ウェス・アンダーソン監督おすすめ映画10選!愛すべき名作を一覧とともに振り返る

ウェス・アンダーソンは、アメリカ出身の映画監督。カラフルな衣装やセットなど、細部にまでこだわった彼の作品は、独特の世界観を演出し多くのファンを集めています。 この記事では、そんなウェス・アンダーソン監督作品のおすすめ作品を紹介していきます!かわいいだけじゃなく、味わい深い名作の数々を存分に楽しんでくださいね。
ウェス・アンダーソン監督映画を最新作まで一覧で紹介!
『アンソニーのハッピー・モーテル』(1996年) | 日本劇場未公開。精神病院から退院したばかりのアンソニーは、変わり者の親友の強盗計画を手伝うハメに……。 |
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『天才マックスの世界』(1998年) | 風変わりな天才少年マックスの恋と青春を描くコメディ |
『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(2001年) | かつての天才ファミリーの崩壊と再生を描く。豪華キャストにも注目 |
『ライフ・アクアティック』(2004年) | 海洋冒険家兼映画監督が、いつもと違う探査船での冒険へ |
『ダージリン急行』(2007年) | 再び絆を深めるためのインド旅行で、多くのトラブルに見舞われる3兄弟 |
『ホテル・シュヴァリエ』(2007年) | 短編。『ダージリン急行』の前日譚として劇場公開時同時上映 |
『ファンタスティック Mr.FOX』(2009年) | ロアルド・ダール原作のストップモーションアニメ |
『ムーンライズ・キングダム』(2012年) | 12歳の少年と少女の駆け落ちが、島全体を巻き込む騒動に |
『カステロ・カヴァルカンティ』(2013年) | PRADAのフレグランス発売にあわせて製作されたショートフィルム |
『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014年) | 伝説のホテルコンシェルジュが、常連客の遺産相続問題に巻き込まれる |
『犬ヶ島』(2018年) | 愛犬を探す少年と犬たちの冒険を描くストップモーションアニメ |
『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(2021年) | 人気雑誌の最終刊発行に向けて動き出す、一癖も二癖もあるジャーナリストたち |
『アステロイド・シティ』(2023年) | 「小惑星の街」を舞台に真実を伝えようと子どもたちが奮闘するSFコメディ |
『ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語』(2023年) | Netflixオリジナル短編映画。ロアルド・ダール原作、ベネディクト・カンバーバッチ主演 |
『毒』(2023年) | Netflixオリジナル短編映画。自分のベッドに毒ヘビを発見した男の物語 |
『ねずみ捕りの男』(2023年) | ネズミ駆除を生業にする男を描く、Netflixオリジナル短編映画 |
『白鳥』(2023年) | いじめっ子2人の標的になってしまった小柄な少年の物語。Netflixオリジナル短編映画 |
『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』(2025年) | “現代の大独立国フェニキア”で6度の暗殺未遂から生き延びた大富豪ザ・ザ・コルダが旅に出る。 |
『天才マックスの世界』(1998年)
『天才マックスの世界』あらすじ

名門校ラッシュモア・アカデミーに通う15歳のマックスは、並はずれた才能を持つ天才でありながらも、あらゆるクラブを掛け持ちした結果、落第を繰り返してばかり。そんな彼は、ある日美人なクロス先生に一目惚れし、猛烈なアタックを開始。 鉄鋼会社の社長ハーマンの力を借りて彼女のために水族館を作ろうとしたマックスでしたが、ハーマンもクロス先生に恋してします。
公開から約20年経った今もスタイリッシュな映像!
ウェス・アンダーソン初期の傑作として知られる『天才マックスの世界』。好奇心旺盛でアクティブなマックスのぶっ飛んだ日常を描きます。友情や恋愛を通じて成長していくマックスの姿が印象的また、その後アンダーソン作品の常連となるビル・マーレイが出演していることにも注目です。 長編2作目にして既にウェス・アンダーソン監督の独自のスタイルが確立されており、カルト的名作といえます。
『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(2001年)
『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』あらすじ

ユダヤ系の一家・テネンバウム家の3人の子どもたちは、それぞれ違った分野で若いうちから成功し、世間から天才児としてもてはやされていました。しかし父ロイヤルが家を出たことで一家は離散。子どもたちは問題だらけの大人に成長します。 あるとき妻が恋人から求婚されたことを知ったロイヤルは、彼女に自分の死期が近いことを告げ、一家は22年ぶりに一緒に暮らすことになります。
初めて日本で公開された記念すべき1作!
日本で初めて上映された記念すべき1作として知られる『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』。父ロイヤル役のジーン・ハックマンをはじめ、3兄妹役にベン・スティラー、グウィネス・パルトロウ、ルーク・ウィルソンら、主役級のキャストが集結し、話題を集めました。 崩壊した家族の再生を描き、世界的に注目された異色のコメディです。
『ライフ・アクアティック』(2005年)
『ライフ・アクアティック』あらすじ

有名な海洋冒険家で、自らの冒険を映画にする映画監督でもあるスティーブ・ズィスー。 新作が不評のなか、めげずにいつもの仲間と探査船での航海に出ようとした矢先、彼の息子を名乗る青年が現れます。また女性記者も探査船に同乗することになり、いつもと違うメンバーでの冒険はトラブルとドラマの連続となっていきます。
キュートな探査船に詰め込まれた映画づくりへの愛

フランスの海洋探検家ジャック=イヴ・クストーの大ファンだというウェス・アンダーソンが、彼へのオマージュとして製作した『ライフ・アクアティック』。 『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』の監督ヘンリー・セリックが担当したストップモーションで映し出される海の生き物たちは、見ているだけでワクワクしてくるファンタジックなデザインです。
『ダージリン急行』(2008年)
『ダージリン急行』あらすじ

1年前の父の死がきっかけに絶交していたホイットマン家の3兄弟。あるとき、長男フランシスの呼びかけで兄弟そろってインドでの列車旅行をすることに。 バイク事故から奇跡的に助かったのものの包帯が取れないフランシス、出産直前の妻との離婚を考えている次男のピーター、元恋人が忘れられない作家の三男・ジャック。 この旅で再び兄弟の絆の固めようと誓った3人でしたが、その途中には予想外のトラブルが次々と待ち受けていました。
これがウェス流インド旅!重たいスーツケースは捨てて列車に乗り込もう

ジェイソン・シュワルツマン、エイドリアン・ブロディ、オーウェン・ウィルソンが3兄弟を演じるなど、おなじみの顔ぶれが揃う本作は、ウェス・アンダーソン独特の色彩とインドのエキゾチックで雑多な風景が絶妙にマッチ。小道具や壁の細かなデザインにも注目です。 トラブルに見舞われながらも、徐々に打ち解け合い兄弟の絆を深める3人の旅が感動的です。 ビル・マーレイやナタリー・ポートマンの贅沢すぎるカメオ出演も話題になりました。
『ファンタスティック Mr.FOX』(2009年)
『ファンタスティック Mr.FOX』あらすじ

『ファンタスティック Mr.FOX』は、『チャーリーとチョコレート工場』などで知られるイギリスの作家ロアルド・ダールの『父さんギツネバンザイ』を原作としたストップモーションアニメ映画です。 家族のために盗みから足を洗い、新聞記者として働くMr.フォックス。あるとき彼は丘の上の家を購入しますが、近くには意地悪な農場主3人が住んでいました。人間に近づき本能が目覚めてしまったMr.フォックスは、昔のように彼らの農場から獲物を盗み出すように。これに怒った農場主たちとの戦いが始まります。
児童文学の世界をストップモーション・アニメで再現
2004年の『ライフ・アクアティック』でも一部のシーンをアニメーションで表現したウェス監督でしたが、本作では初めて全編コマ撮りアニメに挑戦。とはいえ、独特の色彩感覚やカメラワーク、豪華なアンサンブルキャストなどはいつも通り。 動物たちと人間たちのシュールでコミカルなバトルが見どころ。頭の良いMr.フォックスの作戦と個性的なほかの動物たちとの連携が魅力的な作品となっています。 主演のフォックス夫妻の声をジョージ・クルーニーとメリル・ストリープが演じていることも話題になりました。
『ムーンライズ・キングダム』(2012年)
『ムーンライズ・キングダム』あらすじ

舞台は1960年代、アメリカ東海岸のニューイグランド沖に浮かぶニュー・ペンザンス島という架空の島。周囲に馴染めない12歳のサムとスージーは、駆け落ちすることを決意します。 1人で島を守っているシャープ警部やボーイスカウトのウォード隊長、スージーの両親など、周囲の大人たちは2人を追いかけ、小さな波紋はまたたく間に島中に広がっていきます。
ビル・マーレイなど豪華キャストも話題になったヒット作
全体を統一するレトロでキッチュなインテリアや衣装、フランソワーズ・アルディの曲に見られるヨーロッピアンテイストなディテールなど、ウェス・アンダーソンのこだわりが光る本作は大ヒットを記録。 細部までこだわられたビジュアルとは対象的に、混沌とした物語が展開される、まさにウェス・アンダーソンらしい1作です。 アンダーソン作品常連俳優であるビル・マーレイ、エドワード・ノートン、ティルダ・スウィントンら豪華キャストにも注目です。
『グランド・ブタペスト・ホテル』(2014年)
『グランド・ブタペスト・ホテル』あらすじ

舞台は架空の東欧の国・ズブロフカ。ヨーロッパ随一の高級ホテル「グランド・ブダペスト・ホテル」を取り仕切る伝説のコンシェルジュ、グスタヴ・Hは究極のおもてなしを信条とし、ホテルには彼目当ての客も多く訪れていました。 しかしある夜、長年懇意にしていた常連客マダムDが何者かに殺されてしまいます。彼女の遺産を巡る騒動に巻き込まれたグスタヴは、ホテルの信頼を守るため、ベル・ボーイのゼロ・ムスタファとともにヨーロッパを駆け巡ります。
まさしく監督の代表作!アカデミー賞をはじめ多くの映画賞を受賞
アメリカやイギリス、フランスなどの国境を超えた豪華なキャスト陣、壮大なスケール、絵本のようなカラフルな色彩感覚など、まさにウェス・アンダーソンの真骨頂とも言える本作。この作品で彼を知ったという人も少なくないのではないでしょうか。 第87回アカデミー賞では、作品賞をはじめとする同年最多タイの9部門にノミネートされ、美術、衣装デザインなど4部門を制しました。 またベルリン国際映画祭では銀熊賞を受賞し、全世界での興行収入1億ドル突破の快挙を果たしています。
『犬ヶ島』(2018年)
『犬ヶ島』あらすじ
近未来の日本。メガ崎市で犬インフルエンザが大流行し、犬たちはゴミ処理場の島「犬ヶ島」に隔離されることに。12歳の少年・小林アタリは、愛犬スポッツを探し出すため、たった1人で小型飛行機を盗んで犬ヶ島へと向かいます。 そこで彼を待っていたのは、レックス、キング、デューク、ボス、チーフの5頭の犬でした。勇敢で心優しい彼らとともにスポッツを探し始めたアタリは、メガ崎市の未来を左右する大人たちの陰謀へと近づいて行きます。
ウェス・アンダーソンから日本へ強烈なラブレター!

『ファンタスティックMr.FOX』に続き、約4年の歳月を費やして製作されたストップモーションアニメ『犬ヶ島』。 黒沢明など1950年代から1960年代日本映画からの影響を強く受けたと語るウェス・アンダーソン監督の「日本」の描かれ方が本作の大きな見どころ。作中では登場人物たちが日本語で話すシーンや、日本語が書かれているシーンが多く登場するので、ある意味監督作の中でも1番日本人が楽しめる作品かもしれません。 アンダーソン作品のなかでもストーリーがわかりやすく、キャラクターも魅力的です。
『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(2022年)
『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』あらすじ
フランスの架空の街を舞台に、人気雑誌「フレンチ・ディスパッチ」編集部の少し変わった編集者たちによる個性あふれる記事が、オムニバス形式で展開されていく作品。 アート、ファッション、グルメに至るまで深く切り込んだ記事が人気の「フレンチ・ディスパッチ」誌。しかしある日、編集長が仕事中に急死してしまい、彼の遺言によって廃刊が決定してしまいます。 向こう見ずな自転車レポーターのサゼラック、批評家で編年史家のヘレンセン、孤高のエッセイストのクレメンツら一癖も二癖もあるジャーナリストたちは、最終刊の発行に向けて動き始めます。
記念すべき長編10作目にして監督の好みが炸裂した一作
ウェス・アンダーソン監督の記念すべき10作目の長編映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』。突然廃刊することになってしまった雑誌の最終号をめぐる、個性的なジャーナリストたちの悲喜こもごもを描きます。 「フランス映画」「雑誌文化」など、ウェス監督の好きなものとやりたいことが、これでもかと詰め込まれており、まさにファンは絶対外せない一作。監督作にはお馴染みの豪華すぎるキャスト陣にも注目です!
『アステロイド・シティ』(2023年)
『アステロイド・シティ』あらすじ

1955年。隕石が落下してできた巨大なクレーターが観光名所となっているアステロイド・シティに、科学賞を受賞した5人の少年少女とその両親が招待されます。 子どもたちに母親が亡くなったことを言い出せない父親、映画スターのシングルマザーなど、参加者たちがさまざまな事情を抱えるなか授賞式が始まりますが、突如として宇宙人が現れ大混乱に。軍が街を封鎖し、宇宙人到来の事実を隠蔽しようとするなか、子どもたちは外部に情報を伝えようと奮闘します。
複雑な3層構造で描くSFコメディ
『アステロイド・シティ』は、テレビ番組の劇中劇「小惑星の街」として展開するストーリーが斬新な作品。テレビスタジオ、劇中劇の制作風景、劇中劇の3層構造で、少し複雑な作りになっています。 レトロでスタイリッシュなビジュアルが、ユーモラスなSFストーリーとマッチした本作。カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、6分間のスタンディングオベーションを受けました。 エドワード・ノートン、ジェイソン・シュワルツマン、ティルダ・スウィントンら常連組に加え、トム・ハンクスやスカーレット・ヨハンソン、マーゴット・ロビーなど、超豪華キャストにも注目。
ウェス・アンダーソン作品を制覇して、独特の世界観にどっぷり浸ろう

ウェス・アンダーソン監督のおすすめ作品を紹介しました。1作品でも観れば、絶対に他の作品では味わうことのできない独特の世界観に魅了されてしまうこと間違いなし! 監督1作目から観なければいけないということは決してないので、紹介した作品の中から一番気になった作品をチェックしてみてくださいね!特に『ダージリン急行』、『グランド・ブダペスト・ホテル』は知名度もファンも多く、誰でも楽しめる作品なので、初心者におすすめですよ。 2025年9月19日(金)にはウェス・アンダーソン監督最新作『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』も公開します!是非チェックしてみてください。