2018年9月15日更新

『きらきら眼鏡』安藤政信が思わず驚愕した、自身の芝居とは【単独インタビュー】

©︎ciatr

9月15日より公開された『きらきら眼鏡』に出演する俳優・安藤政信にインタビュー。本作に むけた壮絶な役作りから、俳優としてのスタンスまで余すことなく伺いました。

2018年9月15日より公開される『きらきら眼鏡』。過去の出来事で心に傷を負った主人公が、古書店で手に取った本をきっかけにとある女性と出会い、日々に輝きを取り戻そうとする感動的な本作に、池脇千鶴演じる大滝あかねの恋人役、木場裕二として出演している安藤政信に単独インタビュー。 心身共に壮絶な役作りを行ったうえで、あまり自身の演技を映像で見返すことのない彼が、思わず驚愕してしまったものとは?

『コードブルー』では救う側に、『きらきら眼鏡』では救われる側に。

ちょうど『コードブルー』の撮影時期に本作の出演が決まったと伺いましたが、お話をいただいた時のお気持ちは?

安藤政信
©︎ciatr

「やっぱり同時期に撮影していた『コードブルー』では生死を彷徨う患者を救う役柄、そこから救いを求める側になったので、タイミング的に良かったと思っています。『きらきら眼鏡』はストーリーがとても素敵だなと思いましたし、千鶴と演技をやってみたいという気持ちがありました。 自分よりも若い監督に自分を委ねて、新しく映画を作ることに魅力を感じたんです。今まではベテランの俳優さんであったり、千鶴以上の年齢の方々と映画を作って来ましたが、もっと年下で若い“これから”という人たちとの出会いを大切にしたいと考えていたところだったんです。なので、自分が出演した映画を観て、役者として興味を持ってくれた人たちと映画を作ることはすごく良いなと思ったんです」

新人の金井浩人さん、共演を熱望していた池脇千鶴さんと一緒に演じてみてどうでしたか?

きらきら眼鏡
©森沢明夫/双葉社©2018「きらきら眼鏡」製作委員会

「『ストロベリーショートケイクス』という作品で千鶴とは一緒で。同じシーンを演じたわけではないのですが、映画を観た時に彼女の演技がすごく素敵で印象的でした。10代の頃から上手い人だなと思っていたので、ずっと一緒に芝居をしてみたかったんです。 金井くんは、本当に気持ちが強くて、形だけではなく一つ一つ丁寧に、大事にする役者でそこに惹かれました。良い役者だと思います」

末期ガンの裕二を演じるために安藤政信が徹底した役作り

安藤政信
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「本作のプロデューサーである前田さんの古くからの友人で、末期ガンにかかって余命宣告を受けた方がいるんですけど、実際その人に会ってお話を聞いたりしました。突然自分がここからいなくなるかもしれない、と告げられた時の気持ちを、知る必要がありました。自分にもこの歳になって家族がいて、ある日自分が同じように言われたら、どんな気持ちになるかを考えました。 それからの1日1日を大切にするだろうな、と。その人の思いを聞いて、裕二を演じる時は生半可な気持ちではなく、その人が観て感動するようなキャラクターであるべきだと考えたので、役作りは徹底しました。 医療に関しても、ちょうど『コードブルー』で知り合った先生に「この辺の痛みってどういうことなんだろう」と聞いて、アドバイスを受けていました。死ぬわけにはいかなかったんですけど、死ぬぐらいの気持ちで演じていましたね」

身体的にも、かなり減量されていましたね。

安藤政信
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「スープぐらいしか、口にできなくなったんですよね。今回自分の見せ場はベッドの上でしかなくて、選ばれたのに見せ場を全うできないなんてキャスティングミスでしかない。そこだけは確実に、全力投球しようと思いました。 主演の二人を羨ましく思いましたけどね。やっぱり、死を感じたときから生きたいと思って、生きたいと思ったら動けなくなって。金井くんだったり千鶴はベッドの上だけではない、色々な空気や匂い、景色を感じることができる。それに対して羨ましさと嫉妬のようなものを感じて、リアルに演じられたと思います」

「自分の芝居を観て、泣きそうになりました」

減量で一瞬別人のように思いましたし、何よりラストにかけての演技にもらい泣きしてしまいました。

安藤政信
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「僕もそれは映像を観返して思ったんですよ。ラストとか、すごい顔をしているなぁって……あんな顔をしていたとは思いもしなかったんです。毎日演技をやりきることに、夢中でしたね。 確かに表情、特に目をみてびっくりしました。あんなに生きたいとか、独占したいとか、最後に情けなさがでたところが凄く人間くさくて、こういう芝居を自分はしていたんだなと。自分の芝居をみて、思わず泣きそうになってしまいました」

本作では安藤さん演じる裕二が、あかねの事を想いつつも別れを切り出すシーンが印象的でした。もしもご自分が裕二の立場だったら、どんな選択をとりますか?

「僕も、多分裕二のような選択をするんじゃないかな。自分が死ぬとわかったとき、自分の愛する人をどういう風に手放すかを考えると思うんです」

逆にあかねの立場だったら?

「色々考えますよね。生きるとか死ぬとかということは、ずっと人生を重ねていくとそういう状況に直面していくはずです。その相手が自分の恋人でないとしても。自分だとしたら、というような見方をしながら考えましたね」

実生活において、役作りなどのインスピレーション源となっているものは?

安藤政信
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「浮世絵もそうだし、日本画、油絵や風景もそうだけど、音楽とか聞いたりですね。映画はそんなにたくさんみないし、写真は写真でずっと休み中は撮ってプリントしたり。今回はこんな風に女性を撮ってみようとか、こんなシリーズでやっていこうとか」

2Dのものからインスピレーションを受けることが多いのですか?

「そうかもしれません。『GONIN サーガ』のときも自分の好きな江戸時代の画家の描いた絵を、実際に現場に持っていてイメージを共有したりしました。音楽はサントラだったり、高一の時からニルヴァーナはずっと聞いています」

今回お話を聞いた、安藤政信の号泣演技はもらい泣き必至!『きらきら眼鏡』は2018年9月15日より上映開始です。大事な人がこの世からいなくなってしまう時、あなたはどうしますか?