2022年6月7日更新

是枝裕和監督おすすめ映画ランキング16!カンヌ受賞の代表作から隠れた名作まで

是枝裕和
©︎ciatr

2018年の第71回カンヌ国際映画祭にて、パルムドール(最高賞)を受賞した是枝裕和(これえだ ひろかず)監督。日本人監督の受賞は『うなぎ』の今村昌平監督以来、21年ぶりのことでした。 受賞作『万引き家族』のように、ありふれた日常に社会問題を織り交ぜ、“家族のかたち”や社会のあり方を問う作風が特徴です。是枝作品はベテラン俳優以外に、子役や一般人の演技も素晴らしく、役者の自然な演技を引き出す天才映像作家でもあります。 この記事ではそんな是枝裕和監督作品を厳選し、おすすめの16作品をランキング形式で発表!2022年公開の最新作についても簡単に紹介します。

是枝監督の最新作は?

最新映画は2022年6月24日から公開の『ベイビー・ブローカー』。是枝監督が韓国の俳優たちとタッグを組んで撮った映画です。

またNetflixドラマ『舞妓さんちのまかないさん』も2022年に配信が予定されています!

おすすめ映画ランキング

ここからは是枝監督のおすすめ映画作品を紹介していきます。ランキングは、外部のレビューサイトを複数参考にしつつ、映画マニアなciatr編集部員が熟考を重ねてつけました!

1位『万引き家族』(2018年)

第71回カンヌ国際映画祭で、最高賞のパルム・ドールを受賞した『万引き家族』。是枝監督が「年金不正受給問題」から着想を得て、10年間構想を練って完成させました。 いわゆる下層社会で生活している家族の物語で、生計を立てるために万引きという軽犯罪を繰り返す家族の絆を描いています。重たいテーマを扱っていますが、貧しいけれども明るく暮らす家族の様子が描かれ、観客に「家族は血縁か絆か」といった問題を投げかけました。 キャストには、是枝作品4度目の出演となるリリー・フランキーをはじめとし、是枝組初参加の安藤サクラ松岡茉優、ベテラン女優・樹木希林らが名を連ねています。

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家族の在り方について問う傑作。圧巻の演技に魅せられる!

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子どもたちがそれぞれどんな未来を歩むのか、想像せずにはいられなかった。

2位『誰も知らない』(2004年)

誰も知らない 柳楽優弥
©︎ IFC FILMS

主演の柳楽優弥の名を世界に知らしめた映画『誰も知らない』。是枝裕和が「巣鴨子供置き去り事件」を題材に、15年をかけ制作しました。 新しい恋人を作った母親が失踪し、幼い兄弟を抱えて懸命に生きる長男の姿を通して、家族や社会のあり方を問いかける衝撃のドラマ。母親役のYOUの演技も凄まじく、児童虐待(ネグレクト)という表現がまだ浸透していない時代に、子供たちの現実を世間に突きつけました。 是枝監督はあえてキャストに台本を渡さず、1年間の長期撮影を行うことで、子役の感情の機微や成長、視覚的な説得力を引き出したとか。カンヌでクエンティン・タランティーノが絶賛したという、柳楽優弥の表情も見どころです。

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若かりし頃の柳楽優弥の演技を見られる作品!

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心がえぐられるような作品だった。しんどい。でも目が逸らせない。

3位『歩いても歩いても』(2008年)

映画『歩いても 歩いても』は、是枝監督が自身の母を反映して制作した作品です。興収成績は振るわなかったものの、身近な母親像が世界のファンの心に響きました。 とある夏の日、横山良多は妻のゆかりとその連れ子・あつしを連れて、実家に帰省します。その日はちょうど、15年前に亡くなった兄の命日。それぞれに抱えるものがあり、時には愛憎が表裏一体となる家族関係を、リアルかつシニカルに描き出しました。 主演は阿部寛、ゆかり役に夏川結衣、良多の両親を故・樹木希林と原田芳雄が好演。特に樹木希林の、喪った息子への執着を孕んだ演技が見事で、鬼気迫るものがあります。

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リアリティがすごい。人間の醜いところもていねいに描かれているから良いんだろうなあ。

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劇的な展開はないけれど、だからこそ惹かれる不思議な作品でした。

4位『海よりもまだ深く』(2016年)

是枝監督と阿部寛が、『奇跡』以来、3度目のタッグを組んだ『海よりもまだ深く』。是枝作品常連の樹木希林のほか、真木よう子や小林聡美らが共演しました。 売れない小説家・篠田良多は、探偵事務所の収入で何とか自立した生活を送るものの、元妻・響子への未練を捨て切れないダメ中年です。彼はある日、響子と息子と3人で団地で暮らす母・淑子の家を訪ねますが、台風の影響で帰れなくなってしまい……。 “こんなはずじゃなかった今”に葛藤する人びとを愛おしく思える、ユーモアに溢れた作品。憎めないダメ男を演じた阿部と、その母を演じた樹木の自然な演技に引き込まれます。

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切なくてやさしくてあったかい。家族関係のあれこれがぎゅっと詰まった作品だった。

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ダメダメな阿部寛がすごく良い!キャスト全員演技よかったな。

5位『海街diary』(2015年)

吉田秋生の同名コミックを、綾瀬はるか長澤まさみ夏帆広瀬すずと主役級の女優4人で映画化した、第39回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作。是枝裕和は最優秀監督賞に輝き、各女優もそれぞれ賞を獲得するなど、邦画界で大きな話題となりました。 鎌倉で暮らす三姉妹が、15年前に蒸発した父親の葬儀をきっかけに腹違いの妹を迎え入れることになり、家族の絆を深めていくヒューマンドラマです。 劇的な展開はありませんが、鎌倉の自然を背景に紡がれる人間模様がじわじわと胸に迫ってきて、家族ドラマの名手・是枝監督の手腕に脱帽!当時まだ無名だった広瀬すずは、四女・すずの心の揺らぎを見事に表現しており、後の活躍を予感させます。

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なんて豪華なキャスティング……!全編通して美しい作品だった。

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観てると鎌倉に住みたくなってしまう。派手な作品ではないけど心に染み入る。

6位『そして父になる』(2013年)

第66回カンヌ国際映画祭にて、審査員賞を獲得した『そして父になる』福山雅治が初めて父親役を演じた作品として話題を呼び、国内外で数々の賞を受賞しました。 「子供の取り違え事件」をテーマに、都会で暮らすエリート一家と田舎で電器店を営む貧しい一家、対象的な家族が苦悩する人間ドラマです。6年間愛情を注いだ息子が他人の子だと知った時、優先すべきは血の繋がりか、共に過ごしてきた時間か……。 両親以上に戸惑うのは、何も知らずに他人の家に連れて行かれる子供たちです。その心の機微を表現した子役の演技にも胸を打たれ、本当に大切なものを考えさせられる作品。福山の妻を尾野真千子が演じ、片方の夫婦をリリー・フランキー真木よう子が熱演しました。

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血のつながりとは?家族とは?とぐるぐる考えてしまう。

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2つの家族の対比が面白かった。子どもたちの演技も素晴らしい!

7位『空気人形』(2009年)

映画『空気人形』は、業田良家の短編コミック『ゴーダ哲学堂 空気人形』を、韓国の人気女優ペ・ドゥナの主演で映画化したラブストーリーです。 冴えない男・秀雄が所有するラブドールの“のぞみ”に心が芽生え、1人で街を歩くようになった彼女が、とある青年・純一に恋をするストーリー。ただの官能ドラマではなく、現代人が抱える空虚さや生命の喜びと悲しみを孕んだ、美しくも儚いファンタジーです。 ペ・ドゥナは同年の主演女優賞を総なめにし、ARATA(現・井浦新)、板尾創路、余貴美子、岩松了、オダギリジョーら個性派キャストと共演しました。是枝監督にとって初の「原作モノ」という意味でも、必見の作品と言えるでしょう。

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人が持つ欲望の生々しさがリアルに描かれている、どうしようもなく切ない。

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愛って綺麗だけど怖いものだなあと再確認しました。

8位『奇跡』(2011年)

2011年3月の九州新幹線の全線開通を記念して制作された映画『奇跡』。是枝監督は当時小学生の兄弟漫才コンビ「まえだまえだ」を主演に迎え、感動の家族ドラマに仕上げました。 両親の離婚で引き裂かれた兄弟は、“九州新幹線の一番列車がすれ違う瞬間を見ると願いが叶う”というジンクスを信じ、子供だけの大冒険を決意。兄弟の願いは唯一つ、家族4人で暮らすこと!無謀に思える計画は友人や周囲の大人を巻き込み、様々な奇跡を起こして……。 主演の前田航基、旺志郎兄弟に絶賛の声が寄せられ、兄弟のクラスメイト役で橋本環奈、樹木希林の孫・内田伽羅も出演しました。冒険の様子と是枝監督のドキュメンタリー的な演出がマッチしており、子役を撮る上手さが際立っています。

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ほっこりやさしい気持ちになれる冒険映画!橋本環奈ちゃん出ててびっくりした。

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兄弟に感情移入してボロ泣きしてしまった……。

9位『ワンダフルライフ』(1999年)

是枝裕和監督の長編映画第2作目『ワンダフルライフ』。インディペンデント映画ながら、ナント三大陸映画祭グランプリなどを受賞し、異例のヒットを記録しました。 舞台は死者が天国へ旅立つ前に、一番大切な思い出を映画にしてくれる施設。主人公の青年・望月は死者にインタビューをしつつ、映画の撮影をする職員です。彼らとの対話を繰り返すうちに、望月の中にある変化が生まれていく様を描きました。 主演はモデル出身のARATA(現・井浦新)で、70~80代の一般人も出演しており、是枝監督らしいドキュメンタリー色の強い作品です。撮影現場では、出演者に簡単な状況設定のみ伝えられ、ほぼ即興で撮影されました。

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設定が面白い。自分だったらどの瞬間を残すだろうと考えながら観ちゃいました。

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役者の表情や語りが自然でぐっと惹きこまれる。

10位『三度目の殺人』(2017年)

福山雅治と『そして父になる』以来2度目のタッグを組んだ映画『三度目の殺人』。これまで家族やホームドラマにフォーカスしてきた作品が多かった是枝監督ですが、初めて法廷サスペンスに挑戦します。 本作で福山は事件の真相よりも法廷での勝利こだわる弁護士・重盛に、是枝組初参戦となる役所は同機の見えない殺人犯に扮します。 豪華キャストと是枝監督のセッションによって制作された、法廷ドラマ史に残る重厚な映画が完成しました。

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役所広司をはじめとしてキャストの演技が圧巻。それだけで観る価値がある。

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いろいろ考えさせられる映画だった。ラストも観客に委ねる感じなので、好みは分かれるかも。

11位『幻の光』(1995年)

映画監督・是枝裕和のデビュー作であり、女優・江角マキコの初主演作でもある『幻の光』。作家・宮本輝の同名著書が原作となっており、1人の女性の生と死、喪失と再生を繊細に描いています。監督、主演女優ともにデビュー作でありながらヴェネツィア国際映画祭で高い評価を得た作品です。

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内へ内へと向かっていくような、暗くて重い作品だった。

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繊細な表現に魅せられた。静かだけどどこか凄まじい。

12位『真実』(2019年)(仏)

2019年10月11日公開の映画『真実』。是枝裕和が構想に8年をかけ、全編フランスで撮影された自身初の国際共同製作映画ということで、世界から注目を浴びました。 フランスの国民的女優ファビエンヌが自伝本『真実』を出版し、娘のリュミエール夫婦、家族たちがお祝いに訪れることから始まる愛憎のドラマです。一冊の自伝本は何を語るのか、そして“母と娘”の過去に隠された“嘘”と“真実”とは……。 キャストは映画界の至宝と謳われるカトリーヌ・ドヌーヴ、リュミエール役のジュリエット・ビノシュ、その夫役のイーサン・ホークらが集結。是枝監督と世界的スターが綴る母と娘のドラマ、フランスの風景と共に描かれる新たな是枝ワールドに注目です!

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嘘と真実が混ざり合って、だんだん親子の姿が浮かび上がってくるのが面白かった。

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キャストが豪華!是枝監督の良さとフランスの雰囲気が絶妙にマッチしてる。

13位『DISTANCE/ディスタンス』(2001年)

オウム事件をモチーフとした、是枝裕和監督のカンヌ初出品作『DISTANCE』。被害者ではなく、加害者側家族の視点からカルト問題と向き合った、社会派ヒューマン・ドラマです。 カルト教団による無差別殺人が発生し、実行犯4名と教祖も死亡した事件から3年後の夏。加害者遺族は彼らの名日に、遺灰が眠るとある湖を訪れます。そこには元信者の男性が居合わせ、実行犯の隠れ家だったロッジで、事件前日の話を聞くことになり……。 5人は一夜の対話を通して、目を背けてきたこと、自分自身と向き合っていきます。主演のARATA(現・井浦新)伊勢谷友介寺島進浅野忠信ら実力派キャストが集結しました。

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こういう作品を観ると、是枝監督ってドキュメンタリー出身だったなと再確認する。

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出演者の演技がリアルで良い!なんともいえない空気感がひしひし伝わってきた。

14位『大丈夫であるように ─Cocco 終らない旅─』(2008年)

沖縄出身のミュージシャン・Coccoを主人公とした音楽ドキュメンタリー『大丈夫であるように ─Cocco 終らない旅─』。舞台の上で輝く姿だけでなく日常生活にも密着することで、彼女の内面を鮮やかに描き出す作品です。 故郷の沖縄の米軍基地問題はもちろん、青森の核燃料再処理施設問題など、社会問題に向き合い続けるCoccoの真摯なまなざしが印象に残ります。歌手として自分に何ができるか追及する姿が美しいです。

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あの素晴らしい音楽の裏にはこんな生きざまがあったのかと思うと、感無量です。

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Coccoのまっすぐすぎる在り方に思わず泣けてくる。タイトルの言葉も沁みる……

15位『いしぶみ』(2016年)

是枝裕和と綾瀬はるかが再タッグを組んで作り上げた『いしぶみ』。広島テレビの原爆ドキュメンタリー『碑』のリメイク作品で、もとは同局の戦後70周年番組『いしぶみ 忘れない。あなたたちのことを』として放送されました。劇場版はのちに再編集されたものです。 原爆で大切な人を失った遺族の手記や彼らへのインタビューを通し、戦争の悲惨さが生々しく伝えられています。戦争というものについて改めて考え直したいとき、ぜひ観てほしい作品です。

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時とともに薄れさせず、きちんと振り返らなければいけないと思った。

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胸が詰まる。戦争の悲惨さを伝えてくれる価値ある作品だった。

16位『花よりもなほ』(2006年)

V6の岡田准一を主演に迎えた人情時代劇『花よりもなほ』。ヒロインの宮沢りえ、古田新太や香川照之ら実力派キャストが共演しました。 時は元禄15年、仇討ちに賞金が出ていた時代。父の仇討ちのために江戸へ出てきた青木宗左衛門は、貧乏長屋に腰を据え機を待つも、そのまま2年が経過することに。彼は長屋で充実した生活を送るうちに仇討ちに疑問を抱き、葛藤するようになるのでした。 宗左衛門が人間として成長する姿を、人情味とユーモア溢れるタッチで描いた作品。寂れた長屋の風景の描き方に温かな眼差しが感じられ、多くの人に愛されています。

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登場人物がみんな個性豊か!コメディ調なのもあって、ほほえましい気持ちで楽しめた。

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いろいろな意味で是枝監督っぽくない作品。新鮮で面白かった!

是枝裕和監督とその作風について

経歴

是枝裕和は1962年6月6日生まれ、東京都練馬区出身です。1987年に早稲田大学を卒業し、制作会社「テレビマンユニオン」へ入社しました。 90年代には、ドキュメンタリー番組のディレクターとして高い評価を得て、1995年に『幻の光』で映画監督デビュー。2004年の『誰も知らない』では、当時14歳の柳楽優弥に日本人初・史上最年少でのカンヌ国際映画祭最優秀男優賞をもたらしています。 さらに2018年の『万引き家族』は、カンヌ国際映画祭で最高賞パルム・ドールを獲得。日本人監督作品としては21年ぶりの快挙で、国内外で話題を集めました。 2022年には韓国で制作した映画『ベイビー・ブローカー』がカンヌ国際映画祭に出品され、ソン・ガンホが主演男優賞を受賞しました。

是枝監督作品の特徴は?

“父と息子”、“四姉妹”、“血の繋がらない一家”と、様々な家族像に社会的テーマを絡め、普遍的な物語に昇華させるような家族の表現が秀逸なところが特徴です。 ドキュメンタリー的な演出や、淡々としつつも温かみを感じる視点は海外からの評価が高く、今や世界的映画監督となりました。

是枝裕和は日本を代表する映画監督!

今回の記事では、是枝裕和監督の映画をランキング形式で16作品紹介してきました。『万引き家族』や『そして父になる』などの話題作はもちろん、どの作品も観る価値がある作品ばかりです。 2022年には最新作『ベイビー・ブローカー』も公開されています。これを機会に監督の作品をいろいろチェックしてみてはいかがでしょうか。