『シン・ゴジラ』ファンにオススメ!『ガメラ2 レギオン襲来』【平成ガメラ三部作を観る②】

2018年6月6日更新

平成ガメラシリーズの魅力を改めて考えてみる特別企画第二弾は、もちろん『ガメラ2 レギオン来襲』。見どころは何といっても、自衛隊の大活躍とよりパワフルになったガメラの勇姿。『シン・ゴジラ』も真っ青のド迫力です。

ガメラと自衛隊の「見せ場」がさらにパワーアップ!した第二弾。

1995年公開の『ガメラ 大怪獣空中決戦』は、マニアックなSFファンや怪獣映画ファンの熱狂的な支持を受けました。興行的にもスマッシュヒット。そして翌年、第二作『ガメラ2 レギオン襲来』が公開されることになります。 いわゆる「昭和ガメラ」が戦ったバルゴンやギロンといった敵役で当初は企画が進んでいましたが、最終的には「平成ガメラ」オリジナルの宇宙怪獣で決定。デジタル方式の携帯電話が一気に普及していった頃に、電磁波に襲いかかる習性を持った宇宙生物という設定が絶妙にハマっていました。 ガメラのデザインをはじめ特撮の見せ方なども、よりダイナミックで迫力のある映像に進化。さらに自衛隊による全面協力でその「カッコよさ」が際立って来るなど、エンターテインメント性が一気に高まってきた平成ガメラ第二弾の見どころを、ご紹介しましょう。

新たな敵は、地球環境を破壊する宇宙生命体レギオン

物語の始まりは北海道最大の都市、札幌からほど近い支笏湖。観望会に参加していた学芸員、穂波碧(水野美紀)たちは、流星雨にともなって飛来した隕石の落下を目撃します。やがて彼女は、落下現場で出会った陸上自衛隊の渡良瀬佑介(永島敏之)らとともに、謎の隕石の正体を探りはじめます。 ほどなくその正体が、宇宙から飛来した昆虫に似た生物であることが判明。彼らは草体と名付けられた巨大な植物に高濃度の酸素に満ちた環境を与えて育て、その種子の拡散とともに自分たちの生息環境を宇宙に広げてきたのでした。 草体を育てる環境は人類の生息に適さず、種子の拡散時には大規模な爆発が起きて地球環境を破壊。そんな宇宙からやってきた「害虫」レギオンを「駆除」するべく、人類とガメラが戦いを挑みます。舞台は札幌から仙台、そして栃木へ。北日本を縦断して繰り広げられる激闘の行方はいかに。

勇猛果敢な自衛隊員と勇気あふれるヒロインの最強タッグ。

勇猛果敢にレギオンとの戦いに臨む陸上自衛隊の二等陸佐、渡良瀬を演じるのは、永島敏行。時にヒロインの身辺を守るガード役として、時にレギオンと直接対決する戦士として、活躍します。 ヒロインの穂波碧役は、水野美紀。本作が公開された翌年から、CX系列の大ヒットドラマ『踊る大捜査線』でも可憐なヒロインを演じて、さらに注目されることになりました。 ヒロインとともに事件解決に一役買うメンバーのひとりとして、吹越満が帯津役を担当。持ち味の飄々とした演技で、重々しくなりがちな物語のアクセント的役割を果たしています。 さらにやっぱり活躍するのが、蛍雪次朗演じる大迫力。ギャオスが怖くて警官を退職しビール工場の警備員を務めているのですが、再び怪獣に遭遇。ツキのなさではもはや、『ダイハード』のマクレーンを凌いでいます。

脚本の伊藤和典は、あの押井守とともにリアリティ溢れる作品を連発。

平成ガメラ三部作の脚本はすべて、伊藤和典が手がけています。1954年生まれということで、金子修介監督(1955年生まれ)と同様、リアルタイムで怪獣映画に夢中になっていたそう。経歴としては日本サンライズやスタジオぴえろに所属しており、アニメ畑で技術を磨いてきました。 その頃、出会ったのがアニメ・特撮などで人気の押井守監督でした。押井もまた、作品作りにはこだわりまくる職人肌。ふたりは2本の劇場版『機動警察パトレイバー the Movie』でタッグを組んでいますが、そこにもやはり「平成ガメラ」を彷彿とさせる濃密なリアリティが追求されています。 主題歌「そら」を歌うのはウルフルズ。テンポフルで明るいタッチの曲調は、魅力です。PVにまでガメラが登場しているあたりは、ボーカルを務めるトータス松本らしい遊び心が感じられます。

シリーズ最大級の「自衛隊全面協力」とガメラの必殺技に萌える!

「ギャオス事件」では正体不明の怪生物襲来にとまどっている観があった自衛隊ですが、1年後にはしっかり即時対応の体制が確立されている様子。最新総武や兵器も惜しみなく投入して、小型レギオン(ソルジャーレギオン)の掃討だけでなく、巨大なマザーレギオンとの最終決戦でガメラを援護する活躍まで見せています。 投入された最新兵器の数は、平成ガメラ三部作の中でも最多。当時最新の90式戦車が登場するところも、ミリタリーファンにはたまりません。北部・東北・東部方面隊といった陸自とともに、海自、空自からも協力を得た救援活動、戦闘のシーンは迫力たっぷりです。 一方でガメラの戦闘シーンも一気にパワーアップ。とくに仙台で復活を遂げたガメラが巨大レギオンに最後の戦いを挑むべく飛来するシーンでは、巨体にも関わらずマッドマックスばりのダイナミックなアクションを披露してくれます。そして最終奥義的な必殺技「ウルティメイト・プラズマ」が炸裂!痺れます。

自衛隊員のホンネがポロリ。想いを込めた激励にホロリ。

最新兵器や現場対応などに自衛隊の協力を受ける一方で、渡良瀬らのカッコ良さが際立つ『ガメラ2 レギオン襲来』ですが、時にはホンネ混じりの名言がポロリ。渡良瀬の「タガが外れていようが、腐っていようが、それを守るが私らの仕事です」には、肩ひじ張らないけれど信念に満ちた男気がムンムン。 レギオンを迎え撃つ名もなき戦士たちのやりとりにもぜひ注目してください。とくに90式戦車のコクピットの中での1シーン。命の保証などまったくない任務直前、緊張する若い兵士にベテラン戦車長が声をかけます。 「ガメラですら叶わなかった相手だ。逃げても誰も文句を言やあせん。まぁ、そのくらいの気持ちで行こうや」には、思わずホロリ。

完結に向けて……人類の「宿命」を物語るヒロインからのメッセージ

怪獣スペクタクル的な色合いが強かった前作に対して『ガメラ2 レギオン襲来』では、さらに激化する怪獣対人間の戦いを通してガメラと人類との関係性を改めて考えさせられることになります。 仙台で子供たちがガメラを復活させた時、交信するためのツールである勾玉が壊れ、人類とガメラの絆は途切れてしまったかのように思えました。一方ですべての戦いが終わり、自衛隊員たちが飛び去っていくガメラに敬礼をする感動的なシーンでは、新たな絆が生まれたように思えます。 けれど実はその後、平和が戻った街の中での碧の言葉こそが、三部作を通しての最大のテーマを浮き彫りにしているのです。 「ガメラが守りたかったのは、地球の生態系なんだわ」 完結編となる第3作『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』では、ガメラが命がけで守るものの真実が、いよいよ明らかになります。その時、人類にどんな運命が待っているのでしょうか。