2018年8月17日更新

アニメ映画『ペンギン・ハイウェイ』をネタバレ徹底解説!【ペンギンの正体は?】

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ペンギン・ハイウェイ
© 2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会

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森見登美彦原作のアニメ映画『ペンギン・ハイウェイ』をネタバレ解説!

『夜は短し歩けよ乙女』などで有名な小説家・森見登美彦が「一番思い入れのある作品」と語る『ペンギン・ハイウェイ』が、2018年夏のアニメーション大作としてついにアニメ映画化! 主人公・アオヤマ君にはドラマ『バイプレイヤーズ』でキュートなヒロインを演じるなど注目の若手女優・北香那(きたかな)、アオヤマ君が憧れる“お姉さん”を蒼井優が演じる他、西島秀俊、竹中直人など豪華俳優陣が声優を務めています。 今回は、そんな『ペンギン・ハイウェイ』をいち早く鑑賞した筆者が、本作の魅力をネタバレ込みでご紹介します。

映画『ペンギン・ハイウェイ』あらすじ【ネタバレなし】

物語の舞台は、田んぼや竹林など自然豊かな郊外の街。小学4年生のアオヤマ君(北香那)は、毎日世界について学び、学んだことや疑問点をノートに記録する日々を送っています。 真面目で大人びたところがあるアオヤマ君の目下の課題は、友人と取り組んでいる“プロジェクト・アマゾン”と歯科医院のお姉さん(蒼井優)の大きなおっぱいの謎について。そんなある日、海のないこの街に、ペンギンが大量発生するのを目撃したアオヤマ君は、早速調査を開始します。 調べを進める中でアオヤマ君は、お姉さんの投げたコーラの缶がペンギンに変身してしまう情景を目撃します。さらに、ペンギンの後を辿って行った森の奥に不思議な球体<海>を発見。 お姉さんに「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」と問われたアオヤマ君は、お姉さんとペンギン、<海>にはつながりがあると考え始めます。 そんな中、元気だったお姉さんの体調が悪くなり、同時に、街のペンギン問題はアオヤマくんの想像を遥かに超えた大騒動へと発展していき……。 新進気鋭のクリエイターが集まるスタジオコロリドの石井祐康監督が描く、少し不思議で、一生忘れない、ひと夏の冒険と成長の物語です。

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お姉さんとペンギンの秘密とは?

お姉さんの気分が良い時にモノを投げると、投げたモノがペンギンに変身することを突き止めたアオヤマ君。 逆にペンギンを出せない状況下やお姉さんの気分が悪い時には、お姉さんが苦手なコウモリや『鏡の国のアリス』に出てくるジャバウォックが出てきてしまいます。しかも、ジャバウォックはペンギンたちを食べてしまう関係性で……。 お姉さん自身、自分がなぜペンギンを出せるのかわかっておらず、ペンギンたちが一斉に森を目指し進んでいく様子から、アオヤマ君はこの一連の問題を“ペンギン・ハイウェイ”と名付け、お姉さんとともに調査を開始します。

謎の球体<海>とペンギンの関係とは?【ネタバレあり】

“ペンギン・ハイウェイ”の調査を進める中、アオヤマくんは同じクラスで唯一、自分より頭が良いかも知れないと認めているハマモトさん(潘めぐみ)から、森の奥にある謎の球体<海>についての共同研究を持ちかけられます。 <海>は周期的に大きくなったり小さくなったりを繰り返しており、アオヤマ君が作った探査機「ペンギン号」を呑み込んでしまいます。アオヤマ君たちも<海>に攻撃されそうになった寸でのところにお姉さんとペンギンたちが現れ、ペンギンたちは一斉に<海>を壊し始めます。 クラスメイトのウチダくん(釘宮理恵)とともに街の水路を研究していた“プロジェクト・アマゾン”と“ペンギン・ハイウェイ”、そして<海>はすべて一つに繋がっていると考え始めるアオヤマ君たち。 しかし、<海>をエネルギー源として生きているらしいお姉さんとペンギンは<海>から離れすぎると消滅してしまうことが分かった一方、ペンギンたちが<海>を壊そうとしている矛盾もあり、アオヤマ君たちの研究は行き詰ってしまいます。

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アオヤマ君の淡い初恋の行方【ネタバレあり】

ペンギン・ハイウェイ
© 2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会

様々な謎が謎を呼ぶ中、アオヤマ君は、人間はどのようにして形成され、なぜ死んでしまうのか、という疑問をずっと考えていました。お姉さんの大きなおっぱいが好きなことは解かるのに、お姉さんの顔を見ると嬉しくなる感情の正体に気が付かないアオヤマ君。 そして、そんなアオヤマ君を好きなハマモトさんとお姉さんとで奇妙な三角関係が形成されるも、アオヤマ君は一向に気付く気配がありません。そう、アオヤマ君は恋をしたことがありませんでした。 しかし、お姉さんと初めてお姉さんの実家のある海辺の町へデートで向かう途中、お姉さんの体調が悪化。 同時に、大人たちが<海>の存在に気付き、お姉さんが研究実験に連れていかれてしまう危険性を察知したアオヤマ君は、徐々に自分の中にあるお姉さんへの気持ちの正体に気付き始めるのでした。

アオヤマ君はすべての謎を解き明かし、お姉さんと街を救うことができるのか!?【ネタバレ結末】

“果てしない世界の謎”へ突入せよ!

すべての謎が出揃っているのに研究に行き詰まってしまったアオヤマ君。 父親(西島秀俊)から、「“世界の果て”は外側ではなく、内側に折りたたまれているものなのかも知れない。」と助言され、世界のほころびの塊が<海>であり、その世界のほころびを直すために存在するのが“お姉さん”と“ペンギン”だという考えにたどり着きます。 しかし、事態はアオヤマ君たちの手に負えないところまで悪化しており、急速に膨張し続ける<海>は、大学教授で<海>の存在に気付いたハマモトさんの父親(竹中直人)たち研究員や、街の色んなモノの呑み込んでしまいます。 この事態を収束させられるのはお姉さんだけだとわかったアオヤマ君はお姉さんとともにペンギンたちに導かれ、<海>の内部へ突入!<海>の中はあべこべの世界が広がっており、呑み込まれたモノたちは老朽化していました。 あべこべの、しかし美しい街の中でたき火をしているハマモトさんの父親たちを見つけたアオヤマ君たちは彼らを連れて、無事に街に戻ってくることが出来ました。

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お姉さんとの別れ

<海>を存在させ続けるのはあまりに危険だと知ってしまったアオヤマ君とお姉さんは、二人でよくチェスをした喫茶店で最後のお別れをすることに。「いつか、この謎を解明して、必ずお姉さんに会いに行くから。」と、お姉さんの胸に抱かれるアオヤマ君。 笑顔で消えてしまったお姉さんと別れたアオヤマ君は、彼の帰りを泣きながら待っていたハマモトさんたちと再会します。ひと夏の経験を通して成長したアオヤマ君は涙を堪え、毎日勉強し立派な大人になり、お姉さんを迎えに行くことを胸に誓うのでした。

映画『ペンギン・ハイウェイ』気になる評価は?

映画『ペンギン・ハイウェイ』は森見作品ということもあり、子ども向けアニメーションの体をした大人向けアニメーション映画です。 ですので、観客は20~60代と幅広い層の大人が多く、かつて小学生だった頃の夏休みのワクワク、無限の可能性に満ちた世界の美しさが鮮やかに蘇るという好感触な感想が多く挙がっています。 森見作品だと知らずに(または読まずに)観に行った観客からは、物語が主人公の周囲の小さな話から予想もつかない大きなストーリー展開に膨れ上がっていき、期待以上だと絶賛する声も。 また、アオヤマ君世代のお子さんたちもすべてを理解できずとも、夏の冒険物語としてワクワクしたり、両親やお姉さんとの関係に切なくなったり、アオヤマ君たちの言動に笑ったりと、雰囲気で面白さを感じ取っている印象を受けました。 哲学的な部分もある作品なので、親子で色々なことを語り合うきっかけとなる作品になるのではないでしょうか。

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映画『ペンギン・ハイウェイ』は2018年8月17日公開!

ペンギン・ハイウェイ
© 2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会

映画『ペンギン・ハイウェイ』のキャラクターの躍動感、積み重なっていくミステリー、壮大で緻密な世界観は、スタジオジブリ作品や細田守作品に匹敵するほどのパワーがあります。 また、宇多田ヒカルの書き下ろし主題歌『Good Night』も、キャラクターたちの心情を包み込む優しい楽曲として、映画を盛り上げています。 映画『ペンギン・ハイウェイ』は2018年8月17日公開です。この夏、アオヤマ君の一生忘れない冒険を劇場でぜひ、体感してください!