2018年6月9日更新

【ネタバレ注意】映画『海街diary(ダイアリー)』がもっと面白くなる6のこと

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写真集 「海街diary」

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鎌倉で暮らす4人姉妹の日々を描いた映画『海街diary(ダイアリー)』

2015年6月に公開された映画『海街diary(ダイアリー)』。綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずの4人が姉妹を演じることで話題になりました。 映画そのものの評価は、観る人によって分かれたものの、第68回カンヌ国際映画祭ではスタンディグオベーションが贈られ、日本アカデミー賞など国内で数々の映画賞に輝きます。 鎌倉の一軒家で暮らす個性的な三姉妹のもとに、ある日、疎遠になっていた父親の訃報が届いた事から始まる本作のストーリー。姉妹たちは、それぞれの思いを抱えながら参列した父親の葬儀で、腹違いの妹すずと出会います。 既に母親も亡くしているすずのことが気になった三姉妹の長女の幸は、すずに鎌倉での暮らしを提案しました。その申し出をすずが快諾し、4人での生活がスタート。原作では数年に渡っているストーリーを、映画では4人が初めて出会ってからの1年に絞って描いています。

1.広瀬すずの演技はほとんどアドリブだった?

是枝監督は、子役には脚本を渡さないという独特の演出をしています。撮影直前に場面ごとに必要なセリフを口頭で伝え、表情や動きは子供の自然な反応を引き出すための方法だそうです。本作で中学2年生のすずを演じた広瀬すずも台本なしで演技に挑みました。 撮影当時16歳だった広瀬すずは、台本を用いた通常の演技をすることも可能でした。しかし、このような方法で芝居をする機会が貴重だという理由で、是枝監督独自の方法を広瀬すず自身が選んだそうです。 本作で広瀬すずが見せた表情は、どれも彼女自身の自然な反応です。そう思うと色々な場面を見直したくなってくるのではないでしょうか?

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2.映画『海街diary』の音楽を手がけたのは菅野ようこ!

本作の見どころは、豪華俳優陣たちの熱演や、美しい鎌倉の風景だけではありません。菅野ようこが手がけた劇中音楽も、本作の完成度を高めた1つの要因です。 菅野ようこといえば、アニメ「マクロス」シリーズや、『カウボーイ・ビバップ』、『ブレンパワード』などのSFアニメ作品での活躍を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、『下妻物語』や『ハチミツとクローバー』など数は少ないものの、実写映画の音楽も手掛け、名作に花を添えています。 本作においても菅野ようこは、四姉妹の四重奏(カルテット)というべき音楽で数々のシーンに深みを与え、四季の移り変わりや生と死をも音楽を表現しています。

3.カンヌ映画祭での評価は賛否両論?

本作『海街diary』は第68回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品されています。是枝監督と主演の4人が登壇した公式上映の会場では、是枝監督たちが退場するまでスタンディグオベーションが鳴り止まなかったそうです。 しかし、熟練の審査員たちの目は厳しいものでした。最高賞(パルムドール)や三つ星、二つ星に票を投じた審査員もいましたが、過半数が一つ星または最低の評価を下し、受賞にはいたりませんでした。 海外メディアも本作の美しさは評価しつつも、四姉妹の日常を控えめに描いた点について、ドラマ性に欠けるなど厳しい声も寄せられました。

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4.『海街diary(ダイアリー)』の舞台は鎌倉!映画ロケ地巡りも楽しめる!

鎌倉と山形を舞台にストーリーが展開された本作。ロケの中心となったのは主に鎌倉ですが、末子のすずが父親と暮らしていた架空の街「河鹿沢温泉」として、岩手県花巻市の鉛温泉藤三旅館や、栃木県のわたらせ渓谷鉄道足尾駅でも撮影が行われました。 四姉妹の家があるとされている江ノ島電鉄極楽寺駅は、そのまま実際の駅を使用しています。すずと同級生の風太が立ち寄る力餅家や佐助稲荷神社も実在の建物で、鎌倉の歴史や、鎌倉で生活する人々の息遣いを感じることができます。 四姉妹が暮らす一軒家もセットではありません。現在もなお住居として使用されているため、探すことはおすすめできませんが、あの家が現存していると思うと4姉妹の物語が今も続いている気がしますね。

5.【ネタバレ注意】あのキャラが主役の作品がある?

恋多き次女・佳乃(長澤まさみ)の恋人として登場する藤井朋章。本映画では坂口健二郎演じる彼は、イケメンの大学生として登場しますが、実は高校生でした。地元の信金勤めであることを隠して外資系OLと偽っていた佳乃とは、お互いの嘘が判明したことをきっかけに破局します。 映画ではあまり存在感のない朋章ですが、実は本作の原作者吉田秋生が1995年に発表したオムニバス漫画『ラヴァーズ・キス』では主役を務めています。こちらの漫画も2001年に映画化されており、その作品では成宮寛貴が朋章を演じました。 ふたりの俳優が違う作品で演じる同じキャラクター。見比べてみるのもいかがでしょうか?

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6.映画にハマった人は原作『海街diary(ダイアリー)』も要チェック!

2018年6月現在、原作漫画は8巻まで発行されており、6月28日に発売される「月刊フラワーズ」にて最終回を迎えることが明らかになっています。 そのうち映像化されたのは4巻までのエピソードです。約12年連載が続いた原作漫画には、映画化されるにあたって削られたストーリーや人間関係があるので、映画しか観たことのない人は色々と驚くかもしれません。 映像化されなかった4巻の中盤以降では、四姉妹それぞれの恋模様や、すずの進路や母方の親戚との邂逅などドラマチックなストーリーがたくさん用意されています。もし続編映画が作られるとしたら……、なんて想像してみるのも楽しいのではないでしょうか? いかがでしたか?既に本作を観たことがある人でも、もう一度映画の背景に目を向けて鑑賞してみてはいかがでしょうか。