アメリカ今年最大の問題作!映画『ザ・ハント』クレイグ・ゾベル監督が目指したのは“観客が笑顔になる作品”!?
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全米が封印した今年最大の問題作、映画『ザ・ハント』が日本公開!
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『パラノーマル・アクティビティ』(2010年)や「パージ」シリーズ、『ゲット・アウト』(2017年)など、いまやアメリカのホラー映画を牽引する存在となったブラムハウス・プロダクション。その最新作『ザ・ハント』が2020年10月30日、ついに日本公開されます! 現代アメリカの分断をモチーフに、サバイバルアクションとして制作された本作。さらに昨今、日本でも問題となっているSNS上でのヘイト発言などを「人間狩り」に置き換えて過激に風刺。 トランプ大統領が作品名こそ挙げなかったもののツイッター上で批判するなど物議を醸し、ユニバーサル・ピクチャーズは一旦公開を白紙にした経緯があります。その結果、日本でも2020年2月26日に予定されていた公開が一時中止となりました。 しかしこのたび、2020年10月30日の公開が決定!いよいよ今年最大の問題作が白日のもとに晒されます。
『ザ・ハント』は「人間狩り」で現代のアメリカを風刺
気になるあらすじは?
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広大な森で目を覚ました12人の男女。ここがどこなのか、どうやって連れてこられたのかもわからない彼らは、巨大な木箱を発見します。その中に収められていたのは、1匹のブタと大量の武器でした。すると突然、彼らを狙って銃声が鳴り響きます。 武器を取り、逃げ惑いながら、彼らはここがネット上で噂される「マナーゲート」であることに気づきました。「マナーゲート」とは、セレブが娯楽目的で一般市民を狩る「人間狩り計画」。 “獲物”として集められた12人でしたが、そのなかのひとり、クリスタルが予想外の反撃に出たことで計画が狂いはじめるのでした――。
アメリカの分断を「マナーゲート」が象徴?
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「リベラルの富裕層が保守派の一般市民をスポーツとして“狩る”」という衝撃的な内容の本作。これは現代のアメリカを二極化する“上流階級VS庶民階級”や、インターネット上にはびこる陰謀論に着想を得ています。 本作で“獲物”に選ばれた主人公たちは、全員南部の州出身の白人という設定。これはトランプ支持者の多いアメリカの保守層と重なる人物像なのです。 リベラルと保守派の分断を、殺し合いにまで発展させて強烈に風刺しています。
クレイグ・ゾベル監督が目指したのは“観客が笑顔になる作品”?
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過激な暴力描写が目立つ本作ですが、監督のクレイグ・ゾベルが目指したのは「観客が笑顔になる作品」なのだとか。彼は本作の脚本を読み「現在のアメリカで起きている“二極化”をこの作品で取り上げるのであれば、遊び心のあるトーンで描くべきだと感じた」そうです。 また彼は「観客が笑顔になる作品にすべきで、集団で真剣に受け止めてしまうような内容にするのは避けるべきだと思った」と語り、「ストレートなホラー映画や政治スリラーにしてしまうのは、本作にとってベストとは言えない。風刺的なユーモアを表現することが非常に重要だった」と明確なビジョンを持って臨んだことを明かしました。 恐怖とバイオレンスが注目されがちな本作ですが、実は観客の笑いを誘うシーンも満載。また、その多くは現場で思いついたものなのだそうです。ゾベルは「現場でドリー(カメラを載せた台車)を押しているスタッフが思わず笑いそうになっていたし、皆が楽しんでいたから、そういった雰囲気が本作にも反映されているはずだ」と自信を覗かせています。
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物議を醸したことによる公開延期やR15指定が物語るように、残酷な「人間狩り」の恐怖と激しいバイオレンスアクションがくり広げられる本作。しかし製作陣の思いのままに大いに“笑顔になれる”この快作を、ぜひ劇場で目撃してください! 『ザ・ハント』は2020年10月30日より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショーです。