2019年11月24日更新

父子を描いた感動の良作映画5選 すれ違いや確執、痛いけど愛を感じる親子の物語

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読まれなかった小説
© 2018 Zeyno Film, Memento Films Production, RFF International, 2006 Production, Detail Film, Sisters and Brother Mitevski, FilmiVast, Chimney, NBC Film

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父子を描いた感動作5選!時代を超えて心に染みる良作を紹介

読まれなかった小説
© 2018 Zeyno Film, Memento Films Production, RFF International, 2006 Production, Detail Film, Sisters and Brother Mitevski, FilmiVast, Chimney, NBC Film

シェイクスピアの時代から、小説や演劇で繰り返し題材となってきた普遍的な「父と息子」の物語。ある時は息子の視点から、そしてある時は父親の視点から。映画でも同様に、父と息子、その繊細な関係は様々な角度から描かれてきました。 この記事では、戦前の名画からハリウッドのSF、ファンタジーまで、時代や国境ジャンルを超えて父子の確執や絆、愛を描いてきた映画を紹介します。

1.憎しみは時に、父子の愛情を超える

『父、帰る』(2004年)

発表する作品全てが世界三大映画祭で評価されているロシアの巨匠、アンドレイ・ズビャギンツェフ衝撃のデビュー作です。 音信不通だった父親の12年振りの帰郷に戸惑う兄弟。高圧的な態度の父は、アンドレイとイワン、ふたりの兄弟を連れて旅に出ます。父は息子たちを愛することはなかったのか。父が亡くなった後、兄弟は車のダッシュボードにふたりが幼い頃に撮った写真を見つけ……。 時に愛情を超えて憎しみが勝ることもある父子の関係。その憎しみは悲劇に向かうのか、和解に至るのでしょうか。頑なに父親を受け入れることができない、物悲しげなイワンの視線が映画全体を貫き、そしてその悲しみに満ちた視線が観るものの胸を打ちます。

2.時空を超えた父子の邂逅

『フィールド・オブ・ドリームス』(1990年)

『フィールド・オブ・ドリームス』ケビン・コスナー、エイミー・マディガン
©︎ UNIVERSAL / MELINDA SUE GORDON/zetaimage

1990年公開、アカデミー作品賞にノミネートされた『フィールド・オブ・ドリームズ』。 マイナーリーグでプレイした事がある野球好きな父と若い頃に口げんかし、家を飛び出した息子。彼はそのまま和解することなく父が亡くなってしまったことを悔やんでいました。 農場を構え、トウモロコシを作って暮らしていたある日、「それを作れば、彼はやってくる」という声が聞こえてきます。それに従うようにトウモロコシ畑を切り開き野球場を作ると奇跡が起こり始め――。 いつまでも忘れることができない父との軋轢。その苦い思い出は生涯にわたり禍根を残します。映画は、その苦さを乗り越えるための方法を、いつの時代も、ジャンルを超えて提示してきたのかもしれません。

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3.同じ職業を選んだ父子は宇宙の深奥で対峙する

『アド・アストラ』(2019年)

ブラッド・ピット『アド・アストラ』
©️Supplied by LMK/zetaimage

2019年公開、ブラッド・ピッド主演のSF映画『アド・アストラ』。 主人公ロイ・マグブライドは、宇宙で活躍する英雄としての父の姿を見て育ち、自らも宇宙での仕事を選びます。しかし、父は地球外生命体を探索する宇宙船に乗ってから16年後、43億キロ離れた太陽系の彼方で行方不明になっていました。 地球に危機が迫るなか、存亡の鍵を握る存在である父を探しに息子は宇宙の奥深くへ旅立ち――。 憧れ、そして誇りだった父が地球の存亡を脅かす“敵”になっているかもしれないと知らされた息子。たどり着いた深い宇宙で、ブラッド・ピット演じる息子は、トミー・リー・ジョーズ演じる父と対峙することになります。

4.すれ違う父と子。その愛情は時代を超えて結ばれる

『父ありき』(1942年)

1942年公開、小津安二郎監督の『父ありき』。渓流で並んで釣り糸を垂れる父と子の場面は、小津作品の中でも屈指の名シーンとして知られています。 母親を亡くし、金沢で暮らす父と子。父は中学校の教員をしていましたが、修学旅行中に教え子が事故死したことの責任をとって父子ともども郷里に帰ります。しかし、息子の教育のために東京に働きに出ることを決意し、父子別々の生活を選ぶことに――。 別れの前に父子は並んで釣り糸を垂れます。父と子が寸分違わぬ動きで釣り糸を投げ、それが川を流れる。世界中の映画監督から尊敬の念を集めてきた小津が父と子の深い愛情と、その後のすれ違いを象徴的に描いています。

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5.誰にも読まれなかった小説が父子の絆をつなぐ

『読まれなかった小説』(2019年)

読まれなかった小説
© 2018 Zeyno Film, Memento Films Production, RFF International, 2006 Production, Detail Film, Sisters and Brother Mitevski, FilmiVast, Chimney, NBC Film

映画『雪の轍』で第67回カンヌ国際映画祭パルムドール大賞を獲得した他、世界中で93の賞に輝く世界的巨匠監督ヌリ・ビルゲ・ジェイラン。そんな監督が、知人父子の物語に魅了され、自身の人生も反映させて作り上げた映画がこの『読まれなかった小説』です。 シナンの夢は作家になること。大学を卒業し、トロイ遺跡近くの故郷へ戻り、処女小説を出版しようと奔走しますが誰にも相手にされません。シナンは、引退間際の教師の父と相容れない関係でした。 決して交わらぬように思えた父子の気持ち。しかし、誰も読まなかったシナンの小説がふたりを繋ぐことになります。