「鉄血のオルフェンズ」が名作である理由を解説!そして物語は「ウルズハント」へと続く【ガンダム】
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』は「ウルズハント」へと続いていく、その全容とは?
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』は、「ガンダム」シリーズの1作品として、2015年から2017年にかけてアニメが放送されました。長年愛されている同シリーズのなかでも、他作品と一線を画す設定や作風が話題に。 公式外伝にあたる漫画「鉄血のオルフェンズ 月鋼」や、アニメ本編を漫画化した作品も発表されています。さらにアプリ「ウルズハント」の制作も決定。アニメスタッフが再集結するとあって、アニメ本編とともに注目を集めています。 今回は本編のあらすじをネタバレありで解説するので未視聴の読者はご注意を。さらに、アプリの最新情報などもまとめて紹介します。
「鉄血のオルフェンズ」のあらすじを振り返り【ネタバレ】
少年たちの鉄華団(てっかだん)が懸命に生きる!アニメ1期あらすじ【ネタバレ】
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— 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ (@g_tekketsu) December 15, 2018
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主人公の三日月・オーガスと彼の兄貴分オルガ・イツカは、火星にある警備会社で働いている少年です。ここで働いているのは、孤児やヒューマンデブリとして売られてきた子どもたち。彼らは、理不尽な扱いを受けながら、今日を生き抜くために働いていました。 ある日彼らは、火星独立を指揮する少女クーデリア・藍那・バーンスタインの護衛任務を担当することに。しかし、そこでギャラルホルンの襲撃を受けます。ギャラルホルンは地球を母体とする統治組織で、彼女を亡き者にしようとしたのでした。 これに三日月たちはモビルスーツガンダム・バルバトスを起動させ応戦。さらに、警備会社の大人たちにクーデターを起こします。そして、少年だけの組織・鉄華団(てっかだん)を設立するのでした。 鉄華団は大企業テイワズへの加入や、宇宙海賊ブルワーズとの交戦などを経験。同時に、クーデリアの地球への護衛任務を続行します。 地球へ降り立つ前に寄港したコロニーで、大規模なクーデターに遭遇する鉄華団。ギャラルホルンによる虐殺ともいえる鎮圧が行われ、クーデリアはその現実をコロニーから地球へ生中継で訴えます。
生中継の影響で身動きが取れなくなった鉄華団。そこにモンタークと名乗る仮面の男が支援を申し出ます。彼の正体はギャラルホルンの特務三佐マクギリス・ファリドでした。 地球降下後、クーデリアはアーブラウの元代表・蒔苗東護ノ介(まかないとうごのすけ)と対談。これにより、エドモントンの全体会議に彼を連れていくという新たな任務が発生します。しかし、鉄華団は敵の追撃を受け、鉄華団の参謀ビスケット・グリフォンが命を落とすのでした。 ビスケットの死で失意の中にいるオルガを三日月が叱咤激励。立ち直ったオルガは、エドモントンでのギャラルホルンとの直接対決に向かいます。鉄華団は多くの仲間を失いながらクーデリアと蒔苗を全体会議に送り届け、蒔苗が代表選挙で勝利するのでした。
戦いの末、鉄華団が行き着いた結末とは?2期あらすじ【ネタバレ】
「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」第31話『無音の戦争』先行カット紹介その6です!地球での騒動を静観するラスタル陣営。その中でこの仮面の男、ヴィダールは何を思う?(制作P) #g_tekketsu pic.twitter.com/CMuCqo5psF
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エドモントンでの戦いから2年後。鉄華団はアーブラウの軍事顧問となり、いまや地球にも支部を置く大企業へと成長していました。一方、クーデリアは火星でアドモス商会を立ち上げ、鉄華団の協力のもと孤児院や小学校の設立に尽力しています。 急成長を遂げた鉄華団は良くも悪くも名を上げることに。宇宙海賊に襲われるなどの苦難が続きます。しかし、三日月が新たに手にしたガンダム・バルバトスルプスの戦力で敵を壊滅させていくのでした。 一方、ギャラルホルン内部は組織改編を押し進めるマクギリス一派と、それに疑問を抱くアリアンロッド艦隊が次第に対立していくことに。マクギリスと協力関係にある鉄華団も、アリアンロッド艦隊から引き続き攻撃対象とされます。 鉄華団の活躍やギャラルホルン内部の対立、それに伴う各組織の対立などが次々と勃発。混迷を極めていく宇宙情勢に、鉄華団もまた翻弄されていくことに――。
他の「ガンダム」シリーズとは一線を画す作風
「ただ日々を生きる」ことに焦点を当てた作風
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主人公たちが立ち上げる鉄華団に所属しているのは、孤児やヒューマンデブリとして大人に搾取されてきた少年少女たちです。彼らは自分たちが生き抜いていくために戦うことを選択します。つまり、能動的に戦っているのです。 従来の「ガンダム」シリーズでは、主人公は争いに巻き込まれる形で戦いに身を投じていくことがほとんどでした。その点が大きく異なっているといえるでしょう。 鉄華団が生きるために戦っている、というのを印象づけるのが日常シーンの多さです。平時の状態が丁寧に描かれ、彼らがこの生活を守っていくための戦いであることが伝わってきます。
頑丈なモビルスーツを採用
【商品情報】明日2/18(土)発売!「ガンダム・バルバトスルプスレクス」が早くも1/100フルメカニクスに登場!初回限定SP台座と鉄華団マーキングシールが付属しています!(広報はる)#g_tekketsu #ガンプラ https://t.co/is4EICpYqm pic.twitter.com/T5qvbWooJX
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「鉄血のオルフェンズ」に登場するモビルスーツの特徴は、なんといっても頑丈な点です。長井監督の意向により、モビルスーツ同士で戦ったとしてもそう簡単には壊れない装甲が採用されています。 そのため、シリーズの他作品やロボットアニメでよく観られる、攻撃を受けた機体が煙を上げながら爆散するというシーンはありません。 また、特殊装甲ナノラミネートアーマーという設定があります。これはビーム砲をも防ぐ防衛力を誇るもの。このため、他作品では攻撃の要となるビーム砲はほとんど使われることがないのも特徴的です。
散りゆく命......、その結末に賛否両論
「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」第38話『天使を狩る者』先行カット紹介その2です!エドモントンでグレイズ・アインと対峙した際と同様、バルバトスの力を引き出す三日月。「ー俺の全部はオルガのために使わなくちゃいけないんだー」(制作P) #g_tekketsu pic.twitter.com/qf7R0LAHJO
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「鉄血のオルフェンズ」においては善悪の境界線が他の作品に比べて曖昧です。鉄華団側もときに非情な攻撃をするなど、どちらが絶対的な悪とは言い切れない作品に仕上がっています。 さらに少年兵として戦う鉄華団の団員たちは、元々の出自もあってかどこか自己犠牲的といえるでしょう。家族=鉄華団が助かるなら自分の命なんて、といった態度も見え隠れします。その結果、いくつかの命が失われてしまうのです。 すっきりする勧善懲悪の結末というよりも、それでも進んでいく、生きていく鉄華団の姿が印象的な最終回。この結末には放送当時、賛否両論が巻き起こりました。
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』屈指の名言を紹介
「ねぇ、次はどうすればいい、オルガ?」(三日月・オーガス)
「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」第50話『彼等の居場所』先行カット紹介、画的にはこれがラストです。
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「絶対にたどりつく…オルガの目指した場所へ…!」(制作P) #g_tekketsu pic.twitter.com/vsMuCKdwq1
第1話から何度も登場する主人公三日月のこのセリフ。一見、三日月自身の意思がないようにも思えるセリフですが、それほどまでに三日月にとってはオルガの決定がすべてなのです。 オルガが望むことをしたい、という痛いほどまっすぐな思いのこもったこのセリフは、2期のクライマックスといえるシーンでも登場します。この作品を語るうえで欠かせないシーンでしょう。
「あの目に映る俺は、いつだって最高に粋がって、カッコいいオルガ・イツカじゃなきゃいけねぇんだ」(オルガ・イツカ)
「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」第48話『約束』先行カット紹介その3です。生き抜く希望が見えた矢先にギャラルホルンに包囲された鉄華団。団長オルガ・イツカはどう動く?(制作P) #g_tekketsu pic.twitter.com/YktX1p3HJ4
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1期第6話で登場するオルガのセリフです。ここで彼が言っている「あの目」とは三日月のこと。三日月にとってカッコいい兄貴で居続けること、それこそがオルガの存在理由だと分かる大切なシーンです。 彼は鉄華団のリーダーとして大きな重圧を背負っていくことになります。彼自身もまだ大人ではないのに、たくさんの命を背負っていくのです。その原動力となっているものこそが三日月といえます。
「いや、鉄の華だ。決して散らない鉄の華」(オルガ・イツカ)
「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」第22話『まだ還れない』先行カット紹介その7、今回のラストです。自らを庇い目の前で力尽きた相棒。伝えたかった思い、交したかった会話。鉄華団のこれからを…。(制作P) #g_tekketsu pic.twitter.com/DypUYoS2aa
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1期第3話に登場するこのセリフは、大人たちから使い捨ての駒のように扱われていた彼らが鉄華団として立ち上がったシーンのもの。「鉄華団」という名前を命名した際にオルガが語った言葉です。 仲間という言葉でくくるのでは足りないほど、身寄りのない彼らは本物の「家族」でした。その絆を誰よりも大切に思っているオルガだからこそ付けられたこの名前なのでしょう。
「一度手にした力は、手放しがたいものなのさ、人類というものは。たとえそれが自らを滅ぼす力であったとしても」(マクギリス・ファリド)
「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」第43話『たどりついた真意』先行カット紹介その2です。テイワズとの関係を失った鉄華団にとって、より重要な存在となったマクギリス・ファリド。彼の真意が遂に明かされる?(制作P) #g_tekketsu pic.twitter.com/lVe2pnhwTA
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第1話に登場したマクギリス・ファリドのセリフです。この段階ではまだ彼の悲惨な生い立ちや、ギャラルホルンへの思いなどは明かされていません。 しかし、話が進み彼の目論見が明らかになってからこのセリフを振り返るととても印象的な内容だったことが分かります。彼にとっての「力」とはなんなのか。そんなことを考えさせられるセリフです。
「幸せに、本当と偽物があるのか?」(マクギリス・ファリド)
「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」第47話『生け贄』先行カット紹介です。鉄華団と共に火星へと敗走してきたマクギリス・ファリド。当てにしていた火星支部からの対応にこれからどう動く?(制作P) #g_tekketsu pic.twitter.com/CWvqt6N0IM
— 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ (@g_tekketsu) March 10, 2017
名家の養子ということになっていたマクギリスですが、その出自は孤独に満ちたものでした。歪な環境下で育ってしまったマクギリスは、本物の愛というものを知らずに育ったのでしょう。 そのことがうかがえるのが、2期に登場するこのセリフです。彼の奥に潜む心の闇を垣間見ることができる名シーンのひとつ。
監督は長井龍雪(ながいたつゆき) 「あの花」や『とらドラ!』を手掛けた名監督
「鉄血のオルフェンズ」を手がけたのは長井龍雪(ながいたつゆき)監督。『とらドラ!』(2006年)で注目を集め、自身初のオリジナルアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(2011年)で一躍話題の監督となりました。 上記の作品はいずれも、登場人物の心の揺れ方がドラマチックに描かれているシーンが印象的です。 「鉄血のオルフェンズ」に登場する主人公の三日月は、感情表現が豊かではないキャラクター。しかし、いざというシーンで出てくる三日月の感情の描写にはぜひ注目してみてください。 どのキャラクターも感情が揺れ動く際の見せ方が巧妙で、思わず感情移入してしまう作りになっています。
スピンオフ「ウルズハント」へと続く そのストーリーは?
鉄華団の戦いの裏で一体何が起きていた?金星を舞台としたもう1つの物語
スマートフォンアプリでの新展開決定!アプリオリジナルモードではTVシリーズのキャラクターが登場予定。さらにスピンオフ作品『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ウルズハント』がお楽しみ頂けます! https://t.co/3obPCijGel #g_tekketsu #ウルハン pic.twitter.com/BQIWFLRNuv
— 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ (@g_tekketsu) January 6, 2019
公式スピンオフとしてアプリ「ウルズハント」のリリースが発表されています。「ウルズハント」の舞台は、鉄華団が拠点とする火星ではなく金星です。時系列では、本編アニメ1期の終盤に起こるエドモントンでの戦いによって鉄華団が功績を上げた頃。 金星は罪人の流刑地となっており、そこにあるコロニーでの物語がゲームと映像によって展開していくとのこと。プレイするモードによってはアニメに登場したキャラクターたちも登場予定となっています。 スタッフには長井監督や脚本の岡田麿里をはじめアニメ版を手がけた顔ぶれが集結。「鉄血のオルフェンズ」ファンから注目を集めています。
少年たちが命を燃やすアニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』が熱い!3期や新展開に期待
「鉄血のオルフェンズ」アニメ1期・2期の内容を中心に、「ウルズハント」の情報などを振り返りました。いままでにない結末を迎えた「鉄血のオルフェンズ」。内容からしても3期制作は難しいかもしれません。 しかし、今後も「ウルズハント」のようなスピンオフ作品での展開に期待が高まります。まだ観たことがないという方も、アプリをきっかけに気になったという方も、ぜひ一度はアニメ本編を鑑賞してみてください。その熱い命のやり取りに心動かされるでしょう。