2019年11月28日更新

『冴えない彼女の育てかた』はどんな物語?ラブコメの金字塔のあらすじをネタバレありで解説!

冴えない彼女の育てかた

『冴えない彼女の育てかた』は2度のアニメ化、2019年には映画化がされた、富士見ファンタジア文庫から刊行されているライトノベルが原作の作品。ゲーム作りへの情熱や恋の様子が見どころの作品について、どんな物語なのかをネタバレありで紹介します。

目次

『冴えない彼女の育てかた』とは?

「冴えカノ」の愛称で親しまれている『冴えない彼女の育てかた』は、富士見ファンタジア文庫から刊行されているライトノベル作品です。 シナリオライターの丸戸史明とイラストレーターの深崎暮人によって手掛けられており、2012年7月に第1巻が発表されて以来、本編13冊と短編集7冊が刊行されました。 2015年と2017年にはTVアニメが放送され、2019年には完結編となる劇場版も公開。その他にもコミカライズ化やゲーム化など、多方面でのメディアミックスがされ、多くのファンを獲得するに至りました。 シリーズ累計発行部数も300万部(2019年9月時点)を突破するなど、ラブコメジャンルの金字塔とも言える作品が『冴えない彼女の育てかた』です。

『冴えない彼女の育てかた』のメインキャラクターを紹介!

「冴えカノ」の登場人物はあまり多くありません。だからこそ、限られたキャラクターたちによる物語は深く、主人公を巡るヒロインたちの争いが濃密に感じるはずです。 ここでは『冴えない彼女の育てかた』に登場するキャラクターたちから、重要な人物を4人紹介。彼らを中心に物語が展開されていき、青春や恋に奔走していく様子から目が離せません。 どんなキャラクターなのか、性格だけでなく特徴や作中での役割を簡潔にまとめていますので、ぜひチェックしてみてください。

安芸倫也(あきともや)

主人公である安芸倫也は大好きなアニメやゲームを買うため、アルバイトに精を出している男子高校生。 好きな作品を布教するためには苦労を厭わない生粋のアニメオタクですが、未成年であるがゆえ、絶対に18禁作品には手を出さないという矜持を持っています。ほかにも転売やマナーを守るなど、真面目な性格であることが窺えます。 アルバイトをしていたある日、桜が舞う中で加藤恵と出会い、彼女を題材にしたゲームを作ろうと決心。そのために幼馴染で有名同人作家の澤村・スペンサー・英梨々、優等生の先輩で新人ライトノベル作家の霞ヶ丘詩羽に声をかけました。 そしてゲームサークル「blessing software(ブレッシングソフトウェア)」を立ち上げ、恵をメインヒロインにした作品「cherry blessing〜巡る恵みの物語〜」の制作に向けて動いていきます。

加藤恵(かとうめぐみ)

「冴えカノ」のヒロインであり、安芸倫也が作るゲームのメインヒロインでもあるのが加藤恵です。 ビジュアルはかわいいと綺麗が同居した容姿で、それ以外には目立った特徴を持っていない女の子。印象も薄いため、倫也も教室で彼女の存在を認識しておらず、さらには坂の上で出会ったことすら覚えていませんでした。 オタク文化とは無縁の1人でしたが、執拗な説得と勧誘により、半ば強引な形で「blessing software」に加入。オタク知識も皆無でしたが、サークル活動を通じて多少は知識を身につけていきます。 またサークル活動についても、だんだんとのめり込んでいきました。活動当初こそオタク文化に抵抗感などを示していましたが、倫也の家に泊まり込みで作業をしたり夜食を作るだけでなくお風呂を借りたりなど、2人で過ごす時間が当たり前になっていきます。

澤村・スペンサー・英梨々(さわむら・すぺんさー・えりり)

イギリス人の父親と日本人の母親を持っており、小柄で金髪のハーフ美少女が澤村・スペンサー・英梨々。 学校では美術部に所属しており、市の展覧会で入選するのほど実力を持っていて、高嶺の花として振る舞っています。しかし本性は同人イラストレーターでオタクです。 売れるという理由で18禁イラストばかりを描いていますが、決して手を抜くことなく高いクオリティで作品を手がけている彼女は、幼馴染である倫也に誘われて、「blessing software」にイラストレーターとして参加することに。 倫也とは小学生の時から関係が少し疎遠でしたが、また仲良くできると思うなど、たびたび浮かれている様子が見られます。そんな彼女は倫也に好意を寄せている1人で、犬猿の仲である霞ヶ丘詩羽とは火花を散らしていくのでした。

霞ヶ丘詩羽(かすみがおかうたは)

安芸倫也の1学年先輩で、入学してからトップの成績を修め続けているのが霞ヶ丘詩羽。 容姿端麗でスタイル抜群、さらに黒髪ロングの美人であるため、下級生から憧れのまなざしを集めていますが、彼女もまたオタクの1人です。新人ライトノベル作家として活動しており、処女作「恋するメトロノーム」は大賞に選ばれたほど。 「blessing software」にシナリオライターとして参加しており、倫也を「倫理(りんり)君」と呼んでは、初心な彼の気持ちを持て遊んでいる様子が見られます。他にも爆弾発言を放ち、そのたびに澤村・スペンサー・英梨々と衝突することが珍しくありません。 彼女もまた倫也に好意を寄せている1人で、新人作家としてサイン会を開いたのが彼との出会い。普段こそクールに振る舞っていますが、サークル活動中はしばしば取り乱す様子もあり、特に加藤恵には彼を手中に収めるチャンスをことごとく潰されています。

「冴えカノ」第1巻のあらすじをネタバレ紹介!

アニメグッズを買うためアルバイトに精を出していた安芸倫也は、春休みに桜が舞い散る坂の上で1人の少女と出会います。その光景に直感的なものを感じて、彼女を題材にしたゲームを作ろうと決意しました。 それから1か月が経ちますが、進捗は停滞したまま。そんな時に名前も顔も知らなかったクラスメイト・加藤恵から声をかけられます。 倫也は彼女に対してなにも印象を持っていませんでしたが、春休みで坂の上で会ったことを話されます。運命の再会に感動すると同時に、地味な彼女を見てガッカリしますが、一緒にゲームを作らないかと勧誘するのでした。 恵はオタク文化に親しみがないため、倫也が何を言っているのか分からず聞いていましたが、3日後には「することがないから」という理由で承諾しました。まずは彼女にヒロインの何たるかを説明すべく、ギャルゲー合宿から始めることに。 かくして、倫也が理想とするゲーム作りが幕を開けていきます。

最強ヒロインの英梨々と詩羽

ゲームを作ろうとするも、倫也はイラストもシナリオも書けません。そのために、幼馴染で同人イラストレーターの澤村・スペンサー・英梨々、先輩で新規新鋭のライトノベル作家である霞ヶ丘詩羽に声をかけます。 2人とも学校で知らない人がいないほどの有名人。また同時に、倫也に好意を寄せている人物でした。 倫也はクリエイターである彼女たちを勧誘しますが、OKをもらうことができません。しかし恵の協力によって、2人の加入が決定します。 英梨々と詩羽はヒロインの中のヒロインです。かたや金髪ハーフの美少女であり、かたやスタイル抜群の黒髪美人であるため、恵の存在が霞んでしまいます。 2人は意図的に魅力的なヒロインとして作られています。だからこそ、恵のキャラが立っているとも言えますので、これからどのようにメインヒロインへと成長していくのかに注目せざるをえません。

「冴えカノ」第2巻のあらすじをネタバレ紹介!

倫也の閃きによって立ち上げられたゲームサークルですが、具体的なスケジュールや予算が組まれておらず、集められた英梨々と詩羽は文句を言いはじめます。 それでもクリエイターとして活動している彼女たちは、具体的な指示がないものの、キャラクターデザインとプロットをひと通りの形に仕上げるのでした。 しかしプロデューサー兼ディレクターである倫也は、具体的な内容を示さずに修正するよう指示をします。理由なくダメ出しをされたことから、当然2人は不満を募らせていくことに。 倫也は再び2人との距離を作っていきますが、詩羽のプロットの物足りなさに気づきます。急いで彼女の元に駆けつけると、2人は試行錯誤を重ねた末、ようやく理想的なプロットを完成させるのでした。

密かに活躍している恵

倫也が具体的な修正指示を出せるようになったきっかけは恵とのデートでした。2人はショッピングモールに出かけて、ゲーム制作とは無縁の時間を過ごします。 それまでオタクの世界にのめり込んでいた彼ですが、馴染みのない日常に触れたことでプロットに足りない部分を発見することに。一方でキャラクターデザインも難航していましたが、倫也に不満を覗かせる恵を見て、英梨々は特徴をつかむのでした。 また、デート中の2人は彼氏彼女のようなやり取りを繰り広げていきます。その途中で倫也は詩羽の元へと向かうことに。それはゲーム制作を優先したこともありますが、恵を好きになってしまいそうだったことも理由の1つでした。 恵の行動が意図的なものかはさておき、さり気なく眼鏡屋に入って彼にプレゼントを送り、倫也もまた彼女に帽子を贈るシーンは、さながらリア充と言えるでしょう。

「冴えカノ」第3巻のあらすじをネタバレ紹介!

1学期の終業式、倫也は持っているオタク知識や精神をたたき込んだ後輩の波島出海(はしまいずみ)と再会します。彼女は夏コミに参加する予定で、チケットを渡すために会いに来たのでした。 そこに出海の兄である波島伊織(はしまいおり)も現れ、主宰するサークルに英梨々を引き入れようと勧誘。しかし彼女は断り、自身のサークルの作業の合間を縫って、倫也のゲームの原画制作を進めていきます。 倫也は、英梨々と出海が参加しているサークルの様子を観察するため、コミケにやってきました。そこで出海が作ったイラストを素直に褒め、それを見た英梨々は嫉妬して距離を置こうとします。 コミケが終わると2人は仲直りをしますが、クリエイターとしてのプライドに火が付いて、英梨々は出海に宣戦布告。同時に倫也は自分たちのサークルに「blessing software」と名付け、冬コミに出展の申し込みをします。

英梨々と仲直りさせる恵と詩羽

コミケの一件で、倫也と英梨々の関係が悪くなってしまいます。そこで間を取り持ってくれたのが、恵と詩羽の2人でした。 詩羽はギャルゲー攻略に喩えながら、彼にどうするべきなのかを伝えていきます。オタク同士である2人ですから、この方法が一番分かりやすかったのでしょう。 そして恵は、普通に英梨々との仲直りをするように言います。同時に英梨々と出海の仲直りもさせること、そして英梨々がサークルから抜けないように説得していくことと、次々に解決すべき問題を提示していくのでした。 最後には「安芸くんが考えたゲームを完成させること」と言っており、それは倫也が望んでいる全てです。一つも外すことなく言い当てていますので、恵がどれだけ彼を理解しているのかが見えてくる部分になっています。 また、サークル名が決定したのも彼女がきっかけです。「blessing=恵」ですから、倫也は無意識に恵を意識しているのも窺えるでしょう。

「冴えカノ」第4巻のあらすじをネタバレ紹介!

ゲームのシナリオ制作、そしてキャラクターデザインも順調に進んでいました。しかしそれ以外は未着手の状態で、そのことを指摘されてしまう倫也。 そんな時に従姉妹の氷堂美智留が転がり込んでくることに。バンド活動を認めてもらえず家を飛び出してきた彼女は部屋でギターをかき鳴らしていましたが、倫也は彼女の演奏する音楽を聴いて、サークル活動に勧誘します。 美智留もまたオタク文化とは縁のないキャラクターでした。しかし倫也は彼女のバンド活動への想いを利用して、バンドのマネージャーとなって初ライブを開催させます。 バンド「icy tail(アイシーテイル)」の初ライブは無事に成功を収め、美智留はバンド活動が継続できるだけでなく、「blessing software」での音楽制作に参加していくのでした。

知らぬ間にオタク文化に触れていた美智留

美智留は恵と同様、オタク文化とは縁のない生活を送っていました。 そんな彼女は友人たちとバンドを組んでおり、演奏していた曲はアニソンでした。アニソンと知らずにいい曲と感じて、バンドに加入したメンバーである彼女は、知らぬ間にオタク文化に触れていたのです。 そうして美智留は初ライブの日が来るまで、自分が演奏していた曲をアニソンとは知らずに活動していました。 半ば騙されたような形ではありましたが、演奏の楽しさは紛れもなく本物であることから、引き続きバンド活動に精を出す様子が描かれています。

「冴えカノ」第5巻のあらすじをネタバレ紹介!

サークル活動は順調に進み、詩羽が作ったシナリオが完成することに。しかし2つのシナリオが提出され、それは共存できない内容でした。 倫也に迫る形で提出した彼女は、どちらを採用するのかを彼に委ねます。そしてその最中、伊織のサークル「rouge en rouge(ルーランルージュ)」が同ジャンルのゲームを制作していることを知るのでした。 そのゲームには原画担当に出海が参加しているため、絶対に負けられない戦いであることを自覚します。しかし提出された2つのシナリオから、どちらを採用するのかを悩み続けていました。 恵の提案から、一度2つのシナリオをテストプレイしてみる倫也。すると両方とも致命的な問題点を見つけてしまい、急いで改善案をまとめます。 詩羽もまた問題を認め、2人は連日の徹夜作業でシナリオを修正。倫也が書くシナリオも加えることになり、ついに確定版が完成するのでした。

個人とクリエイターの想いが混在したシナリオ

テストプレイをした結果、提出されたシナリオは理想の展開ではないことに気づきます。彼もまたクリエイターとしての片鱗を見せつつあり、プロデューサー兼ディレクターであるからこそ、絶対に譲れないと引き下がりませんでした。 しかし倫也に想いを寄せる詩羽にとって、シナリオをボツにされることは、「いらない」と言われることと同義なのです。 そこにはクリエイターの詩羽ではなく、1人の男の子に恋をしている詩羽がいました。

「冴えカノ」第6巻のあらすじをネタバレ紹介!

シナリオの完成が遅れてしまったこと、そして倫也が書いたシナリオが追加されたことにより、英梨々の作業にも遅れが出てしまいます。そのため、カンヅメ作業で締切までの完成を目指していくのでした。 連日の作業により、英梨々は倒れてしまいます。しかしクリエイターとしての意地で、なんとか原画を完成させていました。 看病にやってきた倫也は、彼女の回復を優先してマスターアップを遅らせることに。サークルは出展規模を抑えざるをえなくなりましたが、それでもなんとか冬コミにはゲームが完成。 伊織との対決についても触れられており、「blessing software」は高い評価を得て冬コミは幕を閉じます。ところが英梨々への対応に関連して、倫也と恵の関係に亀裂が入ってしまうことにもなってしまうのでした。

サークルへの想いが強くなった恵

ただなんとなくの気持ちでサークルに参加していた恵でしたが、倫也と一緒にゲームを作っていく中、「blessing software」に強い思い入れを持っていました。 それ以前に、一緒にゲームを作る仲間として、彼女もまた何かの役に立ちたいという気持ちがあります。だからこそ、倫也が英梨々の看病をしたところまでは良かったものの、その後の対応の悪さで幻滅してしまうことに。 恵はサークルのメンバーとして見られていなかったことに怒っていました。そのことに気づかされるのは第7巻ですが、この時の倫也は怒っている理由に皆目見当がついていません。 とりあえずは冬コミまでにゲームを完成させ、頒布させることができた倫也。しかし恵との関係が悪化し、英梨々についてもスランプに陥るなど、後味の悪さが残る結果となってしまいます。

「冴えカノ」第7巻のあらすじをネタバレ紹介!

冬コミで頒布した「cherry blessing」は、理想とするゲームからかけ離れているのではないかと、倫也は悩みます。そして英梨々と詩羽の作風に引きづられた作品であること、恵をヒロインにした作品ではないことに気づくのでした。 改めて理想のゲームを作るため、「冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた(仮)」の企画書を制作する倫也。もう一度だけチャンスをもらうため、冬コミから疎遠になっていた恵を呼び、自身の対応について謝罪をして参加をお願いしました。 一方でスランプに陥っていた英梨々は、大手メーカーからのオファーを受けて立ち直ります。話を持ち込んだのは詩羽で、彼女は英梨々とタッグを組んで作品を作りたいという想いを持っていました。 結果、英梨々と詩羽は「blessing software」から離れることに。倫也は彼女たちを応援することを決め、2人がいなくても最高のゲームを作ろうと決意します。

ショックを受ける倫也を励ました恵

仲直りをした倫也と恵は、さっそく新作の企画書をまとめていきます。もちろん、英梨々と詩羽に見せるためでしたが、彼女たちから脱退を告げられてしまい、ショックを受けてしまうのでした。 そんな彼を立ち直らせたのは、関係を修復したばかりの恵です。2人が出会った桜の舞う坂の上で、恵はあの日あの時と同じシチュエーションを再現。ちょうど1年前と同じ光景を見て、倫也は英梨々と詩羽がいなくても新作を作ることを決めます。 恵との仲直りをするシーンにおいて、彼女がどれほど「blessing software」に愛着を持っているのかが分かるでしょう。それまで地味で目立たない彼女でしたが、立派に物語上でヒロインとして振る舞っています。 一方で3年生に進級した倫也は、メガネを新調していました。それは第2巻で恵からプレゼントされたものであり、これが彼女と英梨々の関係を悪化させてしまうきっかけとなります。

「冴えカノ」第8巻のあらすじをネタバレ紹介!

英梨々と詩羽が脱退したことで、「blessing software」は原画担当に出海を迎えて、新作ゲームの制作に取りかかります。プロデューサー兼シナリオ制作は倫也が担当して、冬コミでの出展を目指していくのでした。 恵は彼の負担の大きさを気にかけます。そんな時に倫也は伊織と再会することになり、彼をサークルに勧誘して、自身はシナリオ制作に集中しようと考えていくように。 1度目こそ売れないという理由で断られますが、改善するために倫也は恵とショッピングモールでデートをします。そしてデートから得た体験をもとにプロットを修正すると、伊織から一定の評価を得られたのです。伊織はサークル参加と「icy tail」のプロデュースを了承しました。 新作作りに向けて軌道に乗り始めた「blessing software」。しかし一方で、恵と英梨々の関係がこじれていくようになり、サークル外で問題が発生していきます。

恵に起こった変化

伊織を勧誘するために新作のプロットを修正する倫也は、ヒントを得るために恵をデートに誘いました。それは詩羽のプロットの問題点を見つけた時と同じ光景でもあります。 当時はまだよそよそしさがある2人でしたが、この時のデートから互いに名前で呼び合うように。恵の倫也に対する想いが表面化するだけでなく、彼もまた以前の失敗を繰り返さないように努めています。 一方で恵と英梨々の関係が悪い方向に。冬コミで倫也との関係が悪化した原因は、彼だけでなく英梨々にもありましたから、良く思わないのも当然でしょう。 新しい原画担当が決まらない状況でも、恵は英梨々の名前を出していません。少し距離を置いていることがあからさまで、だからこそ倫也は仲直りをしてほしいことから、2人の間を取り持っていきます。

「冴えカノ」第9巻のあらすじをネタバレ紹介!

新生「blessing software」が始動しますが、さっそく問題が発生。原画担当の出海は、英梨々が最後に書いた絵を見て、圧倒的な力量差を感じてスランプに陥ります。 恵もまた凄みを感じており、さらに英梨々と距離を置こうとしました。 再始動したはいいものの流れが良くなかったため、倫也は詩羽に状況改善の相談することに。すると彼女からは、英梨々という人がどういう人物なのかを伝えるために、彼女の話をシナリオにするようアドバイスを送られます。 さっそく英梨々とチャットで会話をしていき、幼いころの思い出や恵への印象などをまとめ、「冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた(仮)」のサブシナリオを完成させました。

英梨々にとっての恵

最終的に恵は、英梨々と仲直りすることを決めます。その決め手となったのが、詩羽にアドバイスされて作った、英梨々を題材にしたサブシナリオでした。 そこには彼女が抱いていた恵のイメージが綴られていました。学校では気品のある振る舞いを見せている英梨々ですが、恵には初対面から素の自分で接していました。その理由は、彼女に強い印象を持っていたため。 いつもフラットに振る舞い、誰に対しても飾らない態度で接している恵。さらには人への思いやりも持っており、自分には持っていないものを持っている憧れの対象でした。 それがいつしか、劣等感へと変わっていったこともシナリオに書かれています。 恵は同時に、倫也の英梨々に対する想いもくみ取っていました。彼にとって彼女はどういう存在なのかを知ったうえで、恵は倫也を振り向かせようとする素振りを見せていきます。

「冴えカノ」第10巻のあらすじをネタバレ紹介!

ゲーム作りに集中できるようになった「blessing software」は、出海の提案で取材を兼ねた合宿に出かけます。そこにはサークルOGである英梨々と詩羽の姿もありました。 しかし合宿先で、2人を引き抜いた紅坂朱音(こうさかあかね)がやってきます。プロデュースしている新作ゲームのイラストとシナリオについて、彼女は容赦のないダメ出しを突きつけるのでした。 英梨々はキツイ言葉に耐えながら、時には譲れない部分で自身のプライドを貫きます。しかし詩羽の方はシナリオを全面否定され、リテイクのために帰っていくことに。 合宿自体は無事に終わったものの、倫也は詩羽の様子を気にかけていました。恵は彼の想いを見抜いており、背中を押すのです。

目に見えるほどのショックを受ける詩羽

それまでの詩羽は、先輩として気丈に振る舞っていたところもあるでしょう。しかしクリエイターとしては別で、紅坂朱音によってプライドがズタズタにされてしまいます。 打ち合わせの段階こそ耐えていましたが、すでに涙が浮かんでいました。それは詩羽が見せた初めての弱いところで、悔しさのあまり号泣していたほどです。 そんな弱ってしまった彼女を助けたのは倫也の書いたシナリオですが、そうするように仕向けたのは恵でした。自分が英梨々との仲直りをしようと思ったきっかけを作った彼なら、きっと詩羽を立ち直らせられると感じたのでしょう。 結果としては、詩羽は倫也の助けによって立ち直ります。しかし、倫也にとっての詩羽をシナリオとして落とし込んでいるため、彼女の恋は実らないことを悟らされる場面でもあります。

「冴えカノ」第11巻のあらすじをネタバレ紹介!

「冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた(仮)」のサブシナリオは、さらに出海と美智留のものが加わります。そして2人もまたイラストと音楽を仕上げていき、サークルの士気が高まりつつある状況に。 ところが肝心のメインシナリオは筆が進みません。元々は伊織のアドバイスで叶巡璃ルートは後回していましたが、いざ書こうとしても何も手をつけることができずにいました。 そこで相談先として、倫也は紅坂朱音を頼ります。彼女はスランプの原因をズバズバと指摘しますが、最終的には「作品作りを楽しめ」というアドバイスを送るのでした。 次に相談を持ちかけた相手は、メインヒロインのモデルである恵。彼女と出会った時から始まった物語を振り返るようにして話していき、プロットも次々と完成していきます。

高いヒロイン力を備えた恵

第11巻はメインシナリオ作成が中心で、必然的に恵とのやり取りが多くなっています。「冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた(仮)」というゲームが、これまでの「冴えカノ」の物語を踏襲していることが改めて分かるでしょう。 倫也と恵が一緒にメインシナリオを作っていき、そこには2人の意見がしっかりと落とし込まれていきます。 シナリオを作っている体裁ではあるものの、そこには恵の気持ちが随所に表れており、「この主人公、本当は嫌いじゃない」など、かなり積極的にアプローチをしています。 やがてクライマックスに差し掛かる部分になると、起承転結の“転”は要らないと恵は言いました。それもまた、彼女の倫也に対する想いが見えてくるばかり。 しかし恵が必要ないと言った“転”は、思いもかけない形で起こってしまうことに。誕生日の日を2人で過ごしたいと伝えた倫也ではありましたが、それは第12巻で明らかになります。

「冴えカノ」第12巻のあらすじをネタバレ紹介!

メインシナリオ完成の糸口が見えてきたため、倫也はそのお礼も兼ねて、恵の誕生日にデートしようと誘います。もちろん、恵は断るはずもありません。 しかし誕生日当日、倫也は急に行けなくなるのでした。理由は紅坂朱音が病気で倒れてしまったためで、彼女の面倒を見るために病院へ行かなければ状況にあったのです。 また、彼女が倒れてしまったことにより、英梨々と詩羽が携わっている新作ゲームの状況を知ることに。スケジュールがかなり押していて、制作会社サイドはこれ以上待てないところ、締切を伸ばすように交渉していた最中でした。 倫也は恵に反対されつつも、英梨々と詩羽が作るゲームを最高の作品にするため、紅坂朱音に代わって交渉を開始。「blessing software」を離れて、もう一度、倫也は英梨々と詩羽と一緒にゲーム作りを進めていきます。

ついに2人の関係が決着

「blessing software」よりも英梨々と詩羽を優先したことは、恵にとって許せないことでした。過去の教訓から、倫也は彼女に許しを得てから合流しようとしますが、それでも最後まで納得してもらえませんでした。 しかし恵にとっても、英梨々と詩羽は大切な存在。一方で、自分たちのゲーム制作もないがしろにはできないので、大きく葛藤している様子が見られます。 2度目の裏切りの際、「わたしは、どうしたらいいんかなぁ?」と発言する恵からも、相当に悩んでいることが窺えるでしょう。 紅坂朱音の代役を果たした倫也は、急いで恵のところへと戻ります。また、手を繋いで一緒に帰るシーンが描かれていますが、恵が強く手を握っていることに気がつきました。 そして倫也は、ついに恵に想いを伝えることに。初めて出会った時の印象からこの日までを振り返りながら、そして緊張しながら好きだと告白するのでした。

「冴えカノ」第13巻のあらすじをネタバレ紹介!

倫也から告白された恵の答えは、まず英梨々と詩羽のことをどう思っているのかを尋ねます。彼の答えに満足して、恵は自分も好きだと答えました。 そしてメインシナリオも、倫也は告白をした体験を含めて完成することに。メインヒロインのシナリオも完成して、無事に冬コミでの頒布も終えるのでした。 一方で英梨々と詩羽との関係にも区切りがつけられることに。2人とも同じ相手に恋をし、倫也もまた2人に惹かれるだけでなく、恋をしていたことを再確認します。 全てが終わった「blessing software」ですが、次に向けて動き出そうとしていました。しかし、倫也は大学受験に失敗してしまい、当面の進路について悩みます。 慰めを求める彼に対して、恵は渋々メインヒロインになることを了承しました。なぜ彼を選んだのか、どういった想いがあったのかを一言一句伝え、自分は倫也のメインヒロインになれたのかどうかを尋ねます。

最強のメインヒロイン

告白して付き合うだけでは終わらないのが、『冴えない彼女の育てかた』の魅力です。 恵は進路に悩む彼のお願いを聞き入れて、メインヒロインになります。その時に残している言葉は、読者の心に突き刺さるものでしょう。 「安芸倫也くんだけの、メインヒロインに、なれたかな?」というセリフは、これまで「冴えカノ」を追いかけ続けてきた人を悶絶させます。最強のメインヒロインと言わずして、なんと表現すればいいのか分かりません。 第1巻ではモブキャラのように影が薄かった恵でしたが、物語が進むにつれて存在感が増していき、気が付けば誰よりも魅力的なキャラクターに。その集大成が、最終巻である第13巻で垣間見ることができます。

『冴えない彼女の育てかた』のあらすじを紹介しました!

『冴えない彼女の育てかた』のあらすじ・ネタバレをまとめました。 主人公の倫也が理想とするゲームが完成に向かうにつれて、クリエイターや男らしさというものを身につけていく様子が顕著です。恵に関してもだんだんと魅力が増していき、どのヒロインよりもヒロインらしい人物に成長しました。 本編、基本的に倫也視点からの物語が展開されています。しかし短編集『冴えない彼女の育てかた Girls Side』では、各ヒロインたちからの視点が描かれているため、より細かな心理描写を知ることができます。 本編だけでも充分に各ヒロインたちの想いなどが伝わってきますが、原作を補完するという意味でも、ぜひ手にとってチェックしてほしいばかりです。 そして「冴えカノ」の原作を全て押さえた後には、アニメと劇場版の両方を視聴してもらい、視覚的にも「冴えカノ」を楽しんでみてください。