アニメ化作品多数!森見登美彦
森見登美彦は、京都大学在学中に『太陽の塔』で作家としての活動を始め、その後もたくさんの人気作、話題作を発表してきました。『有頂天家族』や『四畳半神話大系』など、自身が大学時代を過ごした京都を舞台にした作品が多く、独特のファンタジックな世界を描きます。 2003年に『太陽の塔』で作家デビューした森見登美彦でしたが、当時はまだ大学院生でした。その後も次々に作品を発表し続け、2010年には『ペンギン・ハイウェイ』で日本SF大賞を受賞します。 同年に『四畳半神話体系』がテレビアニメとして放送され、その後も多数の作品がアニメ化されました。
なぜ京都や大学を舞台にした作品が多いのか?
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森見登美彦の作品の多くが京都を舞台にしたものです。中には『四畳半神話大系』のように母校である京都大学のキャンパスライフをユニークに描いたものや、大学生が主人公であることが多いのも特徴です。 どの作家にもそれぞれカラーやスタイルがありますが、森見登美彦の場合は設定やストーリーを少し聞いただけですぐに彼の作品だと分かりそうです。なぜ彼は京都を舞台にした作品を数多く発表し続けるのでしょうか。 森見登美彦は以前にインタビューで「京都は街全体が大学のような感じがしてとても不思議だ」と語っていました。さらに創作のスタイルとして、自分の身近なところから妄想を広げて小説を書くとも行っており、自分に遠いところや関係がないところの小説は書けないのだとか。 主人公の周りの小さな世界から徐々に広がって、予想もつかないような展開のストーリーに膨れ上がっていく。これまで発表してきた作品には、その創作スタイルがしっかりと現れていますね。
まるでパラレルワールド?複数のストーリーが絡み合う世界
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森見登美彦の作品では、主人公や登場人物が遭遇する出来事がいくつものストーリーによって異なります。 『四畳半神話大系』では、サークルに入って大学生活を輝かせようという目的は同じですが、選んだサークルにより私の体験する出来事は大きく異なり、それらが並行して進んでいきます。 奇妙で不思議、そしてシュールな展開のストーリーが並行して進んでいく様子は、まるでパラレルワールドのようです。アニメ映画などの映像作品だとそのストーリーの奇妙さ、不思議さが際立ち、作品の世界により深く入り込むことができます。
クセのある変わり者も!ユニークなキャラクターが魅力
森見登美彦作品はとにかく登場人物のキャラクターがとてもユニークで魅力的です。中にはつかみどころがなく、明らかな変わり者やクセの強い変人も多数登場します。 『四畳半神話体系』では、爽やかなルックスながらナルシストで潔癖症、女性が苦手でラブドールと暮らしている城ヶ崎マサキが登場します。 また、『夜は短し歩けよ乙女』には、半年もの間パンツを履き替えなかった男・パンツ総番長という強烈なキャラクターがいました。 ファンタジックで少し奇妙、シュールな展開もあるストーリーにさらに深みを持たせている個性的すぎるキャラクターたち。彼らのことを知れば知るほど、森見ワールドから抜け出せなくなりそうです。
劇場版アニメを手がけるのは湯浅政明監督!
㊗️第41回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を頂きました✨❗️湯浅政明監督、森見登美彦先生、星野源さんをはじめとする素晴らしいキャスト&スタッフの皆様、何よりも作品を応援頂いた皆々様に心より御礼申し上げます✨???? なむなむ!#黒髪の乙女 #夜は短し歩けよ乙女 pic.twitter.com/BV4Z3xB50X
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森見作品が初めてアニメ化されたのは、2010年のこと。『四畳半神話大系』がフジテレビのノイタミナ枠で放送されました。このとき監督を務めたのが名作アニメを多数手がける湯浅政明監督です。 その後も『夜は短し歩けよ乙女』がアニメ映画化されますが、監督を務めたのは同じく湯浅政明でした。湯浅監督の手がけるシンプルな中にどこか幻想的な雰囲気がある作画演出で、原作のシュールで奇妙なストーリーの魅力が見事に表現されています。 湯浅政明監督は、『ちびまる子ちゃん』で初めてテレビアニメの原画を手がけ、その後『クレヨンしんちゃん』では作画監督を務めています。2018年現在も毎年1作公開され続けている劇場版の「クレヨンしんちゃん」シリーズでは多くの作品で原画に関わっています。 2004年には長編アニメ映画『マインド・ゲーム』で初めて監督を行い、脚本も担当しています。この作品は、世界中の映画祭でさまざまな賞を受賞し、一躍世界的アニメ監督となりました。
森見登美彦のアニメ化作品紹介
目指せバラ色の大学生活!『四畳半神話体系』【2010年】
京都大学に通う3回生の「私」を主人公に奇妙な大学生活とサークル活動が描かれる『四畳半神話大系』。森見登美彦の小説が初めてアニメ化された記念すべき作品で、深夜枠の放送ながら高い人気を誇りました。 不毛な大学生活をなんとか有意義なものにしようとさまざまなサークルに入っては挫折を味わっている「私」。 彼の周りは妖怪のような風貌の悪友・小津や仙人のような出で立ちの樋口など、一風変わった人物ばかり。果たして自分に合ったサークルを見つけ、大学生活をバラ色に変えることはできるのでしょうか。 そんな「私」が密かに想いを寄せるのが1年後輩の明石さんです。彼女は黒髪ボブが似合う、一見清楚で大人しそうな美女ですが、クールでズバズバものを言うという意外な一面があります。どのサークルに入っても周りに流されることなくブレない明石さん。 明石さんとの恋が一体どうなるのかも『四畳半神話大系』の見どころのひとつです。
狸の四兄弟が大活躍!有頂天家族【2013年】
京都を舞台に狸の兄弟と天狗の戦いを描く『有頂天家族』は、2013年にテレビアニメ化されています。その後2017年に続編である『有頂天家族2』が放送されました。 下鴨神社の糺の森に住んでいる狸の兄弟たちが主人公の今作。2017年には、糺の森でヒット祈願のイベントが開催されました。また、劇中に登場する叡山電車とコラボしてさまざなキャンペーンを行ってもいます。 京都出身の人はもちろん京都に一度も訪れたことがない人も、京都の魅力にどっぷり浸れそうな作品です。
黒髪の乙女に悩ませられる日々……『夜は短し歩けよ乙女』【2017年】
アニメ映画『夜は短し歩けよ乙女』には、『四畳半神話大系』のキャラクターが何人か登場しています。京都を舞台に、主人公が想いを寄せる黒髪の乙女との奇妙なラブストーリーが展開されます。 清楚なルックスからは想像もつかないほどお酒が強い黒髪の乙女。ある日一人で飲んでいたところ、男に声をかけられ、地元の幻の酒の話を聞いてしまいました。 偽電気ブランという奇妙な名前の酒でしたが、乙女はどうしても飲んで見たくなり、飲み屋街をさまよい歩くことに。 乙女の行く先々に現れてなんとか彼女の視界に入ろうと目論む主人公でしたが、いつもカラ周りとすれ違い、積極性もないためいつまでも2人の距離は縮まらないのでした。
映画化決定!ペンギン・ハイウェイ【2018年8月公開】
小学4年生の少年が出会う不思議なできごとと少年の成長を描く『ペンギン・ハイウェイ』がついにアニメ映画化されます。この『ペンギン・ハイウェイ』は、森見作品の中でも異色の存在で、これまでどの作品でも多く見られていた、京都を舞台にした設定は鳴りを潜めています。 映画『ペンギン・ハイウェイ』は2018年8月公開予定となっています。主人校のアオヤマ君を北香那、アオヤマ君といつも一緒にいる歯科医に務めるお姉さんを蒼井優が演じます。
原作と映像作品の両方を楽しもう!
映画『ペンギン・ハイウェイ』の公式アカウントがオープンしました❗️こちらで最新情報発信していきますのでお楽しみに✨https://t.co/4ufPw6Twuj #ペンギンハイウェイ pic.twitter.com/jSjoRf3pUc
— 映画『ペンギン・ハイウェイ』公式 (@pngnhwy) May 15, 2018
原作小説『夜は短し恋せよ乙女』、『四畳半神話大系』では表紙をアニメキャラクターの原案を担当した中村裕介が手がけています。小説を読みながらイメージを膨らませていた方にも、アニメ化された映像作品は入り込みやすいものだったのではないでしょうか。 テレビアニメ、劇場版アニメのどちらも原作の世界を大切にしながら、さらに奇妙で魅力的な世界を作り上げています。森見登美彦作品をもっと深く楽しむために、ぜひ原作と映像作品の両方に触れてみてくださいね。