2018年4月20日更新

『ファンタスティック Mr.FOX』あらすじ・キャスト【ウェス・アンダーソンのコマ撮りアニメ】

まもなく公開の話題の映画『犬ヶ島』のウェス・アンダーソン監督の初のアニメ映画『ファンタスティック Mr.FOX』。『犬ヶ島』で採用されているストップモーション・アニメーションを始めて取り入れた作品で、改めて注目を集めています。

『犬ヶ島』の公開で改めて注目を集める『ファンタスティック Mr.FOX』!

2009年公開の映画『ファンタスティック Mr.FOX』。アカデミー賞長編アニメ映画賞やアニー賞をはじめ、その年の多くの映画賞にノミネート、また受賞を果たした作品です。 本作は独特の映像感覚で注目を集めるウェス・アンダーソン監督初のアニメ映画で、ストップモーション・アニメーション映画としても話題となりました。 同監督によるストップモーション技術を使用した新作『犬ヶ島』が2018年に公開されるのに伴い、改めて『ファンタスティック Mr.FOX』が注目を集めています。

大人も虜にしたそのあらすじ

『ファンタスティックMr.FOX』
(c)2010 Fox and its related entities, All Rights Reserved.

『ファンタスティック Mr.FOX』はアニメ映画であり、また原作も児童文学でありながら、大人にも大人気の作品でした。もちろんその緻密な映像もさることながら、本作の魅力はやはりあらすじによるところも大きいでしょう。 主人公はキツネのMr.フォックス。以前は泥棒を生業としていたものの、愛する家族のために泥棒稼業からは足を洗い、新聞記者として働く日々を送っています。 ある時、フォックス一家はより良い暮らしを求めて丘の上にある家を購入することを決意します。しかし、新居に引っ越しするやいなや、野生の本能が目覚めたMr.フォックスは、近所の農場主の家から家畜や食べ物を盗むことに熱中し始めてしまいます。 もちろん、農場主も黙ってはいません。Mr.フォックス、そして彼の仲間たちを巻き込んだ戦いが勃発。そしてその戦いは、思いもよらぬほど激しさを増してゆくのでした。 環境保護を題材にし、家族のため、仲間のために戦うMr.フォックスの物語は、多くの大人たちの共感を得ました。

吹き替えを担当した豪華キャスト陣

『ファンタスティック Mr.FOX』はアニメ映画のため、俳優や女優たちが実際に姿を現すことはありません。しかし本作で声優を担当したのは、ハリウッドを代表する俳優・女優陣ばかりです。 主役であるMr. フォックスはジョージ・クルーニー、妻役はメリル・ストリープが担当しました。またウェス・アンダーソン監督映画の常連であるジェイソン・シュワルツマンやビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソンといった面々も吹き替えを担当しています。

主人公Mr.フォックスの声を務めたのは、ジョージ・クルーニー!

主役のキツネ、Mr.フォックスの声を務めるのは、ハリウッドを代表する俳優・ジョージ・クルーニー。 テレビドラマ『ER緊急救命室』でブレイク後、その活動の場を映画界にも広げたクルーニーは、「オーシャンズ」でスターの名をほしいままに。俳優や脚本家、プロデューサーとして度々オスカーにノミネートされた彼は、『シリアナ』でアカデミー賞助演男優賞受賞。その他にも、『マイレージ、マイライフ』、『ファミリー・ツリー』などでも知られます。 俳優業のほかに人道的活動を積極的に行っていることでも知られています。

妻役はメリル・ストリープ!

メリル・ストリープ
Joe/WENN.com

Mr. フォックスの妻であるMrs.フォックスの声を担当するのは、ハリウッドを代表する女優・メリル・ストリープ。 イェール大学を卒業した才女でもあり、もともとは舞台女優としてキャリアをスタートさせました。 映画界進出後は『フランス軍中尉の女』や『ソフィーの選択』、『プラダを着た悪魔』、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』といった話題作に次々と出演。アカデミー賞に俳優としては史上最多である19回のノミネートを誇る、まさに現在のハリウッドを代表する演技派女優です。

独特の映像感覚で観る人を魅了しつづけるウェス・アンダーソン監督

『ファンタスティック Mr.FOX』で監督をつとめたのは、1969年アメリカ生まれのウェス・アンダーソン監督。独特の映像感覚で人気を誇り、現在ハリウッドで最も期待される監督の一人とも言われています。 1996年に『アンソニーのハッピー・モーテル』で監督デビューを果たした彼はその後、『天才マックスの世界』、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』、『ムーンライズ・キングダム』といった作品を発表。 特に2014年に公開された『グランド・ブダペスト・ホテル』はベルリン国際映画祭の銀熊賞やゴールデングローブ賞の作品賞(ミュージカル・コメディ部門)などを受賞し、アカデミー賞にも作品賞はじめ9部門でノミネート(うち4部門で受賞)されるなど、高い評価を得ました。 最新作は『ファンタスティック Mr.FOX』と同じくストップモーション技術を用いた『犬ヶ島』で、批評家からも大変評価が高く、今後の活躍に益々の注目が集まっています。

脚本はアカデミー賞ノミネート経験のあるノア・バームバック

ノア・バームバック(ゼータ)
©Dennis Van Tine/Future Image/WENN.com

『ファンタスティック Mr.FOX』で脚本を担当したのは、ウェス・アンダーソン監督と同じく1969年アメリカ生まれのノア・バームバック。 脚本家としてだけではなく映画監督としても活躍しており、映画界へは1995年公開の『彼女と僕のいた場所』で監督・脚本家としてデビューしました。 その後も数多くの作品を手がけ、ウェス・アンダーソンがプロデュースした2004年公開の『イカとクジラ』ではアカデミー賞脚本賞にノミネート。パートナーであるグレタ・ガーウィグが主演した『フランシス・ハ』やネットフリックスで配信された『マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)』が話題になるなど、インディーズ映画を中心にめざましい活躍を続けています。

原作はロアルド・ダールの児童文学

『ファンタスティック Mr.FOX』の原作はロアルド・ダールの児童文学『父さんギツネバンザイ』。 ロアルド・ダールはイギリスを代表する小説家であり、「奇妙な味」と呼ばれる怪奇ミステリーのジャンルで、主に短編小説を多数執筆しました。脚本家としても『007は二度死ぬ』や『チキ・チキ・バン・バン』を手がけています。 1990年に亡くなるまで数多くの小説を残した彼は児童文学も手がけており、彼の代表作である『チョコレート工場の秘密』は、2005年に公開されたティム・バートン監督、ジョニーデップ主演の人気映画『チャーリーとチョコレート工場』の原作でもあります。

ストップモーション・アニメーションが取り入れられる

『ファンタスティック Mr.FOX』はウェス・アンダーソン監督の初のストップモーション・アニメ作品としても有名です。 ストップモーション・アニメとは、静止しているオブジェクトを一コマごとに少しずつ動かしてカメラで撮影し、いかにもそれ自身が動いているかのように見せる撮影技法の一つで、日本では俗に「コマ撮り」として知られています。 ストップモーション・アニメの歴史は古く、20世紀の初めにフランスで映画のトリックに用いられたのが始まりと言われています。その後様々なバリエーションを得ながら進化をしたものの、現在はCGによる映像加工が主流となっており、この技法を使った映画は減少しつつあります。 しかし現在ではかえってこの技術を使った映画が新鮮に感じられることもあり、『ファンタスティック Mr.FOX』も話題となりました。

日本でも浸透しているコマ撮りアニメ

『ファンタスティック Mr.FOX』でウェス・アンダーソン監督が用いたストップモーション・アニメの技術は日本ではコマ撮りと呼ばれて古くから用いられており、子ども向けの番組などで多く用いられています。 そのため、ストップモーション・アニメという言葉やコマ撮りという言葉に馴染みがなくても、その技法を目にしたことがある人は多いでしょう。

『犬ヶ島』の参考にもなった?

ウェス・アンダーソン監督の最新作『犬ヶ島』。本作もストップモーション・アニメーション映画であり、『ファンタスティック Mr.FOX』が参考になったことは間違いないでしょう。 なお、『犬ヶ島』の公開は2018年ですが、2015年に制作発表を行っています。つまり約4年の歳月をかけて作り上げられた映画であり、ストップモーション・アニメーション技術を用いた映画がいかに製作に時間がかかるかを改めて感じさせられます。

観客、そして批評家の感想は?

『ファンタスティック Mr.FOX』を鑑賞した人の多くが、その映像のテンポの良さと映画の完成度の高さに感動しています。 そしてストップモーション・アニメーションで創り出された愛くるしいキャラクターたちに誰もが虜になりました。 また映画評論家などからの評価も概ね良く、映画評論家のレビューサイトとして有名なRotten Tomatoesでは支持率92パーセントを得ており、ニューヨーク映画批評家オンライン賞では2009年の作品のトップ10にも選ばれています。