛藤する男の悲哀がリアルなタッチで描かれました。 異色のヤクザ映画として高い評価を受け、萩原健一の歌った主題歌「ララバイ」と共にヒットを記録しました。妻を永島暎子、娘役を金子の実の娘が演じています。

15位: 北野武監督作品の中で唯一のシリーズ化!3部作の第2弾【2012年】

「全員悪人」の名のもと、壮絶を極めるヤクザ抗争を描いた2010年公開の映画『アウトレイジ』の続編です。北野作品としては初の続編製作となり、1作目をしのぐヒットを記録しました。 前作から5年が過ぎ、政界に力を伸ばし始めていた山王会に対し、警察は関西を仕切る花菱会を利用します。刑務所で死んだと思われていた大友の生還とともに、新たな抗争が火ぶたを落とすのでした。 大友を演じるビートたけし、三浦友和ら前作のキャストに加え、新たに西田敏行、松重豊、高橋克典らが参戦して血みどろの闘いを繰り広げます。3部作を完結させる『アウトレイジ 最終章』は2017年10月公開です。

14位:高倉健の人気を決定づけた石井輝男監督の大ヒットシリーズ【1965年】

高倉健主演、石井輝男監督による大ヒットアクション映画です。これまでの昔かたぎの任侠とは違う、新しいヤクザのイメージを打ち出すことに成功し、高倉健は人気スターとしての地位を不動のものとしました。 北海道の網走刑務所に収監された男が、様々な葛藤を経た末、手錠で繋がれた仲間とともに脱獄する姿が描かれます。 当初、鶴田浩二主演映画の併映作品として製作されたものの、大きな評判を呼んだことで急きょシリーズ化が決定したことは有名です。本作の後、石井監督で10作品、さらに別の監督による8作品という合計18作を数える大ヒットシリーズとなりました。

13位:西日本全体を巻き込む大抗争へと発展する、シリーズ5部作の3作目【1973年】

「仁義なき戦い」シリーズ3作目の舞台は昭和35年の広島です。最大の勢力を誇っていた村岡組幹部が暗殺されたことで勃発した跡目争いが、より広域の暴力団を巻き込んだ代理戦争へと発展していきます。 第2部が若いヤクザたちの青春を盛り込んだやや番外編的内容になっていたのに対し、本作が第1部の実質的な続編に当たります。そのため、1部同様に群像的な構成となっており、その中で展開する陰謀や裏切り、復讐劇が中心です。 本作では新キャストとして日活の大スター、小林旭が登場しました。1973年のキネマ旬報ベストテンでは第8位にランキングしています。

12位:北野武の原点!衝撃の監督デビュー作【1989年】

人気お笑い芸人のビートたけしではなく、北野武として初映画監督に挑戦したデビュー作です。当初は主演のみで、深作欣二が監督を務める予定だったことは広く知られています。 暴力や無謀な捜査すら厭わないアウトロー刑事の我妻諒介が、麻薬に絡む暴力団や殺し屋と対決する姿をすさまじいバイオレンス描写で描きます。殺し屋の清弘には白竜が扮しました。 キネマ旬報年間ベストテンの8位に選ばれたほか、ヨコハマ映画祭では監督賞を受賞するなどデビュー作にして非常に高い評価を受けました。過激な暴力描写を多用する北野映画の原点として位置づけられる重要な作品です。

11位:これまでなかった女性視点で描いたヤクザ映画として大ヒット!【1986年】

家田荘子のノンフィクションを原作に、女性の視点から極道の世界を描いた映画として社会現象と呼ぶほどの大ヒットを記録しました。記念すべき第1作では、主演を岩下志麻、監督を五社英雄が務め、その後は監督や女優をかえて長く続く人気シリーズとなりました。 本作で岩下が演じたのは粟津組組長の妻・環。夫と組織のために忠誠を尽くす環は、杉田組組長と結婚した妹・真琴とも敵対する宿命を背負うのでした。かたせ梨乃、世良公則らが共演しています。 岩下志麻の凛とした迫力ある佇まいは強烈な印象を残し、多くの女性ファンをも熱狂させました。岩下主演シリーズは、1998年の10作目『極道の妻たち 決着』で完結しています。

10位: 女任侠スターとして頂点を極めた藤純子の代表作【1970年】

「緋牡丹博徒」シリーズは、藤純子(現・富司純子)を主演に迎え、東映が製作した女任侠映画です。全8作ある本シリーズの大ヒットにより、藤純子は高倉健や鶴田浩二らと並び称される任侠スターとしての地位を不動のものにしました。 「緋牡丹のお竜」と呼ばれる矢野竜子が、賭場で父の仇を打ち、その後はあちらこちらで義理を踏みにじる本物の悪党と対決していく姿を描きます。1968年公開の第1作ではまだ22歳だった藤純子のきりりとした魅力がシリーズを支えました。 中でも傑作に位置付けられているのが第6作目『緋牡丹博徒 お竜参上』です。菅原文太と共演し、2人が雪降る今戸橋に佇む場面は、ヤクザ映画史に残る名シーンとして知られています。

9位: 恋愛と青春を盛り込み人気の高い、シリーズ5部作の2作目【1973年】

昭和27年、広島県呉市を主な舞台に激化した二大暴力団組織、村岡組と大友連合会の抗争に加え、激しい闘争と陰謀の中で命を散らしていく若いヤクザたちの青春や恋愛も盛り込まれました。俗に言う第一次広島抗争が描かれるのが、「仁義なき戦い」5部作の第2弾です。 本作では実在のヤクザをモデルにした山中正治と大友勝利の動きが中心になっており、菅原文太演じるシリーズ全体の主人公・広能昌三は傍観者的立ち位置にいます。 山中には北大路欣也、大友には千葉真一が扮し、山中の女となる靖子を梶芽衣子が演じました。1作目の撮影中にはすでに本作の公開が決まっていたという逸話があります。

8位:全員が悪党!「世界のキタノ」が描く極悪非道の生き残り闘争【2010年】

敵対し合う組のヤクザだけでなく、警察から政治家に至るまで登場する全員が悪党という異色のバイオレンス映画です。彼らが自らの生き残りをかけ、陰謀や裏切りが渦巻く壮絶な抗争を繰り広げます。 関東を牛耳る広域暴力団・山王会。傘下の組織を締め付ける面倒な仕事を、やはり配下の大友組組長・大友に命じたことから、血を血で洗う壮絶な抗争が幕を開けるのでした。ビートたけしが大友、山王会組長を北村総一朗、若頭を三浦友和、その他にも國村隼や加瀬亮ら豪華なキャストがそれぞれ個性的なヤクザを演じています。 カンヌ国際映画祭では最高賞のパルムドールにノミネートされました。その後、続編と完結編が製作されて3部作を構成しています。

7位:故夏目雅子のすさまじい演技が光る!五社英雄監督渾身の傑作【1982年】

宮尾登美子の小説を原作にした五社英雄監督の数ある作品の中でも『櫂』『陽暉楼』とあわせ「高知3部作」と呼ばれる代表作の一つです。様々なトラブルからどん底を味わっていた五社が再起をかけて手掛けた作品としても知られています。 戦前の土佐を舞台に、「鬼政」と呼ばれて恐れられる侠客・鬼龍院政五郎の生きざまを養女である松恵の視点で描いた任侠映画であり、情念みなぎる濃密な人間ドラマが描かれます。鬼政を仲代達矢、そして松恵を夏目雅子、また鬼政の妻には岩下志麻が扮しました。 この後1985年に急逝する夏目がすさまじいまでの名演技を見せ、「なめたらいかんぜよ」というセリフが流行語になるほど大ヒットを記録しました。五社らしいダイナミックな演出が圧巻の迫力を生んだ傑作です。

6位:ヤクザ映画の原点との呼び声高い大ヒットシリーズ【1961年】

今東光の同名小説を原作に、依田義賢が脚本、田中徳三が監督を手掛けた任侠映画です。本作の大ヒットを受けてシリーズ化され、増村保造ら複数の名だたる監督のもと、1974年まで計16作品が製作されました。 河内に生まれた型破りなヤクザもの・朝吉と子分のチンピラ・貞が、あちらこちらを放浪しては理不尽な権力に歯向かい、騒動を巻き起こします。主人公の朝吉を勝新太郎、貞を田宮二郎が演じ、名コンビとして人気を博しました。 2001年には的場浩司と東幹久のコンビで再映画化されたり、舞台や音楽劇になったりするなど今もその人気は衰えていません。

5位:一人の青年が、巨大ヤクザ組織を築き上げるまでを描いた実録映画【1984年】

稲川会の稲川角二をモデルにした大下英治による同名小説の映画化です。昭和8年、ヤクザの世界に足を踏み入れた一人の青年が次第に頭角を現し、やがて戦後には関東を代表する一大暴力団組織を築き上げていく姿を描きます。 父の仇をとろうと極道に身を置く稲原龍二を松方弘樹、兄貴分の横山を鶴田浩二が演じています。そのほか、菅原文太、若山富三郎や北島三郎ら、さながらオールスターキャストで男たちの非情な人間模様が綴られました。 その後「修羅」という言葉が任侠映画で多用されるきっかけになった作品です。また2002年には主人公の青年時代を俊藤光利、壮年以降をやはり松方弘樹が演じたリメイクも公開されました。

4位:世界に北野武の名を知らしめた記念碑的作品【1993年】

北野武の4本目の監督作品です。妥協のない暴力描写と独特の映像感覚が冴えわたり、世界にその名を知らしめる契機になった作品として有名です。キネマ旬報年間ベストテン4位に輝いたほか、英BBCの「21世紀に残したい映画100本」にも選ばれました。 敵対する組同士の抗争を収めるため、沖縄に送り込まれた北嶋組幹部の村川が主人公です。ところが、抗争は沈静するどころかさらに激化し、思いも寄らぬ展開を見せるのでした。 ヤクザに嫌気が差し始めていた村川を北野武自身が、そして共演陣には勝村政信、寺島進、大杉漣ら北野作品の常連俳優たちが名を連ねています。

3位:ヤクザ映画として初めてキネ旬年間ベストテン入り!【1968年】

尾崎士郎の自伝的小説『人生劇場』を原作にした数多くの映画化作品の中でも最高傑作との呼び声高いのが鶴田浩二主演の本作です。実際、同年のキネマ旬報年間ランキング第9位に選ばれ、ヤクザ映画として初めての快挙を達成しました。 大正14年、任侠に生きる飛車角は恋人おとよをめぐり人を斬ってしまいます。吉良常のすすめで自首し、4年の刑期を終えて出所すると、おとよは宮川という男と恋仲になっていることを知るのでした。 鶴田浩二が飛車角を演じた1963年公開の『人生劇場 飛車角』に続く4作目にあたり、監督を『飢餓海峡』の名匠・内田吐夢が務めました。吉良常には辰巳柳太郎、おとよを藤純子、宮川を高倉健が演じています。

2位:実在のヤクザの破滅的な半生を綴った傑作【1975年】

深作欣二監督が「仁義なき戦い」シリーズを経て到達した実録ヤクザ映画の傑作です。終戦後の混乱した日本で、類を見ない凶暴さと組織の掟にも従わない反逆性でその名をとどろかせた実在のヤクザ・石川力夫の壮絶な半生を描きます。 昭和21年の新宿でテキ屋として縄張りを争う河田組組員の石川は、敵対する池袋の山東会を壊滅させ、残虐な正体を露にしていきます。しかしその後は刑務所生活や麻薬中毒など、自ら破滅の道へと突き進んでいくのでした。 主人公の石川を、東映映画初主演となった渡哲也が圧巻の迫力で演じています。また悲運の妻・地恵子には多岐川裕美が扮しました。公開時は大きなヒットに繋がらなかったものの、その後うなぎのぼりに評価が高まり、今やヤクザ映画を代表する名作として知られています。

1位:日本映画史に燦然と輝くヤクザ映画の金字塔【1973年】

戦後の広島で勃発した壮絶な暴力団抗争の中心にいた美能組組長・美能幸三の手記をもとに、作家・飯干晃一が執筆したノンフィクション小説が原作です。記録的な大ヒット作となり、その後5部作のシリーズとなったほか、新シリーズや別の監督作など、複数の作品が製作されることになりました。 復員兵だった広能昌三が山守組の一員になり、やがて組織の拡大と共に否応なく敵対勢力との激しい抗争に巻き込まれていく過程が描かれます。主人公の広能を菅原文太、そのほか松方弘樹や渡瀬恒彦らが組員若衆を演じています。 深作欣二監督の斬新で妥協のない映像によって生み出された実録スタイルは、興行成績のみならず批評家からも非常に高い評価を得ました。キネマ旬報年間ベストテンの第2位に輝いたばかりか、同誌によって日本映画史上ベストテンの5位に選ばれたこともあります。

ヤクザ映画で描かれてきたのは、濃密なまでの人間ドラマ!

戦後から60年代は、明治・大正を主な舞台にした一匹狼的主人公の人情映画が中心でしたが、『仁義なき戦い』が発表された1973年を境に、実録ものと呼ばれるヤクザ抗争映画へと人気が移ります。さらには北野武監督に代表されるバイオレンスそのものに焦点を当てたものも生まれ、その内容は多岐に渡っています。 ご紹介した30作品はごく一部です。ユニークな作品に思い入れのあるファンも多く、中にはあの作品が見当たらないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。 ヤクザ映画の一番の魅力は、反社会的とはいえ過激に振り切った人間のリアルな姿であり、そこから生まれる濃密な人間ドラマであることに変わりはありません。これからもその時々を反映した新しいヤクザ映画が製作されることは間違いないでしょう。