2018年8月31日更新

ジャンクな東映映画を楽しもう!「JUNK FILM by TOEI」オススメ作品ガイド

JUNK FILM by TOEI

これぞプログラムピクチャー!かつて続々と娯楽映画をはなった東映の、自他とも認めるジャンクな魅力に溢れた映画がお手軽に楽しめます。Amazonプライム・ビデオ内に2018年8月23日から開設された「JUNK FILM by TOEI」のラインナップから、オススメの作品を紹介します。

刺激、活劇、スタッフの暴走……何でもありの東映ジャンク映画!

テレビの普及と共に低迷期を迎えた日本映画界。そんな中、気を吐いたのが東映!セックス・バイオレンスに満ちた、刺激の強い娯楽作に活路をもとめジャンクな映画を量産します。そんな状況を利用してノリと勢いで映画を作るスタッフたち。そんな不良性感度の高い映画を、ぜひご鑑賞あれ!

俳優、スタッフの暴走が止まらない!『不良番長』シリーズ

アメリカでバイカー映画がヒットしていると聞いて、同じような物が作れないかと生まれたのが『不良番長』(1968年)。警察・ヤクザ双方を敵に回す半グレ集団……という反体制・反権力な姿勢が売りのシリーズです。

「不良番長」/DVD発売中 2,800円+税 販売:東映 発売:東映ビデオ
「不良番長」/DVD発売中 2,800円+税 販売:東映 発売:東映ビデオ

この反体制・反権力な設定がスタッフの悪ノリを誘ったのでしょうか?当初はダークヒーロー的に描かれた『不良番長』ですが、4作目『不良番長 送り狼』(1969年)で山城新伍の参加以降、ギャグ色が強くなります。パロディや下ネタ、役者陣のアドリブがどんどん取り入れられ、シリーズの暴走が始まります。

「不良番長 やらずぶったくり」/DVD発売中 2,800円+税 販売:東映 発売:東映ビデオ
「不良番長 やらずぶったくり」/DVD発売中 2,800円+税 販売:東映 発売:東映ビデオ

劇中で「映画の限界に挑戦してやる!」と叫んだ山城新伍。後のTV番組でやり過ぎを振り返り「もう(このシリーズは)ダメだと思った……」と語っていますが、映画の中ではそんな事は一切感じられません。 敵に傘や魚を刺される奴(!)がいたり、銃撃戦で使うマシンガンをよく見るとマガジンが付いていなかったり、毎度死ぬメンバーは毎度生き残るメンバーにグチったり……どこまで狙ってやったのか、単にイイかげんだったのかさっぱり判らない痛快な面白さがあふれています。

「不良番長 送り狼」・DVD発売中 2,800円+税 販売:東映 発売:東映ビデオ
「不良番長 送り狼」・DVD発売中 2,800円+税 販売:東映 発売:東映ビデオ

『不良番長』で主人公らに与えられた反権力な性格はシリーズの進行とともに、真面目な映画作りに対する挑戦に変わっていったのかもしれません。この悪ノリが進行する様を体感するためにも、何本か鑑賞する事をおすすめします。

女番長、恐怖女子高校、女囚さそり……ピンキー・バイオレンスの世界

池玲子主演の『女番長ブルース 牝蜂の逆襲』(1971年)で始まった「女番長(スケバン)シリーズ」、杉本美樹主演の『恐怖女子高校 女暴力教室』(1972年)で始まった「恐怖女子高校シリーズ」。女子高生と言うには迫力満点の、後にピンキー・バイオレンスと呼ばれる作品の代表格です。

「女番長ブルース 牝蜂の逆襲」/DVD発売中 4,500円+税 販売:東映 発売:東映ビデオ
「女番長ブルース 牝蜂の逆襲」/DVD発売中 4,500円+税 販売:東映 発売:東映ビデオ

しかし東映ポルノにアクション要素を加えた結果、なぜか任侠映画の如く仁義を切る女子高生が登場……なんとも珍妙な光景が繰り広げられるのがこのシリーズの魅力。また任侠映画の様式にしたがって権力=学校側と対決するという反体制性が、この時代らしさを感じさせます。 この反権力・反体制な姿勢をより鮮明にしたのが、篠原とおるの漫画を原作にした梶芽衣子主演の『女囚701号さそり』(1972年)。刑務所・警察といった、国家権力との対決する姿勢を鮮明にした事で人気を得ます。このヒットを受け『0課の女 赤い手錠』(1974年)など、篠原とおる原作の他の映画も製作されます。

「女囚701号さそり」/DVD発売中 2,800円+税 販売:東映 発売:東映ビデオ
「女囚701号さそり」/DVD発売中 2,800円+税 販売:東映 発売:東映ビデオ

男性にアピールするポルノ的な要素を持ちながらも、弱者の女性が男や権力にリベンジする姿勢……これが東映らしさであり、ピンキー・バイオレンスの魅力なのです。

明るく楽しい女活劇!志穂美悦子の映画たち

長渕剛との結婚を機に芸能界を引退した志穂美悦子。師である千葉真一と『激突! 殺人拳』(1974年)などで共演した後、『女必殺拳』(1974年)で主演デビューを果たします。当時は世界的な空手映画ブーム、彼女は一躍世界的な女流アクションスターとなりました。

女必殺拳/DVD発売中 2,800円+税 販売:東映 発売:東映ビデオ
女必殺拳/DVD発売中 2,800円+税 販売:東映 発売:東映ビデオ

ハードなアクションをこなす身体能力だけでなく、ヒーロー番組やコミカルな演技にも挑戦する姿勢も彼女の魅力。同じ経歴を歩んだ千葉真一の影響でしょうか。そんな彼女らしい作品……アクション映画にしては珍妙な作品でもある作品……『華麗なる追跡』(1975年)を紹介します。

「華麗なる追跡」/DVD発売中 2,800円+税 販売:東映 発売:東映ビデオ 
「華麗なる追跡」/DVD発売中 2,800円+税 販売:東映 発売:東映ビデオ 

本作で父の仇を討つために諜報員となった志穂美悦子。凄腕の女レーサーとして登場し、得意の変装を駆使し、マッハ文珠(本人役)の協力を得て敵に迫る……なんとも凄い展開ですが、敵の対決する時に「ある時は○○の人……」と、『多羅尾伴内』シリーズの片岡千恵蔵そのままに演じています。監督はコミカルな演出に定評のある鈴木則文、狙ってやっているのでしょう。 そしてラストの対決の場は、東映特撮ヒーロー番組でお馴染みの採石場。何故か仕掛けられた地雷が周囲で爆発する中、単身で闘う志穂美悦子……ヒーロー番組そのまんまの雄姿です。どうでしょう、そんな彼女の姿を見たくはなりませんか?

東映と鬼才、寺山修司の奇跡のコラボ『ボクサー』

これまではいかにも東映的な作品を紹介してきましたが、東映が他から監督を招いて製作した異色、同時にジャンクな魅力を持つ作品を紹介します。『ボクサー』(1977年)を監督したのは寺山修司。詩・舞台・映画その他……当時マルチに活躍した才人です。

「ボクサー」/DVD発売中 2,800円+税 販売:東映 発売:東映ビデオ
「ボクサー」/DVD発売中 2,800円+税 販売:東映 発売:東映ビデオ

寺山修司の起用も話題作りであり、彼の人脈(ボクシング界への影響力)の利用も狙いの一つでしょう。主演はデビュー間もない、後に何かと世間を騒がせる清水健太郎。彼を売り出す映画でもあり、そのためかストーリーも彼自身と重なる物語になっています。 映画はボクシングに賭ける清水健太郎とそのコーチ、菅原文太を描く硬派なものと、寺山修司の舞台的なものがせめぎあう異色作です。東映が手掛けた作品ゆえに他の寺山修司作品と扱われ方が異なり、ともすれば埋もれがちな映画だけにぜひご鑑賞を。

これぞパンクな映画、『爆裂都市 BURST CITY』

学生時代に製作した8ミリ自主製作映画が話題となり、後に『高校大パニック』(1978年)として商業映画にリメイクされた石井聰亙(現・石井岳龍)。当時は自主製作映画出身の監督が映画界に次々デビューしていました。彼の作品『狂い咲きサンダーロード』(1980年)は東映系で配給されていますが、『爆裂都市 BURST CITY』(1982年)も次いで東映から公開された作品となります。

「爆裂都市 BURST CITY」/Blu-ray発売中 4,700円+税 販売:東映 発売:東映ビデオ
「爆裂都市 BURST CITY」/Blu-ray発売中 4,700円+税 販売:東映 発売:東映ビデオ

本作はパンクロック精神にあふれ、デストピアを舞台にした『不良番長』と言えるでしょう。注目すべきは出演陣!陣内孝則、大江慎也、町田町蔵(現・町田康)、泉谷しげる……彼らの若くパンクな姿を見るだけでも大いに楽しめる作品です。 ロックなメンバーが集まっただけに、舞台裏の騒動にも事欠かなかった本作。他の東映映画と異なる不良性が魅力です。そして町田康原作・宮藤官九郎脚本・石井岳龍監督の東映配給映画『パンク侍、斬られて候』(2018年)……その原点がここにある事は言うまでもありません。

まだまだあるぞ、「JUNK FILM by TOEI」

ここで取り上げた作品、また今回配信された作品以外にも、ユニークな映画に事欠かない東映映画の世界。荒削り・悪ノリが産んだとしか思えない作品には、妙に人を引き付ける力があります。あなたも自分にとってお気に入りの、ジャンクな映画を探してみてはいかがでしょう?

「JUNK FILM by TOEI」の利用方法

「JUNK FILM by TOEI」は月額490円で利用可能(初回に限り14日間無料で体験可能)なAmazonプライム会員向けの動画配信サービスです。同サービスを利用することで、映画・Vシネマ・テレビ・バラエティ等を視聴することが出来ます。