【史上初?】痛めつけられる身体の部位ごとにホラー映画を紹介してみた【前代未聞】
前代未聞!体の部位別にホラー映画を紹介してみた。
ホラー映画のジャンルって今ではかなり多様化していますよね。モンスター、宇宙人、ゾンビ、吸血鬼、スプラッター、シリアルキラー……。キリがないです。 しかし、今回は全く発想を変えて、痛めつけられる体の部位ごとに分類してみました! 犠牲者たちがやたら攻撃される箇所、眼、内蔵、足、顔など、「これは痛そうだわ」とか「ここをやられると終わりだよね」とか、観ながら想像するのって楽しいですよね? 本記事ではそんな部位ごとに楽しむ、前代未聞のホラー映画の見方を提案します!ホラー好きの方も、そうでない方も、痛がりの方も、そうでない方も、楽しんでいってくださいね。
【眼球】抉られ、切断され、刺される!
ホラー映画の中で、眼は攻撃の対象になりやすいです。ホラーではないですが、古くは『アンダルシアの犬』(1929)の冒頭で、女性の眼球が剃刀で切断されて体液が漏れるシーン(実際は子牛の眼球)はかなりショッキングでした。 また、『ゾンゲリア』(1981)で眼を注射器で刺してくる看護婦もトラウマものですし、『ホステル』(2006)で拷問される日本人女性が顔をバーナーで焼かれ、眼球が飛び出し、仕方なく鋏で眼球を切断すると、黄色い体液が出てくるというウゲーッ!もののシークエンスも最悪。 しかし執拗に眼が攻撃される映画といえば、ダリオ・アルジェントの『オペラ座/血の喝采』(1987)でしょう。鍵穴を覗いた女性が眼をピストルで撃ち抜かれたり、犯人がカラスに眼をついばまれたり……。 白眉は主人公の女性が手足を縛られた上に、下の瞼に数十本の釘を付けられるシーン。これによって眼が閉じられません。観ている観客をも拷問する、衝撃の映画となっています。
【内臓】その痛みはもはや想像の範疇を超える
白石晃士監督の『グロテスク』(2008)は、拷問描写が特徴的なスプラッター・ホラー作品です。 ストーリーは単純。拷問マニアの謎の男がカップルの男女を拉致して、拷問するというものです。 拷問男は「自分は愛を知らないので、2人に愛を証明してもらうために拷問するのだ」と、繰り返し述べます。事実、男性の方が去勢に耐えたので、感動して拷問をやめるのです。 ところが気が変わった拷問男は再び2人を拘束します。男性の腸をフックで固定し、離れたところに拘束した女性の縛めを切るためのハサミを男性に渡すのです。 男性は痛みに耐え、腸を垂らしながら女性の方へ這っていきます。しかし縛めの中には針金が入っており、男性は切ることができずに絶命してしまうという、何とも痛そうなショットの連続です。
【足】奪われる逃走手段、まさに絶望!
足への攻撃もホラー映画には欠かせないようです。例えば、スティーブン・キング原作の『ミザリー』(1990)における、作家は熱狂的なファンから逃げられないように、ハンマーで足を潰されます。 三池崇史監督の『オーディション』(1999)でも事情は似ていて、頭のおかしい女優の卵(椎名英妃)に拉致されたビデオ制作会社社長(石橋凌)は、逃げられないようにと、ワイアーで足首を切断されるのです。 キリキリゴリゴリと延々と続く切断シーンは観ているだけでもかなり苦痛で、しかも音がイヤーな感じ。ロッテルダム映画祭では三池監督は観客から「悪魔!」と詰め寄られたそうです。
【歯と歯茎】拷問される前にお口のお手入れを
拷問において最も効果的な部位は、歯および歯茎かもしれません。口を開けさせさえすれば全くもって無防備ですし、口腔内の粘膜を痛めるつけられることは想像するだに嫌ですよね。歯医者さんが嫌いな人も多いでしょう。 古くは『マラソンマン』(1976)で主人公のダスティン・ホフマンが、元ナチスの歯科医に拷問されますが、これは歯の神経なので、ちょっと地味です(でも、痛そう)。『オールド・ボーイ』(2003)で主人公が男から情報を引き出すために、釘抜きで歯を1本ずつ抜いていくシーンもありますね。 無茶しているのは『アウトレイジ』(2010)です。歯の治療中の石橋蓮司をビートたけしらが襲い、拘束して、ドリルで口の中をぐちゃぐちゃにする血みどろシーン。いくら敵対する親分だとしても、やりすぎです!
【皮】シリアルキラーのコレクター精神を刺激する
まるで動物のように、人間の皮を剥ぐという行為もホラー映画の定番。例えば、トビー・フーパーの『悪魔のいけにえ』(1974)に登場するレザーフェイスは、その名の通り、犠牲者の顔の皮を被っています。 また、『マニアック』(2012)では、女性の頭の皮をコレクションにしているシリアルキラー(あのイライジャ・ウッド!)が活躍しますし、『羊たちの沈黙』(1991)のバッファロー・ビルは、被害者の皮を剥ぐことから、その名で呼ばれるのです。 しかし、最もエグいのは『マーターズ』(2007)だと思われます。謎のカルト集団が女性を監禁・拷問し、最後は全身の皮を剥きますので、鑑賞にはご注意を。 しかも、その拷問の目的が苦痛を与えることなので、意識を保ったまま生皮を剥がれるなんて考えるだに最悪でしかないです。
【爪】目立たないが拷問の定番
岩井志麻子原作の短編小説、『ぼっけえ、きょうてえ』を三池崇史監督が映像化した『インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜』(2006)は、オムニバス『マスター・オブ・ホラー』(2006)の一作です。 本作の白眉は、女将の指輪を盗んだという疑いを掛けられた、女郎の拷問シーンですが、その拷問師を原作者である岩井志麻子が演じています。「顔を傷つけないように」と命じられた拷問師は、線香で炙ったり、縄で締め上げたりするのですが、最後には歯茎や爪に針を刺すところがとても痛そうです。 このあまりの内容に、製作国アメリカのケーブルテレビでも放映禁止になり、日本では映倫により一般上映が拒否されたほど。覚悟して観ましょう。
【顔】損なわれるのは肉体ではない、尊厳である!
顔の毀損は、例えば、鶴屋南北の『東海道四谷怪談』のお岩の顔半分が潰れているように、怖い話にはつきもの。 フランス産の古いホラー映画『顔のない眼』(1960)では、交通事故で顔の全面に火傷を負った娘のために、博士である父親は、若い女性を誘拐してきて、顔の皮膚を切り取って娘に移植するのです。 しかし、顔の毀損という点で最もインパクトがあったのは、『ヘル・レイザー』(1987)であると思われます。「究極の快楽と苦痛を与える」と言われる不思議なパズル・ボックスによって、呼び出された魔導師たち、中でも顔面に無数のピンが付いている、通称ピンヘッドがリーダーのようです。 ラストで犠牲者は全身を鎖でギリギリと引っぱられ、特に顔面は原型を留めぬほど延びきって、バラバラになってしまいます。それを演じているのが整った顔のアンドリュー・ロビンソン(名優エドワード・G・ロビンソンの子息)なので、悲惨さ2倍増しです。
人の苦痛は蜜の味?
いかがでしたでしょうか? 痛めつけられる体の部位、人間の想像力って底知れませんね。 「そこは絶対に痛いって!」という箇所に限って攻撃されるわけです。 今回は触れませんでしたが、他にもバッサバッサと首が斬られる『スリーピー・ホロウ』(1999)や、トラックの荷台に載ったガラスが落ちてきて首チョンパになるシーンが有名な『オーメン』(1976)など、人体破壊フェチにはたまらない作品かと! ものすごく特殊な趣味をお持ちの方以外は、自分が痛いのは嫌だけど、人が痛がっているところを観たくなる、というのは不思議です。人間の鬼畜の所業を観たくなる覗き見趣味なのでしょうか?