2018年9月19日更新

鬼才、デヴィッド・ロバート・ミッチェル監督作の魅力とは?【『イット・フォローズ』ほか】

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デヴィッド・ロバート・ミッチェル
(C)2017 Under the LL Sea, LLC

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大注目の気鋭監督、デヴィッド・ロバート・ミッチェル

デヴィッド・ロバート・ミッチェル
©WOSTOK PRESS/MAXPPP

ティーンズ・ドラマ、ホラー、スリラー、多岐に渡るジャンルの作品製作を続け、その唯一無二のセンスで注目を集める気鋭の映画監督のデヴィッド・ロバート・ミッチェル。演出、音楽、ストーリー、あらゆる要素で個性を発揮し、雑誌『Complex』では「商業的な成功を収める可能性がある10人の有望な映画監督」に選出されるなど、大きな注目を集めています。 本記事では、そんなデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督のプロフィールや、過去の作品から最新作まで、その魅力をご紹介していきます。

アメリカ合衆国出身の映画監督

アンダー・ザ・シルバーレイク
(C)2017 Under the LL Sea, LLC

1974年にアメリカのミシガン州にて生まれ、フロリダ州立大学とウェイン州立大学のふたつを卒業し、その後カリフォルニア州ロサンゼルスに渡り、映画のCMや予告の編集をしながら下積みを重ね、2010年に『アメリカン・スリープオーバー』で長編作品の監督デビュー。 2014年に製作した『イット・フォローズ』は異色のホラー映画として世界中でスマッシュヒットを記録し、日本でも話題を呼びました。また最新作『アンダー・ザ・シルバーレイク』が10月13日からの日本公開が控えるなど、今後の活躍に期待が集まります。

若者たちの成熟を描く青春ムービー『アメリカン・スリープオーバー』

若者の間で夏休みや週末などの休日を利用して開かれるお泊り会、通称スリープオーバー。複数人の男女で一夜を過ごし朝になる間に、それぞれに何かが生まれ、終わり、変わっていくイベントとされています。 本作ではアメリカのデトロイトの郊外を舞台に、恋心と好奇心、痛みの間を揺れ動く少年少女たちのスリープオーバーの様子と、それを通して心理的に成熟していく彼らの姿を描いています。 独自の温度と速度、少々のざらつきと倦怠感のある映像表現が作品の世界に誘い込み、夏の終わり特有のけだるげな空気とその中に潜む高揚感、刹那的な日々を思い起こさせる青春映画です。

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「それ」はどこまでもついてくる。『イット・フォローズ』

恋人との性行為を経験したことをきっかけに、謎の「それ」が見えるようになった主人公。ゆっくりと、しかし確実に近づいてくる「それ」は、どんなときも決してそばを離れることはなく悪夢のように付き纏うように。捕まると即死、逃亡不可能な正体不明の恐怖が示すものは、果たして……。 その謎多きストーリーと特殊な設定から話題を呼び、新感覚のホラー作品として全世界で異例のヒットを飛ばした本作。またデヴィッド・ロバート・ミッチェルの名を世界に広く伝え、名監督への仲間入りを果たすきっかけとなりました。 ホラー映画としての要素をふんだんに持ちながらも、意味ありげなメタファー表現も含むなど、鑑賞後もあらゆる解釈が楽しめる作品であり、デヴィッド・ロバート・ミッチェル監督の特徴とも言われている個性的な音楽使いとシュールな演出が印象的な一作です。

街の下に沈む奇妙な噂とその真相。『アンダー・ザ・シルバーレイク』

隣家の美女の失踪、地域で立て続く犬殺し、行方不明の富豪、ささやかれる奇妙な噂話。夢と欲望が煌めくロサンゼルスを舞台に、オタク少年のサムが街の闇の真相を突き止めるべく奔走する犯罪スリラー作品。主演を『アメイジングスパイダーマン』シリーズで一躍脚光を浴び、話題作に続々出演中の人気俳優のアンドリュー・ガーフィールドが務めたことでも話題となっています。 危うさと暴力性を感じさせる鮮やかな色彩表現と、シリアスで奇妙な展開を逆なでするかのごとく響き渡る往年のヒットソングの数々、絶妙な配置で繰り出される演出効果がそれぞれの個性を確立している本作。渾沌の街に渦巻く羨望や情念、執着などのあらゆる感情が表現された、監督らしい異才さを発揮した最新作です。

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異彩を放つ映画界の期待の星

アンダー・ザ・シルバーレイク
(C)2017 Under the LL Sea, LLC

巧みな音楽表現と独特の演出、実写から時にはアニメーションまでさまざまな要素と技法が織り混ぜられた表現方法が魅力のデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督作品。毎回作風を大きく変えることでその才能の豊かさを鮮明に示す一方で、個性的ながらも絶妙な持ち味で根強いファンを獲得しています。 また2018年10月13日からは、長編3作目となる最新作『アンダー・ザ・シルバーレイク』が日本でも公開予定。唯一無二の立ち位置を確立しながらも、変貌を続けていくデヴィッド・ロバート・ミッチェルから、今後も目が離せません。