2018年6月21日更新

ヘドウィグだけじゃない!映画監督ジョン・キャメロン・ミッチェルの名作映画たち

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2001年に公開されて以来、世界中に多くのファンを持つロックミュージカル映画『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』。監督、主演のジョン・キャメロン・ミッチェルは他にも多くの名作を発表しています。あなたはいくつ見たことがありますか?

「ヘドウィグ」監督の名作映画、知っていますか?

ロックミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』が世界的に大ヒットし、その名を知られたジョン・キャメロン・ミッチェル。代表作となった「ヘドウィグ」の他にも魅力的な作品を多数生み出しています。 ジョンの基本プロフィールや意外なトリビアを紹介しつつ、監督した名作映画達を紹介します。

ジョン・キャメロン・ミッチェルのプロフィールは?

This one’s for u #HarveyWeinstein!

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ジョン・キャメロン・ミッチェルは1963年生まれ。アメリカ人の両親の元に生まれましたが、父が軍人だったため、アメリカ、ドイツ、スコットランドの基地で育ちました。 アメリカはイリノイ州にあるノースウェスタン大学で演劇を学び、1985年に舞台役者としてデビューします。その後、ブロードウェイで数々の舞台に出演し、役者としてキャリアを積みました。 彼に転機が訪れたのは1994年。ミュージシャンのスティーブン・トラスクと共同でミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』を手がけ、オフ・ブロードウェイで大ヒットします。その人気ぶりは、かのマドンナが楽曲の権利を取得しようとしたというエピソードが裏付けています。 『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は2001年にジョンが主演で映画化。映画をきっかけに、ジョンの才能は世界中に知られることとなりました。以降、「ヘドウィグ」に通じる強いメッセージが込められた作品を発表し続けています。

『ユーリ!!!on ICE』のヴィクトルのモデルだった!

2016年に放送され、フィギュアスケートの世界で奮闘する少年たちを描きヒットしたアニメ『ユーリ!!!on ICE』。その中に登場するヴィクトル・ニキフォロニフのモデルは実はジョンでした。 ヴィクトルはロシア出身のフィギュアスケーター。主人公勇利の憧れの選手であり、世界選手権5連覇を成し遂げた伝説とされている人物です。アニメの原案を担当したのは漫画家の久保ミツロウですが、彼女がニューヨークで「ヘドウィグ」を演じるジョンを見てヴィクトルというキャラクターが生まれたのそうです。 このことについて、ジョンは2017年に特別公演で来日した際にコメントしています。日本での「ヘドウィグ」人気に改めて驚きを表したと同時に「自分がロシア人のモデルになるなんて嬉しい!」と喜んでいたそうです。

ジョンが監督した名作映画達をご紹介

代表作「ヘドウィグ」に加え、ジョンが監督した作品達を紹介します。

『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ 』

ジョンが脚本、主演で大ヒットし、今もロングランを続けるミュージカルの映画化です。 東西分裂時代の東ドイツで生まれた主人公ヘドウィグ。男性ながら、アメリカ軍人ルーサーと恋に落ち、彼とアメリカに渡るため性別適合手術を受けます。しかし手術は失敗し、股間には怒りの“1インチ”が残ってしまいます。 やがてルーサーにも捨てられたヘドウィグは、バイトをしながら歌手活動をしていました。そしてある日少年トミーと出会います。二人はロックを通じて心を通い合わせますが、ヘドウィグの“1インチ”に気づいたトミーは彼を拒絶。しかもヘドウィグの曲を盗作し、自身がヒット歌手としてスターになっていきます……。 哲学者プラトンの著書『饗宴』に登場するエピソードをモチーフに、“自分の片割れ”を探し求める愛の物語です。

『ショートバス』

本作のテーマはずばりセックス。ヘドウィグが探していたのは“自分の片割れ”ですが、『ショートバス』の主人公は“オーガズム”を求めて奮闘します。 主人公のソフィアの仕事はカップル専門のカウンセラー。しかしカップルの悩みにセックスの問題はつきもので、セックスセラピストと誤解されることもしばしば。そんな性の専門家と思われがちなソフィアは“未だにオーガズムを感じたことがない”という悩みを抱えていました……。 そんな彼女は、患者の勧めで“ショートバス”というサロンを訪れます。そこでは様々な人々が自分を解き放ち、自由なセックスに身を委ねていました。果たしてソフィアは自分の“オーガズム”を見つけることができるのでしょうか……? ソフィア役のスックイン・リーは『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ 』に、ヘドウィグがバンドを組んでいた韓国軍の妻、クワン・イー役で出演しています。また、ジョン自身もショートバス内でのシーンにカメオ出演をしています。

『ラビット・ホール』

2005年に発表された戯曲を元に、ニコール・キッドマンを主演に迎え、ジョンがメガホンを取った作品です。 物語の主人公は閑静な住宅地に暮らすこーベット夫妻。二人の幸せな生活は、ある事故によって一変します。二人の息子ダニーが、交通事故に遭い4歳でこの世を去ってしまったのです。 前向きに進もうとする夫に対し、妻ベッカは悲しみから立ち直れません。次第に夫婦関係にも影響が及んで行きます。そんなある日、ベッカは息子を轢いた少年ジェイソンを見かけ、思わず尾行してしまいます。やがてジェイソンにも気づかれ、彼と話をするうちに、自分の中の悲しみとベッカは向かい合って行きます……。 この作品に込められたメッセージは、悲しみは癒えることはないかもしれないが、人は前に進むことができるというもの。人間ドラマを描きつつ綺麗事で終わらせない、監督としてのジョンの新境地です。

『パーティで女の子に話しかけるには』

イギリスでSFやファンタジー作品を手がける作家、ニール・ゲイマンの短編小説を元にした映画です。 主人公エンはパンクロックが大好きな高校生。ある夜、友人と共に不思議な音楽が流れる家を見つけます。中では何やらパーティーが行われており、3人も招き入れられます。そこでは不思議な衣装を身にまとい、独特な踊りを踊っている人たちがおりました。 エンは家の中を探るうち、少女ザンに出会います。実は家にいる人たちは宇宙を旅する種族で、地球に滞在するのも48時間しかないとのこと。地球でも保守的な行動しかしない一族に反抗したザンは、エンに“パンク”を教えて欲しいと頼みます。 ザンは特別にエンと行動を共にできることになります。魅力的なザンに恋心を募らせていくエン。しかし、彼女を待ってる残酷な運命に気づくのでした……。 「ヘドウィグ」を彷彿とさせるパンクロック調の音楽や鮮やかな衣装が登場する、ファン必見の一作です。前作で共演したニコール・キッドマンも、エンが足を運ぶパンクロック界隈を牛耳る存在ボディシーア役で、激しいパンクファッションに身を包んで出演しています。

「ヘドウィグ」ファンなら一見の価値あり!

ジョンが監督作品で一貫して描くテーマは“愛”です。ヘドウィグの愛の物語に心を揺さぶられた方であれば、きっと他作品も楽しめるはず。 未見の作品があれば、是非ご鑑賞をおすすめします。