2017年7月6日更新

社会現象を巻き起こした人気ドラマ8選

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おしん

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1:国政を巻き込んだ社会現象”シンドローム”【おしん(1983)】

脚本・橋田壽賀子で、1983年4月4日から1984年3月31日まで放送されたNHK連続テレビ小説第31作目『おしん』について詳しい説明は不要です。戦中から戦後の混乱期を逞しく生き抜いたおしんの物語は、平均視聴率52.6%、最高視聴率62.9%と、決して破られることはないであろう、テレビドラマ史上最高の数字を記録しました。 小林綾子、田中裕子、乙羽信子と三人の女優がバトンのようにつないだ女一代記は、政財界からスポーツ界まで巻き込む社会現象となり、「おしんシンドローム」略して「おしんドローム」と呼ばれるまでになりました。 例えば、当時の中曽根康弘首相は、我慢の政局を表現するに「おしん国会」「おしん、康弘、隆の里」という言葉を使用。また竹下登蔵相も「おしんに学ぶ日本経済」を唱えました。「隆の里」は実際、苦労して横綱に昇進したことから、「おしん横綱」と呼ばれていました。当時の稲山経団連会長も「これからの時代はおしんのような、我慢の哲学が必要だ」と発言しています。

日本のみらず、世界中で放映され一大ブームに

『おしん』は日本のみならず、世界中で放送され、多くの国で日本同様の高視聴率とブームを巻き起こました。特にアジア諸国で人気は高く、『おしん』で日本や日本女性に好意的なイメージを持った人も多いようです。中国でも同様で、『阿信』(アーシン)として何度も再放送されるほどの人気を誇っています。 2012年3月現在、世界68の国と地域で放送されています。

2:デビュー前のKAT-TUNが大人気に【ごくせん 2005(2005)】

森本梢子の同名漫画をテレビドラマ化した学園ストーリーは、主人公を演じた仲間由紀恵ともども、飛びぬけた人気を誇りました。2002年4月から7月の第1シリーズに始まり、2005年1月から3月の第2シリーズ、2008年4月から6月の第3シリーズまで、そのすべてが高視聴率を記録したドラマは、他になかなか見当たりません。特に、平均視聴率27.8%の大ヒットとなった第2シリーズを最高傑作と挙げる人も少なくありません。 物語は、任侠の大江戸一家で育った高校教師、山口久美子(ヤンクミ)が、個性あふれる生徒ぞろいの3年D組で奮闘する姿を描きます。毎シリーズ、多くの若手俳優を輩出しましたが、特に第2シーズンでは、まだブレイク前のKAT-TUN、亀梨和也と学赤西仁が中心となる生徒役で出演しており、今も語り草になっています。 『ごくせん』の人気は留まるところを知らず、3シーズンにも渡る放映だけでなく、『ごくせんリターンズ(2002年)』『ごくせんスペシャル(2003年)』『ごくせん傑作選(2004年)』『ごくせん同窓会スペシャル(2005年)』と何度もスペシャルドラマ化、それぞれ高視聴率を記録しています。

3:ヨン様ブームの火付け役【冬のソナタ(2002)】

2002年に韓国で放送されたのち、2004年には日本で放送され、「冬ソナ現象」と呼ばれる一大ブームを巻き起こした『冬のソナタ』。日本で韓流ドラマが人気となるきっかけの作品となりました。 主人公の二人は、今さら説明するまでもなく、ペ・ヨンジュンとチェ・ジウです。死んだはずの恋人が、10年後突然、目の前に現れて巻き起こる純愛ドラマに、多くの女性が涙しました。

空前のヨン様ブーム

ドラマの人気から、ペ・ヨンジュンの人気も爆発し、空前のヨン様ブームが巻き起こります。来日の度に、女性ファンが押し寄せ、大変な騒ぎになりました。 2004年には、「ヨン様」という言葉が「ワード・オブ・ザ・イヤー2004」の流行語大賞となり、同年秋発売の写真集「THE IMAGE VOL.1」は、たった6日間で初版の10万部を完売しました。さらに、翌2005年9月に日本で公開されたヨン様主演の映画『四月の雪』は、約300万人動員の韓国映画史上最大のヒットを記録しています。 一頃のブームは過ぎたものの、今もヨン様人気は相変わらずです。

4:「倍返しだ!」は流行語大賞にも【半沢直樹(2013)】

直木賞作家、池井戸潤の小説を原作に、2013年7月7日から9月22日までTBS系列で放送されたテレビドラマ『半沢直樹』は、社会現象と言うほかない一大ブームを巻き起こしました。最終回は関東42.2%、関西45.5%を記録し、平成以降の民放テレビドラマ史上第1位となりました。 間違っていれば、たとえ上司であろうと態度を曲げない融資課長・半沢直樹を演じたのは堺雅人。「やられたらやり返す、倍返しだ!」という半沢の決め台詞は、日本中で多用され、流行語にもなりました。 ちなみに、同年には台湾でも放送されて大ヒットを記録。台湾の有力新聞「自由時報」が、政局を伝える記事で「やられたら倍返しだ!」を引用し、話題になりました。

『半沢直樹 倍返し饅頭』が大人気に

2013年8月からTBSストアで発売されている『半沢直樹 倍返し饅頭』は、一時は長蛇の列になるほど人気を博し、しばらく即日完売の状態が続きました。 また、ロケ地となったヒルトンプラザ大阪、阪急百貨店うめだ本店、梅田スカイビル、芦有ドライブウェイなどは、観光名所化しており、現地では半沢直樹関連土産が登場しています。

5:ピアノを習う男性が急増…!?【ロングバケーション(1996)】

主演、木村拓哉と山口智子で、1996年4月15日から6月24日までフジテレビの「月9」枠で放送された『ロングバケーション』。略称は「ロンバケ」、脚本を書いたのは北川悦吏子です。 週刊誌で「月曜日はOLが街から消える」とまで言われるほどの人気を誇り、ドラマの影響でピアノを習い始める男性が増えるなど、確かな社会現象となりました。「ロンバケ現象」とも呼ばれています。 山口智子演じる葉山南は、結婚式当日に婚約者が失踪。仕方なく、婚約者のルームメイトだった冴えないピアニストの瀬名秀俊と同居を始めることから、恋愛ドラマが始まります。瀬名秀俊を演じたSMAPの木村拓哉は、本作が連続ドラマ初主演。国民的アイドルへと上り詰めるきっかけとなった作品です。

オリジナル・サウンドトラックも異例の大ヒット

人気はドラマだけにとどまらず、「ロングバケーション オリジナル・サウンドトラック」は、この種のCDとしては異例の100万枚を突破。このほかにもドラマと関連した音楽CDやノベライズ本、ビデオもすべて大変なセールスを記録しました。

6:禁断の年の差恋愛が話題に【高校教師(1993)】

1993年1月8日から3月19日までTBSの「金曜ドラマ」枠で放送された『高校教師』は、その衝撃的な内容が世間を賑わせました。脚本は野島伸司で、教師を真田広之、ヒロインの生徒役を桜井幸子がつとめました。 教師と生徒の禁断の愛、同性愛、レイプ、近親相姦などヘビーな問題やタブーを真正面から扱った作品として、単なるドラマを超えて、多くの議論を呼びました。また、登場人物のミステリアスな謎、さらに最終回の意味深な結末の解釈などについて、ドラマが終わってからも、しばらく余波は収まることがありませんでした。 また、主題歌に使用された森田童子の『ぼくたちの失敗』も、リバイバルヒットしました。

ドラマのロケ地も人気に

高校のロケ地となった日本基督教短期大学、最終回に登場した青海川駅などには、一時期視聴者が押し寄せる騒ぎになりました。

7:「昼顔妻」が注目を浴びる【昼顔(2014)】

『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』は、2014年7月17日から9月25日までフジテレビ系列で放送され、官能的で鮮烈な内容が世間を驚かせました。 会社勤めの夫のいない平日の昼間、別の男性と不倫する主婦、いわゆる「昼顔妻」を描いたドラマです。越えてはいけない一線を越え、「昼顔妻」になってしまう主人公の主婦・笹本紗和を演じたのは上戸彩。不倫相手の高校教師・北野裕一郎を斎藤工が演じました。また、もう一人の「昼顔妻」を吉瀬美智子、相手役を北村一輝が演じています。

由来はカトリーヌ・ドヌーブの映画『昼顔』

「昼顔」の由来は、1967年公開のフランス映画『昼顔』です。貞淑な妻でありながら、昼間売春するヒロインを世界的大女優のカトリーヌ・ドヌーヴが演じ、公開当時は大変な話題になりました。この映画へのオマージュとして作れらた本ドラマも、平凡な主婦の裏の顔、はては現代社会の孤独に深く切り込んでいます。

8:今でも色あせないあの名セリフ!【101回目のプロポーズ(1991)】

1991年7月1日から9月16日まで、フジテレビの「月9」で放送され、国民的大ヒットとなったドラマ『101回目のプロポーズ』。脚本は野島伸司、主演は言うまでもなく浅野温子と武田鉄矢のコンビです。 ぱっとしない中年男の星野達郎が、100回目のお見合いでついに出会った理想の女性、矢吹薫。冷たくされ、何度フラれても諦めない一途な愛を、コミカルに切なく描いた純愛ラブストーリーです。主題歌になったCHAGE&ASKAの『SAY YES』も同じく大ヒットしました。 なんと言っても話題になったのは、劇中の決め台詞です。特に第6話、薫の目の前で、達郎がダンプカーの前に飛び出し、間一髪の所でダンプカーが止まった後に達郎が叫んだ言葉「僕は死にましぇん。僕は死にましぇん! あなたが好きだから、僕は死にましぇん。僕が、幸せにしますからぁ!」は、この表記のまま同年の新語・流行語大賞になりました。

20年たってからも時代劇の芝居に!

放送から20年たっても、このドラマの人気と知名度は色褪せず、2012年3月には博多座の公演で『時代劇版・101回目のプロポーズ』が上演されました。設定を江戸時代に移し替え、二人の再共演は話題を呼びました。 また、ドラマは2006年、韓国でリメイクされ、さらに2013年には、日中合作で中国版の映画『101回目のプロポーズ ~SAY YES~』が公開されています。