2018年6月12日更新

映画『犬ヶ島』は日本が舞台!あらすじや世界観を徹底解説!【宮崎駿の影響も?】

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犬が島
(c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

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ウェス・アンダーソンの新作『犬ヶ島』は、日本人必見のアニメ映画!

犬が島
(c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

『グランド・ブダペスト・ホテル』や『ダージリン急行』など、その特異な映像感覚と緻密なストーリーテリングで日本でも大人気の監督・ウェス・アンダーソン。そんな彼の新作は、ストップモーション・アニメ映画『犬ヶ島』です。 日本文化へのリスペクトを公言してきたウェス・アンダーソンが初めて日本を舞台に描き、日本人声優も多数参加する本作は、日本の観客が楽しめること間違いなし! 今回は、2018年5月25日に日本公開される『犬ヶ島』のあらすじや声優キャスト、世界観やトリビアなどについてを徹底解説!最後までご覧ください!

『犬ヶ島』日本版予告が公開!その気になるあらすじは?

近未来の日本にあるメガ崎市では、犬インフルエンザが蔓延。人間への感染を恐れた市長の小林は、事もあろうに町に住むすべての犬を「犬ヶ島」に追放してしまいます。 そんな中、市長の養子であり、実の両親を知らない12歳の少年・アタリは、愛犬のスポッツを探すため、たった一人で小型飛行機に乗り込み、島に上陸。 「犬ヶ島」でアタリが出会うのは、勇敢で思いやりある5匹の犬たち。彼らを相棒にスポッツを探し始めるアタリは、メガ崎市の未来をも変えてしまうとんでもない陰謀に巻き込まれてゆきますーー

映画『犬ヶ島』は『ファンタスティック Mr.FOX』のようなストップモーションアニメ

本作は人形やミニチュアなどを少しずつ動かしながら一コマずつ撮影し、編集で繋げて動いているように見せる、いわゆる「コマ撮り」の技法を駆使したストップモーション・アニメです。 ウェス・アンダーソン監督のストップモーションアニメといえば、2009年の『ファンタスティック Mr.FOX』。今作も『ファンタスティック Mr.FOX』のようなパペットやミニチュアを使ったアニメ作品になります。 『グランド・ブダペスト・ホテル』同様、フォックス・サーチライト・ピクチャーズによる全世界配給が決定しており、ロンドンで撮影が行われていたそうです。 ストップモーション・アニメは制作にかなりの時間がかかり、着手発表から公開までかなり期間を要するもの。実際、ウェス・アンダーソン監督の前作『グランド・ブダペスト・ホテル』の発表から本作の公開までの間に4年のスパンがあることからもそれは明らかでしょう。

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宮崎アニメや黒澤明も?『犬ヶ島』に影響を与えたもの

子どもの頃に見ていたクリスマスアニメ

そんな日本を舞台にした『犬ヶ島』の原点はクリスマスアニメだと、ウェス・アンダーソン監督は語っています。 60〜70年代からクリスマスの時期に放送されていた『ルドルフ 赤鼻のトナカイ』や『Nestor, the Long Eared Christmas Donkey』(ネスター、耳の長いクリスマスのロバ)といったストップモーション・アニメから強い影響を受けたというウェス監督。幼少期にこれらのアニメを見て「こんな人形アニメを撮ってみたい」と憧れていたそうです。 実はこのうち、『ルドルフ 赤鼻のトナカイ』については、持永只仁(別名タッド・モチナガ)という日本の人形アニメ作家がアニメーション監督として参加しています。

黒澤明へのリスペクト!

またクリスマスアニメよりも強く影響を受けたのは、日本映画界を代表する「世界のクロサワ」こと、黒澤明。 彼が影響を受けた黒澤作品は実に様々。本作に登場するゴミ捨て場のような貧民街を舞台にした異色作『どですかでん』、誘拐犯と被害者の間の繊細な心を描いた『天国と地獄』や父の仇をうとうとする男の復讐劇『悪い奴ほどよく眠る』、闇市のヤクザと酔いどれ医者の衝突を描いた『醉いどれ天使』など、多岐にわたります。今回の『犬ヶ島』は彼の黒澤への愛と敬意で溢れているようです。 余談ですが、先述したクリスマスアニメ『Nestor, the Long-Eared Christmas Donkey』には、河野秋和という日本人が制作に参加していますが、彼は黒澤明の『醉いどれ天使』を編集した人物でもあります。

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黒澤明映画の曲がサントラに使われている!?

今回、劇中曲の作曲を手掛けるのは、今回がウェス組4回目の参加となるフランスの作曲家・アレクサンドル・デスプラ。2018年にギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』で二度目のオスカーを受賞したことも記憶に新しいです。 そんな中明らかにされた本作のサウンドトラックリストの中には『七人の侍』や『醉いどれ天使』の文字が!黒澤明への強いリスペクトゆえ、とうとう黒澤映画のテーマ曲を使うことにしたようです。いったいどんな場面で使われるのでしょうか?

宮崎駿の影響も表明!

またウェス監督はベルリン国際映画祭において、宮崎駿の影響についても語っています。 曰く、「ミヤザキの映画は緻密なディテールと静寂を持っていると思う。作品からは自然の表現と平和なひととき、そしてアメリカの伝統的なアニメーションにはない独特のリズムを強く感じる」とのこと。 作曲のアレクサンドル・デスプラとの楽曲制作においても、静寂を表現する上で宮崎映画に影響を受けたということです。

日本のクリエイターがコラボ!

『AKIRA』の大友克洋とのコラボが実現!

犬ヶ島
©2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

『AKIRA』などで知られる漫画家・大友克洋への敬愛を表明しているウェス・アンダーソン監督。日本を舞台にした本作の公開に際し、監督は大友とのコラボレーションを熱望。 すると、これに対して大友も快諾。ウェス・アンダーソンの世界観を大友克洋が描いた、夢のようなコラボイラストが誕生しました! イラストは、傷を負った一匹の大きな日本犬の上に『犬ヶ島』に登場するアタリや5匹の犬たちなどのキャラクターが集まっているというもの。パチンコでこちらに狙いを定めるアタリの表情は、往年の大友作品のキャラクターを彷彿とさせる力強いものとなっており、ウェス映画のファンも大友漫画のファンも必見の出来となっています。

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『ドラゴンヘッド』の望月ミネタロウが漫画化!

犬ヶ島 望月ミネタロウ
(c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

さらに、『ドラゴンヘッド』や『バタアシ金魚』などで知られる漫画家・望月ミネタロウが、『犬ヶ島』のアナザーストーリーを漫画化する事も決定! そもそも『犬ヶ島』は「現実には存在しない漫画の原案」というかたちで思いついたアイディアだというウェス・アンダーソン。そこで映画のアナザーストーリーを漫画にすることに。かねてよりウェス映画のファンを公言してきたという望月ミネタロウは、漫画化の話を聞いて「自分しかいない」と考えていたところ、本当に白羽の矢が立ったということです。 漫画は、2018年5月24日に発売される「週刊モーニング」から全3回にわたって連載予定です。

『犬ヶ島』の超豪華な声優キャストとは?

いつものウェス組でお馴染みの常連俳優の面々も数多く見受けられますが、中には日本人の出演者や個性的なマルチタレントの名前もチラホラ。気になるキャスト陣をご紹介していきます!

主人公・アタリを演じる「コーユー・ランキン」って?

物語の主人公である12歳の少年・アタリの声を演じるのは、コーユー・ランキンという人物です。 2007年にカナダのバンクーバーで生まれたランキンは、スコットランド系カナダ人の父と日本人翻訳家の母を持つバイリンガル。これまでに地元の短編映画やミュージックビデオへの出演経験があるものの、長編映画への出演は今回が初めてとなります。

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スポッツ/リーブ・シュレイバー

「犬ヶ島」に追放されてしまうアタリの愛犬であり、親友のスポッツ。 演じるのは、リーヴ・シュレイバーです。1993年にブロードウェイデビューした彼は、『スクリーム』シリーズや『オーメン』、『スポットライト 世紀のスクープ』などに出演。私生活ではナオミ・ワッツのパートナーとしても知られます。

アタリが出会う5匹の犬たちを演じる豪華キャストの面々!

「犬ヶ島」でアタリが出会うレックス、チーフ、ボス、キング、デュークの5匹の犬を演じる声優陣も豪華です。 それぞれエドワード・ノートン、ブライアン・クランストン、ビル・マーレイ、ボブ・バラバン、ジェフ・ゴールドブラムが演じています。他にも、スカーレット・ヨハンソンなど、豪華なハリウッドスターが多数出演しています。

日本からも豪華キャストが参加!RADWIMPSの野田洋次郎・夏木マリらが声優として『犬ヶ島』に参加

そして今回は、日本が舞台ということで、日本人キャストも多数出演! 『君の名は。』の劇中歌で一斉を風靡したバンド・RADWIMPSのボーカルである野田洋次郎も、ニュースキャスター役の声優として参加している事が明らかになっています。彼は『トイレのピエタ』で俳優としても主演を務め、その表現力は音楽に止まる事なく進化を続けています。 また、女優の夏木マリも「おばさん」という役で参加。『プラダを着た悪魔』の吹き替えや『モアナと伝説の海』のおばあちゃん役を務めているなど、声優の演技には定評があり、期待も高まります。 他にも、今をときめく話題の人物が多数参加。どんな人が出ているのか、声優キャストの詳細は以下の記事でチェック!

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ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞!

2018年2月15日、第68回ベルリン国際映画祭において初めて披露された『犬ヶ島』は、熱狂的な賞賛を浴びました。 そして見事、銀熊賞(最優秀監督賞)を受賞!前作『グランド・ブダペスト・ホテル』に続いて二度目の銀熊賞受賞の快挙となりました。

「犬インフルエンザ」ってなんだろう?

作中で登場する犬インフルエンザですが、一体どのようなものなのか想像がつきません。しかし、発表されたモーションポスターの中では、その脅威が見て取れます。 一匹の犬がくしゃみをすると他の多くの犬も同時にくしゃみを伝搬させていき、一瞬にして全ての犬に感染してしまうのです。この犬インフルエンザがどのような症状を示すのか、人にも感染するのか。注目です。

ファン垂涎!クラウドファンディングのリターンが魅力的すぎる

アンダーソン監督はVimeo動画で公式に新作映画『犬ヶ島』の製作と豪華声優陣を発表しましたが、後半ではマーティン・スコセッシ監督が立ち上げた非営利団体「The Film Foundation」へのファンドレイジングのためのチャリティー宝くじをCrowdrise(クラウドライズ)で行うと発表しています。 一口10ドルでエントリーでき、ラッキーな1組には、ロンドン2名2泊の旅をプレゼントの上、アンダーソン監督に会えて、『犬ヶ島』の撮影セット・制作見学と作品中の犬の声を担当できるチャンスが与えられるそうです。おまけに制作終了後にはミニチュアのパペットを受け取ることもできるとか! また、50名にはアンダーソン監督のサイン入りDVDコレクションが、25名には同じくサイン入り本『The Wes Anderson Collection』が贈られるそうです。すでに宝くじのエントリーは終了していますが、クラウドライズからファンドへ寄付すると、限定デザインTシャツや『The Wes Anderson Collection』を手に入れることができるようです。

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ウェス・アンダーソン新作映画『犬ヶ島』、気になる公開日は?

犬が島
(c)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

ウェス・アンダーソン監督の新作映画『犬ヶ島』の気になる公開日ですが、2018年4月13日に全米公開されました。日本での公開日は2018年5月25日になります。