2019年3月8日更新

『カメラを止めるな』全主要キャスト一覧 表編・裏編で登場人物を紹介

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『カメラを止めるな』のキャストを表裏に分けて一挙に紹介【ネタバレ注意】

2018年に公開された『カメラを止めるな!』。当初は2館という小規模での公開でしたが口コミで評判となり、低予算映画ながら累計300館を越える劇場で上映されたことで話題となりました。 映画自体は多くの人が見たとは言っても、やはりキャスト陣はもともと有名俳優ばかりというわけではなく、本作がきっかけでその知名度を高めた俳優がほとんどです。本作がきっかけで気になる俳優ができた人も多いのではないでしょうか。 今回はそんな本作の俳優陣を、作品の前半を構成していたゾンビ映画『ONE CUT OF DEAD』とその種明かしとなる作品の後半(以下、裏編と表記します)それぞれで演じていた役を振り返りながら紹介していきます。

この記事には、『カメラを止めるな!』に関する重大なネタバレ情報が含まれています。未鑑賞の方はご注意ください。

監督は上田慎一郎。無名から一躍時の人に

本作でメガホンを取ったのは上田慎一郎監督。本作以前も映画を撮っていたものの話題となる作品はなく、本作の大ヒットがきっかけで一躍注目を浴びた映画監督です。 2018年夏からは上田監督本人のメディアへの露出も増え、『カメラを止めるな!』以外の作品も注目を浴びることとなりました。 本作の見どころの1つは、「30分を越えるワンカットでのゾンビサバイバル」。上田監督自身、当初は「絶対に無理だ、無謀だ」と言われたそうです。しかし、自らを「無謀だと言われることこそやらないとと思う性格」と語る監督は俳優陣と一丸となりこの挑戦を成功させたと言います。 過去の短編作品が「上田慎一郎ショートムービーコレクション」と称して全国上映されたり、一部地域のみで上映する予定だった『たまえのスーパーはらわた』が全国上映されたりと、本作をきっかけに今まで日の目を見ることのなかった作品も広く知られることとなりました。 監督自身、いかだで琵琶湖の横断を試みたところ遭難したり、ホームレス生活を経験したりと様々な人生経験を積んできた様子。2014年に結婚しており、パートナーであるふくだみゆきも様々なアニメ映画を手がける映画監督として活躍しています。

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濱津隆之/主人公・日暮監督役

カメラを止めるな!

本作の前半を構成するゾンビドラマ『ONE CUT OF DEAD』では熱血的で狂気を感じさせる映画監督を演じた濱津隆之。俳優となる以前はお笑い芸人やDJなど職を転々としていたそう。俳優となった当初も舞台を中心に活動しており、本作が初めての映画出演にして初主演映画だったとのことです。

裏編では穏やかで気弱な映画監督を演じる

裏編での濱津の役は、ゾンビドラマ『ONE CUT OF DEAD』を撮影することとなった映画監督。頼まれると断れないような気弱な性格で、反抗期の娘に嫌われないか気を遣うところもある穏やかなキャラクターです。 濱津は本作で2面性を持つ主人公、日暮監督役を務めた際の演技が高く評価され、日本アカデミー賞の優秀主演男優賞を受賞しました。東京スポーツ映画大賞でも“無名の俳優がこの映画を歴史に残した”とその演技は絶賛され、主演男優賞にノミネートされています。

しゅはまはるみ/日暮監督の妻・日暮晴美役

カメラを止めるな  しゅはまはるみ
© ENBU ゼミナール

『ONE CUT OF DEAD』では勇敢で個性的なメイクアップアーティストを演じたしゅはまはるみ。元々は舞台出演をメインに活動していたものの、上田監督との出会いをきっかけに映画出演に興味を持ち、オーディションの結果本作への出演を果たしました。

裏編ではエネルギッシュな母を演じる。「ポンッ」が大評判に

裏編でしゅはまが演じた日暮晴美は、日暮監督の妻にして元女優。役にのめり込みすぎてしまうことがあだとなり女優引退を余儀なくされてしまいましたが、トラブルにより『ONE CUT OF DEAD』に出演することとなります。 彼女が演じた晴美は、夫の仕事によく理解を示しつつも逞しくエネルギッシュな性格を持った「肝っ玉母さん」的なキャラクター。彼女のセリフ「ポンッ」は作品を代表する名ゼリフとなり、ネット上では大きな話題を呼びました。 しゅはまは本作で東京スポーツ映画大賞の助演女優賞にノミネートされました。また、本作での活躍をきっかけにバラエティ番組やテレビCMへの出演も果たし、活動を広げているようです。

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長屋和彰/俳優・神谷和明役

『ONE CUT OF DEAD』で恋人を守るべく奮闘するものの、最後にはゾンビ化し恋人に退治されてしまうイケメン俳優を演じた長屋和彰。脇役としてドラマ・映画出演をメインに活動していたものの、「誰かに見てもらわないと埋もれていってしまう」という焦りから本作のオーディションを受けたとのこと。

裏編で演じたのはこだわりの強いイケメン俳優

長屋は裏編で、売れっ子イケメン俳優の神谷和明を演じました。非常に真面目でこだわりの強い性格で、そのために周囲から浮いてしまうこともあるようなキャラクターです。長屋本人も真面目で演技に対し情熱の強い性格で、上田監督からは「はまり役」と評されています。 事務所に所属しながらも独学で演技を学ぶ彼は、本作の公開当時映画館でアルバイトをしていたそうです。そのためその映画館で本作が上映された際には「アルバイト先で舞台あいさつに立つ」という奇妙な経験をしたとか。

秋山ゆずき/アイドル・松本逢花役

カメラを止めるな 秋山ゆずき
© ENBU ゼミナール

秋山ゆずきは『ONE CUT OF DEAD』ではゾンビと戦い抜き、結局生き残るものの最後には狂ってしまう女優を演じました。全身血まみれになりながら戦う姿が印象的です。 秋山は過去にも上田監督の作品に出演しています。元はアイドル活動やグラビアをメインに活動していたものの、「アイドルよりも女優としての才能のほうがあるのでは」と考えた上田監督により本作のヒロインに推薦されました。

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「よろしくでーす」が口癖のアイドルを演じる

裏編で秋山が演じたのはアイドルの松本逢花。「あたしは大丈夫なんですけど、事務所が……」と数々のNGを出し、「よろしくでーす」という軽いノリのあいさつが口癖な、わがままな印象のキャラクターです。 本作のヒットがきっかけで注目を浴びた秋山は、2018年からテレビドラマやバラエティ番組にも出演しはじめ、2019年にはテレビドラマ『祝!春日、結婚します!〜おまえ!オードリー解散って本気で言ってんのか?〜』でドラマ初主演を果たすことがわかっています。

細井学/俳優・細田学役

カメラを止めるな 細井学
© ENBU ゼミナール

『ONE CUT OF DEAD』では序盤にゾンビ化してしまうカメラマンを演じた細井。2006年にメインとなる活動を舞台から映画へと変え、自主映画を中心に俳優として活動していたそうです。 本作でのコミカルな演技が評価され、2018年に高校生を対象とした映画コンクール「高校生のためのeiga worldcup2018」の審査員にも就任しました。

裏編では苦労も多いベテラン俳優を演じた

裏編で細井が演じたのは、『ONE CUT OF DEAD』のカメラマン役を務めた俳優・細田学。明るい性格ながらアルコールに依存しており、撮影中に飲みすぎでゾンビのような様子になってしまったためにそのままでゾンビを演じることとなりました。 陽気に振る舞う反面で、可愛がっている娘がいるものの自分の酒癖のせいで上手くいっていない、と苦労している様子も見せている細田。細井はそんな彼と似た陽気でひょうきんな性格で、よく場を和ませてくれたと上田監督は語っています。

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市原洋/俳優・山ノ内洋役

カメラを止めるな 市原洋
© ENBU ゼミナール

『ONE CUT OF DEAD』ではゾンビ化したカメラマンに襲われて片腕のないゾンビになってしまう助監督を演じた市原。大きなメガネがトレードマークです。 市原は元々お笑い芸人を志しており、コンビを組んだりライブを行ったりと活動していました。しかしその後俳優へと転向し、短編映画やウェブ広告への出演を重ねていました。長編映画への出演は本作が初めてとなります。

裏編では気弱な俳優に

裏編で市原は俳優・山ノ内洋を演じました。日暮監督や他のキャストに強く出られなかったり、本番中に悪酔いした細田に吐瀉物をかけられてパニックになってしまったり、気弱な性格のようです。 市原自身神経質で真面目な性格で、キャスト陣の中ではいじられキャラだったと上田監督は語っています。日暮監督の娘・真央役の真魚とケンカして泣かされてしまった事もあるとか。市原もまた、本作がきっかけで注目を浴び、バラエティ番組やCMでも活躍し始めています。

山﨑俊太郎/俳優・山越俊助役

『ONE CUT OF DEAD』ではなぜかゾンビのいる外に出ていってしまい、やはりゾンビ化してしまう音声スタッフを演じた山﨑俊太郎。坊主頭が特徴的です。 山﨑自身10年ほど前から俳優を志し、様々な養成所に所属したそう。なかなか認められず挫折したこともある、と語っていますが本作のブレイクがきっかけで知名度を高めました。

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裏編では面倒くさい俳優を演じる

裏編で山﨑が演じたのは、俳優・山越俊介。事前にスタッフに細かい条件を指定したメールを送ったり、「僕軟水じゃないとお腹壊しちゃうんですけど」とADに文句を言ったり、細かく面倒くさい性格です。 本番中彼は誤って硬水を飲んでしまったためにお腹を壊してしまい、音声スタッフ役として座っているべきなのに外に出ていってしまいました。そのトラブルから俳優たちはさまざまなアドリブをすることとなります。 上田監督によると、山﨑も山越と少し似て、つかみどころのない不思議な性格だとのこと。山﨑の演技に対し、「毎回違う演技を見ることができて新鮮」と語っていました。

真魚/日暮監督の娘・日暮真央役

カメラを止めるな!

日暮監督の娘・真央は映画監督を志す少女。しかしこだわりの強さと情熱が空回りして失敗ばかりでした。そんな中、父の作品『ONE CUT OF DEAD』の撮影現場の見学に行ったところ、まさかのトラブルのために裏方として活躍することとなったのです。

そんな真央を演じたのは女優の真魚。エキストラ女優などを経て、フリーでの活動を開始しました。そこで本作のオーディションに参加したところ、見事真央役に抜擢。本作で長編映画への初出演を果たすとその演技が高く評価され、所属事務所も決定したようです。

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大沢慎一郎/プロデューサー・古沢真一郎役

『ONE CUT OF DEAD』のプロデューサー・古沢真一郎を演じた大沢慎一郎。日暮監督を『ONE CUT OF DEAD』の監督に推薦した本人であり、高いプロ意識を持っている反面でかなり適当な性格です。 大沢は過去に自主映画『ロスト・バイ・デッド』や映画『DIVIDE』などに出演した経験があり、それぞれ準主役・主役を務めました。それらの作品は日本国内ではあまり注目されなかったものの海外では話題となり、大沢は注目の若手俳優として知名度を高めたようです。 そんな大沢でしたが本作のヒットがきっかけで、国内からも注目される俳優となりました。上田監督は演技経験も積んでいる彼のことを「安定したお芝居をしてくれる」と評しており、信頼を寄せているようです。

竹原芳子/プロデューサー・笹原芳子役

カメラを止めるな
© ENBU ゼミナール

大沢が演じたプロデューサー、古沢の上司でありプロデューサーの笹原芳子。超が付くほど適当な性格で、その特徴的なルックスと早口の関西弁、高い声が強烈に印象に残ったという人も少なくないはずです。そんな彼女は舞台女優として活動していた竹原芳子が演じました。

もとは一般企業の営業職や臨時裁判官など、女優ではなく一般社会人として生活していた竹原。ある時落語を習い始めたことから芸能の魅力に目覚め、お笑い芸人や落語家を目指すも上手くいかなかったそうです。 その後舞台女優としてデビュー(初めて演じたのは蛾だったそうです)。本作で映像作品への初出演を果たしました。 本作での竹原の出番は決して多くはありませんでしたが、その強烈なインパクトは多くの鑑賞者の記憶に残り、上田監督自身も「彼女のインパクトがすごかった」「どこから連れてきたんだ」という声が絶えなかったと語っています。 彼女もまた本作での演技が高く評価され、様々なテレビ番組への出演を果たしたほか、劇団24区への所属が決定しました。それを機に、芸名を落語家を目指していた頃の「どんぐり」に戻しているようです。

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吉田美紀/監督助手・吉野美紀役

『ONE CUT OF DEAD』のADの1人、吉野美紀はいつもかぶっている帽子がトレードマーク。やや大人しい性格で、途中でトラブルに対処できずにいるところを真央に助けられます。 そんな彼女を演じたのは吉田美紀。本作を制作したENBUゼミナールの作品には以前から出演していたものの、長編映画への出演は本作が初めてのことです。過去には自らが企画から出演までを担当したセルフドキュメンタリー『たどり着いたらいつも名残酒』を制作したこともあります。 2019年、吉田は俳優の我修院達也がメガホンを取る映画に出演予定とのことです。

合田純奈/監督助手・栗原綾奈役

『ONE CUT OF DEAD』のもう1人のAD栗原彩奈。彼女はADとしてはまだ新人の設定です。細かい注文をつける俳優、山越にしつこく文句を言われてひるんでしまう場面もあります。 そんな彼女を演じた合田純奈は俳優としての経験が全くありませんでした。「映画のエンドロールに名前を載せたい!」とオーディションに応募したところ、合田の不器用さや自然さが気に入った上田監督により抜擢されたそうです。 なお、今後合田が映画に出演する予定はなく、現在は社会人として働いているそうです。

浅森咲希奈/撮影助手・松浦早希役

『ONE CUT OF DEAD』では撮影助手を務めていた松浦早希。こんなカメラワークがしたい、とカメラマンに主張するも相手にしてもらえず、腰を痛めているカメラマンに代わって、ワンカットの『ONE CUT OF DEAD』のオペレーターをかってでるもだめだと言われてしまいます。 しかし撮影中、秋山演じる松本が山ノ内ゾンビから逃げ惑う際に、彼女の脚がカメラマンの腰を直撃。動けなくなってしまったカメラマンに変わり、松浦が撮影をすることになったのです。 やりたいことをやりたい!と主張する明るく努力家な松浦を演じたのは浅森咲希奈。ご当地アイドルとして活躍していた浅森は、本作以前にも映画出演経験があるそうです。演じた松浦とそっくりな元気の持ち主だという浅森の今後の活躍が楽しみです。

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『カメラを止めるな』は魅力的なキャストなしでは語れない

カメラを止めるな!

2部構成で「ネタバレ厳禁」の話題作となり、2018年の流行語大賞にもノミネートされるほどの人気を博した『カメラを止めるな!』。そのヒットがきっかけで所属事務所が決まったり、次の出演作が決まったりするなど、一気にステップアップした俳優も多かったようです。 今回はそんな俳優陣を、本作で演じた2種類の役柄と合わせて紹介しました。どの俳優についても、今後の活躍が楽しみです。