2020年3月30日更新

【刃牙(バキ)】 ジャック・ハンマーは現代版の怪物!狂気のピットファイターを解説

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「刃牙(バキ)」ジャック・ハンマーを解説!野性あふれるピットファイター【ネタバレ注意】

ジャック・ハンマーは、「刃牙(ばき)」シリーズにおける登場人物の1人。カナダ出身の屈強な大男で、体中に無数の傷があります。賞金目当ての喧嘩屋、ピットファイターとして地下闘技場へとやってきました。 格闘スタイルは、特定の武術や流派に属さない、我流の喧嘩殺法(ピットファイティング)。ボクシングや柔道などもかじっていますが、我が強いためにジムでは嫌われたため、正当な技術は修得していません。類いまれな格闘センスと戦闘力だけを頼りに、相手を破壊していきます。およそ人間のものとは思えないパワーとスピード、タフネスの持ち主です。 特に有名なのが、けた外れのあごの筋力を活かした、「バイティング」と呼ばれる噛みつき殺法。ヤシの実をも噛みちぎるその力は、ひとたび食いついたら最後、歯形のみが残ります。彼の野性味あふれる闘いぶりは、「刃牙」の登場人物にふさわしいものです。 ※本記事では「刃牙」シリーズのネタバレ情報を扱っています。読み進める際はご注意下さい。

ジャック・ハンマーの強さへの執着がハンパない!改造の果てに人外へ

ジャックの「強さ」に対する執着はすさまじく、もはや狂気そのもの。強くなるというその一点に、自身の全ての生命維持活動を捧げています。 ジャックはこれまでも強さを追い求めてきましたが、かつてはトレーニングに体が追いつかず、逆にやせ細っていました。そんな中、彼は人体研究を行うジョン博士と出会い、実験台となることに。博士の開発した特殊ステロイド剤の過剰投与によって、驚異的な肉体とパワーを手に入れます。 ジャックは過剰ドーピングを続け、身体の限界状態、「マックシング」に。それでも彼は、「1日30時間」と呼ばれる常軌を逸したトレーニングを続けます。結果、彼はマックシングに打ち勝ち、人外の力を手に入れました。今日強くなれるならば明日はいらないと言い放ったことから、「明日を捨てた男」とも呼ばれます。 その後ジョン博士は、ステロイドを超えた怪物を生み出した恐怖と後悔から、自ら命を絶ちました。

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凶悪な見た目とは裏腹に、意外と気さくな人物!?

命を投げ出し、自らの身体を“改造”してまで強さを求めるジャックは、まさにサイボーグ。加えて、彼は普段から無表情で寡黙(かもく)、感情の起伏は全く読み取れません。凶悪な肉体も相まって、冷徹な人物というイメージを持たれています。 しかしそれは、ジャックがトレーニング漬けのため、単に他人との交わりが少ないため。寡黙ですが、意外と人当たりは良く、誰とでもフランクに接しています。 ジャックの性格は、特にシリーズ第2部「バキ」以降、顕著に変化を見せ始めるように。彼のフランクな一面が見え始めるのもここからです。特に、後述する鎬紅葉(しのぎくれは)とは、食事をしながら談笑する一幕さえありました。 ただし、こうした柔らかい部分は、闘いを抜きにしたところで見られるもの。トレーニングや闘いの最中は、自らの全てを強さに注ぎこんでおり、鬼気迫るものを感じさせます。

ドーピング剤はもはや飲み物?ジャック・ハンマーが試合前に行う儀式とは……

ジャックの掟破りの戦闘力は、言うまでもなくドーピングによって作り上げられたもの。そんな彼は当然、試合の前にも大量の薬物過剰摂取して臨むのが通例です。 ジャックは試合前にトイレで、ビーカーにあふれんばかりのカプセルや錠剤のカクテルを用意。そしてその薬を、薬を飲むとは思えないような形で口の中に流し込んでいきます。また、得体の知れない薬物アンプル数本の首をへし折って、ドバドバと胃の中へ。 さらに、薬物を溶解性のフィルムで包み、細い糸を使ってソーセージのように絞ります。糸は糸切り歯に引っ掛け、ソーセージ状にした薬物を食道のところでぶら下げるように。試合が始まったら糸を切り、薬物がいいタイミングで食道から胃の中へと落ちていきます。こうすることで、最も良いタイミングでステロイドの効果が表れるよう調節しているのです。

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実は地上最強の生物・範馬勇次郎の血を引いていた!?

ジャックはなんと、「地上最強の生物」範馬勇次郎(はんまゆうじろう)の息子です。つまり、刃牙とは腹違いの兄弟(ジャックが兄で刃牙が弟)となります。 彼の母親ジェーン(本名ダイアン・ニール)は、彼を刑務所で獄中出産しています。ベトナム戦争で反米側だった彼女は、傭兵としてアメリカ側にいた勇次郎を捕まえる任務にいました。しかし、勇次郎に襲われてしまい、そのときにできた子供がジャックです。彼女は戦士としての生き方を貫くことができず、失意のままに亡くなってしまいます。 ジャックは、母親の無念を知り、強さを手に入れて勇次郎を超えようとし始めました。彼の強さに対する異常なまでの執着の始まりは、勇次郎の存在がきっかけだったのです。 なお、当の勇次郎は「最大トーナメント」で正体を明かされるまで、彼が自分の息子だと気づいていませんでした。

初登場は最大トーナメント!「JACK範馬」のガウンで登場

ジャックが初めて登場したのは「最大トーナメント編」のとき。当初からその存在感は圧倒的でした。 Cブロックに配置されたジャックの第1回戦の相手は、セルジオ・シルバ。ブラジリアン柔術を使う相手を、たった一撃で戦闘不能にしています。第2回戦は、少林寺拳法の使い手、三崎健吾と闘いました。ここでは「バイティング」を初めて見せた後、アッパー1発で沈めています。 Cブロックの勝者を決める第3回戦では、アマレスのアレクサンダー・ガーレンと交戦。序盤は何度も投げ飛ばされますが、それでも難なく勝利しました。準決勝では、合気の達人、渋川剛気が立ちはだかります。彼の合気でさえも、圧倒的な剛の力でねじ伏せ、決勝戦へと進みました。 そして刃牙との決勝戦、ジャックは、「JACK範馬」と書かれたガウンを着て入場。ここで初めて、自分が勇次郎の息子だということが明かされ、兄弟対決が始まるのです。

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腹違いの弟・刃牙と対戦!オーガの血を引く頂上決戦の勝者は……

思わぬ形で出会った勇次郎の息子たちは、死闘を繰り広げます。しかしジャックは、過剰なドーピングによってマックシング寸前の状態に追い込まれていました。彼は試合中に延々と吐き続け、手に入れた屈強な肉体はみるみるしぼんでいきます。 ですが、そうして残った筋肉は、ハードトレーニングによって手に入れた“本物”。ジャックは、今まで以上のパワーとスピードで猛ラッシュを仕掛け、追い詰めます。ここで、刃牙は背中の“鬼の貌(かお)”を見せて締め上げ、ジャックはついに敗れました。 想像を絶するほどにすさまじい死闘を繰り広げた2人。けれども、ジャックの中に憎悪や殺意といった感情はありませんでした。この戦いを機に、彼には兄弟愛のようなものまで芽生えています。負傷と疲労でチャンピオンベルトを持てない刃牙に手を差し伸べた最後は、作中屈指の名シーンです。

強さへの執着は衰えず、骨延長手術にまで手を出す!怪物化は止まることを知らない

ジャックの強さに対する欲求は、とどまるところを知りません。彼は過剰ドーピングとハードトレーニングに加え、ついに自身の骨を伸ばす手術にまで手を出しています。 ジャックは、格闘家であり外科医でもある鎬紅葉に手術を頼むことに。紅葉は彼に、手足を伸ばせば通常は身体能力が落ちると忠告していますが、これを振り切って決行します。手術の結果、彼は身長を20cm伸ばし、紅葉の忠告をはね返すほどに身体能力を向上。「最凶死刑囚編」では、死刑囚シコルスキーと闘い、人間離れした芸当で彼を圧倒しました。 なお、ジャックはこの後さらにもう1度骨延長手術を施しています。この手術で彼は身長をさらに30cm伸ばすことに成功しました。もともと怪物フランケンシュタインが理想像と語る彼は、“改造”によって人外の肉体を手に入れることで、ますます人間をやめ、怪物化しています。

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古代の王者・ピクルと戦闘!「最古」vs「最新」

ジャックは、現代によみがえった太古の原始人、ピクルと闘った格闘家たちの1人。彼の来日後は他の格闘家と同じく、闘うために居所に“夜ばい”しました。その後、烈海王や愚地克巳(おろちかつみ)に次いで3番目の相手としてピクルと対峙します。 ジャックは、克巳との激闘を終えたばかりのピクルを奇襲。骨延長手術でパワーアップに成功していた彼は、ピクルと噛み合いの勝負に持ち込みますが、鼻から下の顔を噛みちぎられます。彼は逆にピクルの耳を食いちぎって一矢報いましたが、ピクルはこれに激怒。本気を出したピクルは、本来の白亜紀の動きを見せ、またたく間に彼のあごを粉砕。 最後は神に祈りすら捧げ、意識を失う直前、悪あがきとして彼に中指を立てています。ピクルは、彼の指が苦手な蜂を想起させたことから、戦意喪失。こうして、「最古」対「最新」の闘いは、「最古」の勝利に終わりました。

ピクルとのリベンジマッチ!結果は散々なものに……

ピクルにあごを砕かれたジャックは、病院に運ばれ、辛うじて一命をとりとめました。ですが、彼はその後病院を抜け出し、ピクルとの再戦に挑みます。彼の姿を見たピクルは、死んだと思った男が再び現れたことに恐怖するも、再び瞬殺。 1日に2度敗れるという経験をしたジャック。目覚めると、目の前には刃牙がいました。刃牙の話では、彼は闘いの後、高層ビルの屋上に吊り上げられていたとのこと。どうやらピクルは彼を「保存食」として、一時的にぶら下げておいたのです。 かつてない屈辱を受けたジャックは、三度ピクルに挑もうとします。しかし、心を鬼にした刃牙から、「ファイターとしては終わっている」と一言。死に急ぐことを弟にたしなめられた兄は、完全敗北を自覚して泣き叫びました。 なお、ジャックは“範馬の血”を引く者の中で唯一、“鬼の貌”が出ていません。勇次郎はピクルに敗れた彼を、「あれは血が薄い」と吐き捨てています。

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ジャック・ハンマーは意外と健啖家!フードファイターも驚きの早食い

ジャック・ハンマーのイメージといえば、大量の薬をむさぼる姿でしょう。強さを手に入れることだけが全ての彼にとって、それ以外はどうでもいいことです。異常なまでの量の薬物を流し込む姿は、薬とはいえもはや病気に近く、きわめて不健康なイメージを与えています。 従って、食事には一切興味がないと思われがちですが、意外にもジャックは健啖家(けんたんか)。ドーピングばかりでなく、何でもよく食べるのです。 烈海王と出くわした際は、中華料理店で子豚の丸焼きを注文し、1人で一匹丸ごと10秒足らずで完食。紅葉との食事シーンでは、Tボーンステーキの骨をビスケットのようにサクサク食べています。そして、ジャックの食事のエピソードで有名なのは、「ステーキを食べる」シーンでしょう。格闘技作品とは思えないほどリアルに描かれたステーキ肉を食べる姿は、作中屈指の飯テロシーンです。

「刃牙(バキ)」ジャック・ハンマーは明日を捨てた狂気のファイター

「刃牙」に登場する者たちは、強さを極めようと必死です。誰もがみな、たゆまぬ努力を積み重ね、腕を磨いています。 そんな中で、ジャックの見せる強さへの欲求は、もはや狂気のレベル。彼にとっては、強くなることだけが全てであり、アイデンティティーなのです。そのためなら、ドーピングでも手術による肉体改造でも、なんだってやります。命を削ってでも強さを得たいと考えている彼は、明日の命など考えていません。 何もかも投げ出して闘いとトレーニングに明け暮れるジャックですが、それでも上には上がいます。「刃牙」の世界における一つの究極形のように現れた彼ですが、戦績はいうほど圧倒的ではありません。なんとも恐ろしい世界です。 まさにサイボーグのようなジャックですが、彼もまた立派な人間。おいしそうに食事するシーンを見れば、彼もまだ人間なんだなと感じさせてくれます。