2018年8月20日更新

『ペンギン・ハイウェイ』がアニメ映画化!声優キャスト・あらすじを徹底解説【森見登美彦のベストセラー】

このページにはプロモーションが含まれています
ペンギン・ハイウェイ
©2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会

AD

森見フリーク熱望!『ペンギン・ハイウェイ』がついに映像に

2003年、日本ファンタジーノベル大賞を受賞して小説家デビュー。森見登美彦は、一種独特なテンポのセリフまわしやロジックにとらわれない勢いのあるストーリーなど、個性的な作風で新作が常に注目される人気作家となりました。 2005年の『四畳半神話大系』、2006年の『夜は短し歩けよ乙女』、2007年の『有頂天家族』はそれぞれテレビや映画としてアニメ化。やはり独特な映像世界が、森見ワールドとしての魅力と知名度を高めていきました。 そして新たにアニメ化されるのが『ペンギン・ハイウェイ』です。原作は2010年に発表されていますから、約8年目にして「ついに!」劇場用映画として2018年8月17日から全国でロードショー公開されることに。今回はそのあらすじやキャスト、本作を手がけるスタジオコロリドについて、たっぷりご紹介します!

ちょっと大人な小学生の、不思議で切ない冒険の物語

物語の舞台は、とある郊外の街。普通の小学4年生よりもかなり頭が良く勉強熱心で努力家のアオヤマ君が、主人公です。年齢の割に少し大人び過ぎているアオヤマ君は、将来はきっと立派な大人になるに違いありません。 異性に対してもむっつり系ながら年齢不相応に前のめりな様子。通っている歯科医院の美人スタッフ“お姉さん”についても、おっぱいを中心にそのそぶりが気になってしかたないようです。一方の“お姉さん“も、お利口なアオヤマ君を可愛がっていました。 そんな彼の日常に、不思議な事が起き始めます。きっかけはペンギン。海がないハズの住宅地に突然出没するペンギンたちは謎だらけ。ですが理屈はさておきペンギン出現を皮切りに、アオヤマ君の周囲がにわかに騒がしくなっていきます。やがて騒動の原因が、“お姉さん”の持つ不思議な力にあることがわかってくるのでした。 果たしてアオヤマ君は、ペンギンと“お姉さん”の謎を解くことができるのでしょうか。大人びているけれど大人になり切れるはずもない、小学4年生のちょっと切ない冒険物語が幕を開けます。

AD

声優キャストは北香那と蒼井優。若手とベテラン、ふたつの女優魂がふつかる!

森見登美彦作品としては珍しいお子さまが主人公。アオヤマ君の声を演じているのは、若干20歳ながら若手の有望株として注目されている女優、北香那です。初のアニメ吹き替えでしたが、難しいキャラクターを見事に演じきっています。 ちょっとアンニュイな色気を漂わせながら、さまざまな意味で小学4年生を翻弄する「いけない」お姉さんを演じるのは、女優の蒼井優。『ハチミツとクローバー』(2006年)での美大生のお姉さんや青春群像劇『フラガール!』(2006年)での炭鉱の街でフラダンスを踊るお姉さん、2017年には『東京喰種トーキョーグールー』の人を食らう怖いお姉さんまで、とにかく幅広いジャンルの映画で様々なお姉さんを演じています。 アニメの吹き替えは2006年の『鉄コン筋クリート』が最初。メインキャラクターのシロ役で注目されました。2015年には岩井俊二原作・脚本・監督の長編アニメ『花とアリス殺人事件』でも鈴木杏とともにWヒロインを演じています。 他にも、アオヤマ君のお父さんの役を西島秀俊が、アオヤマ君の同級生・ハマモトさんのお父さんを竹中直人が演じます。邦画界を代表する演技派・個性派二人の、声優としての出演にも注目したいところです。

AD

小学生の「青春の1ページ」は、他の森見作品とはひと味違う?

『四畳半神話大系』や『夜は短し歩けよ乙女』に代表される森見登美彦の作品からは、「残念な大学生」「京都」「サブカルチャー」といったキーワードを思い浮かべるファンが少なくないはず。けれど『ペンギン・ハイウェイ』では、そうした森見が得意とする設定とはまた違う特異な世界観が描かれています。 名も知れない郊外の街を舞台に、小学生の甘酸っぱい「青春時代」をファンタジーというジャンルで紡いだ本作は、森見にとってまさに新境地。人気作家としてさらに一歩、前向きに踏み出した意欲作なのです。

脚本は『四畳半神話大系』の上田誠。新たな森見ワールドを盛り上げる

脚本を担当するのは、劇団ヨーロッパ企画を主宰する劇作家・上田誠。森見作品については、アニメーションの『四畳半神話大系』や『夜は短し歩けよ乙女』でシリーズ構成や脚本を手掛けてきました。ある意味、森見ワールドの醍醐味と魅力をとことん知り尽くした男、と言っていいでしょう。 自らもファンタジー系コメディ的な作風を得意としている上田だけに、森見が『ペンギン・ハイウェイ』で切り開こうとしている新しい境地を、さらに味わい深く盛り上げてくれそうです。

デジタルアニメーションで新風を吹き込む「スタジオコロリド」

制作に携わった「スタジオコロリド」は、2011年に設立された、若手クリエイターたちが集う新進気鋭のプロダクションです。一貫してデジタルアニメーションの可能性を追求し続け、これまで『陽なたのアオシグレ』(2013年)や『台風のノルダ』(2015年)など、短編ながら良質な作品を発表してきました。 『ペンギン・ハイウェイ』の監督・石田裕康もキャラクター設定の新井陽次郎も、そうした作品で才能を発揮してきたメンバー。スタジオコロリドとしては初めての長編作品は、日本のアニメーションの近未来を支えていく新しい世代のチャレンジ、というところも見所のひとつと言えるかもしれません。

AD

監督:石田裕康

1988年生まれの石田裕康は、京都精華大学在学中に制作した2009年の短編アニメ『フミコの告白』が第14回文化庁メディア芸術祭優秀賞を獲得し、注目されます。 その後、大学の卒業制作として手掛けた『rain town』も第15回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞を受賞。2013年には短編アニメ『陽なたのアオシグレ』で劇場アニメ映画デビュー。本作で長編アニメデビューを果たします。

キャラクター設定:新井陽次郎

今回キャラクター設定を担当する新井陽次郎は、1989年に埼玉で生まれました。日本工学院を卒業後、スタジオジブリ入社し、アニメーターとして活動します。 2012年にスタジオコロリドに移り、『陽なたのアオシグレ』のキャラクターデザインと作画監督、フジテレビ・ノイタミナの10周年アニメ『ポレットのイス』のキャラクターデザインとアニメーションディレクターを担当しました。 2015年の劇場用短編映画『台風のノルダ』で監督デビュー。また、『マルコメ』や『パズル&ドラゴンズ』のCMや書籍の挿絵なども手掛けています。

コミカライズもスタート!ペンギンたちの暑い夏が始まる。

森見登美彦は『ペンギン・ハイウェイ』にスタニスワフ・レム原作の『ソラリス』のイメージを盛り込んでいるのだとか。人智とそれを超えた領域の境界線にある世界を、ひとりの少年の成長を通して美しく描き出しているこの物語には、原作者としてのさまざまな思いを目一杯盛り込んでいるのだそうです。 月刊コミックアライブではコミカライズがスタート(漫画:屋乃啓人)。原作もコミックも、もちろん映画も含めて、2018年の夏は、新たな森見ワールドの謎めいてなおすっきり爽やかな物語とともに過ごすのがマル!かもしれません。

AD

アヌシー国際アニメーション映画祭でも絶賛!

ペンギン・ハイウェイ
© 2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会

そんな本作は、2018年度のアヌシー国際アニメーション映画祭でも上映されました。 アヌシー国際アニメーション映画祭は世界4大アニメーション映画祭の一つであり、世界最古のアニメーション映画祭としても知られています。 本作が上映されたのは、新作アニメ映画を紹介するイベント「Work in Progress」(ワークインプログレス)というプログラム。 開始前から会場には長蛇の列ができ、本作の予告篇の上映に会場からは歓声があがりました。イベントには石田祐康と新井陽次郎の二人が登壇。作品作りの背景について語りました。 さらに新井は、壇上で本作のキャラクターを描き、その様子がスクリーンに映し出されるライブドローイングを披露。大きな拍手が巻き起こりました。

アニメ映画『ペンギン・ハイウェイ』公開日は?

スタジオコロリドの若き才能が集結し、森見登美彦の世界観が展開される異色のアニメ映画『ペンギン・ハイウェイ』。 気になる公開日は、2018年8月17日に決定!お見逃しなく。