2020年8月11日更新

『グレイプニル』の各巻あらすじをネタバレありで徹底解説!【1巻から8巻まで】

このページにはプロモーションが含まれています
グレイプニル
(c)武田すん・講談社/グレイプニル製作委員会

AD

『グレイプニル』1巻から8巻のネタバレ&考察!2020年4月にアニメ化で話題!【ネタバレ注意】

『グレイプニル』は武田すんによる漫画作品、及びこれを原作としたアニメ作品です。2015年より「ヤングマガジンサード」にて連載されています。アニメは2020年4月から6月に放送されました。 本作はSF要素やラブコメ要素ありのバトルアクション作品。異能力を持った少年は少女と出会うことで、周囲の異変に少しずつ気がつき始めます。彼らが“2人で1つ”となって戦いへと身を投じ、真相へと迫る物語です。 本記事ではそんな漫画『グレイプニル』の各巻あらすじを紹介します。彼らの身の回りでは、いったい何が起こっているのでしょうか。そして「エレナ」とは誰なのか、彼女の正体や目的についても考察していきます。なお、本記事はネタバレを含んだ形での紹介となりますので注意してください。

『グレイプニル』のあらすじは?

高校3年生の加賀谷修一には、隠された秘密がありました。彼は何故か犬の着ぐるみのような姿に変身することができるのです。あるとき火事を察知した修一は、現場にいた少女を思わず助けました。しかし翌日、彼は助けた少女・青木紅愛(クレア)に秘密を知られてしまいます。 クレアは修一のような“バケモノ”を前から知っていました。両親を殺した彼女の実の姉・江麗奈(エレナ)もまた“バケモノ”だったのです。そして修一を知った彼女は“バケモノ”の存在を確信し、彼に協力を仰ぎます。こうして2人は、ともに“バケモノ”の真相とエレナの居場所を探ることに。 しかし2人の身の回りには、予想以上の異変が起こっていました。彼らは次第に隠された秘密と謎に迫り、戦いの渦へと巻き込まれています。

AD

アニメ化も!原作との違いはある?【全13話】

『グレイプニル』は、原作漫画の連載が2020年8月現在もなお続いている作品です。そんな中、本作は2020年4月にアニメ化され、全13話で放送されました。 当然ながら原作漫画が連載中である本作は、ストーリーが完結していません。従ってアニメのラストは原作漫画とは異なり、アニメオリジナルのストーリー展開となっています。『グレイプニル』は、2020年8月現在で、原作コミック単行本は計8巻まで刊行済み。そしてアニメは、そのうちの第6巻途中までの内容が描かれています。 なおアニメは最終話で、今後の展開をにおわせながら上手くまとめて終了しました。サスペンス要素も魅力の1つである本作は、続編の制作を求める声も少なくありません。2020年春期アニメの中でも特に人気の高い作品でした。 原作ストックが一定量できれば、アニメ第2期もあるかもしれませんね。

1巻のあらすじネタバレ

加賀谷修一は、犬の着ぐるみに変身できるという能力の持ち主。このことを誰にも言えないでいた彼は、ひっそりと日常を過ごしていました。 しかしあるとき、焼身自殺を図った少女・クレアを助け出します。このことがきっかけで、2人は“バケモノ”と「コイン」をめぐる奇妙な関係に。そんな2人に突然、見知らぬ少女が襲い掛かります。彼女はコインの存在を知っていて、修一同様に変身能力を持っていました。 戦いの最中、クレアは変身後の修一の背中にファスナーがあることに気付きます。開いてみると、中はぬめぬめとした空洞になっていました。その中に入った彼女は、自分の動きが修一の着ぐるみの体と連動していることを実感。そして体を重ねた2人の意識の中には、互いに相手の意識が流れ込んできました。 クレアが修一の体を動かすことで、2人は敵を撃退することに成功。2人は、“2人で1つ”となって戦えることを知ります。

AD

2巻のあらすじネタバレ

クレアが“バケモノ”や「コイン」を知っていたのは、姉エレナの存在があるからです。彼女は姉を探すために修一の嗅覚を利用して、ついに姉を発見します。 エレナは会ったこともない修一に対して突然謝りだしました。彼女は、彼に変身能力を与えたのは自分だと言うのです。それを修一の中で聞いていたクレアは、思わず声をあげてしまいます。 修一の中に女が入っていると知ったエレナは激高。そこは自分の居場所だと言って、怒りに任せて彼の着ぐるみの首を引きちぎってしまいます。しかし中にいたのが妹・クレアだと分かった彼女は、コインを渡して去っていきました。 修一の首を元に戻すため、廃墟のラブホテルへとやって来た2人。そこにいたのは人間を姿をした宇宙人でした。彼はコインと引き換えに修一の首を繋ぎ、自身の目的や能力、コインについて語り出します。彼はコインとなった同胞(どうほう)を集めた者に、変身能力を授けていたのでした。

3巻のあらすじネタバレ

宇宙人が語っていたコインを100枚集めるため、2人は宇宙船が墜落した山へ入ることに。そこで2人を待ち受けていたのは、戦いを求める「収集者」の大学生・三部忠則(さんべただのり)。相手は強敵でしたが、戦いは一体化することで力を増した修一たちの勝利で終わります。 三部を味方につけた2人は、さらに山奥へ。するとそこにはグループでコイン収集を行う者たちがいました。クレアたちは小柳紗耶香(こやなぎさやか)率いるグループに加わりたいと持ち掛けます。 クレアが契約を行っている間、修一はグループの一員である吉岡の財布探しを手伝うことに。しかし2人はエレナのグループに属する少年スバルと運悪く遭遇してしまいます。いきなり襲われた修一は吉岡を体の中にかくまうも、相手との力の差に圧倒。そして彼は吉岡を中に入れたまま、スバルに握りつぶされてしまいました。

AD

4巻のあらすじネタバレ

スバルに握りつぶされてしまった修一と吉岡は瀕死の状態に。するとそのとき、2人は融合するかのように一体化し、互いの意識が流れ込んできました。修一の体は大きく形状を変え、より凶暴で激しい戦闘スタイルに。そして吉岡との一体化はクレアとのそれ以上に一体感が増していました。 修一たちとスバルとの戦いは、エレナが止めに入ることで収束。クレアと小柳との契約も終わり、2人は正式にグループに加入することとなりました。しかしクレアは修一が吉岡と一体化することでパワーアップしたことを知り、嫉妬します。修一は彼女にとって今や不可欠の存在であり、依存対象となっていたのです。 修一たちはその後、さらに暴力的なチームと出くわします。敵の戦力は強く、戦闘要員の少ない修一たちは追い詰められていくのでした。

5巻のあらすじネタバレ

修一たちは円(まどか)率いるアウトロー収集者グループの1人、森田と対峙(たいじ)。ここで今まで黙っていた村上陽太が怒り、隠していた能力で敵のあごを粉砕します。 森田がやられたことを知った円たちは修一たちを襲撃。陽太ですら歯が立たない実力者である円は、彼らに提案を持ちかけます。それは森田をやられた代わりとして1人を差し出せば、残りは殺さないというものでした。提案を断れば、全員の死が確定します。 一行は考える時間を与えられましたが、人柱(ひとばしら)を決めることなどできません。状況を打破するため、クレアはグループの春日勇(いさお)に頼んで、夾竹桃(きょうちくとう)を植えます。そして夾竹桃に火をつけ、猛毒を含んだ煙をまき散らす火事を起こして逃げ延びました。 生き延びるため、汚れ役を引き受けたクレア。しかし修一は彼女の罪を背負いたいと、あくまで“2人で1つ”を強調しました。

AD

6巻のあらすじネタバレ

コイン集めゲームは、宇宙人が始めたゲームではありませんでした。ほのかという少女と、その友人の「山田塾」メンバーがきっかけで始まったのです。「山田塾」メンバーの中には、修一やエレナもいました。 「山田塾」メンバーは愛子とほのかの死をきっかけに食い違いが生じてしまい、海斗は暴走します。全てに絶望した彼は既にコインを100枚集め、規格外の力を得ていたのです。海斗が暴走すれば、何が起こるか分かりません。そのためエレナは自らの能力を使って海斗と修一の記憶を消し去っていました。 記憶を一部思い出してきた修一は、クレアや三部と共に再び山へ。道中、彼らは海斗に頼まれて行く手を阻む2人組の男女と交戦します。三部は格上の相手に心躍らせ、修一は女の方の腕を噛みちぎりました。 そして彼らはさらに奥へと進んでいきます。

7巻のあらすじネタバレ

修一たちは立ちはだかった刺客から、コインを100枚集めた海斗の情報を聞き出します。彼の能力は生命を死から解放するというもので、彼はほのかや転生者を蘇らせていました。しかし蘇ったほのかは生きていた頃とは異なり、けた外れの力を持つバケモノに。彼女は記憶を失い「白い少女」として現れては、自分を知らない者をこの世から抹消していました。 そんな中、海斗のところへ「山田塾」の直人がやってきました。彼は「修一の代わり」として、彼同様の犬の着ぐるみに姿を変えて戦いに挑みます。 修一とクレアもついに海斗と顔を合わせることに。海斗は修一の記憶が失われていることを知り、エレナの力によるものだと察しました。また海斗は修一に謝りたかったと言う一方で、悪魔を見るかのようにクレアを見つめます。そして修一の失われた記憶に、悲劇の真相の全てがあることがほのめかしました。

AD

8巻のあらすじネタバレ

海斗に対抗する方法を見つけられない修一たちですが、修一の記憶がエレナに奪われたことを知り、彼女をおびき出します。2人は記憶を消した理由や隠している秘密を問い詰めますが、彼女は口を割りません。結局、修一とクレアはエレナと戦うことになります。 2人は小柳や陽太の力を借りながら、エレナを抑え込みました。嘘が言えなくなった彼女は、ほのかについて語ります。エレナは、今のほのかは彼女ではなく、彼女が消えてできた“穴”と表現。また彼女はここまできてなお、修一とクレアを事件から遠ざけようと考えていました。 後半、例の山へと戻ってきた修一とクレアは、やけどを負った円と遭遇。彼は持っていたコインを小柳グループの一員だった池内に渡していました。奇跡的に生きていた池内は、大きな力を手に入れた様子でした。

【考察】エレナの目的は?

化け物になった背景とは?「山田塾」メンバーが関係している?

エレナがバケモノとなる能力を手に入れた背景は2020年8月現在、既刊されている8巻まででは明らかになっていません。しかし「山田塾」のメンバーの一件が端緒(たんしょ)であることは間違いないでしょう。 悲劇は海斗が愛子に成り代わったほのかを、自らの手で殺めたところから始まりました。そして暴走した彼は宇宙人に願いを伝え、能力を得て今に至ります。 エレナが力を得る必要があったとするならば、海斗やほのかに対してのものでしょう。しかしどんな願いを望み、その力でどう対処しようとしているのかは分かっていません。彼女たちのグループが、海斗にどのような手を打つ予定なのかは、今後分かるでしょう。 あるいは修一を守るための能力という線もあります。エレナと修一のこれまでの関係を見る限りでは、この可能性も高いですね。

AD

エレナは両親を殺したの?その理由は?

エレナは化け物となって両親を殺しています。修一の嗅覚や彼女から感じた恐ろしさから、それは間違いありません。彼女はこれまで何人もの人間を消してきた異常者でもあります。親を手に掛けるだけの“資質”を持った人間であることは疑いようもありません。 ではなぜエレナは両親を殺す必要があったのでしょうか。クレアはこの点を聞き出すために彼女を追いかけていますが、こちらも8巻まででは明言されていません。議員の父親は汚職を、母親は不倫をしていたからと語っていたことも。ただ彼女がバケモノの能力を得た背景を考慮すれば、この動機は考えにくいです。 エレナが両親を殺したのには、クレアが大きく関わっていることも考えられます。クレアも記憶を消されていることから、姉妹の間に何かあったのかもしれません。

加賀谷修一とエレナの関係は?記憶を消してまでも守りたい理由は?

エレナはとにかく、修一のことを特別視しています。彼の記憶の断片からも見えた通り、2人は友達以上の深い関係だったのでしょう。そして彼が記憶を失っていたのは、エレナによるもの。彼女は彼を何かから守るために、自分達から遠ざけようとしていたのです。 本作の序盤でエレナは修一に、あなたをバケモノに変えたのは自分だと言っていました。これもまた、エレナが修一を守るために言ったセリフなのでしょうか。宇宙人は化け物となる能力は、その人自身の願望の表れだとも言っていました。つまり着ぐるみの姿はエレナの願望ではなく、修一自身の願望だったといえます。 修一は海斗の件で自ら能力を欲したのではないでしょうか。それから不都合な何かを隠すように、エレナは記憶を奪ったと考えるのが自然でしょう。ただ1つ分かるのは、エレナにとって修一は、そうまでして守りたい大切な存在なのです。

AD

エレナの目的は?どこにいるの?

エレナは幼馴染の直人や他のメンバーとグループを組み、山奥に構えています。彼ら(主にエレナと直人)の目的は、暴走する前に海斗を止めること。そして彼女は、この件に関して徹底的に修一とクレアを遠ざけます。その慎重さは、海斗を刺激しないために2人の一部記憶を消し去ってしまうほどです。 2人が失っている記憶の部分は、いまだはっきりと明かされていません(2020年8月現在)。おそらく失われた記憶の中に、今回の一件の核心が存在しているのだと考えられます。修一やクレア、そしてエレナは密接に関係しているのでしょう。 エレナがバケモノとして参戦する理由は、海斗を止め修一を守ること。たとえ修一たちとの間に無理が生じても、彼女の意思は誰にも打ち破れません。

『グレイプニル』の続きが気になる!エレナの真の目的に期待

『グレイプニル』は、アクションからお色気、サスペンスと盛りだくさんの作品です。各話丁寧にストーリーの伏線が張られていて、続きが気になる展開満載!アニメは最終話こそオリジナルストーリーですが、きれいにまとめられていて、第2期を望む声も多いです。 修一とクレアは、巻き込まれた一方的な被害者だと思われていました。しかしどうやら、彼らはむしろ当事者の側で、2人は意図的に離されていたのです。彼らは何を知り、エレナは何を隠しているのでしょうか。いよいよ真相へと迫る本作の今後に期待しましょう!