2021年1月20日更新

映画「シン・エヴァンゲリオン」公開再延期までの紆余曲折を振り返る【公開延期はもうイヤだ】

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新劇場版がスタートして14年、シリーズ完結編となる『シン・エヴァンゲリオン劇場版』がまたもや公開延期に!「シン・エヴァ」が公開再延期までに辿った紆余曲折を振り返っていきます。

目次

またもや公開延期!新劇場版の完結編『シン・エヴァンゲリオン劇場版』14年間の紆余曲折とは

2021年1月23日、この日は本当ならエヴァファン待望の日となるはずでした。しかし年末年始からの新型コロナウイルス感染症の感染者増加により、「エヴァンゲリオン」新劇場版の完結編『シン・エヴァンゲリオン』はその1週間前に公開再延期が決定。 コロナ禍による延期はこれで2度目ですが、新劇場版がスタートした2006年から実に14年が経っており、「シン・エヴァ」の公開が決定するまでには様々な紆余曲折がありました。ここで、その経緯を振り返ってみましょう。

2012年、「エヴァQ」公開のあと“壊れた”庵野秀明

「エヴァンゲリオン」記事画像(セピア)

2015年4月1日、庵野秀明監督は「エヴァンゲリオン」公式サイトである想いを吐露しました。 それは2012年12月、「エヴァQ」の公開後に自身が“壊れ”、いわゆるうつ状態になったということ。「6年間、自分の魂を削って再びエヴァを作っていた事への、当然の報いでした」と語っています。 2013年には代表を務める「スタジオカラー」にすら、1度も近づくことができなかったとか。その間、宮崎駿監督の『風立ちぬ』に声優として参加。スタジオのスタッフのために短編集企画「日本アニメ(ーター)見本市」を立て、アニメーションの世界に踏み留まっていたことを明かしました。 スタジオに戻ることができたのは、2014年の初頭。そこから1年以上も心のリハビリに尽くし、2015年にようやく「シン・エヴァ」完成への実現に向けた作業に取り組み始めたといいます。

2016年『シン・ゴジラ』の成功で、ついに完結編が動き出す!

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庵野秀明監督がそんな状態にあった2013年、『シン・ゴジラ』の監督オファーが舞い込みます。初めは固辞していましたが、東宝の誠意と盟友である樋口真嗣監督の熱意に心が動かされたそう。そこには空想科学映像と特撮映画に対する並々ならぬ想いがあったようです。 「今しか出来ない、今だから出来る、新たな、一度きりの挑戦」として引き受けたとのこと。長年エヴァと真剣に向き合い、そのために疲弊した心を、新たな作品を取り入れることによって先に続けていく決意表明でもあったのでしょう。 庵野秀明が総監督・脚本、樋口真嗣が監督・特技監督を務めた『シン・ゴジラ』は、2016年7月29日に公開。最終興行収入82.5億円という大ヒットを記録しました。レビューでも高評価を得て、国内映画賞でも多くの賞を受賞しています。 ここから、庵野秀明監督のやる気スイッチが入ったのか、「シン・エヴァ」製作現場の様子がツイートされるなど、徐々に情報が世に出始めました。

完結編製作の遅れには、実はガイナックスとの訴訟問題が関係していた?

庵野秀明が“壊れて”いた頃、彼の古巣であるアニメ制作会社「ガイナックス」との間で、「エヴァ」ロイヤルティー契約の不履行による軋轢が生じていました。ガイナックスはテレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』を制作し、その版権と商品化窓口を持っていた会社です。 しかしエヴァ原作者は庵野秀明であり、ガイナックスから独立してスタジオカラーで新劇場版シリーズ製作を始めた経緯も、ガイナックスの経営状態の悪化が1つの要因だったよう。度々の契約不履行と誠意のない対応にますます関係はこじれ、2016年には訴訟にも発展し、翌年カラーの勝訴で決着しています。 さらには、2019年に当時のガイナックス社長が不祥事によって逮捕される事件が起きます。版権もカラーに移管され、すでに「エヴァ」とは関係のないガイナックスが「エヴァ」と結び付けられて報道されたことに憤慨した庵野秀明は、公式に抗議する姿勢を見せました。 庵野秀明がようやく現場に戻り、『シン・ゴジラ』の成功によって「シン・エヴァ」に本腰を入れようという頃に、こんな問題が起きていたとは!

2016年には偽予告が公開される騒動も

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ガイナックスと訴訟問題が起きていた頃、カラーにはもう1つの災難が降りかかっています。それは、「シン・エヴァ」偽予告騒動。YouTubeで「株式会社カラー」を騙って、「シン・エヴァ」が「2016年8月31日に公開決定」といった偽の予告動画が流された件です。 とはいえ、熟練のエヴァファンたちの検証で偽物だと見破られた上、カラー公式Twitterアカウントから、これが偽の違法予告動画である旨が発表されて一件落着。 ファンが待ちきれずに偽予告を流したのか、単なるいたずらか、いずれにしても相変わらず注目度の高い作品であることを再認識させてくれた一件でした。

2017年、完結編がちゃんと製作されていることが明らかに

2017年4月5日には、カラー公式Twitterに「『シン・エヴァ』の打ち合わせ。鋭意制作中です!」とのツイートが。完結編を待ち望むファンのたくさんの返信があふれる中、「生きているうちに見ることが出来れば大丈夫」や「いくらでも私は待ちます!」といった前向きなツイートが目立ちました。 この頃の庵野秀明監督は、前年に『シン・ゴジラ』を完成させて大ヒットに導き、ひと段落ついて「シン・エヴァ」に本格的に取り組んでいたはず。前年の偽予告事件もあり、待っているファンに少しでも安心してもらおうという気持ちもあったのかもしれません。

2019年、待ちに待った公開日が明らかに!

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2018年7月20日に公開された細田守監督のアニメ映画『未来のミライ』の上映前に、サプライズで「シン・エヴァ」の特報が解禁。東宝・東映・カラーの3社共同配給によって、2020年公開であることが発表されました。 翌2019年3月20日には、エヴァンゲリオン公式Twitterで、アフレコが開始したことが、庵野秀明監督の台本とともにアップされ大きな話題に。同7月6日「0706作戦」によって「シン・エヴァ」冒頭10分40秒が世界同時上映されて、大いに盛り上がりました。 7月19日には新海誠監督のアニメ映画『天気の子』の上映前に「特報2」が、これまたサプライズで解禁され、2020年6月公開と発表。立て続けに「特報2.5」も公開され、翌2020年2月25日には、碇シンジ役の緒方恵美が自身の公式Twitterでアフレコのオールアップを報告し、いよいよ期待マックスに!

2020年、コロナの影響でまさかの公開延期

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そんな期待マックスを裏切ったのが、新型コロナウイルス感染症のパンデミック。2020年4月17日、コロナ禍のもと1回目の公開延期が発表されました。 そんな中、10月16日に公開されたアニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の上映前に、3度目のサプライズ予告「特報3」が解禁!ここで新たな公開日が、2021年1月23日であると判明します。 2020年12月17日には、スタジオ内でのすべての撮影と編集作業が終了。これまで新劇場版3作で主題歌を担当してきた宇多田ヒカルが「シン・エヴァ」に提供した新曲「One Last Kiss」が、本予告で解禁されました。

2021年、コロナの影響でまさかの公開再延期

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明けて2021年、まさかコロナ禍の影響で2回目の公開延期という苦渋をなめることになろうとは!1月14日、政府の緊急事態宣言を受け、再延期が決定されました。 この判断については「残念」という声が多いのは当然のこと。しかしそんな中でも、これは「懸命な判断」、「9年待ってるから大したことない」といったファンの声があるのも確かです。14年という年月から、もはや「エヴァの呪縛」かもしれないという諦観もあるかも。 その翌日には「金曜ロードSHOW!」で新劇場版「序 TV版」が、翌週22日に「破 TV版」、29日に「Q TV版」が放映予定で、結果的には「シン・エヴァ」公開前に前3作を完璧に予習できるという事態に。 公開済みだった本予告は「本予告・改」として流され、最後には「公開日検討中 共に乗り越えましょう」という言葉が付け加えられています。

紆余曲折を経た14年間!これまでも乗り越えてきたから、絶対に待つ!

改めて「シン・エヴァ」公開までの経緯を振り返ってみると、なんと波瀾万丈な14年間だったことか!しかもいまだ現在進行形。しかしこれまで待たされた分、長年のエヴァファンはちょっとやそっとじゃ凹みません。 「共に乗り越えましょう」という言葉を胸に、公開日を良き日に検討してくれていることを祈りつつ、今度こそ「シン・エヴァ」が公開される日を待ちましょう。