2019年7月3日更新

Be ambitious!社会常識を変えたい若者が見るべき革命映画9選

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『レ・ミゼラブル』2012 ヒュー・ジャックマン、アン・ハサウェイ
©Universal Pictures/zetaimage

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革命を起こせ!シビアな世界と向き合うために

革命を起こした若者たちを描いた映画といえば、歴史上の革命を追った史実ものばかり?いえ、そうでもありません!革新的な発想で世の中を大きく変えた人物や、架空の人物が革命を起こすといった物語もあります。 今回では前後編に分け、前半に邦画4本、後半に洋画5本を紹介していきます。国の未来のため、世界の変革のため、何より自分自身のために、熱い想いをそれぞれの革命にぶつけた若者たち!このシビアな社会と正面から向き合う知恵と勇気をもらえる作品ばかりです。

【邦画編】下克上の自己革命と護国の魂がアツイ!

日本国民よ、刮目せよ!現代日本に革命は起こるか?『SP 野望篇/革命篇』

テレビドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』の劇場版『SP THE MOTION PICTURE』は、前編『野望篇』と後編『革命篇』が2010年と2011年に分けて公開されました。テレビドラマシリーズの続編を映画にし前後編として公開する方法は、当時かなり画期的だったことを覚えています。前篇冒頭の10分近い超絶アクションシーンや、『革命篇』前日譚を描いたスペシャルドラマのテレビ放映なども新しい試みでした。 監督はドラマ版で演出を手がけた波多野貴文で、主人公の井上を演じた岡田准一をはじめ、警護課第四係の面々も続投。特に革命家に変貌を遂げた尾形係長を演じた堤真一の鬼気迫る様子は、シリーズのラストをギュッと引き締めていました。 要人警護の任務を遂行する警察官たちのテロとの戦いを描いてきた『SP』シリーズ。劇場版では尾形の革命を阻止しようと井上が対峙しますが、平和ボケした現代の日本で本物の革命を起こすことができるか?という裏テーマも提起しています。

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明治維新という革命の闇に消えた暗殺者たち『るろうに剣心』

漫画『るろうに剣心–明治剣客浪漫譚–』の実写映画第1作目が公開されたのは2011年、そして2014年にはその続編が前後編『京都大火編』『伝説の最期編』として二ヶ月連続で公開。ドラマ『ハゲタカ』で知られる大友啓史が3作とも監督を務め、主人公の緋村剣心を佐藤健が演じました。漫画ならではのアクションシーンを見事に実写化した映像も革新的でした。 幕末の動乱期に新政府側の暗殺者「人斬り抜刀斎」として暗躍していた緋村剣心。倒幕を成した明治政府の元を去り、人の命を二度と奪わない「不殺の誓い」を立てた剣心の葛藤と贖罪を描く物語です。 第2・3作目に登場する剣心最大の敵となる志々雄真実は、剣心の後任として暗殺を引き継いだ人物。志々雄が目指した明治政府打倒と日本征服の野望は、真剣に国の未来を憂いて暗殺を遂行していた剣心とは折り合わず、二人の死闘がこの革命の行方に決着を付けます。

宇宙一バカな侍だ!コノヤロー!!『銀魂』

『るろうに剣心』と同時代にあたる幕末時代劇の体裁を取りながら、主人公はかたや維新志士、かたや攘夷志士と違いあり。しかも夷人を宇宙人に置き換えてしまうというSFコメディ要素満載な漫画『銀魂』。あらゆる意味で革命的な本作が、まさか実写映画化される日が来るとは!さらに続編があるとは! 主人公の坂田銀時は宇宙から襲来した天人(あまんと)と戦った元攘夷志士。しかし攘夷戦争に敗れて江戸幕府が開国した後、侍は弾圧され、刀も奪われます。銀時はそんな江戸で何でも屋の「万事屋」を開業。刀はなくとも侍の魂だけは失わずにいる銀時の周りには、自然と人が寄り集まってきます。 普段はぐうたらな銀時ですが、いざ侍の魂を揺るがす事件が起きれば木刀「洞爺湖」を振るい敵をなぎ倒す!かつて盟友だった攘夷志士や、江戸の治安維持を担う「真選組」が関わるエピソードでは、国を護るという意味を意外にも真剣に考えさせられます。

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スクールカーストの革命を描いた『桐島、部活やめるってよ』

朝井リョウの青春小説『桐島、部活やめるってよ』の映画化作品である本作。実は公開当初はヒットも見込まれずにいたにも関わらず、口コミによって8ヶ月ものロングランとなり、日本アカデミー賞をはじめ多くの賞を獲得する快挙を成し遂げました。 監督はCMディレクター出身の吉田大八。主演は神木隆之介で、高校のスクールカーストの底辺にいる映画部の前田を演じました。バレー部キャプテンの桐島が部活をやめたことで、5人の同級生の日常に訪れるそれぞれの変化を描いています。 1つのエピソードを何度も繰り返し、5人の登場人物ごとに違う視点で追うスタイルがあまりにも斬新。高校の部活を舞台にしたシビアなスクールカーストをテーマに、バレー部や野球部などの上位に属する生徒たちと映画部のように下位に見下される生徒たちの下克上の戦いを描いています。

【洋画編】閉鎖的な社会を打ち破れ!時代の革命児たち

フランス市民革命に命を賭けた若者たち!『レ・ミゼラブル』

フランスの文豪ヴィクトル・ユーゴーが著した大河小説『レ・ミゼラブル』は、ミュージカルやテレビドラマ、映画など様々なメディアで何度も映像化されてきました。2012年にはトム・フーパー監督、ヒュー・ジャックマン主演でミュージカル舞台の完全映画化が実現!日本でも大ヒットを記録しました。 舞台はナポレオン没落後の1815年のフランス。1本のパンを盗んだがために19年の監獄暮らしを強いられた男ジャン・バルジャンが、社会の底辺で喘ぐ母娘と出会い、自分の人生をかけて守り抜こうとする物語です。 18世紀に起きたフランス革命は皇帝ナポレオンを生み、その後も王政復古と市民革命を繰り返していました。バルジャンはこのフランス社会の混乱期に若者による市民革命を目撃し、愛娘コゼットとその恋人マリウスを守ろうと戦います。マリウスは革命に青春を捧げた青年で、本作の後半は実際に起きた「六月暴動」を描いています。

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アメリカ野球界の閉塞感を打破した『マネーボール』

「セイバーメトリクス」と呼ばれる統計学的理論によって野球を分析する方法で、旧態然としたアメリカ野球界に革命を起こしたゼネラルマネージャーがいました。彼の名はビリー・ビーン。超高校級の選手からスカウトに転身し、オークランド・アスレチックスのGMとなったビーンが打ち出したのがセイバーメトリクスを基にしたマネーボール理論です。 貧乏球団のアスレチックスは金持ち球団に有能な選手を高値で引き抜かれ、2002年のシーズンに向けても十分な補強資金が得られずにいました。そんな中、ビーンが出会ったのがセイバーメトリクスを基に独自の選手評価をしていたピーター・ブラント。ブラントを補佐として、ビーンは低予算下でのチーム改革に乗り出します。 ビーンが野手選びで重要視したのは出塁率・長打率・選球眼。該当する選手がたとえ他球団で評価が低くてもむしろアスレチックスでは抜擢されました。 アスレチックス内で昔ながらの勘によって選手を評価していたスカウトたちは反発。世間でも理論で野球はできないと批判される中、確実にアスレチックスは勝利を積み上げていきました。ビーンが孤立しても奮闘した理由はただ一つ、この理論を実証すればアメリカ野球界を変革できると信じていたからです。

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まだこの世にないものを!ザ・イノベーター『スティーブ・ジョブズ』

1970年代に初期パソコンを開発したアップル社の設立者でありCEOとなったスティーブ・ジョブズ。近年ウォルター・アイザックソンによる伝記やそれを原案とした映画・漫画も製作され、その独特な人間性と創造性に触れる機会も増えました。 ここではジョブズが死去した2年後の2013年に公開された映画『スティーブ・ジョブズ』を紹介します。ジョブズが大学を退学したころの1974年に遡り、どのようにして友人のスティーブ・ウォズニアックとアップルコンピュータを立ち上げていったのかを追っています。若きジョブズをアシュトン・カッチャーが演じました。 ジョブズの革命的功績は初期パソコンの開発ももちろんですが、その後さらに全く新しい世界を見せてくれたiPod、iPhone、iPadの開発。映画のラストでジョブズが「世界を変えられると(クレイジーなほど)本気で思う人間が世界を変えられる」と語る場面は、物の見方が人とは違う「クレイジーな」意欲ある若者すべてに向けられた言葉ではないでしょうか。

最年少の億万長者!「Facebook」誕生を描く『ソーシャル・ネットワーク』

デヴィッド・フィンチャー監督による伝記映画『ソーシャル・ネットワーク』は、ハーバード大学在学時にSNSサイト「Facebook」を創設したマーク・ザッカーバーグの物語。あのFacebook創設の裏にこんな意外な事実があったとは、驚きです。ジェシー・アイゼンバーグがザッカーバーグを演じました。 そう、実はザッカーバーグがFacebookを作り出したきっかけは「女の子にモテたいから」。発端は恋人に振られた腹いせに立ち上げた「Facemash」という女子学生の顔の格付けサイト!これは大問題を起こしますが、逆にマークの能力に目を付けたウィンクルヴォス兄弟から学生コミュニティサイトの制作協力を依頼されます。しかしこれをヒントにして制作したのがFacebookでした。 ザッカーバーグはウィンクルヴォス兄弟からアイデア盗用で訴えられ、さらにFacebookの共同創設者で親友のエドゥアルドからも裏切りを受けたと訴訟を起こされます。ジョブズも人間関係に難がある人物でしたが、ザッカーバーグも同様。しかし、社会に革命を起こすほどの発想と創造性を持つ天才とはかくあるべきなのか?とも思わされる作品です。

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世界で敬愛され続ける革命家『チェ 28歳の革命/39歳 別れの手紙』

アルゼンチン出身の医者でありながら、キューバ革命に身を投じた革命家チェ・ゲバラ。そのゲバラをプエルトリコ出身の俳優ベニチオ・デル・トロが演じた作品が、前後編で2008年に製作された『チェ 28歳の革命』『チェ 39歳 別れの手紙』です。監督はスティーブン・ソダーバーグ。 前編はキューバ革命の指導者フィデル・カストロとの出会いから共にバティスタ独裁政権を倒すところまで、後編ではカストロとキューバとの別れからボリビアでの革命闘争とその最期までを描いています。 チェ・ゲバラの革命への理想主義が政治家カストロとの別離とボリビアでの最期を迎えたわけですが、この理想主義こそがゲバラの根幹を成しており、現在でもカリスマ性を持った革命家として敬愛され続けている所以でもあります。一革命家としての生涯を全うしたゲバラに、憧れと羨望の眼差しが注がれ続けているのです。