©2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会

『ペンギン・ハイウェイ』アニメ映画化!声優キャスト・あらすじを徹底解説【森見登美彦のベストセラー】

2018年5月17日更新

ユニーク極まりないキャラクターたちと独特の物語性で人気の作家、森見登美彦。彼の代表作のひとつと言える『ペンギン・ハイウェイ』が待望のアニメ化を果たします。キャスト、スタッフなど興味津々の最新情報をお届けしましょう。

森見フリーク熱望!『ペンギン・ハイウェイ』がついに映像に

2003年、日本ファンタジーノベル大賞を受賞して小説家デビュー。森見登美彦は、一種独特なテンポのセリフまわしやロジックにとらわれない勢いのあるストーリーなど、個性的な作風で新作が常に注目される人気作家となりました。 2005年の『四畳半神話大系』、2006年の『夜は短し歩けよ乙女』、2007年の『有頂天家族』はそれぞれテレビや映画としてアニメ化。やはり独特な映像世界が、森見ワールドとしての魅力と知名度を高めていきました。 そして新たにアニメ化されるのが『ペンギン・ハイウェイ』です。原作は2010年に発表されていますから、約8年目にして「ついに!」劇場用映画として8月から全国でロードショー公開されることに。ここではその見どころを、5つのパートに分けてご紹介します。

ちょっと大人な小学生の、不思議で切ない冒険の物語

物語の舞台は、とある郊外の街。普通の小学4年生よりもかなり頭が良く勉強熱心で努力家のアオヤマ君が、主人公です。年齢の割に少し大人び過ぎているアオヤマ君は、異性に対してもむっつり系ながら年齢不相応に前のめりな様子。通っている歯科医院の美人スタッフ“お姉さん”についても、おっぱいを中心にそのそぶりが気になってしかたないようです。 そんな彼の日常に、不思議な事が起き始めます。きっかけはペンギン。海がないハズの住宅地に出没するペンギンたちは謎だらけ。ですが理屈はさておきペンギン出現を皮切りに、アオヤマ君の周囲がにわかに騒がしくなっていきます。やがて騒動の原因が、“お姉さん”の持つ不思議な力にあることがわかってくるのでした。 果たしてアオヤマ君は、ペンギンと“お姉さん”の謎を解くことができるのでしょうか。大人びているけれど大人になり切れるはずもない、小学4年生のちょっと切ない冒険物語が幕を開けます。

声優キャストは北香那と蒼井優。若手とベテラン、ふたつの女優魂がふつかる!

森見登美彦作品としては珍しいお子さまが主人公。アオヤマ君の声を演じているのは、若干20歳ながら若手の有望株として注目されている女優、北香那です。初のアニメ吹き替えでしたが、難しいキャラクターを見事に演じきっています。 ちょっとアンニュイな色気を漂わせながら、さまざまな意味で小学4年生を翻弄する「いけない」お姉さんを演じるのは、女優の蒼井優。『ハチミツとクローバー』(2006年)での美大生のお姉さんや青春群像劇『フラガール!』(2006年)での炭鉱の街でフラダンスを踊るお姉さん、2017年には『東京喰種トーキョーグールー』の人を食らう怖いお姉さんまで、とにかく幅広いジャンルの映画で様々なお姉さんを演じています。 アニメの吹き替えは2006年の『鉄コン筋クリート』が最初。メインキャラクターのシロ役で注目されました。2015年には岩井俊二原作・脚本・監督の長編アニメ『花とアリス殺人事件』でも鈴木杏とともにWヒロインを演じています。

小学生の「青春の1ページ」は、他の森見作品とはひと味違う?

『四畳半神話大系』や『夜は短し歩けよ乙女』に代表される森見登美彦の作品からは、「残念な大学生」「京都」「サブカルチャー」といったキーワードを思い浮かべるファンが少なくないはず。けれど『ペンギン・ハイウェイ』では、そうした森見が得意とする設定とはまた違う特異な世界観が描かれています。 名も知れない郊外の街を舞台に、小学生の甘酸っぱい「青春時代」をファンタジーというジャンルで紡いだ本作は、森見にとってまさに新境地。人気作家としてさらに一歩、前向きに踏み出した意欲作なのです。

脚本は『四畳半神話大系』の上田誠。新たな森見ワールドを盛り上げる

脚本を担当するのは、劇団ヨーロッパ企画を主宰する劇作家・上田誠。森見作品については、アニメーションの『四畳半神話大系』や『夜は短し歩けよ乙女』でシリーズ構成や脚本を手掛けてきました。ある意味、森見ワールドの醍醐味と魅力をとことん知り尽くした男、と言っていいでしょう。 自らもファンタジー系コメディ的な作風を得意としている上田だけに、森見が『ペンギン・ハイウェイ』で切り開こうとしている新しい境地を、さらに味わい深く盛り上げてくれそうです。

デジタルアニメーションで新風を吹き込む「スタジオコロリド」

制作に携わった「スタジオコロリド」は、若手クリエイターたちが集う新進気鋭のプロダクションです。一貫してデジタルアニメーションの可能性を追求し続け、これまで『陽なたのアオシグレ』(2013年)や『台風のノルダ』(2015年)など、短編ながら良質な作品を発表してきました。 『ペンギン・ハイウェイ』の監督・石田裕康もキャラクター設定の新井陽次郎も、そうした作品で才能を発揮してきたメンバー。スタジオコロリドとしては初めての長編作品は、日本のアニメーションの近未来を支えていく新しい世代のチャレンジ、というところも見所のひとつと言えるかもしれません。

コミカライズもスタート!ペンギンたちの暑い夏が始まる。

森見登美彦は『ペンギン・ハイウェイ』にスタニスワフ・レム原作の『ソラリス』のイメージを盛り込んでいるのだとか。人智とそれを超えた領域の境界線にある世界を、ひとりの少年の成長を通して美しく描き出しているこの物語には、原作者としてのさまざまな思いを目一杯盛り込んでいるのだそうです。 月刊コミックアライブではコミカライズがスタート(漫画:屋乃啓人)。原作もコミックも、もちろん映画も含めて、2018年の夏は、新たな森見ワールドの謎めいてなおすっきり爽やかな物語とともに過ごすのがマル!かもしれません。