アクション娯楽作の王道!
映画『ホワイトハウス・ダウン』は、アントワーン・フークア監督の『エンド・オブ・ホワイトハウス』(2013)と公開時期も、内容もかなり近かったため、何かと比較されました。 『エンド・オブ・ホワイトハウス』がかなりハードな内容だったのに対して、『ホワイトハウス・ダウン』はエンターテイメントに徹した、アクション娯楽作です。 大統領がアフリカ系であるという点は当時の世相を反映しているものですが、時々かいま見えるユーモアは、「ダイ・ハード」シリーズにも通じるものがあるように思えます。
今回は、『ホワイトハウス・ダウン』のキャスト、監督、ネタバレありのあらすじを見ていきましょう。
『ホワイトハウス・ダウン』ネタバレなしのあらすじ
ジョン・ケイル(チャニング・テイタム)は議会警察官で、ラフェルソン下院議長(リチャード・ジェンキンス)を担当しています。11歳になるジョンの娘、エミリーは政治に興味があり、ソイヤー大統領(ジェイミー・フォックス)の大ファンでした。 ホワイトハウスを正体不明のテロリスト集団が占拠。ジョンは、偶々見学に来ていた娘のエミリーとともに、事件に巻き込まれてしまいます。 ジョンは大統領を必死に守りますが、エイミーがテロリストたちの人質となってしまうのです。果たしてテロリストの目的は? そして黒幕はだれなのでしょうか?
『ホワイトハウス・ダウン』のキャスト
ジョン・ケイル / チャニング・テイタム
主演のチャニング・テイタムは1980年生まれの俳優です。学生時代はかなりのスポーツマンで、アメフト、陸上、バスケなど色々とやっていました。 大学を中退した後に、勤め人をしながらストリッパーとして働いていたようです。マイアミでモデルとしてスカウトされたのを機に、この世界に入ります。 リッキー・マーティンのPVでダンサーとして出演したり、ペプシコーラ、マウンテンデューなどのCMに出たりするうちに、2004年にテレビシリーズ『CSI:マイアミ』にゲスト出演。 『マジック・マイク』(2012)、『21ジャンプストリート』(2012)、『フォックス・キャッチャー』(2014)などでも主演を務めています。
ジェームズ・ソイヤー大統領 / ジェイミー・フォックス
大統領役のジェイミー・フォックスは、1967年テキサス州出身の俳優、ミュージシャンです。高校時代はアメフトのクォーターバック、大学では音楽を専攻していました。 ところが卒業後はコメディアンに。1996年から2001年まで、テレビの『ザ・ジェイミー・フォックス・ショー』というシチュエーション・コメディの冠番組で人気を博します。 2004年、レイ・チャールズの伝記映画『Ray/レイ』で、アフリカ系としては史上3人目のアカデミー主演男優賞を受賞します。その他、『キングダム/見えざる敵』(2007)、『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)などでも主演しています。
キャロル・フィナティ / マギー・ジレンホール
シークレットサービスの一員であり、ジョンと協力してテロリストと戦うフィナティを演じた、マギー・ジレンホールは1977年ニューヨーク生まれの女優です。 『ミッション:8ミニッツ』(2011)などのジェイク・ジレンホールは実弟。両親も映画監督と脚本家ですから、女優になるべくしてなったと言えます。『セクレタリー』(2002)の、被虐的な秘書役の怪演で注目されました。 出演作は、『セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ』(2000)のようなインディーズ映画から、本作のようなハリウッド大作まで非常に幅広いです。『ドニー・ダーコ』(2001)でジェイクと共演しています。
エミール・ステンツ / ジェイソン・クラーク
ホワイトハウスを占拠する武装した実行部隊を率いるエミール・ステンツ役は、1969年オーストラリア出身のジェイソン・クラークです。 オーストラリアのテレビ番組で俳優デビューし、テレビドラマ『ブラザーフッド』でアメリカの作品に出演し始めます。以後、『パブリック・エネミーズ』(2009)、『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012)、『猿の惑星:新世紀』(2014)など、話題作に次々に登場。 特に『ターミネーター:新起動/ジェニシス』(2015)では、エミール・ステンツがジョン・コナーを演じていて、クリスチャン・ベールとはひと味違う、底知れぬクールさをたたえたジョン・コナーは評判になりました。
イーライ・ラフェルソン下院議長 / リチャード・ジェンキンス
主人公のジョンが警護を担当する下院議長を演じる、リチャード・ジェンキンスは1947年生まれの俳優で、主に舞台で活躍していました。 1970年代半ばからテレビや映画にも活動の場を拡げ、名脇役としての地位を固めます。2008年の初主演作『扉をたたく人』でナショナル・ボード・オブ・レビュー主演男優賞を受賞、アカデミー主演男優賞にもノミネートされました。 リチャード・ジェンキンスが演じることが多いのは、『ブロークン』(2008)、『モールス』(2010)などの父親役、『メリーに首ったけ』(1998)、『扉をたたく人』(2008)、『キャビン』(2012)などの学者役、『キングダム/見えざる敵』(2007)、『キングコング:髑髏島の巨心』(2017)などの政治家役など、ある種の権威を背負った人です。
監督はローランド・エメリッヒ
監督のローランド・エメリッヒは、1955年ドイツ出身の映画監督、プロデューサー、脚本家です。 もともと絵画や彫刻を学んでいて、プロダクション・デザインの道に進もうとしていたのですが、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977)を観て、監督に転身します。 ドイツで2本の映画を監督した後、ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演の『ユニバーサル・ソルジャー』(1992)でハリウッド・デビュー。『スターゲイト』(1994)、『インデペンデンス・デイ』(1996)で成功を収めます。 ゲイであることを公言しており、LGBT関連の活動にも熱心です。
【閲覧注意】『ホワイトハウス・ダウン』ネタバレ結末
エイミーが人質に……
テロリストたちは見学に来ていた観光客を人質に取り、シークレット・サービスを殺していきます。ラフェルソン下院議長は地下のシェルターへ逃げ、副大統領は大統領専用機で避難。 ジョンとはぐれてしまったエイミーは、勇敢にもスマホでテロリストたちを隠し撮りし、その動画をYouTubeにアップロードします。ところがテロリストに見つかり、人質となってしまうのです。 エイミーを助けに行こうとしていたジョンは、シークレット・サービスのリーダー、マーティン・ウォーカー警護隊長(ジェームズ・ウッズ)が、周りのシークレット・サービスたちを射殺するのを目撃してしまいます。 ウォーカーが黒幕なのでしょうか?
マーティン・ウォーカー警護隊長 / ジェームズ・ウッズ
ウォーカー警護隊長を演じるのは、1947年生まれのジェームズ・ウッズです。もともとは舞台俳優でしたが、1970年代から映画やテレビでも活動し始めます。 出演作は90作を越え、『ヴィデオドローム』(1982)、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984)、『サルバドル/遙かなる日々』(1986)など。強面の警察官、ギャングの役が多いです。 さて、本作におけるウォーカー警護隊長の動機は、海兵隊にいた息子が秘密作戦で戦死したことで大統領を怨んでいるのだろうと推察されます。ウォーカーらはホワイトハウスの中央制御室でハッキングを開始。
ウォーカーの目的とは?
その頃、大統領代行として指揮権は副大統領に移っていました。副大統領は攻撃ヘリをホワイトハウスに差し向けますが、対戦車ミサイルによって撃墜してしまいます。 ウォーカーらはハッキングに成功。攻撃システムを遠隔操作し、エアフォース・ワンを打ち落としていまうのです。 副大統領が死んだことで、指揮権はラフェルソン下院議長へ。ラフェルソンはホワイトハウスの空爆を命じるとともに、大統領だけが知っている暗号をウォーカーにポケベルで知らせます。 通称フットボールという核発射装置を作動させるには、その暗号と大統領の生体認証が必要だったのです。ウォーカーの目的はこれでした。 ウォーカーはエミリーを連れて執務室へ移動後、フットボールを起動しようとしますが、ジョンが車で突入してきて、撃たれて死亡します。 接近する空爆機に対して、エミリーが大統領旗を振って攻撃中止を知らせるのです。
さらなるどんでん返し
ウォーカーに撃たれていた大統領のもとへ、ジョンが駆け寄ると大統領は生きていました。大統領は妻からもらったリンカーンの時計のおかげで、銃弾に直撃されなかったのです。 2人は黒幕はまだ他にいると判断し、話し合います。戻って来たラフェルソン下院議長に対して、ジョンはウォーカー警護隊長とポケベルで連絡をとった者がいると告げ、その番号を鳴らします。 ラフェルソン下院議長の服の下から着信音が聞こえました。真の黒幕は議長だったのです。 ラフェルソンは軍需産業から支援を受けているので、彼にとって、大統領が結ぼうとしている和平条約は不都合でした。ラフェルソンは逮捕され、大統領はジョンを大統領護衛官に任命します。