初長編作品『ミドリムシの夢』完成!【真田幹也監督インタビュー】さらなる野望とは?
初の長編映画『ミドリムシの夢』の真田幹也監督って?
先ごろ、映画『ミドリムシの夢』という作品がクラウドファンディングを使って完成しました。ミドリムシと呼ばれている駐車監視員の男性二人の友情と彼らを取り巻く人々のある一晩の物語です。 夜の新宿を舞台に、ミドリムシの二人、夫婦、恋人、アイドル、マネージャー、ヤクザが巻き起こす人間模様をコメディタッチで描いています。 この作品を監督したのが、「ちちぶ映画祭」にて監督作『オオカミによろしく』がグランプリを受賞したほか、役者として映画『バトル・ロワイアル』や映画『アウトレイジ』などに出演している真田幹也。 これまで、自主製作だけでなく数々の短編映画を作り続けてきた真田監督が、この度、長編映画に初挑戦。作品が完成したところで、映画にまつわるさまざまなお話を聞いてきました!
【はじめに】映画『ミドリムシの夢』とは?
マコトとシゲは民間に委託された駐車監視員の二人組です。彼らは通称・ミドリムシと呼ばれ、車を運転する人間からは疎まれる存在。 マコトは真面目一筋の性格、一方のシゲは適当な性格で仕事も転々としています。ある夜間勤務の新宿で、金銭目的でシゲが駐車違反を見逃そうとしたことで二人の関係はギクシャクすることに。 そんな中、同じ夜の新宿ではさまざまな人間模様が繰り広げられているのでした。夢やぶれ田舎に帰ろうとする若者と中年女性、崖っぷちアイドルとマネージャー、強面の二人組の男たち。 彼らは一見なんの繋がりもないように思えますが、この夜だけは事件が事件を呼び関わっていくことになるですが果たして……。 脚本は演劇女子部ミュージカル『Week End Survivor』などのハロープロジェクトによる舞台脚本などを手掛ける太田善也。主人公のマコトとシゲを舞台で活躍する富士たくやとほりかわひろきが演じ、長谷川朝晴、吉本菜穂子、戸田昌弘などベテラン陣が脇を固めています。
【インタビュー開始!】役者だからこそ見ることのできる現場の風景
役者という仕事をしつつ、監督もやろうと思ったのはどうしてですか?
映画が好きで365日映画の現場にいたいと思ったところ、だったら役者のみんなで映画を作ってしまおうと思ったのが最初です。ただ、普通は作り方がわからないと思うのですが、20代当時、大御所の監督さんの現場に行くことができ、どういう風に映画を作るのか見ることが多かったんです。 照明部はこうやって動いているんだとか、撮影部がこうやって動いてるんだということがわかるようになって、じゃあ自分で監督やってみようかなと動き始めた感じです。
役者と両立しているのはどうしてですか?
自分で作るようになっていったら、だんだん監督のお仕事をもらえるようになってきて、両方やりたいなら今我慢しなくてもいいじゃないかなと思っています。そもそも作品にとって誰が演じたら一番いいのかと考えていて、例えそれが自分でなくてもいい時もあるなと。 役者さんに、自分の演出通りに演じていただけたら、自分で芝居をしていようが他の人が芝居していようが、この体を借りてやっているかやっていないかの違いだけで、ぼくにとっては一緒のことなんです。
これまで作った本数、なんと17本!
監督を始めてからこれまでどんな活動をしてきたのですか?
役者仲間と面白いものを作りたいと始めてから、これまでショートフィルムを16本、今回の長編が1本の計17本を作ってきました。その中でも2本目に賞を意識し、当時開催されていたTBSデジタルコンテストで賞をとった短編映画『セラミド』から、いろいろと広がっていきました。 この後、文化庁の若手映画監督を育成するプロジェクトのndjcの中編を撮らせていただいたというところです。
監督の心に残っている映画祭などありますか?
もうひとつ大きく階段を上がれたのが、2014年に開催された「ちちぶ映画祭」で短編映画『オオカミによろしく』がグランプリを受賞したことです。この映画祭、2018年の開催はないのですが、この時は秩父を舞台にした短編映画の企画を募集するコンペ形式で、応募企画のから選ばれた10作品に10万円ずつ渡して製作した映画の中でグランプリを決めるというものでした。 受賞してからネットでいろいろと広がっていきました。
「オオカミによろしく」(ちちぶ映画祭2014グランプリ受賞) 出演 緒沢あかり 原舞歌 鏑木海智 山岸拓生 杉山ひこひこ 池田貴美子 脚本 松本稔 撮影 島根義明 音楽 田村玄一・千ヶ崎学 監督 真田幹也
オススメの映画祭やコンペなどありますか?
特にこれというのはありませんが、自分のお金で製作したものを出すというよりも、援助金があるところで戦った方が次に続くような気がします。それに、映画祭などに出さなくとも、自分で作ったものをどんどん公開していくこともできます。 そういった場所は2018年現在では、たくさんあるので。もしくは出せる限りの映画祭、コンペに全て出すということでしょうか。
映画を作る中でわかった大事なこと
これまで主に自主製作を中心に映画を作ってらっしゃいましたが、その中で大事だと思うことは何ですか?
まず、自主映画と商業映画の違いは資金を自分で集めるかどうかの違いだけで、映画を作ることに関しては何も変わりません。いずれにしろ大事なことは、何をやるのかという本(シナリオ)、そして、どんなスタッフ・キャストを集めるかということだと思っています。 これは、これまで作り続けてきた結果、そこにいきつきました。
初の長編映画『ミドリムシの夢』にかける想いとは?
『ミドリムシの夢』製作にあたって、いきさつを教えてください。
企画を立ち上げるにあたり、役者仲間がきっかけをくれました。というのも、映画を作ってほしいと熱望されていたからです。 そこで、どんな企画にしようか考えていたところ、街中でミドリムシ(駐車監視員)を見かけて、これなら誰でも知っているし見たことがあるから、感情移入してもらえると思いました。次にプロの脚本家にオファーしました。 舞台で『ら・ら・ら』という作品を見て面白かったんですが、それを書いていた太田善也さんという方です。共通の知り合いに紹介してもらいました。
資金はどうやって集めたのですか?
今までお世話になった人に頼み込み、企画書をもってこういうのをやりたいんですと言いました。今回はそのやり方である程度は集めることはできましたが、足りない分は、クラウドファンディングを使って集めることができました。
これからの展開に向けて
ひとまず作品は完成しましたが、この後はどんな予定ですか?
劇場公開をしたいと思っています。夜の新宿の話なので、新宿をメインとして公開を目指していますが、現在、模索中です。
具体的にどう動いていくのですか?
これからは自分たちでお金を集めたように、自分たちで配給会社を探していきます。もし配給会社が決まらなければ、自主配給も考えています。
今後の新作の予定などは?
来年に向けて仕事としての新作が動いています。楽しみにしていてください。
続けることの大切さ
真田監督のように、役者を続けながら監督業もこなしていくことはとても大変なことだと思います。そんな中、多くの作品を生み出してきました。 どんな状況であっても作る続けることで、次のチャンスにつながっていくのではないでしょうか?この先、新作『ミドリムシの夢』の劇場公開を楽しみにつつ、真田監督のさらなる活躍を期待したいですね 今後の最新情報など随時、掲載されます。こちらもチェックしてみてください。