カポーティが養女にしたのは、恋人の娘だった!『ティファニーで朝食を』の原作者トルーマン・カポーティの素顔とは?
【ciatr独占】『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』で養女が語った天才作家の素顔とは
オードリー・ヘプバーン主演の映画『ティファニーで朝食を』の原作や、実在の殺人犯への入念な取材をもとにした小説『冷血』など数多くの名著で知られ、20世紀のアメリカを代表する文豪トルーマン・カポーティ。 若くして名声を手にした彼は、派手な社交界を好みました。しかしニューヨーク上流階級のたい廃を描いた長編『叶えられた祈り』の一部が雑誌に掲載されると、そのスキャンダラスな内容から、社交界を追放されてしまいます。 晩年はアルコールや薬物中毒に苦しみ、60歳を目前にこの世を去りました。 映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』は、ジャーナリストのジョージ・プリンプトンが、評伝『トルーマン・カポーティ』(新潮社)執筆にあたって取材を行った、作家ノーマン・メイラーや女優のローレン・バコールらの貴重な取材テープをもとに制作されました。 カポーティの「未完の絶筆」とされている問題作『叶えられた祈り』執筆の裏側に迫る珠玉の文芸ドキュメンタリーとなっています。
栄光から転落を見つめ続けた養女 ケイト・ハリントンの特別インタビュー
カポーティの知られざる姿に迫ったドキュメンタリー『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』。なかでも特に重要な証言者として登場するのが、カポーティの養女ケイト・ハリントンです。 現在はカポーティの故郷であったニューオーリンズに暮らす彼女が、このたび日本のために特別に応えた貴重なインタビューをciatrが独占入手しました。
カポーティとの衝撃的な出会い
「トルーマンと出会ったのは、わたしが12歳のとき。何かのきっかけでわたしの父とトルーマンは恋人同士になったようだったけれど、わたしたちにはまったく知らされていなかった。聞かされたのは、父が家族を前にして“トルーマン・カポーティのマネージャーになった”と話したくらい」と語るハリントン。 たびたび家を訪れていたカポーティは彼女を特に懇意にし、徐々に親交を深めていったのだとか。
“あしながおじさん”トルーマン・カポーティ
14歳のときに両親が離婚し、経済的に困窮したハリントンが「わたしたち家族を助けてほしい」と連絡すると、カポーティは彼女をニューヨークへ呼び寄せます。 「直接会ったら、“モデルをやったらどうか?”と言われたのにびっくりしたのを覚えている」と語る彼女。その後カポーティによって写真界の巨匠リチャード・アヴェドンに引き合わされたことで彼女の人生は大きく変わり始めました。 なんと、現在のケイト・ハリントンという名前も、カポーティによって与えられたものだそうです。当時まだ幼かった彼女の頼みを無碍にせず、上流階級を生きるのにふさわしい名前を与え、自ら生活の糧を得られるようにサポートしたという事実は、カポーティの「ゲスな男」「掛け値なしの奇人」といったイメージとはまったく違っています。
「トルーマンのことを否定的な見方で取り扱うものにはかかわりたくなかった」
ハリントンは、「離婚の影響で母が精神的なショックに陥り体調を崩すと、“君の年頃はあらゆるものが変わっていく。だから、日々のでき事の記録するためのノートにつけるように”とトルーマンから了解を得て、彼の元で生活するようになった。母もトルーマンが心の優しい、信頼のおける人だと思っていたので、彼の家での生活を承諾してくれた」とも明かしました。 複雑な家庭に生まれ育ったカポーティは、かつての恋人の娘であり、自身と同じような境遇の彼女をまるであしながおじさんのように大切に育て上げたのです。 彼の愛情深い一面を知るハリントンは、「まずは制作側の意図を確認する必要があった。トルーマンのことを否定的な見方で取り扱うものにはかかわりたくないのが理由だった。」と、本作の出演依頼を受けた当初の心境を語っています。 アルコールや薬物にまみれた晩年の姿が注目されがちなカポーティですが、イーブス・バーノー監督が彼の破天荒な部分だけではなく、生い立ちを含めた複雑な人物像に真摯に向き合おうとしていることを知り、ハリントンは出演を決めたそうです。
『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』は2020年11月6日から絶賛上映中!
破天荒な人生を送ったとされるトルーマン・カポーティ。しかし養女であるケイトによれば、彼には別の一面もあったようです。 そんな天才作家の素顔が明かされるドキュメンタリー『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』は、2020年11月6日からBunkamura ル・シネマほかで大ヒット上映中!ぜひご鑑賞ください。